エレン・シュヴィールス(ドイツ語: Ellen Schwiers, 1930年6月11日 - 2019年4月26日[1])は、ドイツの女優。
来歴
ヴァイマル共和政時代のシュテッティン(現在のポーランド領シュチェチン)に生まれる。父も俳優で、彼女が子供の頃から移動劇団でドイツ中を巡業していた。そのため、何度も学校を転校した。終戦後、ヘッセン州のマールブルクに落ち着き、演技の専門教育を受けた。その後、最初にコブレンツで舞台に立ち、その間にプロンプターも経験。
映画デビューは1949年。以降、1950年代から1960年代にかけ旧西ドイツ・オーストリア映画界で数々の作品に出演し活躍。ドイツ語圏以外の外国作品への出演もある。1958年に出演した旧西ドイツ映画『Helden(英雄)』(日本未公開。英語題名は『Arms and the Man』)は第31回アカデミー賞外国語映画賞にノミネート。1959年の『(ほがらかに鐘は鳴る)』ではインパクトのある美貌で、若い未亡人ズザンネを演じた。1970年代からは主にドイツのテレビドラマに出演しているが、1976年にはベルナルド・ベルトルッチ監督の『1900年』、1978年にはビリー・ワイルダー監督の『悲愁』に出演。また、映画・ドラマと並行しながら、エッセン、ザルツブルクなどで舞台公演も行った。
ドイツでは、2009年にもドラマに出演している。 ドイツ連邦共和国功労勲章を受章している。
2019年4月26日、バイエルン州(シュタルンベルク)の自宅で死去。88歳没。
家族
1956年にレニ・リーフェンシュタールの元夫だった映画プロデューサーの(ペーター・ヤーコプ)(Peter Jacob)と結婚。娘の(カテリーナ・ヤーコプ)(Katerina Jacob、1958年-)と息子の(ダニエル・ヤーコプ)(Daniel Jacob)は2人とも俳優になったが、1985年、ダニエルは病気のため21歳で死去。夫ペーターとは1992年に死別。孫(カテリーナの娘)の(ヨゼフィーネ・ヤーコプ)(Josephine Jacob、1981年-)も女優になった。
主な出演作品
- 戦線の08/15 08/15 - Zweiter Teil (1955年)
- 街道強盗 Banditen der Autobahn (1955年)
- 英雄 Helden (1958年)
- バイキング Tales of the Vikings (1959年)
- 牝牛と兵隊 La Vache et le prisonnier (1959年)
- グレコの復讐 No Time to Kill (1959年)
- (ほがらかに鐘は鳴る) Wenn die Glocken hell erklingen (1959年) - 共演はウィーン少年合唱団
- 拳銃のバラード Ballata per un pistolero (1967年)
- パトロール隊出動 Polizeifunk ruft (1970年)
- 1900年 Novecento (1976年) - キネマ旬報ベストテン第2位
- 悲愁 Fedora (1978年)
脚注
- ^ “Ellen Schwiers ist tot” (ドイツ語). Süddeutsche Zeitung. (2019年4月26日)2019年4月28日閲覧。
外部リンク
- ほがらかに鐘は鳴る - 当時のドイツ語版プログラム。左が彼女。
- エレン・シュヴィールス - IMDb(英語)