オランダ語連合(オランダごれんごう、蘭: Nederlandse Taalunie、NTU)は、オランダ語の標準化・規則・規制に関する国際機関である。
通称の「グリーン・ブックレット(蘭: Groene Boekje・英: Green Booklet)」で知られる、スペリング標準化の文法書である(オランダ語世界総覧)を、加盟国が普及したことで最も知られており、世界中におけるオランダ語の課程や学習を支援している。
加盟国など
「(オランダ語#使用されている国と地域)」、「(オランダ語圏)」、「ネーデルラント」、「オランダ海上帝国」、「オランダの歴史」、「オランダ西インド会社」、「オランダ東インド会社」、および「インドネシアとスリナムの関係」も参照
1980年9月9日、オランダ王国(オランダないしヨーロッパ・オランダを代表)、ベルギー(フランデレン地域ないしフラマン語共同体を代表)の2ヶ国で結ばれた条約によって設立され、スリナムが2004年から準加盟している。
設立された当初は、オランダ王国については、ヨーロッパ・オランダにのみ条約が適用されていたが、2013年11月27日からオランダ領カリブ(カリブ・オランダ)にも適用されている。
主な非加盟国など
「ブレダの和約」、「ウェストミンスター条約 (1674年)」、「ロンドン条約 (1814年)」、「英蘭協約」、「(英蘭ゴールド・コースト条約 (1867年))」、「(英蘭条約 (1870-1871年))」、および「日蘭関係」も参照
2020年の時点では、広義の(オランダ語圏)の内、以下は、オランダ語連合に含まれていない。
- オランダ王国の残るエリアである、アルバ、キュラソー、シント・マールテンについては、条約が適用されていない。
- 旧オランダ海上帝国の中で最大の人口を有するインドネシア(旧オランダ領東インド・旧オランダ領ニューギニア)、2番目の人口を有する南アフリカ(旧ケープ植民地)の2ヶ国は、オランダ語連合に参加していない[注 1]が、オランダ語連合の「特別パートナー」と位置付けられている。
- 南アメリカ北東部のギアナ地方は、(ほぼ全域がオランダ植民地だった時代)があるが、英仏へ分割され、旧イギリス領ギアナだった現在のガイアナや、現在のフランス領ギアナなどは、参加していない[注 2]。
- 早い時期にオランダの植民地からイギリスやフランス等の植民地へ移った、以下の国々・地域も参加していない。
- 北アメリカの旧ニューネーデルラント(現在のメリーランド州~ニューイングランド一帯)・旧ニューアムステルダム(現在のニューヨーク)
- 旧(オランダ領ゴールド・コースト)(現在のガーナ)
- 旧オランダ領モーリシャス(現在のモーリシャス) - オランダ総督だったオラニエ公マウリッツにちなみ、命名された。
- 旧オランダ領セイロン(現在のスリランカ)
- 旧(オランダ領マラッカ)(現在のマレーシアのマラッカ州)
- 旧オランダ領フォルモサ(現在の台湾)
- 鎖国の時代においても出島に置かれた(オランダ商館)を通じて長崎貿易を続け、オランダを漢字表記した「阿蘭陀」から「蘭学(蘭学者・蘭学塾)」や「蘭方医学」、「蘭癖」等の語句が定着した日本も、参加していない。
脚注
注釈
- ^ その点、類似の組織である以下などとは、大きく異なる。
- ポルトガル語諸国共同体(旧ポルトガル海上帝国の大半を網羅)
- イベロアメリカ首脳会議(旧スペイン帝国の大半を網羅)
- フランコフォニー国際機関(旧フランス植民地帝国の大半を網羅)
- コモンウェルス・オブ・ネイションズ(旧イギリス帝国の大半を網羅)
- ^ 先述の通り、旧(オランダ領スリナム)だった現在のスリナムのみが、オランダ語連合に準加盟している。
出典
関連項目
外部リンク
- オランダ語 orandatowatashi.nl - 在日オランダ大使館による解説