イタリア国立映画実験センター(イタリア語: Centro Sperimentale di Cinematografia)は、イタリアの国立による映画学校である。1935年に設立された世界最古の映画学校で、現在は、(イタリア国立映画学校)、(イタリア国立チネテカ)がそれを構成する。
略歴・概要
1935年(昭和10年)4月3日、同国の撮影所であるチネチッタ政策を推進するベニート・ムッソリーニによるファシスト党が、ガレアッツォ・チャーノの支援を受け、同党幹部(ルイジ・フレッディ)によって、ローマ郊外の同撮影所に隣接して設立された。現在もイタリア政府が同校を運営し、映画製作の技術・芸術に関する教育、研究、出版等の活動を行っている。
国立映画学校の構想は、そもそも1930年(昭和5年)、映画監督アレッサンドロ・ブラゼッティが、未来派の写真家(アントン・ジュリオ・ブラガリア)の協力によりサンタ・チェチリア音楽院の分校として始めたものである。1934年(昭和9年)にルイジ・フレッディが映画に関する政府の要職に就任、映画批評家(ルイジ・キアリーニ)を学長としてイタリア国立映画実験センターを発足させた。
ムッソリーニ政権の終焉と第二次世界大戦後は、1946年(昭和21年)に基礎コースを小規模再開し、翌1947年(昭和22年)からは2年間のコースを本格的に再開した。1949年(昭和24年)には、イタリアで製作された映画作品のフィルム・アーカイヴとして、イタリア国立チネテカが設立されている。
1968年(昭和43年)には、フランスでの五月革命同様の紛争が起き、映画監督ロベルト・ロッセリーニがその解決のための特別委員に任命された。
現在は、ピエモンテ州にアニメーション部門、ロンバルディア州ミラノにテレビ映画部門、シチリアにドキュメンタリー部門の校舎が置かれている。
おもな卒業生
- 戦前
- 戦後1968年まで
- マルコ・ベッロッキオ
- リリアーナ・カヴァーニ
- (フランチェスコ・マゼッリ)
- ヴィットリオ・ストラーロ
- モニカ・ヴィッティ
- 増村保造
- ネストール・アルメンドロス
- クラウディア・カルディナーレ
- ガブリエル・ガルシア=マルケス
- 1968年以降、現在まで
※一部に中退者有り。
おもな歴代教員
- アレッサンドロ・ブラゼッティ
- (ウンベルト・バルバーロ)
- ミケランジェロ・アントニオーニ
- ルイジ・コメンチーニ
- ナンニ・ロイ
- (フランチェスコ・ブルーニ)
- ジュゼッペ・ピッチョーニ
- ジュゼッペ・ロトゥンノ
参考文献
- 『イタリア映画史入門 1905 - 2003』 : (ジャン・ピエロ・ブルネッタ)、訳(川本英明)、鳥影社、2008年7月 (ISBN 4862651445)
- Storia del cinema italiano. 2. Il cinema del regime 1929-1945 : Gianpiero Brunetta, Editori Riuniti, 2001. (ISBN 8835950465)
- Storia del cinema italiano. Vol. V : Orio Caldiron, Marsilio Editore, 2006. (ISBN 8831787489)
- Storia del cinema italiano : Mario Verdone, Newton & Compton, 1995. (ISBN 8879838105)
註
関連事項
- (イタリア国立映画学校)(it:Scuola Nazionale di Cinema)
- (イタリア国立チネテカ)(it:Cineteca Nazionale)
- (ルイジ・フレッディ) (en:Luigi Freddi)
- (ルイジ・キアリーニ) (it:Luigi Chiarini)
- (アントン・ジュリオ・ブラガリア) (en:Anton Giulio Bragaglia)
外部リンク
- Centro sperimentale di cinematografia - 公式ウェブサイト (イタリア語)
- C.S.C. Students - 同学在校生による公式ブログ (イタリア語)
- Centro Sperimentale di Cinematografia - IMDb(英語)