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オーストラリア・ドル

オーストラリア・ドル英語: Australian Dollar)は、オーストラリア連邦で用いられる通貨の名称である。通貨コードはAUDであり、A$豪ドルなどと称する。なお、オーストラリア領土以外では、ポリネシアナウルツバルキリバスでも用いられている。

オーストラリア・ドル
Australian Dollar(英語)
ISO 4217
コード
AUD
中央銀行オーストラリア準備銀行
 ウェブサイトwww.rba.gov.au
使用
国・地域
オーストラリア
インフレ率1.8%(オーストラリアのみ)
 情報源オーストラリア準備銀行、2019年12月
ペッグしている
通貨
ツバル・ドルキリバス・ドルの額面
補助単位
 1/100セント
通貨記号豪ドル、A$、AUD
セントc
硬貨5c10c20c50c$1$2
紙幣$5$10$20$50$100
紙幣製造(オーストラリア紙幣印刷社)
 ウェブサイトwww.noteprinting.com
硬貨鋳造王立オーストラリア造幣局
 ウェブサイトwww.ramint.gov.au

概要

紙幣には 5, 10, 20, 50, 100ドル硬貨には 5, 10, 20, 50セント及び1, 2ドルの単位のものが流通している。過去には1ドル、2ドルの紙幣が流通していたが現在では硬貨に変わっている。

また、1セントおよびエリマキトカゲで有名になった2セントの硬貨も流通していたが、1992年に廃止され、一律に切り上げもしくは切り下げで扱われる。この国の硬貨には、特産の動物が描かれている。また、収集型金貨として、「ナゲット金貨」「(コアラ金貨)」、また地金型銀貨として「(カワセミ銀貨)」「カンガルー銀貨」などが発行されている。

近年、高い公定歩合を好んで、日本をはじめとする海外からの多大な資本流入がみられる。

現在のオーストラリア・ドルの銀行券(オーストラリア準備銀行(RBA)が発行する)は植物性繊維でなく薄いプラスチック(ポリマー)シートに印刷されたポリマー紙幣であり、日本銀行券でいう透かしに相当する部分には透明のフィルムが使われている。

水に浸かって破れたり、手で破る事はできない丈夫なもので、製造コストはかかるが、耐用年数は植物性繊維紙の3~5倍といわれている。RBAとオーストラリア連邦科学産業研究機構(:en:CSIRO)の技術による非繊維・無孔の二軸配列ポリプロピレン・ポリマー銀行券は、各国に広がっているがオーストラリアへの委託生産または技術供与によるものとなっている(他の技術にはデュポンポリエチレンポリマー繊維紙幣があり、コスタリカおよびハイチで採用されている)。

歴史

1966年にそれまでのオーストラリア・ポンドからオーストラリア・ドルに置き換えられるまでは、オーストラリアの貨幣は英国通貨を中心としたポンド通貨圏に属しレートも基本的に英国に連動していた。

ロイヤル

それに先立つ1965年、当時の首相ロバート・メンジーズは、通貨の名称(通貨単位)を「The Royal (ロイヤル)」にしたいと望んでいた。この他、様々な名称案が上がっていたが、ロバート・メンジーズの影響によりThe Royalに落ち着き、オーストラリア準備銀行の下で印刷される準備に入った。しかしこの名称は不評を買い、後にドルと名付けられることとなった。

ドル

1966年2月14日、それまでの1ポンドにつき2ドルのレートで、オーストラリア・ドルが世間へと紹介された。10シリングは、1ドル相当とされた。しかし実際には、導入当初のレートは英国通貨に連動し、8シリング=1ドルに固定されていた。1967年に英国がアメリカ・ドルに対して英国ポンドの切り下げを行った際、オーストラリアはオーストラリア・ドルを英国ポンドに連動させる政策をとらず、ポンド通貨圏から離脱することとなった。

流通硬貨と紙幣

硬貨

すべての硬貨の表にエリザベス2世の肖像がある。5セント~50セント硬貨は75%にニッケル25%、1ドル硬貨と2ドル硬貨は銅92%にアルミニウム6%とニッケル2%の割合で製造するが、それ以外のバリエーションの硬貨も発行されているので一概には言えない。2022年現在、硬貨の入れ替えが検討されている[1]

廃止硬貨

1セント2セント硬貨が存在し流通していたが、貨幣価値が低いため、1セント、2セント硬貨は1992年に廃止された。

紙幣

前述のとおり、すべてポリマー紙幣である。

  • 5ドル:紫色。表はエリザベス2世、裏はキャンベラの豪州国会議事堂。1995年発行。
    • 2022年にエリザベス2世が崩御しチャールズ3世が国王に即位したが、本紙幣の肖像の後継は今後の検討課題であり、自動的にチャールズ3世になるわけではないと言明されている[1]
  • 5ドル:紫色。表は(ヘンリー・パークス)、裏はキャサリン・ヘレン・スペンス。2001年発行。
  • 10ドル:青色。表はバンジョー・パターソン、裏はダム・マリー・ギルモア。1993年発行。
  • 20ドル:赤色。表は(マリー・ライビー)、裏はジョン・フリン。1994年発行。
  • 50ドル:黄色。表は(デイビッド・ユナイポン)、裏はエディス・カーワン。1995年発行。なお、responsibilityがresponsibiltyになったスペルミスの紙幣がある[2]
  • 100ドル:緑色。表はネリー・メルバ、裏はジョン・モナシュ。1996年発行。
廃止紙幣

1ドル2ドル紙幣が存在し流通していたが、貨幣価値が低いため、1ドル紙幣は1984年に、2ドル紙幣は1988年に廃止された。

為替レート

   
対ドル
対円

ニューヨーク連邦準備銀行のForeign Exchange Rates Historical Searchを元にしている。

現在のAUDの為替レート
Google Finance: CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY (/円) USD CNY
Yahoo! Finance: CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY (/円) USD CNY
Yahoo! ファイナンス: CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY (/円) USD CNY
XE: CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY (/円) USD CNY
OANDA: CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY (/円) USD CNY

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b “豪、紙幣に新英国王を「自動的」には採用せず 地元著名人も検討”. ロイター. (2022年9月13日). https://jp.reuters.com/article/britain-royals-australia-royalmint-idJPKBN2QE0HN 2022年9月13日閲覧。 
  2. ^ “Australia's A$50 note misspells responsibility” (英語). BBC News. (2019年5月9日). https://www.bbc.com/news/world-australia-48210733 2021年1月30日閲覧。 

関連項目

外部リンク

  • Banknotes • Australia • Heiko Otto オーストラリアの紙幣(英語) (ドイツ語) (フランス語)
先代
オーストラリア・ポンド
理由:十進法化
比率:2ドル = 1ポンド
オーストラリア, クリスマス島, ココス諸島, ノーフォーク島, ナウル, キリバス, ツバルの通貨
1966 –
次代
現在
先代
(ニューギニア・ポンド)
理由:十進法化
比率:2ドル = 1ポンド
パプアニューギニアの通貨
1966 – 1975
共用:パプアニューギニア・キナと1976年1月1日まで
次代
パプアニューギニア・キナ
先代
オーストラリア・ポンド
理由:十進法化
比率:2ドル = 1ポンド
ソロモン諸島の通貨
1966 – 1977
次代
ソロモン諸島・ドル
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