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イクラ

イクラロシア語: икра, ラテン文字転写: ikra〈イクラー〉)とは、サケマスなどの魚卵である。筋子卵巣膜(を包む薄い膜)を取り除き、産卵前の熟した卵を1粒ずつに分けたものを指して呼ぶ。バラ子とも呼ばれる。一般的には加熱加工せず、塩漬け醤油漬けにして食べる。

イクラの醤油漬け
マス子(ビワマス魚卵)の醤油漬け
しろさけ イクラ[1]
100 gあたりの栄養価
エネルギー 1,138 kJ (272 kcal)
0.2 g
15.6 g
飽和脂肪酸 2.42 g
一価不飽和 3.82 g
多価不飽和 4.97 g
32.6 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(41%)
330 µg
チアミン (B1)
(37%)
0.42 mg
リボフラビン (B2)
(46%)
0.55 mg
ナイアシン (B3)
(1%)
0.1 mg
パントテン酸 (B5)
(47%)
2.36 mg
ビタミンB6
(5%)
0.06 mg
葉酸 (B9)
(25%)
100 µg
ビタミンB12
(1971%)
47.3 µg
ビタミンC
(7%)
6 mg
ビタミンD
(293%)
44.0 µg
ビタミンE
(61%)
9.1 mg
ミネラル
ナトリウム
(61%)
910 mg
(カリウム)
(4%)
210 mg
(カルシウム)
(9%)
94 mg
(マグネシウム)
(27%)
95 mg
(リン)
(76%)
530 mg
(鉄分)
(15%)
2.0 mg
(亜鉛)
(22%)
2.1 mg
()
(38%)
0.76 mg
他の成分
水分 48.4 g
コレステロール 480 mg

ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[2]。別名: さけ(標準和名)、あきさけ、あきあじ
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
シロサケ(イクラ、100 g中)の
主な脂肪酸の種類[3][4]
項目 分量 (g)
脂肪総量 15.6
脂肪酸総量 11
飽和脂肪酸 02.4
一価不飽和脂肪酸 03.8
多価不飽和脂肪酸 05
18:2 (n-6) リノール酸 00.11
18:3 (n-3) α-リノレン酸 00.078
20:4 (n-6) アラキドン酸 00.11
20:5 (n-3) エイコサペンタエン酸 (EPA) 01.6
22:6 (n-3) ドコサヘキサエン酸 (DHA) 02

概要

「イクラ」の語源は、ロシア語の「魚卵」「小さくて粒々したもの」から。ロシア語で「イクラ」はサケに限らず、魚卵であればキャビアたらこかずのこもすべて「イクラ」である。日本ではサケ科の卵をばらした物のみを指すが、ロシアでは、サケの卵は「赤いイクラ」(красная икра クラースナヤ・イクラー)と呼ばれる。一方で、「黒いイクラ」(чёрная икра チョールナヤ・イクラー)はキャビアのことである。もともと日本では、魚の卵巣から取り出したもの(筋子)と粒状にばらしたもの(イクラ)を区別する名称がなかったが、あるとき、ロシア人が粒状にばらしたサケの卵を「イクラ」と呼んでいるのを見た日本人が、これをイクラと呼ぶものと思ったことに由来するとされている。実際、筋子と区別するのに都合がよかったため全国的に「イクラ」と呼ばれるようになったとされる[5]

ロシア式のサケの卵の食べ方が日本に伝わったのは大正時代で、樺太庁水産試験場が、ロシアから伝えられた製法で、保存の利く塩漬けを試験的に製造したのが始まりであった[6]。現在では、やや甘口の醤油漬けが主流になり、イクラ丼やイクラの寿司軍艦巻きなど)として使われている。

日本においては白鮭の卵が主流であるが、ロシアで使用されるのは樺太鱒(ピンクサーモン)の卵であり、これを原料としたものを、日本では特にマスコ、マスイクラとして区別する場合がある(その他の魚卵を使った際の別名については「筋子」を参照)。

筋子は、たらこのように粒が薄膜に包まれているのではなく、すべての粒がごく薄い膜でつながっている。このため、これをイクラに加工するには、テニスラケットのような目の粗い網の上に抑えつけて揉む必要がある。未成熟の卵はまだ皮が弱く、この工程に適しておらず、ある程度成熟したものがイクラの加工に適したものとなる。ただし、既に河川に入り遡上を始めた卵は、ほぼ完全にほぐれている。「ゴムまりのように硬く……」というのは、あくまでも産卵後に卵が川の水に触れて表面が硬化するのであり、産卵直前の母体から直接採ったものは表皮は柔らかいままである。ただし、採卵後に真水につけると同様に表皮が硬化する。

ワインとの相性

一般に魚卵とワインは相性が悪く、同時に食すとイオンが発生し生臭さを感じてしまう組み合わせである[7][8]が、これはワイン中に含有する鉄分が原因で含有量は魚介類料理との相性に大きく影響を及ぼす。生臭い臭いの強さは鉄分濃度に依存し1-オクテン-3-オン、(E,Z)-2,4-ヘプタジエナール等の物質により生臭味が増強されてしまう[7]とされている。なお、ワイン中鉄分の起源は、土壌、製造工程中の鉄製品、コラージュに依存している[7]

利用

日本での利用

サケは、産卵のために北太平洋カムチャツカ辺りから南へ下ってくる。北海道では、8月後半から9月初めにかけて秋鮭漁が解禁となる。11月になると、三陸新潟でも漁が本格化する。解禁となった当初は未熟卵であり、粒が小さく皮も弱い。この時期の卵は、イクラに揉むことはもちろん、冷凍さえも難しい。粒の皮が弱いため、冷凍したときに皮が破れやすいからである。この時期のものは、主に筋子として流通される。

産地によって成熟時期に差異はあるが、平均的に10月くらいになると卵が成熟してきて、イクラに適した状態になる。11月頃になるとさらに卵は成熟し、粒がさらに大きくなる。なお、イクラの皮は消化されにくいため、アレルギー源となりやすい蛋白質である。

北海道では、秋の味覚として家庭で生筋子からイクラを作る。その際に、ぬるま湯につけて手で丁寧に皮を取り除き、ばらこにする。湯につけるため白く濁ってしまうが、その後の工程でまた色が戻る。製造の過程では、真水に触れてはならない。卵殻が硬化するので、海水かそれ以上の濃度の塩水を使う。

一般には、非加熱状態で食されるが、宮城県亘理町はらこ飯など半加熱状態で食する料理もある。

日本以外での利用

世界でも、イクラをそのまま食用とする地域は限られている。日本にイクラの製法を伝えたとされるロシアでも、日本ほど日常食にはしていない。サケを捕獲してもイクラの食用を行わない地域では、収穫されたサケの卵のほとんどが日本への輸出用に加工される。

資源を無駄にしないと言われているイヌイットでも、イクラを食用とする習慣がなく、漁をしたその場でサケの卵は内臓と共に捨ててしまう。アメリカ合衆国カナダでは食用にはならないが、砂糖漬けの瓶詰めイクラが釣り餌として売られている。内臓類やアラとともに家畜の飼料の材料にすることもある。

従来よりロシアとの交流が深く、キャビアも食されていた西欧では、寿司ブームとは関係なく、古くよりバターをつけたパンに乗せるなどして食べる習慣があった。普及については、1960年代には既に鮮魚店が珍味として販売しており、70年代後半にはスーパーでも見かけるようになった。80年代になると、スモークサーモンとともに一般化、大都市部スーパーが常備するようになり、今日では中型都市でも当たり前のように置いている。

人造イクラ(人工イクラ)

人造イクラ(人工イクラ)とは、いわゆるコピー食品の一つである。世界で初めて、富山県魚津市日本カーバイド工業が人造イクラの生産に成功した[9][10][11]。収穫量の少ない天然物の代わりとして、サラダ油海草エキスを主原料とした人造イクラも出回ったことがある。皮にはカラギーナンアルギン酸ナトリウムなどが用いられる。

見た目は本物のイクラとあまり違いはないが、食感が硬く中身がゼリー状でイクラのように液体は出てこない。味は近いが香りはやや薄く、また本物のイクラは熱湯をかけるとタンパク質が変化して表面が白く濁る。プリン体が少なくコレステロール値が低いため、広義のダイエット食品としての利用も可能である。しかしながら現在では、食感の違いなどもあり一般市場に流通することはあまりないが、卸問屋など通じ業務用として販売されている。ただし、回転寿司のイクラはほとんどが人造であるといった風評は、誤りである。回転寿司では安価で提供する場合、サイズは小さいが低コストのマスイクラなどを用いている。

イクラは、真水に浸かったり成熟が進んだりすることで皮が堅くなることがあるが、このようなイクラの皮を潰して中身を取り出し、人造イクラの手法で皮を作り直すという手法も存在する。

ヨーロッパでは人造イクラの技術を応用して、「カプセル」もしくは「スフェリカス」の名前で調理科学を使った新しい調理方法として、中にジュースや粉状の食材などを封入した新たな調理方法として発展し、現在、それらの手法が日本に逆輸入されている。ジュースやシロップなどの中に甘い飲み物を入れたものは「ボバボバ」・「コーティングジュース」の名前で販売されている[12][13][14]。また、アルギン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を利用した人造イクラ(人工イクラ)づくりは、科学実験として広く行われている[15][16][17]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 文部科学省 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
  2. ^ 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2015年版)」
  3. ^ 五訂増補日本食品標準成分表
  4. ^ 五訂増補日本食品標準成分表 脂肪酸成分表編
  5. ^ 日本おさかな雑学研究会『頭がよくなるおさかな雑学大事典』幻冬舎〈幻冬舎文庫〉、2002年、70頁。ISBN (4-344-40294-4)。 
  6. ^ “「イクラ」の語源はロシアにある!?”. 鮭のさんつね (2019年12月9日). 2021年12月5日閲覧。
  7. ^ a b c 田村隆幸、ワイン中の鉄は,魚介類とワインの組み合わせにおける不快な生臭み発生の一因である 日本醸造協会誌 Vol.105 (2010) No.3 P 139-147, doi:10.6013/jbrewsocjapan.105.139
  8. ^ J Agric Food Chem. 2009 Sep 23;57(18):8550-6. doi:10.1021/jf901656k
  9. ^ 紙尾康作「何をどうしてつくるか--化学がつくるコピ-食品の精粋--人造イクラ」『化学』第39巻第1号、化学同人、1984年、35-38頁、ISSN 0451-1964、NAID 40000389810。 
  10. ^ 紙尾康作「人造イクラ」『化学と教育』第35巻第4号、日本化学会、1987年、309-311頁、ISSN 0386-2151、NAID 110001826562。 
  11. ^ 紙尾康作「海草から作った人工イクラ」『高分子』第47巻第1号、高分子学会、1998年、33頁、doi:10.1295/kobunshi.47.33、ISSN 0454-1138、NAID 10002561682、2013年7月17日閲覧 
  12. ^ OVOオーヴォ (2019年10月28日). “”. エキサイトニュース. 2019年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月31日閲覧。
  13. ^ “タピオカの次!? イクラ食感の新スイーツ『ボバボバ』食べてみた!”. アップバンク. 2019年10月31日閲覧。
  14. ^ “「かわいすぎるイクラ」 韓国発の「ポッピングボバ」、日本でもブーム目前?”. ニコニコ. 2019年10月31日閲覧。
  15. ^ Naoki Kanda; et al. (1995). “Preparing "Chameleon Balls" from Natural Plants: Simple Handmade pH Indicator and Teaching Material for Chemical Equilibrium”. Journal of Chemical Education (American Chemical Society) 72 (12): 1131-1132. doi:10.1021/ed072p1131. ISSN 0021-9584. 
  16. ^ 宮田光男編著 編「赤くなる粒・青くなる粒を作る」『作って楽しむ理科遊び』裳華房〈ポピュラー・サイエンス〉、1999年、88-92頁。ISBN (4-7853-8713-0)。 
  17. ^ 十河信二 著「人工イクラづくりと色玉浮沈子」、左巻健男・内村浩編著 編『おもしろ実験・ものづくり事典』東京書籍、2002年、400-402頁。ISBN (4-487-79701-2)。 

関連項目

外部リンク

  • 人工イクラをつくろう!
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