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株式会社あいコミ(旧称えにわコミュニティ放送株式会社)は、北海道恵庭市の一部地域を放送区域として超短波放送(FM放送)をする特定地上基幹放送事業者である。e-niwa(いーにわ)の愛称でコミュニティ放送をしている。
概要
24時間放送で、自社制作・道内からの番組配信以外の時間帯は平日夜間20:00 - 翌朝7:00に同日8:00 - 19:00の番組を再放送しそれ以外はミュージックバードからの番組を放送。
恵庭市及び近隣市町を対象とし、エリア内人口は約8万人、恵庭市人口は約6万3千9百人である [1]。
スタジオ
- 本社スタジオ 北海道恵庭市島松緑町2丁目1番1号 アルファコート緑と語らいの広場えにあす内
歴史
1998年頃から恵庭市民の間でFM局開設の動きが生まれ、2001年から「えにわFMラジオ設立準備会」(後に「えにわコミュニティラジオ局開設準備室」に改称)がミニFM事業を実施[2]。その後恵庭市職員の北岡昌洋が道内各地での地域FM開局に刺激されFMで市民・企業・行政をつなぐ事をモットーとし市民や地元企業関係者らとともに準備を行い[3]、2005年末に「えにわコミュニティ放送株式会社」を設立し2006年3月3日に開局[2][3]。ステーションネームは「FMパンプキン」で、これは恵庭市の特産であるカボチャに由来したものである[3]。
恵庭市内の各市街(島松、恵み野、恵庭)を対象としたラジオ放送を行い、市民情報、商店街情報、企業情報、行政情報、医療情報などの運用と発信による情報の共有と、市民間交流の潤滑油となるべく活動した。「市民総出演」をスローガンとし最盛期にはボランティア100人以上が参加し自社制作番組約40本で地域情報を発信した[3]。
ところが、2008年に起こった大不況の影響で40社のスポンサーが12社まで減少、1期から3期の営業売上げは1400 - 1600万円と低迷。累積赤字は3700万円に及び、従業員の給与も賄えず意欲が続かない等の理由から放送局長が3度交代し市民パーソナリティが放送禁止用語を使用するといった問題が続発した[3]。
再建策としてパートを含む社員計5人を解雇し、40ある自局制作番組も1日1本90分程度に縮小、東京の衛星放送から配信番組を買って放送を続ける方針だった[4]。2009年7月21日に自社放送休止を発表し[3]、9月上旬をめどに再開を目指していた7月30日午前10時45分ごろ、住居となっている事務所の2階から出火、消火活動により機材全損となり放送停止となった[5]。このため、8月3日に放送そのものを1年間の予定で休止することになった。
その後パンプキンの役員を務めた通信設備会社社長の三浦孝史らが存続に向けて株主企業らを説得し、新たな出資を募ったうえで2009年11月1日に社名を「株式会社 あいコミ」へ改称[3]、社名は「声を掛けあい」、「協力しあい」、「励ましあい」、「分かちあい」の等の意味を合わせたの「あい」とコミュニティを合わせたものとした。
新スタジオを道の駅『花ロードえにわ』(恵庭市南島松)に設置し、放送免許取り消し期限3日前の2010年1月28日より恵庭(eniwa)、北海道(ezo)、地球(earth)、自然環境(ecology)の頭文字を合わせた『e-niwa(いーにわ)』のステーションネームで放送を開始した[6][7]。子育て支援を手厚くする恵庭市役所と連携し、子育てに関する取り組みを柱として番組で子育ての助言を取り上げる他行事も含めて子育て世代や子どもとのつながりを深めている[8]。
自社制作は生放送1番組のみから徐々に増やしたが、旧パンプキン時代の半分程度にとどめ従業員も4人に絞り2013年度に単年度黒字を実現し2017年・2018年にも黒字経営としている[3]。
2014年には東日本大震災での地域FMの利用を参考に詳細な災害時マニュアルを策定し、2018年の胆振東部地震時の緊急放送で役立てられ以降防災啓発のCMを流す等子育て関連と並び防災関連の取り組みを強化した[9]。
沿革
- 前史
- 2001年(平成13年)
- 2002年(平成14年)
- 2003年(平成15年)
- 2月1日 第20回えにわ雪ん子まつり参加(桜町多目的広場)
- 3月23日 「まちづくり市民リレートーク」実施(恵庭まちづくり市民の会との共催事業)
- 7月13日 第8回むらもと祭り参加
- 8月10日 恵み野地区夏祭り参加
- 8月17日 第17回納涼盆踊り・第26回納涼花火大会参加
- 8月30日 「島松の商店会主催 第35回わいわい広場感謝まつり」参加
- 10月11日 03'えにわスポーツフェスティバル参加
- 10月25日 北央三菱自動車恵庭支店10周年記念行事参加
- 2004年(平成16年)
- 2月1日 第21回えにわ雪ん子まつり参加(桜町多目的広場)
- 2月15日 ミニFM・イン(第16回)XCスキー大会
- 5月4日 イトーヨーカドー恵庭店の縁日イベントに参加
- 5月26日 恵庭YEG少年サッカー大会支援
- 10月9日 04'えにわスポーツフェスティバル参加
- 2005年(平成17年)
- FMパンプキン時代
- 2006年(平成18年)
- 1月18日 愛称「FMパンプキン」決定
- 2月2日 予備免許取得
- 2月11日 第23回えにわ雪ん子まつり参加(桜町多目的広場)
- 3月2日 放送局の免許取得
- 3月3日 開局。遊花夢(you come)FMパンプキン誕生祭を公開生放送。
- 7月 初の番組改編
- 8月5日 えこりん村にサテライトスタジオを設け、3時間の公開生放送。
- 2007年(平成19年)
- 3月3日 一周年記念祭を開催(島松・夢創館)。
- 12月12日 サポーターズクラブ「パンプキン合衆国」設立。
- 2008年(平成20年)
- 2月10日 夢創館でチャリティライブを開催。
- 5月25日 市民プラザアイルにて「FMパンプキン5人展」を開催。
- 2009年(平成21年)
- e-niwa時代
- 2009年11月 1日 社名を『㈱あいコミ』に、ステーションネームを『e-niwa』に変更
- 2010年1月28日 『e-niwa』開局(放送開始) 道と川の駅のスタジオにて1日平日90分のみの情報番組からスタート
- 2010年3月14日 消費者庁より委託の食品表示講演会実施
- 2011年1月 多文化共生懇話会 主催
- 2011年1月28日 道と川の駅にて、開局1周年記念コンサート開催「JUNCO&CHEEP」
- 2011年2月 続・食品表示講演会 主催
- 2011年3月19日 市民パーソナリティ養成セミナーをスタート
- 2011年4月8日 東日本大震災被災地のさいがいFM局にリスナーから募ったラジオ約200台を届ける
- 2011年4月24日 市議会議員選挙開票特別番組放送
- 2011年7月 本社スタジオの生放送(IPコーディック)遠隔操作自動運行プログラムの導入
- 2011年10月 市民パーソナリティ制作番組スタート
- 2013年 パーソナリティ4名が北海道警察より交通安全アドバイザーを委嘱
- 2013年 7月 子育て応援大型ワイド番組「しろくま通信」スタート
- 2014年 3月 子育てラジオシンポジウムを道の駅にて実施(公開生放送)
- 2014年 6月 市内小学校運動会開催特番実施
- 2015年10月20日 インターネット放送(サイマルラジオ)をスタート
- 2016年 3月11日 恵庭市内全幼稚園と災害時の協力協定を締結
- 2016年 2月 リスナーメッセージから生まれたバター入りコーヒー(しろくまコーヒー)誕生
- 2016年 4月 市民パーソナリティ総出演数30名以上。年間延べ出演者数1500名以上。
- 2016年 9月 開局以来初となる聴取率調査を実施。聴取率3.57%を獲得。
- 2016年10月 リスナーメッセージから生まれたTシャツなどを販売開始
- 2017年 1月27日 開局7周年記念特別番組放送
- 2018年 3月28日 島松寿町より、本社事務所を緑町のえにあすに移転
- 2018年 4月 市民パーソナリティ総出演数40名以上。年間延べ出演者数2000名以上。
- 2018年 9月 6日 北海道胆振東部地震発災に伴う臨時災害特番を63時間放送。
- 2019年 9月 4日 恵庭市総合防災訓練(会場音響、司会、特別放送)参加
- 2019年12月 5日 開局10周年×北海道歌旅座10周年記念コンサート@夢創館開催
- 2019年12月21日 恵庭子ども塾 ラジオ製作体験教室実施
- 2020年 1月25日 開局10周年記念Special Talk Session(金子耕弐さん)@えにあす
- 2020年 1月27日~31日 開局10周年スペシャルウィーク
- 2020年 2月27日~新型コロナウイルスに係るBCP発動+特別編成
- 2020年 3月 1日 札幌地方石油業協同組合との防災協定締結
- 2020年 7月29日 オフィシャルオンラインショップ(ECサイト)オープン
- 2014年(平成28年)10月 SimulRadioでのインターネット配信を開始。
- 2018年(平成30年)
- 4月 本社スタジオを島松寿町から緑町の複合施設「緑と語らいの広場 えにあす」に移転。
- 9月6日 - 8日 - 胆振東部地震緊急特別放送を63時間連続で実施[9]。
主な番組
生放送
- えにわモーニング(月曜~金曜 8:00-9:55)
- スキップ!(月曜~金曜 10:30-12:30)
- らじあす(月曜~木曜 13:00-14:00 )
- まちナビ(月曜~金曜 17:00-18:00)
FMパンプキン時代の番組
生放送
- パンプキンぽっとラック
- 情報バラエティ ガーデンカフェ
- イブニングステーション
- イブニングFriday
- サタデー遊ingウォーカー
- ENIWA SUPER COUNT DOWN+
- プレシャスモーニング( - 2007年3月)
- デリシャスランチタイム( - 2007年3月)
- 情報キャッチアップ( - 2007年3月)
局制作番組
- えにわ百年100話
- てのひら通信
- エッセイを書こうよ
- キネマな夜
市民制作番組
- 山口孝司アナザーウィークエンド
- 井戸端ファーマーズ
- 恵庭空想ビル地下2階ミュージックバーゴールデンポンプ
- ストーリータイム
- マイク青木のOH!演歌!
- 街かどふれあいトーク(「街かどサークル紹介」 - 2007年3月)
- 遭わない 起こさない 交通事故
- サウンドクロスロード
- ピースフォーボーイズ&ガールズ
- LAN! ENIWA RUN!
- なちゅ☆すた(2008年4月 - )
- M-3ゴリゴリRADIO
- An Die Musik
- 名曲セレクション
- 池永ちかこのおしゃべりサロン
- おしゃべりトワイライト
- Smile☆パレード
- 恵庭小劇場
- 上京物語
- Heat Wave
- カラオケだーい好き
- Pumpkinside Chat
- もうひとつのVoice
- グラス一杯の音楽
- Fの時間
- マイアニメでグゥ!( - 2007年3月)
- おまたせ千歳高校( - 2007年3月)
- 局立喫茶放送部( - 2007年3月)
- 夜でナイト2( - 2007年3月)
- Mキン!(2006年3月 - 6月, 2007年4月 - 9月)
- Nature's Passion(2007年4月 - 2008年3月)
役員
- 代表取締役:三浦孝史
- 取締役局長:北岡昌洋
- 取締役:鶴田力
- 取締役:木内克昌
- 取締役:竹本直人
- 取締役:三浦真吾
- 監査役:土谷秀樹
- 相談役:鈴木泰
パーソナリティ
- 滝沢 貴之
- 大千里 麻里子
- 白崎 亜紀子
- 柴田 京子
- 塩谷 薫
脚注
- ^ e-niwa(Internet Archiveのアーカイブ:2014年8月26日収集)
- ^ a b FMパンプキン!恵庭のFM3月スタート - 北海道ファンマガジン(2006年1月4日)
- ^ a b c d e f g h i j k 発信 恵庭 地域FMの10年(中)再出発後は「身の丈経営」 - 北海道新聞2019年12月4日朝刊
- ^ a b FMパンプキン自局制作番組一時休止へ 2009年7月22日
- ^ a b **火事でFM放送が中断「FMパンプキン」 2009年7月31日
- ^ 「FMパンプキン」、新愛称「e-niwa(いーにわ)」へタウンナビ恵庭 2009年11月12日
- ^ FM再出発 e-niwa(いーにわ)放送開始 恵庭を元気に北海道新聞 2010年1月29日
- ^ 発信 恵庭 地域FMの10年(上)「子育て応援」市民と高める - 北海道新聞2019年12月3日朝刊
- ^ a b 発信 恵庭 地域FMの10年(下)放送で高める「防災」意識 - 北海道新聞2019年12月6日朝刊
外部リンク
- e-niwaホームページ
- e-niwa公式Facebook
- e-niwa公式Twitter
- e-niwa公式Instagram
- 恵庭市のコミュニティ放送局免許申請書を受理 北海道総合通信局 報道資料 平成17年12月1日(国立国会図書館のアーカイブ:2007年8月8日収集)
- 恵庭市のコミュニティ放送局に予備免許 同上 平成18年2月2日(同上)
- 恵庭市のコミュニティ放送局に免許 同上 平成18年3月2日(同上)