エンジェル・フェイス(英: Angel Face)は、ジン、カルヴァドス、(アプリコット・ブランデー)を使用したカクテル。
概要
古くから知られるカクテルで、1930年刊行の『サヴォイ・カクテルブック』(ハリー・クラドック著)の記載が確認できている最古の文献である[4]。
発祥にはいくつかの説があり、はっきりとはしていない。
- 後にパリで(ハリーズ・ニューヨーク・バー)を開業する(ハリー・マッケルホーン)がロンドン時代の1919年7月19日にロンドンで第一次世界大戦の戦勝パレードがおこなわれた際にこれを記念して創作した[4][5]。
- 1920年代にデトロイトで悪行を働き、「エンジェル・フェイス」と呼ばれたギャングのエイブ・カミンスキーに触発されて創作された。創作者は不明[4][5]。
映画『カサブランカ』に由来するという説もあるが、映画の公開は1942年で上述のように1930年にはカクテルブックに掲載されているため、この説は誤りである[5]。
アルコール度数は高いが、口当たりは優しいため女性向けのカクテルとされる[2]。江國香織はエッセイ集『とるにたらないもの』でフィレンツェのバーでこのカクテルを試したときの感想を「一口啜っただけで殴られたかと思うくらい強い」と表現した[6]。
日本においてはアプリコット・ブランデーをアプリコットリキュールに換えたレシピのほうが知られている[4]。
レシピの例
国際バーテンダー協会によるレシピを以下に挙げる[5]。
出典
- ^ THE PLACE『カクテル事典』学研パブリッシング、2014年、71頁。ISBN (978-4058003206)。
- ^ a b 中村健二『世界一のカクテル』主婦の友社、2010年、111頁。ISBN (978-4072743935)。
- ^ 斎藤都斗武、佐藤淳『カクテルの図鑑』マイナビ出版、2013年、32頁。ISBN (978-4839946234)。
- ^ a b c d 達磨信. “第122回 天使か、悪魔か エンジェル・フェイス”. サントリー. 2022年10月16日閲覧。
- ^ a b c d “Angel Face” (英語). 国際バーテンダー協会. 2022年10月16日閲覧。
- ^ 江國香織『とるにたらないもの』集英社、2010年、34頁。ISBN (978-4087746563)。