アズマシャクナゲ(東石楠花[5]、学名: Rhododendron degronianum)は、ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属の常緑低木。別名シャクナゲ[1][5]。和名は、日本の関東地方の山地に多く自生し、東国の意味のアズマの名がある[5]。
分布と生育環境
日本の本州のうち、東北地方の岩手県・宮城県・山形県以南、関東地方、中部地方の長野県・静岡県までの範囲に分布し、亜高山帯の林内、稜線上などに自生する[5]。庭木や鉢植えなどにしても植えられる[5]。
特徴
常緑広葉樹の低木で、樹高は2 - 3メートル (m) ほどになる[5]。 葉は革質で常緑、枝に互生し、長さ1 - 2.5センチメートル (cm) の葉柄がある。葉の形は長楕円状披針形で先端はとがり、基部はくさび形で葉柄に流れ、葉身の長さ8 - 15 cm、幅1.5 - 3.5 cm[5]。葉の表面は無毛で光沢があり、裏面は灰褐色の綿状の毛が密生する[5]。
花期は5 - 6月で[5]、枝先に総状花序を伸ばし、淡紅色の花を5 - 10個つける[5]。花は直径40 - 50ミリメートル (mm) の漏斗状鐘形で、花冠の先は5裂して広く開く[5]。花色は紅紫色で、蕾のうちは色が濃いが、開花するにつれ薄くなる。雄蕊は10本ある[5]。母種のツクシシャクナゲは花冠は7裂、雄蕊が14個であるが、アズマシャクナゲは花冠は5裂し、雄蕊は10個ある点で異なる[5]。
葉裏は淡褐色の綿状の毛が密生する
花冠の径4–5cm
脚注
- ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rhododendron degronianum Carrière アズマシャクナゲ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022-14-24閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rhododendron metternichii Siebold et Zucc. var. pentamerum Maxim. アズマシャクナゲ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月24日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rhododendron metternichii Siebold et Zucc. subsp. pentamerum (Maxim.) Sugim. アズマシャクナゲ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月24日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rhododendron japonicum (Blume) C.K.Schneid. var. pentamerum (Maxim.) Hutch. アズマシャクナゲ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月24日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m 西田尚道監修 学習研究社編 2009, p. 34.
参考文献
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