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ウスバキトンボ

ウスバキトンボ(薄羽黄蜻蛉)、学名 Pantala flavescens は、トンボ科ウスバキトンボ属に分類されるトンボの一種。全世界の熱帯・温帯地域に広く分布する汎存種の一つである。

ウスバキトンボ
Pantala flavescens(メス)
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
亜綱 : 有翅昆虫亜綱 Pterygota
: トンボ目(蜻蛉目) Odonata
亜目 : Epiprocta
下目 : Anisoptera
上科 : (トンボ上科) Libelluloidea
: トンボ科 Libellulidae
亜科 : (ハネビロトンボ亜科) Trameinae
: (ハネビロトンボ族) Trameini
: (ウスバキトンボ属) Pantala
: ウスバキトンボ P. flavescens
学名
Pantala flavescens
(Fabricius1798)[2]
英名
Wandering Glider
分布域(緑色部分)

日本のほとんどの地域では、毎年からにかけて個体数を大きく増加させるが、冬には姿を消す[3][4]お盆の頃に成虫がたくさん発生することから、「精霊とんぼ」「盆とんぼ」などとも呼ばれる。「ご先祖様の使い」として、捕獲しないよう言い伝える地方もある。分類上ではいわゆる「赤とんぼ」ではないが、混称で「赤とんぼ」と呼ぶ人もいる。

形態

成虫の体長は5cmほど、の長さは4cmほどの中型のトンボである。和名のとおり、翅は薄く透明で、体のわりに大きい。全身が淡黄褐色で、腹部の背中側に黒い縦線があり、それを横切って細い横しまが多数走る。また、成熟したオス成虫は背中側にやや赤みがかるものもいる。

分布

全世界の熱帯温帯に広く分布する。日本では、からにかけて全国でみられる[2]

生態

トンボの多くは成虫になっても水辺にとどまるが、ウスバキトンボの成虫は水辺から遠く離れて飛び回るので、都市部でも目にする機会が多い。日中はほとんどの個体が地上に降りず飛び回るが、夜は草木に止まって休む。朝夕にも休んでいる個体が多い。

あまり羽ばたかず、広い翅で風を捉え、グライダーのように飛ぶことができ、長時間・長距離の飛行ができる[3]。ウスバキトンボの体はシオカラトンボオニヤンマのように筋肉質ではなく、捕虫網で捕獲した拍子につぶれてしまうほど脆いが、これも体や翅の強度を犠牲にして軽量化し、飛行に適応した結果と考えられる。

食性肉食性で、などの小昆虫を空中で捕食する。メス成虫で1日に約14mg(体重の約14%、小昆虫に換算し約185匹分)を捕食しており、小昆虫の有力な捕食者と考えられる[5]。敵は鳥類、シオヤアブなどの他、シオカラトンボ、ギンヤンマなど大型のトンボにも捕食される。

生活史

 
交尾中のウスバキトンボ

交尾したメスは単独で水田などに向かい、水面を腹の先で叩くように産卵する。産卵先は水田だけでなく、都市部の大きな水たまりや屋外プールなどにも産卵にやってくるので、このような場所で捕獲される幼虫ヤゴ)はウスバキトンボの割合が高い[3]。中には水面と勘違いしてか、自動車の塗装面などで産卵行動を始める個体もいる。はごく小さいので車が目立って汚れることはないが、この場合卵はもちろん死滅してしまう。

なお、ウスバキトンボのメス成虫の蔵卵数約29,000は、ほぼ同体長のノシメトンボの蔵卵数約8,800の3倍以上である。また十分に摂食しているメス成虫が1日に生産できる成熟卵は約840個で、産卵数の多さが日本における数か月での個体数急増を可能にすると考えられている[4][6]

卵は数日のうちに孵化し、薄い皮をかぶった前幼虫はすぐに最初の脱皮をして幼虫となる。幼虫はミジンコボウフラ(カの幼虫)など小動物を捕食して急速に成長し、早ければ1か月ほどで羽化する[3]

日本での発生

ウスバキトンボは寒さに弱く、幼虫は水温4℃で死滅するといわれる。毎年日本で発生する個体群は、まず東南アジア・中国大陸から南日本にかけてで発生し、数回の世代交代を繰り返しながら、季節の移ろいとともに日本を北上してゆくものである。日本に殆ど土着せず、東南アジア・中国大陸・シベリアから渡ってくるトンボはウスバキトンボ以外にも多くの種類があるが、他種はひと夏の間に個体数を急増させることはまずない[3][4]

毎年になると南日本から成虫が発生する。南西諸島九州四国では4月中旬に飛び始めるが、本州南部では5〜6月、中部山岳地帯東北地方では7〜8月、北海道では9月というように発生時期が徐々に北上する。8〜9月頃には、日本各地で大群で飛び回る様が観察できる。

しかし、寒くなり始めるとバッタリと成虫が見られなくなる。現在のところ、南下をする個体群なども確認されていないので、寒さで死滅すると考えられている((無効分散))。九州南部や南西諸島では幼虫が越冬すると思われるが、詳しいことはわかっていない。また、これらが毎年春にどの地方から来るのかもはっきりしていない。

なお、最近の文献では、日本で繁殖できないのは、熱帯性である本種が寒さに弱いことの他にも、冬の日本では幼虫のエサとなる水生小動物がいなくなることも原因ではないかという説もある[要出典]


種の保全状況評価

類似種

(ハネビロトンボ)(オランダ語版) Tramea virginia (Rambur, 1842)
体長5.5cmほどで、ウスバキトンボより少し大きい。和名のとおり翅が広く、翅の根もとが濃い赤褐色で、腹部もウスバキトンボより赤みがかっており、腹部の先が黒い。東南アジアに広く分布し、日本でも南西諸島、小笠原諸島、九州、四国、本州南部に分布するが、飛翔力が高く、東北地方や北海道でも台風通過後などに見られる。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b Boudot, J.-P. et al. (2012). "Pantala flavescens". IUCN Red List of Threatened Species. Version 3.1. International Union for Conservation of Nature. 2014年8月9日閲覧 (英語)
  2. ^ a b “日本産昆虫学名和名辞書(DJI)”. 昆虫学データベース KONCHU. 九州大学大学院農学研究院昆虫学教室. 2014年8月9日閲覧。
  3. ^ a b c d e 井上清・谷幸三,2005.『トンボのすべて』1991年初版・2005年改訂版 p.7,p.64,p.72,p.94-95,p.146,トンボ出版.(ISBN 4887161123)
  4. ^ a b c Yuta Ichikawa and Mamoru Watanabe, 2014."Changes in the Number of Eggs Loaded in Pantala flavescens Females with Age from Mass Flights (Odonata: Libellulidae)" Zoological Science 31:721-724
  5. ^ Yuta Ichikawa and Mamoru Watanabe, 2015."The daily food intake of Pantala flavescens females from foraging swarms estimated by the faeces excreted (Odonata: Libellulidae)"Odonatologica 44(3) : 375-389
  6. ^ Yuta Ichikawa and Mamoru Watanabe, 2016."Daily egg production in Pantala flavescens in relation to food intake(Odonata: Libellulidae)"Odonatologica 45(1)

参考文献

  • 尾園暁、川島逸郎・二橋亮『日本のトンボ = Dragonflies of Japan』文一総合出版〈ネイチャーガイド〉、2012年、450-451頁。ISBN (978-4-8299-0119-9)。 

関連項目

外部リンク

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