インドガン(印度雁、Anser indicus)は、カモ目カモ科マガン属に分類される鳥類。標高8000m以上の低酸素環境のヒマラヤ山脈を超える、世界最高の高さを飛ぶ鳥として有名。
インドガン |
---|
インドガン Anser indicus |
保全状況評価[a 1] |
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) |
分類 |
学名 |
Anser indicus (Latham, 1790) |
和名 |
インドガン |
英名 |
Bar-headed goose |
分布
アフガニスタン、インド、ウズベキスタン、カザフスタン東部、キルギス、タジキスタン、中華人民共和国西部、ネパール、バングラデシュ、ブータン、モンゴル、ロシア南東部[a 1]
日本では、1968年に千葉県、1972年に長崎県、1986年に小笠原などでの記録があるが、(かごぬけ)個体の可能性もある[1]。
種小名indicusは「インドの」の意で、和名と同義。バイカル湖以南のモンゴル高原などで繁殖し、冬季になるとインドなどへ南下し越冬する[2][3][4]。
形態
全長71-76センチメートル[2]。翼長オス45-48.2センチメートル、メス40.6-46センチメートル[3]。翼開張140-160センチメートル[2]。頭部の羽衣は白く、眼後部と耳孔を被う羽毛(耳羽)から後頭にかけて2本の黒い筋模様が入る[4]。頸部の羽衣は黒く、側頸に白い縦縞が入る[2][4]。体上面の羽衣は淡青灰色で[3]、羽毛の外縁(羽縁)が白い[4]。胸部から体側面にかけての羽衣は灰色で、後方に向かうにつれ黒みがかる[4]。腹部や尾羽基部を被う羽毛(上尾筒、下尾筒)の白い。尾羽の色彩は黒く、先端と外側尾羽は白い[4]。
生態
河川、湖沼、湿原、農耕地などに生息する[2][5]。昼間は土手などで休み、夕方になると活動する[5]。非繁殖地では大規模な群れを形成する[5]。
人間との関係
越冬地では狩猟の対象とされることもある[3]。