レビュー (Autozam Revue)は、マツダが製造・販売していた小型乗用車である。
マツダ・オートザムレビュー DB型 | |
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フロント | |
リア | |
マツダブランドとなった時期のモデル | |
概要 | |
販売期間 | 1990年9月–1998年12月[1] |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 4ドアショートノッチバックセダン |
駆動方式 | FF |
(パワートレイン) | |
エンジン | B5-MI型 直4 1.5L 88PS B3-MI型 直4 1.3L 76PS |
変速機 | 4速AT/5速MT |
サスペンション | |
(前)マクファーソンストラット式独立懸架 (後)トーションビーム式 | |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,390 mm (94.1 in) |
全長 | 3,800 mm (149.6 in) |
全幅 | 1,655 mm (65.2 in) |
全高 | 1,495 mm (58.9 in) (キャンバストップでない場合は1,470mm) |
車両重量 | 860 kg (1,896.0 lb) |
系譜 | |
後継 | DW系デミオに統合 |
概要
1990年(平成2年)9月、マツダ5チャンネル化によって誕生したオートザム店に登場した待望の小型車である[注釈 1]。デビュー当初はオートザムチャンネルでの販売であったためオートザム・レビューを名乗ったが、モデル末期にはマツダ・レビューへと改称した。
プラットフォームは(マツダ・DBプラットフォーム)で、同じくマツダ製のフォード・フェスティバ用(DA)の後継にあたる。後にこのフロアパンを元にマツダ・デミオが設計・生産されている。なお、当初はデミオが2代目レビューとして開発されていたが、オートザム店がマツダ店に合併されることになったため、別車種として発売されることになった。
エンジンは1気筒当たり4バルブ化された直列4気筒SOHC、インジェクション仕様のB型1.3 L・76馬力と1.5 L・88馬力の2種類のガソリンエンジンのみで、生産終了まで車体色以外の変更や改良は無かった。
駆動方式は横置きエンジンの前輪駆動で、トランスミッションは5速MTと、1.3 L に電子制御4速AT、1.5 L に電子制御4速ATに加えオートパワー機構(いわゆるキックダウン)が設定されていた。
ボディ形状は4ドアセダンのみで、同じオートザムの人気車種マツダ・キャロル(2代目)のイメージを踏襲した丸みを帯びた外観が特徴である。極端に短いトランクを持つスタイルから「2.5ボックス(ショートノッチバック)セダン」とも呼ばれていた。また、フォード・フェスティバで人気を博したキャンバストップが設定された。レビューでは「3Way電動キャンバストップ」と名付けられ、前から後ろへ開くのはもちろん、後ろから前へ、さらには前後から開いて真ん中に寄せることもできた。また後席からも開閉操作が可能なのも大きな特徴であった。
1991年(平成3年)の東京モーターショーには、M2がレビューをベースとしたフルゴネットスタイルのコンセプトカー、「M2 1004」を出品している[2]が、商品化はされていない。
日本国内では丸く可愛らしいスタイリングと宣伝方針により女性ユーザーを狙いすぎたためか大きな人気を得られなかったが、短い全長の中に大人4人がゆったりと乗れる居住空間と、スーツケース2個が収まるトランクルームを持つ真面目なセダンであり、その合理的な設計は一部から高い評価を与えられている。後述のとおり日本国外では人気があった。
アウタードアハンドルは黒地の無塗装、パワーウインドウは後部座席窓に設定が無く、運転席窓のスイッチは運転席ドアに1つのみで助手席窓のスイッチはドアには無くセンターコンソールに1つのみなど、当時のマツダにしては大胆なコストカットが国内外問わず見られるのもこの車の特徴であり、これらは生産終了まで続いた。
デミオ登場後はオートザム店の合併によりマツダ・レビューに名称変更されて併売されたものの、日本ではファミリアとの兼ね合いもあり、1997年12月[3]に生産終了後、1998年(平成10年)12月に販売終了。一代限りのモデルであった。
生産台数:5万7723台
1.3L車エンジンルーム
マツダ・121(第三世代)
海外へは主にヨーロッパとオセアニア地域向けに、フォード・フェスティバをマツダブランドに焼き直し好評を博したマツダ・121(第二世代) の後継モデルとして輸出された(第一世代は「(マツダ・コスモ(2代目)))。
そのスタイルや室内とトランクの広さから人気となり、特にドイツではシトロエン・2CVの再来といわれ、バックオーダーを抱える状態が続いた。121が欧州で品薄となった裏には、価格の高いクセドスブランドやマツダの上級車が輸出の中心であり、輸送費に対する利幅の少ない本モデルの出荷台数を抑えていたことがある。
オーストラリアでも人気を得ており、どちらの市場でも2020年代に入っても中古車市場に数十台が流通している。
1996年、オセアニアではデミオ(DW系)が、ヨーロッパではフォード・フィエスタ(Mark IV)のOEM車が「マツダ・121」の名称を引き継ぐ形でフルモデルチェンジされた。