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野ゆき山ゆき海べゆき

野ゆき山ゆき海べゆき』(のゆきやまゆきうみべゆき)は、日本テレビ放送網株式会社アート・シアター・ギルド株式会社バップ提携による、1986年の日本映画。企画・製作協力は株式会社ピー・エス・シー(創立十周年記念作品)。1986年キネマ旬報読者選出ベストテン10位。

野ゆき山ゆき海べゆき
監督 大林宣彦
(小倉洋二)
脚本 山田信夫
製作 (波多腰晋二)
(溝口至)
製作総指揮 佐々木史朗
(大林恭子)
出演者 鷲尾いさ子
林泰文
片桐順一郎
(正力愛子)
佐藤浩市
音楽 大林宣彦
撮影 阪本善尚
編集 大林宣彦
配給 ATG
公開 1986年10月4日
上映時間 135分
製作国 日本
言語 日本語
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題名は原作と同じ佐藤春夫の詩「少年の日」の一節から取られた[1]

あらすじ

太平洋戦争で若者たちが出征してゆく時代、瀬戸内の小さな港町では、小学生たちが東西に分かれ、町を舞台に無邪気な「わんぱく戦争」を繰り広げていた。お調子者だが気のいい須藤総太郎は、転校生の姉である美しい”お昌ちゃん”への恋心を募らせて行く。しかし、お昌ちゃんの恋人は、山で切り出した木を川で下流に運ぶ、筏乗りの早見勇太だった。

お昌ちゃんの父親は酒びたりの男で、借金のかたにお昌ちゃんを女郎屋に売る話をまとめてしまった。売られた娘たちが船で町を離れる日、奇想天外な奪還作戦を決行する小学生たち。だが、親に売られた娘たちに帰る家はない。女郎屋に行くしか生きる術がないのだ。

出航する船からお昌ちゃんを救ったのは、恋人の早見勇太だった。軍隊に召集された勇太は、脱走して港に駆けつけたのだ。小船で逃げる勇太とお昌ちゃん。しかし、脱走兵の勇太はライフルで射殺されてしまった。小船ごと炎上し、炎の中に消える勇太とお昌ちゃん。

事件後、怒りや悲しみで、もはや子供でいられなくなった総太郎たちは、戦争に加担する大人たちを懲らしめて、最後の悪い遊びを終えるのだった。

スタッフ

キャスト

製作過程

  • 本作は『さびしんぼう』に続いて富田靖子をヒロインに準備していたが、富田の所属事務所・アミューズから「女優もいいけど歌手をやらせるから」と断られた[2]。それで14歳の少女にふさわしい新人を探していたら、全日空ポスターに映るエキゾチックな黒い瞳の少女が目に入った。背が高過ぎて本作のヒロインのイメージとは違うが一応連絡を取ったら、鷲尾いさ子が「会いたい」と言ってきて会った[3]。14歳には見えなかったが、せっかくだからお昌ちゃんのセリフを読んでもらったら、美しい日本語を使うその声にスタッフ一同、「ここにお昌ちゃんがいた」と抜擢が決まった[3]。このため富田で準備していた演出プラン総てが変更された[4]。棒読み台詞、過剰なカメラワーク、小道具や黒白の陰影なども鷲尾の存在からの発想だった[4]。衣装は富田で準備していた物をそのまま背の高い鷲尾に着せているため、寸足らずとなっている[2]
  • 鷲尾は女優やタレントではなくモデルで他の仕事をしてなく、クランクインの40日も前からずっと毎日撮影所に通って来た[3]。その間、着物と下駄を履いて撮影所で過ごし[5]、映画作りの準備をずっと見た後、クランクイン初日の最初にキャメラが回ったときに、感極まって泣き、「これからワンカットごとに泣いちゃうかもしれない」と言った[3]。 
  • 鷲尾と一日遅れで現れ、お昌ちゃん役を逃したのが尾上瑞枝を演じた正力愛子[3]。鷲尾に会う前のお昌ちゃんのイメージは正力がぴったりだった。正力はトイレでお尻を覗かれる役を演じた。
  • 登場人物全員の棒読み台詞に学芸会とも揶揄されたが、勿論演出上の狙いである[6]。「上手な演技で感動してもらうより、明晰な言葉そのものから紡ぎ出される、観客の想像力にこそ、この映画世界を委ねてみたいと考えた。逆接のようだが、映画において、最も不自由なのは、映像が見えてしまうということである。そしてその映像はいつでもより自然さを要求される。ぼくはそれに抵抗することで、この映画の読者のいわば文学的想像力に挑戦してみたのである。それがぼくにとって、佐藤春夫を映画で語るということの、最も魅力的な方法だった。それによってまた、この映画は、より過剰な映画的な映画になったともぼくは信じている」などと大林は解説している[6]
  • 叙情詩としての大きなスケールの中で描くべく、カメラは全てフィックス撮影で、ズームなし、カメラ移動もなしで、主観的な感情の流れを誘う表現はすべて排除している[7]。このため撮影の阪本善尚小津安二郎作品を繰り返し見て研究した[1]。唯一の移動撮影である川下りのシーンは福山市松永町和歌山県新宮市の別々の川で撮影した[1]。音楽は『ユーモレスク』やオーケストラの音楽を合わせてみたが、合わずに結局音楽を排除した。その代わり主要人物のひとりひとりが主題曲を持ち、登場するたびに一節唄う[7]

モノクロ版とカラー版

  • 本作はカラーネガにより撮影されたが、劇場公開時には「質実黒白オリジナル版[8]」「豪華総天然色普及版」と称し、それぞれモノクロ、カラー版が上映された。当初は劇場用がモノクロ、テレビ用がカラーと分けて、それぞれ制作されるはずだったが、どちらも同時期に劇場公開されている。「質実黒白オリジナル版」の方は、カラーを単にモノクロにしたというわけではなく、モノクロに合わせた編集が施され、音楽もまったく異なる。
  • 最初のソフト化、ビデオの発売は「豪華総天然色普及版」のカラー版のみ。モノクロの「質実黒白オリジナル版」版はしばらくビデオ化もされず、各地の特別な上映会等でしか見ることのできない「幻の作品」となっていたが、2001年発売のDVD化にあたり「質実黒白オリジナル版」「豪華総天然色普及版」の両方が入った2枚組で発売された。

テレビバージョン

  • 1990年夏にテレビ放送された際、放送時間に合わせるため、大林自らの手によって「豪華総天然色普及版」がテレビ用に再編集されている(「野ゆき山ゆき海べゆき テレビバーション1990」)。映画版のワンカットを少しずつ短くしてテンポをアップさせ、一切カットせずに40分も短縮させ、映画の魅力もまったく損なわれなかったという驚くべき"編集の魔術師"ぶりを見せた[9]。テレビ放送のみで、ソフト化はされていない。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c #movie、154頁
  2. ^ a b #読本、453頁
  3. ^ a b c d e #読本、152−155頁
  4. ^ a b #movie、181頁
  5. ^ #movie、79頁
  6. ^ a b #読本、509頁
  7. ^ a b #むうびい、39−40頁
  8. ^ しばしば実質白黒と誤記されるが、大林宣彦 DVD COLLECTION リリースラインナップの画像にある通り、質実黒白オリジナル版である。
  9. ^ #ワールド53頁

参考文献

  • 大林宣彦『むうびい・こんさあと』音楽之友社、1987年。ISBN (4-276-21121-2)。 
  • ワンス・アポン・ア・タイム・イン尾道(フィルムアート社、1987年8月)(ISBN 9784845987689)
  • A MOVIE・大林宣彦(芳賀書店、1987年)(ISBN 9784826101202)
  • 大林宣彦『映画、この指とまれ』徳間書店〈(アニメージュ#アニメージュ文庫)〉、1990年、128頁。ISBN (-4-19-669627-9)。 
  • 尾道三部作を旅するためのガイドブック a movie book[尾道](PSC、1995年9月)
  • 『大林宣彦のa movie book尾道』たちばな出版、2001年。ISBN (4-8133-1380-9)。  -「a movie book」(1995年)の改定新版
  • 4/9秒の言葉-4/9秒の暗闇+5/9秒の映像=映画(創拓社、1996年7月)(ISBN 9784871382182)
  • 大林宣彦『大林宣彦の映画談議大全《転校生》読本』角川グループパブリッシング、2008年。ISBN (978-4-04-621169-9)。 

外部リンク

  • 野ゆき山ゆき海べゆき - allcinema
  • 野ゆき山ゆき海べゆき - KINENOTE
  • 野ゆき山ゆき海べゆき - IMDb(英語)
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