概要
幕府が外国から開国を迫られていた激動の江戸末期を舞台に、つらい現実を懸命に生きながら、ふん尿は肥料として農村に売り、循環型社会を支えた下肥買いの若者らの青春を描いた物語[1]。
阪本順治にとって本作は30作目にして初めてのオリジナル脚本による時代劇作品となる[2]。
2023年2月1日、第52回ロッテルダム国際映画祭のビッグスクリーンコンペティション部門でワールドプレミアとして上映された[3]。
映画の美術セットや小道具、衣装などは通常新しく作り、撮影後はゴミとして捨てられる事が多いが、江戸の循環型社会を描いている本作では「3R(リデュース・リユース・リサイクル)」映画として、新しいものは一切使用せずに古材を使用し、衣装も仕立て直したものが使用され、撮影終了後も次の作品で使えるよう保管されている[4]。
あらすじ
武家育ちのおきく(黒木華)は現在は浪人の身となった父、源兵衛(佐藤浩市)と二人で貧しい暮らしをし、寺子屋で子供たちに読み書きを教えている。雨の日に雨宿りをしていたところ、おきくは紙屑拾いの中次(寛一郎)、下肥買いの矢亮(池松壮亮)という二人の青年と出会う。苦しい生活を送りながら懸命に生きる若者たちは次第に心を通わせていくが、ある日、父を狙った刺客に襲われて喉を切られたおきくは、声を出す事ができなくなってしまう。
キャスト
スタッフ
脚注
- ^ “江戸の下肥 循環の象徴 映画「せかいのおきく」美術監督・原田満生さんに聞く”. 東京新聞. (2023年4月10日)2023年4月10日閲覧。
- ^ “阪本順治監督30作目、初オリジナル脚本による時代劇映画『せかいのおきく』主演・黒木華、着物で登場!2度目の共演 寛一郎&佐藤浩市、阪本組初出演 池松壮亮が登壇の完成披露試写会開催!”. シネフィル. (2023年4月6日)2023年4月10日閲覧。
- ^ “「せかいのおきく」ロッテルダム国際映画祭で上映 阪本順治監督「温かく迎えてもらえた」”. 映画.com. (2023年3月3日)2023年4月10日閲覧。
- ^ “「せかいのおきく」は究極の3R映画 美術・衣装・小物に新品は一切なし”. 映画.com. (2023年3月17日)2023年4月10日閲覧。
外部リンク
- 映画『せかいのおきく』公式サイト
- 映画『せかいのおきく』公式 (@okiku_movie) - Twitter