エストレーラ山脈(ポルトガル語: Serra da Estrela)は、イベリア半島のセントラル山系を構成する山脈。名称の「エストレーラ」は「星」をあらわすので、日本語では「星の山脈」といった意味となる[1]。
地理
ポルトガルで最も標高の高い山脈であり、セントラル山系でも最も標高が高いもののひとつである。ポルトガル本土の最高地点(1993m)を含んでいる[2]。この地点は明確な山頂ではないが、高原全体では最高地点であり、(トーレ)(「塔」の意)として知られている。トーレは山頂にしては通常にはない特徴を持っており、舗装された道路でアクセスできる。地勢上の最高地点は1204mであり、元の頂はスペインのアルマンソール峰である[3]。
頂上にはスキー場があり、(ヴォダフォネ・スキー場)と名付けられている。
山脈は(セイア)、(マンテイガシュ)、(ゴーヴェイア)、グアルダ、(クヴィリャン)のムニシピオの間に存在し、およそ100kmの長さと最大で30kmの幅である。巨大な花崗岩の尾根で形成されており、かつては国土の南部辺境を形成していた。奇妙なことから絶壁と山峡が、山の小川と湖が、美しい森と壮観な眺望が形成されており、この地域はポルトガルの顕著な景勝の魅力を占めている。
河川
エストレーラ山脈からは三つの河川が流れる。ポルトガル領域内で最大の河川であるモンデゴ川、テージョ川の支流の(ゼゼレ川)、モンデゴ川の支流である(アルヴァ川)もまたこの山脈に源流がある。標高は1,691mである。
自然公園
現在山脈は(エストレーラ山脈自然公園)の一部であり、セイア・ムニシピオの(ロリガ)のスキー場で多くのスキーの機会を提供している。
軟水が豊富な山頂の高原およびゼゼレ川上流部の渓谷はスイセンの(Narcissus asturiensis)やヒカゲノカズラなどの群生地で、2005年にラムサール条約登録地となった[4]。また、2020年にユネスコ世界ジオパークにも指定される[5]。
文化
セーラ・ダ・エストレーラ犬
エストレラ・マウンテン・ドッグは家畜防衛犬としてブリードされ、この地域の名前に由来している。
エストレーラ山脈チーズ
ケイジョ・セラ・ダ・エストレーラ(エストレーラ山脈チーズ )はエストレーラ山脈で生産されるソフトチーズである。レシピは2000年以上続いている。カードンアザミと生の羊乳、塩から作られる。
伝説と神話の歴史
アメリカ文学の古典、『白鯨』の41章でこの山脈に関わる伝説が言及されている。
- "... the prodigies related in old times of the inland Strello mountain in Portugal (near whose top there was said to be a lake in which the wrecks of ships floated up to the surface)..."
脚注
- ^ “ポルトガルの山のチーズを訪ねて”. チーズプロフェッショナル協会. 2019年1月12日閲覧。
- ^ ポルトガルの最高地点はアソーレス諸島のピコ山である。
- ^ Prominence ladder from Serra da Estrela, site:Peakbagger.com
- ^ “Estrela Mountain upper Plateau and upper Zêzere River | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2006年1月1日). 2023年4月11日閲覧。
- ^ “UNESCO designates 15 new Geoparks in Asia, Europe, and Latin America” (英語). UNESCO (2020年7月10日). 2022年10月21日閲覧。
関連項目
- (ポルトガルの地理)
- (エストレーラ・スキー・リゾート)
外部リンク
- Serra da Estrela´s Dog Article by Cátia Pinheiro in Accessible Travel Magazine, January 2007
- Regional Tourism Board website for Serra da Estrela and the surrounding area
- Postcards from Serra da Estrela
- Hiking fotos from the Serra da Estrela
- Serra da Estrela Natural Park Photos