オウギカズラ(扇葛、学名: Ajuga japonica Miq.[1])は、シソ科キランソウ属に分類される多年草の1種[3][4]。和名は葉や走出枝の姿に由来する[3]。
特徴
高さ8-20 cm[3][4]。茎はまばらに多細胞の縮れ毛があり、花のあと根もとの節から長く地をはう走出枝を出して広がる[3][4]。葉は対生し[3]、5角状心形で不ぞろいの浅い切れ込みがあり、鋸歯は粗い波状[5]、長さ2-5 cm、幅1.5-3.5 cm、葉柄は長さ2-5cm[5]、走出枝につく葉はやや小型[4]。葉腋の上部にややまばらに、長さ約2.5 cmの薄紫色の花をややまばらにつける[4]。萼は5裂し、裂片は鋭尖頭。花冠に長い筒があり、上唇は2裂し長さ約4 mm、下唇は3裂して開出し、中央裂片は大きく、さらに2裂し長さ約7 mm[4]。白色の花をつける品種として、シロバナオウギカズラ(白花扇葛、学名:Ajuga japonica Miq. f. albiflora Honda)が知られている[2]。花期は4-5月[3][4]。果実は分果で、倒卵形、長さ約2 mm、裏面に網目模様がある[4]。
葉は5角状心形で、葉柄がある
花冠に長い筒があり、上唇は2裂し、下唇は3裂する
分布と生育環境
種の保全状況評価
脚注
- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “オウギカズラ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年1月7日閲覧。
- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “シロバナオウギカズラ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年1月7日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 林 (2009)、202頁
- ^ a b c d e f g h i j 佐竹 (1981)、73頁
- ^ a b c 青屋 (2002)、40頁
- ^ a b “京都府レッドデータブック2015、オウギカズラ”. 京都府. 2021年1月7日閲覧。
- ^ “環境省レッドリスト2019の公表について”. 環境省. 2021年1月7日閲覧。
- ^ “レッドデータブック(植物編)、オウギカズラ” (PDF). 岐阜県. 2021年1月7日閲覧。
- ^ “大阪府レッドリスト2014、維管束植物” (PDF). 大阪府. pp. 5. 2021年1月7日閲覧。
- ^ “改訂しまねレッドデータブック2013植物編”. 島根県. 2021年1月7日閲覧。
- ^ “宮崎県版レッドリスト及びレッドデータブックについて”. 宮崎県 (2020年4月17日). 2021年1月7日閲覧。
- ^ “兵庫県版レッドデータブック2020(植物・植物群落)”. 兵庫県. 2021年1月7日閲覧。
- ^ “埼玉県レッドデータブック2011 植物編、維管束植物” (PDF). 埼玉県. pp. 148. 2021年1月7日閲覧。
- ^ “三重県データブック2015” (PDF). 三重県. pp. 637. 2021年1月7日閲覧。
- ^ “和歌山県レッドデータブック「2012年改訂版」、植物” (PDF). 和歌山県. pp. 288. 2021年1月7日閲覧。
- ^ “レッドデータブック2016改訂版 選定種目録” (PDF). 奈良県. pp. 66. 2021年1月7日閲覧。
参考文献
外部リンク
- オウギカズラの標本 国立科学博物館標本・資料統合データベース
- オウギカズラの標本(愛知県本宮山で1954年5月に採集) 島根大学生物資源学部デジタル標本館
- オウギカズラ 熊本大学薬学部薬草パーク運営委員会
- オウギカズラ 東京大学大学院理学系研究科日光植物園
- オウギカズラ 広島大学デジタル自然史博物館
- Ajuga japonica Miq. (The Plant List)(英語)