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ぎなた読み

ぎなた読み(ぎなたよみ)は、日本語において、語句の区切りを間違えて読むこと。弁慶読みともいう[1]

概説

「弁慶がなぎなたを持って」という一文を、本来「弁慶が、なぎなたを持って」と読むべきところを「弁慶がな、ぎなたを持って」と読むように、句切りを誤って読むことに由来する[1][2]

一般的に読字力・語彙力に乏しい子供が行う読書の悪癖のひとつとして知られる[3]。特に、まだ語彙が不足している年齢でありながら「ひらがな」ばかりで書かれている文章を見せられる幼稚園児や、「ひらがな」ばかりで書かれた教科書を読ませられる小学校の低学年の児童などで「ぎなた読み」の誤読が頻発する。たとえば(「ぎなた読み」という呼び方の元になった事例を挙げると)「なぎなた」というものがこの世にあるということ、「なぎなた」という用語があることも知らないような語彙が不足した低学年児童に、「ひらがな書き」の文章で「なぎなた」を含んだ文章提示すると、かなりの高確率で区切りを間違えた読み方つまり「ぎなた読み」がおきる。最初から「薙刀」と漢字表記してルビをふる、あるいはカッコ書きを添え、「弁慶が薙刀(なぎなた)を...」と表記しておけばそもそも「ぎなた読み」は起きない。語彙が増えた大人で「なぎなた」という用語もすでに知っている大人なら誤読は起きにくい(たとえ一瞬まちがえても、たいていは次の瞬間に間違いに気付き自分で修正する。)

中世でも、ひらがな書きばかりが多用された手紙などでは「ぎなた読み」の誤読はそれなりの頻度で起きた。

逆に、漢字ばかりを羅列する表記をしても、やはり「ぎなた読み」が起きる可能性が高まる。

基本的な例

  • ここではきものをぬいでください
ここで履物を脱いでください
ここでは着物を脱いでください
  • しんだいしゃをてはい
寝台車を手配
んだ医者を手配
  • ふろにはいるかはいらないか
風呂に入るか入らないか
風呂にはイルカはいらないか
  • テレビのみすぎ
テレビの見すぎ
テレビ飲みすぎ
  • あのおかまでかけていこう
あのまで駆けていこう
あのお釜でかけていこう(「駆けていこう」「賭けていこう」どちらを想定してもかなり不自然)
  • ゆでたまごをつくった
ゆで卵をつくった
茹でたをつくった
  • ねえちゃんとおふろはいってる?
ねえ、ちゃんとお風呂はいってる?(「入ってる」または「行ってる」)
姉ちゃんとお風呂はいってる?
  • おもいこんだらしれんのみちを
テレビアニメ巨人の星』のオープニング主題歌「ゆけゆけ飛雄馬」の歌詞の最初の部分。音としては(音声としては)「おもいこんだらしれんのみちを」という部分がある。正しい歌詞、正しい解釈は「思い込んだら 試練の道を」である。だが、(意味の区切りと曲のリズム的な区切りとがうまく合致していないのも要因となり)聴覚的には「おもい~ こんだ~ら」という長さの音の組み合わせになっており、それを「重い コンダラ...」と聞き取る子供が続出し、(この歌詞が流れる、ちょうどその瞬間にテレビ画面では視覚的には整地ローラーを引く情景が描かれる(とされている)ので)「あの器具の名称は“コンダラ”だ」と誤解してしまった子供たちが多数いた。ふざけて、整地ローラーのことを「こんだら」と呼ぶ俗称も生じた[4][5]
  • せつなさみだれうち
コンピュータゲーム『女神転生シリーズ』に登場する技のひとつ。正しい表記は「刹那五月雨撃ち」となるが、初登場作品である『女神異聞録ペルソナ』はひらがな表記だったため、「切なさ乱れ撃ち」と読むケースが多発した。これを受けて、アトラスは後者の表記も技として採用された。
  • エースがちんこ対決
京都新聞2005年7月16日付朝刊の第87回全国高校野球選手権滋賀大会1回戦・八幡商能登川での見出しで、正しい、かつ誤読を防止する表記は「エース ガチンコ対決」であるが、「ガチンコ」をひらがなで表記したことにより「エースが / ちんこ対決」と読まれた[6]
  • にわにはにわにわとりがいる
には2羽 がいる
庭に埴輪ガイル
どちらの区切りが正しいかは文脈によるもの

もともと一方の意味で読んでほしい文章なら、他方は「ぎなた読み」の誤読ということになる。

  • のろいのはかばだ。
呪い墓場だ。
のろい(鈍い、ノロい)のはカバだ。
  • いいなまえだ。
いい名前だ。
いいな、だ。
  • くるまでまつ。
来るまで待つ。
で待つ。
  • さがのさんいんせん。
嵯峨野山陰線
佐賀参院選
漢字ばかりの箇所でも起きる事例
  • 1日中山道
1991年に放送されたフジテレビの番組『上岡龍太郎にはダマされないぞ!』の中で、「旧中山道(きゅうなかせんどう)」の読み違いの例として「いちにちじゅう やまみち」(1山道、「旧」のへん部首を分読して「1日」(いちにち)と読んでしまい、更に“中”と“山”の間で区切ってしまったもの)が紹介されたことがある。
なお、アナウンサーの有賀さつきは番組内でこの読み違いの例を紹介する際に「きゅうちゅうさんどう」と誤読して発音してしまい[7][8]、これが前後関係を誤解されて「有賀さつきは“旧中山道”を“いちにちじゅうやまみち”と誤読した」という都市伝説が生まれている。
匿名掲示板2ちゃんねる」(当時)のニュース速報板に建てられた『アフガン航空相撲殺される(アフガンこうくうしょう ぼくさつされる)』というニュースを伝えるスレッドで、この記事名を「アフガンの航空(観光)大臣が撲殺される」ではなく「アフガン航空相撲 / 殺される(アフガンこうくうずもう / ころされる)」と誤読する人が続出した。「アフガン航空相撲」なる架空の格闘技が存在するとするジョークも誕生した。

防止策

書き手側の防止策

ぎなた読みされてしまうのを防止するために書き手がすること

  • やむを得ず「ひらがな」ばかりで文章を書く場合は、意味の区切りで「、」(てん)入れる。あるいはスペース(空白文字)で区切りをはっきりさせる。
小学校1年の国語の教科書の前半などでは「スペース」(空白)で区切りを明らかにする手法を多用することが一般的。大人の日本人向けでの文章で、やむをえずひらがなを連続させる場合は「、」(てん)で区切りを明確化するのが一般的。なお近年では日本語を外国語として学習する人々が世界各国で増えているが、そうした日本語学校や日本語学習コースで使われる日本語学習用のテキストでも初心者の段階ではやはり「ひらがな」ばかりのページもあり、最初期の段階ではスペース(空白文字)をたっぷり(何文字も)入れて区切りをはっきりさせるという方法がとられ、次の段階でやはり「、」(てん)を多用するようになる。
  • 漢字で表記することが一般的な用語は、「ひらがな」表記にはせず、漢字で表記する。読めない人がいるかも知れない漢字用語はカッコ書きで読み方を添える(たとえば「蓋然性(がいぜんせい)」などと表記する)、あるいは漢字にルビをふる。(だが日本の教育現場のように、教育が横並びが原則にされてしまっていて、低学年の児童は学習済みの漢字の数が少なく、教科書に関して文部省が「各学年で未学習の漢字は教科書に使わない」という方針を採用しているので、「ぎなた読み」による誤読の問題が頻発する)
※ちなみに教科書以外の通常の本では、読者がどの漢字まで知っているか想定できないので、漢字表記を積極的に採用し、念のために横や上にルビをふる。これにより「ぎなた読み」を防止できている。つまり現代では、学校教育の場で使われる教科書の関して文科省が恣意的に作りだした方針が小学生低学年で「ぎなた読み」を頻発させる要因にもなっている、という面がある。
  • 漢字だけが連続する部分、漢字が連続する箇所で、誤った区切りかたをされる可能性があると予想される場合は、あえて漢字の間にひらがなの助詞(「の」「が」「を」など)などを入れて区切りと意味を明確化したり、ひらがな同様に「、」(てん)やスペース(空白文字)を入れて区切りを指定する。

人ではなく、「かな漢字変換」によるもの

人ではなく、ワープロやPCのかな漢字変換が、かな入力を漢字に変換するプロセスで、意味の区切り部分を判定できず(コンピュータプログラムが、あるいはAIが、区切りを判定しそこない)一種の「ぎなた読み」を起こすことはそれなりの頻度で起きる。

文字入力の際の誤変換による誤植のために本人の文字認識とは無関係に「ぎなた読み」の文章が生成されることがあり、自分が書いた文章を確認もせずに投稿する未熟な若者(※)による投稿が多かった電子掲示板やネット投稿でそれが頻発して、時としてそれらがスラングとなって意図的に使用される例もある。

(※大学教育をしっかりと受け、レポートを書いたり卒論を書いて提出するトレーニングをしっかり受けていた人ではあまり起きない。通常、指導教官などから、自分の書いた文章は人に読んでもらう前に必ず自分自身でしっかりと確認し校正をすべきだ、といった指導も受けるので、ネット投稿に関しても投稿前に確認する習慣が身に着くため、誤変換を投稿することはかなり減る。)

その他

意図的にぎなた読みを起こさせる歌詞や遊び

「ぎなた読み」で誤読すると卑猥な意味になる文章をつくって遊ぶ人がいる。また卑猥なことを言いたくてしょうがないが、放送禁止用語なので言えない場合、ある音の配列が、ある区切り方で解釈すると放送禁止用語は使っていないように解釈でき、別の区切り方では卑猥な意味なるパターンを見つけて、面白がって歌詞にする人が一部にいる。

  • ぱんつくったことある?
正しい区切り方、正しい解釈のしかたは「パン作ったことある?」であるが「パンつ / くったことある」とも読めるため、ひっかけ遊びとして用いられることの多い、ぎなた読みのひとつ[9]
つボイノリオが1975年に発表した楽曲。歌詞中に「金太(きんた)」の後に必ず「ま」から始まる単語が添えられており、意図的に「金玉」と、ぎなた読みさせることを狙ったコミックソングとなっている(「金太の大冒険」も参照)。
  • この先生きのこる
「この先、生き残る」という意味で「この先生きのこる」と書かれたものを「この先生、きのこる」と誤読する者が多かった。一部に面白がる人がいて、繰り返し言及され、「きのこる先生」というキャラクターまで作りだす人もいた[10]
この種の関連項目
  • (空耳アワー(タモリの番組のコーナー))

他言語の事例

日本語以外の言語のぎなた読みの例。

韓国瑜
正しくはハン・グォユィと読む。中華民国(台湾)の政治家。姓名の区切りの位置を変えると、姓は「韓国」となり、名は「瑜」と誤読されてしまう。中国語で「瑜」と「魚」は同音であることから、台湾のネットユーザーには「Korean fish(韓国魚)」と呼ばれることがある[11]
ソナ タヌン チャ
韓国現代自動車が生産する中型セダンであるヒュンダイ・ソナタの初代モデルは評判が芳しくなく、セールスコピーの「쏘나타 는 차ソナタ ヌン チャ、「ソナタは車」の意)」を読み変えて「소 나 타는 차(「ソ ナ タヌン」 チャ、「牛と私が乗る車」の意味になる)」と揶揄された[12][信頼性要検証]

脚注・出典

[脚注の使い方]
  1. ^ a b “ぎなた読みとは”. コトバンク. デジタル大辞泉. 2020年2月13日閲覧。
  2. ^ 新村出 編「ぎなた読み」『広辞苑 第六版岩波書店、2008年1月11日。ISBN (9784000801218)。 []
  3. ^ 竹井成夫『読まない子どもの読書指導』国土社、1983年、28-35頁。ISBN (4-337-45014-9)。 
  4. ^ 谷口一刀『バカ日本語辞典 -全国のバカが考えた脳内国語ディクショナリー-』技術評論社、2006年、72頁。ISBN (978-4774153469)。 
  5. ^ 『大人の科学マガジン テオ・ヤンセン式二足歩行ロボット』学研プラス、2012年、21頁。ISBN (978-4059160083)。 
  6. ^ 京都新聞 2005年7月16日付朝刊・21面
  7. ^ “”. 2016年11月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月24日閲覧。
  8. ^ “メディアが広めた「旧中山道」誤読伝説 有賀さつきさん、本人も生前たびたび訂正するが...”. (J-CASTニュース). (2018年2月5日). https://www.j-cast.com/2018/02/05320474.html?p=all 2021年1月24日閲覧。 
  9. ^ fortune (2021年1月8日). “ぎなた読みの意味とは?面白い・怖い例文一覧”. Spicomi. 株式会社UOCC. 2021年1月8日閲覧。
  10. ^ タブロイド/佐藤 (2015年6月8日). “よくわからないまま流してた! 男性に聞いた「よく意味のわからないネット用語」TOP10”. マイナビウーマン. 株式会社マイナビ. 2020年7月17日閲覧。
  11. ^ “影》宋楚魚變「韓國魚」 旗津攤商業績長近10倍” (中国語). 中国時報 (2018年12月7日). 2021年1月9日閲覧。
  12. ^ “바로나 버로큐, '소나 타는 차' 비아냥에 소나타→쏘나타 바꾼 정주영” (朝鮮語) (2018年9月25日). 2020年2月13日閲覧。

関連項目

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