さいだん座(さいだんざ、祭壇座、Ara)は、南天の星座でトレミーの48星座の1つ。
Ara | |
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属格形 | Arae |
略符 | Ara |
発音 | 英語発音: [ˈɛərə]、属格:/ˈɛəriː/[注 1] |
象徴 | the Altar |
概略位置:赤経 | 17.39 |
概略位置:赤緯 | −53.58 |
広さ | 237平方度[1] (63位) |
主要恒星数 | 7 |
バイエル符号/ フラムスティード番号 を持つ恒星数 | 17 |
系外惑星が確認されている恒星数 | 4 |
3.0等より明るい恒星数 | 2 |
10パーセク以内にある恒星数 | 4 |
最輝星 | β Ara(2.85等) |
最も近い星 | グリーゼ674;(14.8光年) |
メシエ天体数 | 0 |
隣接する星座 | みなみのかんむり座 さそり座 じょうぎ座 みなみのさんかく座 ふうちょう座 くじゃく座 ぼうえんきょう座 |
さそり座の南にあり、日本での観測は困難である。
主な天体
恒星
「さいだん座の恒星の一覧」も参照
以下の恒星には、国際天文学連合によって正式な固有名が定められている。
- μ星:4つの太陽系外惑星が発見されている。2015年に国際天文学連合によりミゲル・デ・セルバンテスにちなんだ Cervantes という固有名が付けられた[2]。
- HD 156411:国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」でペルーに命名権が与えられ、主星はInquill、太陽系外惑星はSumajmajtaと命名された[3]。
その他、以下の恒星が知られている。
星団・星雲・銀河
さいだん座は北西の角で天の川と接するため、いくつかの散開星団と散光星雲がある。
その他
- XTE J1650-500:X線源で、観測された中では最も小さいブラックホールとされている。
由来と歴史
18世紀までは、主にラテン語で「香炉」を意味する「トゥリブルム」(Thuribulum) の名称で呼ばれていた[5][6]。
紀元前3世紀頃の詩人アラートスは、著書『ファイノメナ (Phainomena)』の中で「THVRIBVLVM」としてこの星座を挙げ、「天の他の星々が雲に隠れてかすみ、この星座が輝いて見えるようであれば、船の帆をたたんで激しい南風に備えるように」と伝えている[7]。エラトステネスやマルクス・マニリウスによると、ゼウスとその兄弟たちがクロノスとティーターン族の旧体制を打ち破ることを誓った祭壇であるとされる[5]。
プトレマイオスの『アルマゲスト』以来、星図では、この祭壇は南側に炎、北側に本体という姿で描かれている。また、ケンタウルス座がおおかみ座を捧げるための祭壇として描かれる[5]。
脚注
注釈
- ^ Random House Dictionary
出典
- ^ “星座名・星座略符一覧(面積順)”. 国立天文台(NAOJ). 2023年1月1日閲覧。
- ^ “The ExoWorld”. 国際天文学連合. 2015年12月21日閲覧。
- ^ “Approved names”. Name Exoworlds. 国際天文学連合 (2019年12月17日). 2022年7月16日閲覧。
- ^ “かつてのパートナー発見、見えてきたマグネターの形成過程”. AstroArts (2014年5月16日). 2014年5月17日閲覧。
- ^ a b c Ridpath, Ian. “Star Tales - Ara”. 2022年7月16日閲覧。
- ^ 原恵『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂版第4刷)恒星社厚生閣、2007年2月28日、147頁。ISBN (978-4-7699-0825-8)。
- ^ 『グロティウスの星座図帳 : ゲルマニクス"アラトスのファイノメナ"の邦訳』千葉市立郷土博物館〈天文資料解説集〉、1999年3月、94頁。 NCID BA84126606。OCLC 875885593。
座標: 17h 23m 24s, −53° 34′ 48″