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福知山線

福知山線(ふくちやません)は、兵庫県尼崎市尼崎駅から京都府福知山市福知山駅に至る西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線幹線)である。

福知山線
福知山線を走る特急「こうのとり
(2011年3月30日 黒井駅 - 石生駅間)
基本情報
通称 JR宝塚線(尼崎駅 - 篠山口駅間)
日本
所在地 兵庫県京都府
種類 普通鉄道在来線幹線
起点 尼崎駅
終点 福知山駅
駅数 30駅
電報略号 フクセ[1]
路線記号 G
開業 1891年7月24日 (131年前) (1891-07-24)
全通 1904年11月3日 (118年前) (1904-11-03)
所有者 西日本旅客鉄道
運営者 西日本旅客鉄道
車両基地 福知山電車区ほか
使用車両 使用車両の節を参照
路線諸元
路線距離 106.5 km
軌間 1067 mm狭軌
線路数 複線単線
複線区間 尼崎駅 - 篠山口駅間
電化方式 直流1500 V 架空電車線方式
閉塞方式 自動閉塞式
保安装置 (ATS-P)(全線P・尼崎駅 - 宝塚駅)
(ATS-P)および(ATS-SW)(拠点P・宝塚駅 - 篠山口駅間[2]
ATS-SW(篠山口駅 - 福知山駅間)
最高速度 120 km/h
(テンプレートを表示)

なお、本項では正式な路線名を示す場合を除いて、東海道本線のうち大阪駅から京都方面は「JR京都線」、尼崎駅から三ノ宮方面については「JR神戸線」の愛称で記述する。

概要

大阪北近畿、さらに山陰地方とを結ぶルートの一つである。大阪駅 - 宝塚駅間では阪急宝塚線大阪梅田駅 - 宝塚駅間と、大阪駅 - 伊丹駅間では阪急神戸線阪急伊丹線の梅田駅 - 伊丹駅間と競合関係にある。大阪駅(大阪梅田駅) - 宝塚駅間の所要時間においては、阪急宝塚線より当路線が勝る。同区間の所要時間は快速が最速25分、普通列車が下り30分で[3]、並走する阪急宝塚線の急行(33分[3])より速い。

東海道本線の大阪駅 - 尼崎駅間を含む大阪駅 - 篠山口駅間はアーバンネットワークの路線の一つに数えられており、「JR宝塚線」(ジェイアールたからづかせん)の(愛称)が付けられている。阪急電鉄にも宝塚線があるため、混同を避けるために愛称に「JR」が付いている。JR西日本が1987年8月に大阪駅 - 新三田駅間の愛称を公募した結果「北阪神線」が1位であったものの、結局「JR宝塚線」が採用された[4]。なお愛称の区間は、地元自治体の要望により、大阪駅 - 篠山口駅間に変更された[4]

ラインカラー[注釈 1]であり、選定理由は「これからの新しい開発エリアを示すイキイキとしたイメージ」とされている。路線記号は G[5]

全線を近畿統括本部が管轄している。大阪駅 - 尼崎駅 - 谷川駅間は旅客営業規則の定める大都市近郊区間の「(大阪近郊区間)」に含まれており、全線がICカードICOCA」のサービス供用エリアに含まれている[6][7][8]

路線データ

 
JR宝塚線と競合する阪急各線の位置関係。なお阪急神戸線は計画段階では伊丹を経由する案もあったが、伊丹へは支線の伊丹線を建設した。
  • 管轄(事業種別):西日本旅客鉄道((第一種鉄道事業者))
  • 路線距離(営業キロ):106.5 km
  • 軌間:1067 mm
  • 駅数:30(起終点駅含む。JR宝塚線としては23駅)
    • 福知山線所属駅に限定した場合、東海道本線所属の尼崎駅と山陰本線所属の福知山駅が除外され[9]、28駅となる[10]
  • 複線区間:尼崎駅 - 篠山口駅間
  • 単線区間:篠山口駅 - 福知山駅間
  • 電化区間:全線電化(直流1500 V)
  • 閉塞方式:自動閉塞式
  • 保安装置:
    • 尼崎駅 - 宝塚駅間 : (ATS-P)(全線P[注釈 2]
    • 尼崎駅 - 篠山口駅間:(ATS-P)および(ATS-SW)(拠点P[2]
    • 篠山口駅 - 福知山駅間:ATS-SW
  • 最高速度:
    • 120 km/h(尼崎駅 - 新三田駅間)
      • 尼崎駅 - 宝塚駅間は2005年6月19日から95 km/h[11]
    • 105 km/h(新三田駅 - 福知山駅間)
  • 運転指令所
  • 列車運行管理システムJR宝塚・JR東西・学研都市線運行管理システム - 尼崎駅構内を除く尼崎駅 - 新三田駅間に設置。
  • IC乗車カード対応区間:
  • 2020年度の混雑率:快速線106%(伊丹→尼崎 7:10-8:10)、緩行線78%(塚口→尼崎、7:15-8:15)[12]

沿線概況

停車場・施設・接続路線
  • Osaka Metroは経路表記を省略
  • 配線の複雑な駅については一部を省略または簡略
  • キロ程は尼崎駅からの距離
  • Tはトンネル
(凡例)
 
東海道本線  JR京都線
 
  大阪環状線
 
 
 
   
 
 
 
大阪梅田駅 (阪急) [# 1]  東梅田駅
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
7.7 JR-G47 大阪駅  梅田駅 
 
 
 
 
 
 
 
JR東西線  西梅田駅
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
梅田貨物線北新地駅
 
 
 
 
 
 
 
大阪梅田駅 (阪神)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
   
なにわ筋線
   
 
 
 
阪神  本線
     
淀川
 
3.4 JR-G48 塚本駅
 
 
 
 
北方貨物線
 
     
  JR東西線
       
加島駅
 
大阪府兵庫県
 
 
 
 
神崎川 住友金属 専用線
     
尼崎港駅 -1984
 
 
 
 
 
阪神:  本線・  阪神なんば線
 
 
 
 
大物駅 -1905
   
金楽寺駅 -1981
 
 
 
 
 
0.0 JR-G49 尼崎駅(尼崎仮乗降場)
 
 
 
 
 
 
 
 
長洲駅 -1905
 
 
 
 
 
 
東海道本線(  JR神戸線
 
 
 
 
 
 
 
 
旧上り線 福知山線↓
 
 
 
 
 
 
 
 
尼崎港線 尼崎市場駅
 
 
 
 
 
 
 
 
JR福知山線脱線事故発生現場(祈りの杜)
   
2.5 JR-G50 塚口駅
 
阪急:  神戸本線
 
3.9 JR-G51 猪名寺駅
 
山陽新幹線
 
伊丹南口駅 -1897
 
5.8 JR-G52 伊丹駅
 
猪名川仮信号所 -1918
 
7.9 JR-G53 北伊丹駅
 
10.4 池田駅 1897-1901
 
阪急:  宝塚本線
       
11.1 池田駅 -1897
 
 
 
   
能勢電  妙見線
 
 
 
 
 
 
 
川西能勢口駅
 
 
 
   
能勢電:妙見線
       
川西国鉄前駅
   
11.0 JR-G54 川西池田駅
   
雲雀丘花屋敷駅
       
平井車庫
   
花畑仮停車場 -1903
   
山本駅
   
14.5 JR-G55 中山寺駅
   
中山観音駅
   
売布神社駅
   
清荒神駅
     
 
阪急:↑  宝塚本線・  今津線
 
 
 
 
 
 
17.8 JR-G56 宝塚駅
 
惣川駅 -1979
 
第一武庫川橋梁 武庫川
 
19.7 JR-G57 生瀬駅
   
   
城山T/城山T 115 m
   
当田T/生瀬T 1430 m
   
21.9 JR-G58 西宮名塩駅
     
北山T
 
 
 
 
名塩T 2970 m
   
北山第二T
   
溝滝尾T
   
武庫川
     
長尾山第1T
     
長尾山第2T
     
長尾山第3T
   
 
 
 
25.1 JR-G59 武田尾駅
     
草山T
 
 
 
 
 
 
 
第一武田尾T 566 m
     
大茂山T
     
第二武田尾T 708 m
     
野田尾T
     
第一道場T 1263 m
     
第二道場T 158 m
   
第三道場T 463 m
       
植山T
       
   
       
   
30.1 JR-G60 道場駅
   
有馬線
   
神戸電鉄  三田線
 
 
 
 
 
 
 
33.7 JR-G61 三田駅
   
36.9 JR-G62 新三田駅
   
     
新三田電留線
     
武庫川
 
39.7 JR-G63 広野駅
 
44.0 JR-G64 相野駅
 
48.2 JR-G65 藍本駅
 
日出坂T 388 m
 
 
50.5 JR-G66 草野駅
 
53.5 JR-G67 古市駅
 
56.1 JR-G68 南矢代駅
 
 
 
 
 
 
58.4 JR-G69 篠山口駅
   
篠山鉄道
 
篠山線
 
60.7 丹波大山駅
 
大山トンネル 88 m
 
阿草トンネル 380 m
 
68.7 下滝駅
 
 
 
 
 
 
73.0 谷川駅
   
  加古川線
 
奥野々T 855 m
 
80.0 柏原駅
 
83.2 石生駅
 
87.5 黒井駅
 
多田野T 125 m
 
94.0 市島駅
 
98.2 丹波竹田駅
 
 
 
塩津T 866 m ↑兵庫県/京都府
 
福知駅 -1909
 
  山陰本線
 
 
 
 
 
 
 
 
 
106.5 福知山駅
     
北丹鉄道
     
福知山電車区
 
京都丹後鉄道宮福線
 
  山陰本線

路線は篠山口駅を境に南側の都市近郊路線と、北側の地方幹線とに雰囲気が分かれ、日中は普通列車の運転系統も分離されている。篠山口駅以南は複線、以北は単線である。単線区間の全駅で列車交換が可能であり、かつ、駅を通過する場合に高速での運転ができるように一線スルー化されている。複線区間では塚口駅川西池田駅・宝塚駅・新三田駅広野駅で列車の待避が可能である。

尼崎駅を出ると、上下線ともにJR神戸線の内側線と外側線の間の線路を走り、ベイコム野球場の手前から陸橋を上りJR神戸線を跨いで産業道路の手前で進路を北に変え、北東に向かいつつ脱線事故の現場で線路はほぼ真北に一直線に進む。なお、JR東西線が開業するまでは、福知山線は上下線ともにJR神戸線の外側線と接続しており、下り線はJR神戸線の外側線よりさらに外側に膨れて南西に進んでからベイコム野球場のそばをかすめて大きく半円を描く形で陸橋を上ってJR神戸線を跨ぎ現在の線路へと続いていたほか、上り線は脱線事故の現場からそのまま直進して南下しJR神戸線の外側線に接続しており、上り線はJR東西線に伴い下り線に沿って線路は付け替えられた。旧上り線の跡地は現在、脱線事故の現場となった元分譲マンション、そしてその先は駐車場と道路に転用されている。

塚口駅から猪名寺駅あたりにかけての沿線は工場地帯で、現在も三菱電機などの工場があり、その合間を縫って線路は延びている。ただ、塚口駅の東側にあった森永製菓などの工場は閉鎖され分譲マンションへと変わるなど、住宅街も形成されている[13]

伊丹駅を過ぎた辺りから猪名川の西側に沿って走るようになり、川西池田駅の手前で線路は西側に進路を変える。そこからは国道176号と阪急宝塚本線とほぼ並行して西側に延びており、阪急電鉄平井車庫の北側を抜けて中山寺駅となる。同駅前は区画整理により宅地化し商業施設もできるなど様変わりした。

そして住宅街の合間を縫って宝塚市のターミナル駅である宝塚駅へと着く。宝塚駅までの区間は1981年までに電化・複線化が行われており、かつてはこの区間のみ黄色塗装の103系が1時間に1本程度運行されていた。

宝塚駅を出ると進路を北に変えるが沿線風景も一変し、延々と南矢代駅までの間は武庫川の上流にほぼ沿う形で線路は続いている。特に生瀬駅から道場駅までの間は険しい峠越えのため、トンネルが断続的に続く区間である。元々はこの区間も武庫川に沿って線路が延びていたが、電化・複線化により1986年8月に線路が付け替えられ現在の形となった。線路の付け替えにより武田尾駅は移転し、西宮名塩ニュータウンへのアクセスターミナル駅として西宮名塩駅が新設され、同駅はのち快速と一部の特急が停車するまでになった。なお、廃線となった旧線跡は、特に生瀬駅から武田尾駅間にかけては整備がなされハイキングコースとして開放されたため、多くの行楽客で賑わっている。道場駅は神戸市北区に所在するが、元々利用客の少ない無人駅である上に他の神戸市内の駅から離れていることなどから、旧国鉄時代から旅客営業規則における「(神戸市内)」の駅としては扱われていない。

道場駅から先は田園地帯の中を走り抜ける。神戸電鉄との乗り換え駅であり三田市のターミナル駅でもある三田駅は利用客が多く駅前は栄えているが、そこを抜けると再び田園地帯となる。

三田駅から丹波大山駅にかけては再び国道176号とほぼ並行する。次の新三田駅は1986年の福知山線全線電化に合わせて開設された駅であり、駅開業当初は同駅までが複線区間であった。現在も同駅を発着とする列車が多数設定されている。また、北摂三田ニュータウンへと延びるバス路線のターミナル駅ともなっているが、駅周辺は長らく市街化調整区域とされていた(現在は解除)ため、ターミナル駅の割には駅前は商業施設は少なく寂しい印象を受ける。

篠山口駅は丹波篠山市のターミナル駅で、かつては同駅から旧篠山線も延びていた。なお、同市の中心部は市役所のある篠山城周辺(旧篠山線篠山駅北側)であり、篠山口駅からは離れている。複線は同駅までで、ここから終点の福知山駅までは単線である。

丹波大山駅を抜けると再び山岳路線となり、篠山川に沿って西側に進路を変え、トンネルも幾つか抜ける。谷川駅からは再び北側に進路を変え、柏原駅からは再度国道176号に沿う形で線路は延び、山間部の合間を縫って東西に走り抜けつつ北上する。途中幾つかトンネルを抜けると目の前に山陰本線が合流し、高架駅である福知山駅へと達する。

運行形態

福知山線は尼崎駅が起点であるが、尼崎駅を始発・終着とする列車は無く、全列車が尼崎駅を越えて大阪駅ないしJR京都線 高槻京都方面、またはJR東西線を経由し片町線(学研都市線)同志社前木津方面に乗り入れている。福知山駅からは特急列車が山陰本線城崎温泉方面に直通している(京都丹後鉄道宮福線へは臨時での延長運転時のみ)。普通列車快速列車を含む)は、原則として篠山口駅で運転系統が分かれており、大阪駅 - 福知山駅間を直通する列車は朝晩のみである。

2022年3月13日ダイヤ改正時点での運行概況は、次の通り。

ラッシュ時間帯の尼崎方面行きは、大阪行きの快速、JR京都線直通の普通、JR東西線・学研都市線直通の快速・普通が頻発する。普通列車は、かつてはJR京都線直通とJR東西線直通が1:1の割合であったが、現在はJR東西線直通の方が多く設定されている。尼崎駅でJR神戸線からの普通列車に接続する。

日中1時間当たりの運転本数(1)
(大阪駅基準朝9時台及び14:00以降)
(2022年3月12日以降)
種別\駅名 尼崎 塚口 宝塚 新三田 篠山口 福知山
特急 ←新大阪 0 - 1[注釈 3]
丹波路快速 ←大阪 2  
快速 2  
快速
(JR東西線)
←木津 2  
←同志社前 2
普通 ←高槻 4
  1
日中1時間当たりの運転本数(2)
(大阪駅基準10:00 - 14:00)
(2022年3月12日以降)
種別\駅名 尼崎 塚口 宝塚 新三田 篠山口 福知山
特急 ←新大阪 0 - 1[注釈 3]
区間快速
(JR宝塚線)
←大阪 1 - 2[注釈 4]  
2 - 3[注釈 4]  
区間快速
(JR東西線)
←木津 2  
←同志社前 2
普通 ←高槻 4  
  1
夕ラッシュ1時間当たりの運転本数
(大阪・尼崎→宝塚・三田・福知山方面)
(2022年3月12日以降)
種別\駅名 尼崎 塚口 宝塚 新三田 篠山口 福知山
特急 新大阪→ 1
丹波路快速
快速
(JR宝塚線)
大阪→ 1
1
1
快速
(JR東西線)
木津→ 1
1
同志社前→ 2
普通 高槻→ 4

定期列車

特急

北近畿ビッグXネットワークの一角(「X」の左斜め下の部分が福知山線)としての機能を有し、特急「こうのとり」が運転されている。前身の「北近畿」時代からほぼ1時間に1本運転されていたが、特に2020年以降のコロナ禍で利用率が大幅に減少したことを受けて、一部が週末のみ運転の臨時列車に格下げされたほか、社会情勢により日中と夜間で更に運休が発生することがあるなど以前より運行本数が減らされている[15]

福知山線内は途中、尼崎駅・宝塚駅・三田駅・篠山口駅・柏原駅・福知山駅に全ての列車が停車するほか、主に平日の朝と夕方以降で西宮名塩駅・新三田駅・相野駅・谷川駅・黒井駅のいずれかにも停車する。

大阪から福知山市・豊岡市などの丹波但馬地方の各市町や城崎温泉などの観光地への足として、城崎温泉駅発着列車などもある。現在は基本的に3両ないし4両編成で運転されるが、多客時には7両へ編成増強される場合もある。また、大阪駅 - 篠山口駅間では通勤需要があるため、下り19・23号と上り2・4号は平日のみ通年7両で運転されている。

「こうのとり」のうち、一部列車が多客期のみ京都丹後鉄道(2015年3月までは北近畿タンゴ鉄道)天橋立駅へ延長運転を実施している[16][17]が、現在は行われていない。

丹波路快速・快速・区間快速

快速列車は、大阪駅発着系統と、尼崎駅からJR東西線・学研都市線に直通する系統とが運転されている。2000年3月11日のダイヤ改正より登場した丹波路快速は前者にあたる。快速と丹波路快速の停車駅は同じで、尼崎駅・伊丹駅・川西池田駅・中山寺駅・宝塚駅・西宮名塩駅と三田駅からの各駅に停車する。区間快速は、大阪駅発着系統は尼崎駅・伊丹駅と川西池田駅 - 新三田駅・篠山口駅間の各駅に停車するが、JR東西線・学研都市直通系統の列車は尼崎駅から各駅に停車する。

快速・丹波路快速は、原則として川西池田駅で普通列車と緩急接続を行うが、早朝と深夜では緩急接続を行わない列車がある。このほか、朝ラッシュ時では一部の大阪行きが宝塚駅または新三田駅でも普通と片接続を行う。区間快速は、大阪駅発着系統のうち大阪行きのみ川西池田駅で普通と緩急接続を行う。

大阪駅発着系統
大阪駅発着系統は、宝塚駅・新三田駅・篠山口駅・福知山駅発着で運転されている。JR京都線には乗り入れていない[注釈 5]。福知山駅発着の全列車と、篠山口駅発着のうち(223系)・(225系)電車(いずれも6000番台)で運転される列車は、丹波路快速として運転されるが、輸送障害の発生でダイヤが乱れた時などはその他の車両で運行する場合がある。
丹波路快速は、221系電車の当路線での運用が増加した2000年3月11日のダイヤ改正で運転を開始し[18]、その後2008年6月28日からは大半の列車が223系に置き換えられた。2011年3月12日のダイヤ改正で8両編成で運転される丹波路快速が大幅に増加[19]2012年3月17日のダイヤ改正で221系が同線から撤退し入れ替わる形で225系も運用されるようになった。
福知山駅まで直通する列車および篠山口駅で福知山行きに接続する列車は、福知山駅まで先着する(後者は篠山口駅で乗り継ぎ)。大阪行きは終着駅まで先着となるが、一部の列車は新三田駅で特急の接続待ちを行う。
大阪駅 - 篠山口駅間では最大8両編成で運転されるが、篠山口駅 - 福知山駅間ではホームの有効長が8両に達しない駅があるため、最大6両編成で運転される。大阪駅 - 福知山駅間を8両編成で運転する列車は篠山口駅で一部車両の連結・切り離し作業を行い、篠山口駅 - 福知山駅間では4両編成で運転される。
2020年3月14日のダイヤ改正から、日中の丹波路快速と快速を川西池田駅 - 篠山口駅間の各駅に停車[注釈 6]する区間快速(大阪駅 - 新三田駅2本と大阪駅 - 篠山口駅2本)に変更し、普通列車を(JR京都線 - )大阪駅 - 宝塚駅間の運行に短縮した[20]
2022年3月12日のダイヤ改正から、日中は原則として新三田駅 - 篠山口駅間が1時間1本に削減されたため、区間快速は大阪駅 - 新三田駅3本と大阪駅 - 篠山口駅1本に変更された(大阪駅発基準で12時台は新三田駅発着と篠山口駅発着が2本ずつ)。篠山口駅行きは川西池田駅で特急の通過待ちを行う。
JR東西線・学研都市線直通系統
JR東西線・学研都市線直通系統は、日中は塚口駅折り返しで1時間に4本運転されている。朝晩は宝塚駅・新三田駅・篠山口駅発着の設定がある。尼崎駅でJR神戸線の快速と相互接続(時間帯によっては新快速・普通とも接続をする場合もあり)を行う。全列車とも終着駅まで先着する。朝・晩の快速の一部は尼崎駅で列車種別を変更してJR東西線・学研都市線では区間快速として運転する列車があり、列車番号も尼崎駅で変更になる。日中の塚口駅発着の区間快速は尼崎駅で列車番号の変更は行われない。学研都市線・木津経由の奈良駅発着列車も、2018年3月時点で朝に奈良発新三田行き快速が1本、夜間に新三田発奈良行きの快速(平日は新三田20時台発。土休日は新三田21時台発で尼崎駅から区間快速)が1本設定されている。

車両は、大阪駅発着系統は223系・225系が、JR東西線・学研都市線直通系統は207系321系が使用されている。207系・321系は7両編成で、これはJR東西線・学研都市線の一部駅[注釈 7]で7両編成・4ドア対応のホームドアを設置しているのと、大住駅 - 西木津駅は7両編成のみしかホーム長が対応していない都合によるものである。207系・321系は大阪駅発着系統でも日中以外で運用される列車がある。

普通

一部の列車を除き、運行区間内の各駅に停車する。大半の列車がJR京都線と直通しており、京都駅・高槻駅 - 大阪駅 - 宝塚駅・新三田駅間および篠山口駅 - 福知山駅間の運行が基本である。快速・丹波路快速が各駅に停車する新三田駅 - 篠山口駅間では朝の数本のみの運行である[注釈 8]。早朝・深夜の一部を除き、川西池田駅で快速・丹波路快速・区間快速(上りのみ)との緩急接続および特急の通過待ちを行うが、日中は下りの区間快速とは緩急接続を行わず、宝塚駅まで先着する。上りの一部は、宝塚駅または新三田駅(当駅始発のみ)でも緩急接続を行う。尼崎駅では一部列車を除きJR神戸線 - JR東西線間直通の普通と同一ホームで接続する。

朝ラッシュ時は塚口始発でJR東西線に直通する系統が設定されている。日中は大阪駅 - 宝塚駅間で1時間に4本運転されている。2002年10月5日のダイヤ改正前は日中以降は高槻発・京都行きとの組み合わせであったが、この改正で15分間隔運転時間帯は高槻駅発着に統一された。土曜・休日ダイヤでは朝に京都駅発着の列車が運転されており、夜の20分間隔運転時間帯は21時から始まる。

夜19時台には篠山口発高槻行きが1本運転されていたが、2018年3月17日のダイヤ改正により廃止された。

朝晩にはJR東西線・学研都市線に直通する列車も設定されている。JR東西線・学研都市線との直通列車は時間帯によって上りは尼崎駅で、下りは京橋駅で区間快速に種別変更(別列車扱い)を行う列車もある。土曜・休日の朝には学研都市線・木津経由の奈良発宝塚行き(京橋駅まで区間快速)が1本ある。

JR京都線に直通しない大阪駅発着の普通も朝や上り最終列車として深夜に運転されている。この列車は尼崎駅 - 大阪駅間で外側線を走行し、塚本駅は通過(上り最終列車の大阪行き1本は除く)する。大阪駅 - 福知山駅間を直通する普通も朝に数本設定されているが、大阪発福知山行きの片道のみの運行である。福知山発の普通列車はすべて篠山口行きでの運転で、丹波路快速のみが大阪駅まで直通する。

車両はほとんどが207系・321系の7両編成であるが、朝の大阪発福知山行きは223系・225系の4両編成で運行される。

JR東西線開業前は大部分が大阪駅発着の列車で、朝ラッシュ時のみ新大阪行きと吹田発の設定があった。また、昼間でも113系117系も普通列車に充当されていた。JR東西線が開業した1997年3月8日に吹田発は高槻発に変更された。同年8月31日まで全ての普通列車が塚本駅を通過していた(大阪駅 - 尼崎駅間は外側線を走行していたことなどが理由。現在も朝の大阪駅発着は外側線を走行しているため塚本駅は通過している)が、翌9月1日からは、尼崎駅発着だったJR京都線の普通と当路線のJR東西線直通ではない普通を統合して京都・高槻方面 - 新三田方面直通としたため、前述の一部列車を除き塚本駅にも停車するようになった。

2020年3月14日のダイヤ改正より、日中の普通は(JR京都線 - )大阪駅 - 宝塚駅間に短縮した(宝塚駅 - 新三田駅間は区間快速が代替)[20]

篠山口駅 - 福知山駅間で運転される普通は、1時間に1本程度運転されている。早朝の篠山口駅発福知山駅行きを除いて篠山口駅で大阪方面との快速列車・普通列車と接続しており、うち日中は223系5500番台の2両編成でワンマン運転を行っている。同区間は最大6両編成が乗り入れ可能なため、朝晩は大阪方面との直通運転を原則としており車掌が乗務している列車がほとんどであるが、2両編成でも車掌が乗務している列車もある。2014年3月15日の改正で、大阪発22時台の丹波路快速が福知山行きから篠山口行きに見直されたことに伴い、篠山口発0時台の普通福知山行きが設定されたが[21]、2018年3月17日のダイヤ改正で廃止された[22]

臨時列車

特急

国鉄からJRとなって以降は、冬のカニのシーズンを迎える11月から3月にかけて、臨時特急味めぐり北近畿」(1998年以前)[23]・「かにカニ北近畿」(1999年以降)[24]が運転されていた(「こうのとり」の項目も参照)。

2020年以降のコロナ禍による旅客減少の影響で、2021年3月13日のダイヤ改正で「こうのとり」の一部が臨時列車化され、土曜・日曜・祝日を中心に新大阪駅 - 福知山駅間に7号・16号の1往復、新大阪駅 - 城崎温泉駅間に13号・26号の1往復が運転される。

快速

国鉄時代から、篠山の祭礼に合わせた臨時快速(「デカンショ祭り号」)などが多く設定されていた。しかし、現在は定期列車の充実もあり、臨時列車の設定はほぼ無くなった。

現在は、毎年3月に行われている朝日放送テレビ主催の篠山ABCマラソン大会に合わせた大阪発篠山口行き臨時快速「篠山ABCマラソン号」が1本設定される程度である[25]。「篠山ABCマラソン号」の停車駅は、新三田駅までは通常の快速と同一であるが、新三田駅 - 篠山口駅間の各駅は旧速達快速が停車していた相野駅も含めて通過する[26]

女性専用車

女性専用車
← 篠山口
尼崎・大阪 →
1 2 3 4 5 6 7

大阪駅 - 篠山口駅間では、平日・休日の区別無く毎日、始発から終電まで、207系の大阪側から3両目および321系では5号車に女性専用車が設定されている。乗車位置には女性専用車の案内が表示されている。ただし、ダイヤが乱れた際は女性専用車の設定が解除される場合がある。

JR宝塚線では2002年12月2日から女性専用車を導入し、始発から9時00分と17時00分から21時00分まで設定されていた[27]。さらに2011年4月18日からは、平日・休日にかかわらず毎日、始発から終電まで女性専用車が設定されるようになった[28]

過去の列車

優等列車

 
特急「タンゴエクスプローラー」

かつて福知山線には大阪駅と京都府舞鶴市や山陰各都市とを結ぶ幹線として長距離の優等列車が多数運転されていた。しかし、国鉄末期の1986年11月1日に山陰本線城崎駅(現在の城崎温泉駅)まで電化されたことにより、優等列車はほぼ全てが電車化・特急化された上に、運転区間は城崎駅までに短縮され、福知山線経由での山陰方面への昼行の直通列車は廃止された。その後、電車特急の一部を気動車に置き換えて直通列車を復活させたが、後に米子・出雲市方面へは新幹線伯備線経由が、鳥取・倉吉方面へは智頭急行経由がそれぞれ主要経路に変わった上に、車両老朽化もあり、長距離列車は再び姿を消した。2004年10月16日に急行「だいせん」が廃止されたことにより、福知山線経由での夜行列車は運転されなくなった。

このほかに福知山線では、北近畿タンゴ鉄道(現在の京都丹後鉄道)へ乗り入れる「文殊」や「タンゴエクスプローラー」が運転されていたが、2011年3月12日のダイヤ改正により福知山線経由の特急は全て「北近畿」から改称された「こうのとり」に統一され、福知山線経由で北近畿タンゴ鉄道へ直通する列車は全廃された[29]

ほくせつライナー

 
エーデル北近畿車両で運転された「ほくせつライナー」

通勤客向けの座席定員制の列車(ホームライナー)として1988年3月13日から2002年10月4日まで、大阪駅 - 篠山口駅間でほくせつライナーが1往復運転されていた[30]。篠山口行きは夕方に、大阪行きは朝ラッシュ時に運転された。ほくせつライナーには183系電車のほか、一時期大阪行きのみキハ58系キハ65形気動車による運用もあった。ほくせつライナー廃止後は特急「北近畿(現・こうのとり)」の増発で代替している。

停車駅(2001年時点)
大阪駅 - 尼崎駅 - 宝塚駅 - 三田駅 - 新三田駅 - 広野駅 - 相野駅 - 藍本駅 - 古市駅 - 篠山口駅[31]

快速列車

全線電化される前の国鉄時代にも、快速列車が1日に数本設定されていた。国鉄末期の1983年頃のダイヤでは、大阪駅 - 篠山口駅間に尼崎駅・伊丹駅・宝塚駅・武田尾駅・三田駅・広野駅・相野駅・古市駅を停車駅とする気動車による快速列車が1日2往復のみ設定されていたが、快速列車はのちに、各駅に停車する区間が三田駅 - 篠山口駅間、宝塚駅 - 篠山口駅間と次第に延びて停車駅が増加していき、1986年11月1日の全線電化で全列車が電車に統一されたことにより普通列車のスピードアップが図られたため、最終的に廃止された。のち、快速列車の設定を要望する声が多数寄せられたこともあり、民営化後の1989年3月11日のダイヤ改正より現在に繋がる快速列車が新たに設定された。設定当初の停車駅は、国鉄時代とは異なり、尼崎駅・伊丹駅・川西池田駅・宝塚駅と三田駅以遠の各駅であった。1997年3月8日改正では、207系電車を使用した広野駅・藍本駅・草野駅・古市駅・南矢代駅を通過する速達タイプの快速も設定され、大阪発篠山口行きのみ毎日夕方に4本(1時間に1本)運転されていた[32]が、2003年12月1日のダイヤ改正で廃止され、三田 - 篠山口間各駅停車の快速列車(木津発JR東西線直通)に格下げされた。2020年3月14日のダイヤ改正で日中は快速・丹波路快速が区間快速に格下げされたため、現在の日中は事実上旧国鉄末期の快速列車とほぼ同じ停車駅となっている。

大晦日終夜運転

沿線には中山寺など初詣に訪れる参拝者の比較的多い社寺があるため、大晦日深夜から元旦にかけて、福知山線では尼崎駅 - 宝塚駅間(運転区間は学研都市線四条畷駅 - (JR東西線) - 宝塚駅間)において、普通列車のみ約30〜60分間隔で終夜運転が実施されていた[33]。なお、かつては宝塚駅 - 新三田駅間でも終夜運転が行われていたが、2011年度以降は宝塚発新三田ゆき臨時列車1本のみの運転に変更され[34]、さらに臨時列車の運転も取り止められ、2019年度からは全区間とも終夜運転が取り止められた[35]。なお、競合する阪急電鉄では2019年度まで宝塚本線及び今津線ともに終夜運転を実施していたが、2020年度以降は福知山線同様に終夜運転を実施していない。

阪神・淡路大震災時の迂回路として

1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災ではJR神戸線が寸断され、復旧には時間を要する見込みとなった。よって、その迂回ルートで最も重要な線区として、最優先で福知山線の復旧作業が行われた。福知山線では川西池田駅 - 中山寺駅間の被害が大きく、地震発生の1月17日には広野駅 - 福知山駅間が開通し、その後順次運転を再開した。

輸送力の確保のため運転開始直後から臨時列車が運転され、5時30分から21時まで、1時間につき1本か2本の臨時列車を最大42本運転し、特急「北近畿」の増結も行われた。大阪駅を発着としていた特急列車は、東海道新幹線との接続のため3往復を新大阪駅発着で運転し、このほかに「北近畿」15号は福知山駅 → 和田山駅間で延長運転し、播但線との接続を改善した。またJR神戸線が全通した4月1日以降も4月17日まで、新大阪駅延長運転が2往復、和田山駅延長運転が行われた。

JR神戸線で運行されていた貨物列車の迂回運転も行われた。しかし、福知山線や山陰本線の和田山駅 - 湖山駅間では貨物列車が運転されなくなっていたため、重い貨物列車を毎日運転するには問題があり、乗務員の養成や設備の一部改良の必要性があったが、福知山線・山陰本線・伯備線を経由して2月11日から迂回運転が開始された[36]。貨物列車が運転されていなかった区間の迂回貨物列車の乗務は、JR西日本が担当した[37]。また、ダイヤ改正にあわせた新製車両の甲種鉄道車両輸送も3月14日から8本、特大貨物2本が迂回運転された。

  • 1月17日:広野駅 - 福知山駅間が開通。
  • 1月18日:(東海道線大阪駅 - )尼崎駅 - 塚口駅間が開通。
  • 1月19日:宝塚駅 - 広野駅間が開通。
  • 1月21日:塚口駅 - 宝塚駅間が開通し、全線復旧[38]神戸市内からは北神急行電鉄神戸電鉄を利用した鉄道の迂回ルートが完成。臨時列車10往復運転開始。
  • 1月22日:臨時列車が14往復に増発。
  • 1月23日:姫路駅 - 新大阪駅間(播但線・福知山線経由)で直通快速が1往復運転開始。
  • 1月24日:臨時列車が19往復に増発(増発の快速4本は西宮名塩駅に停車)。
  • 2月11日:東京貨物ターミナル駅 - 福岡貨物ターミナル駅間運転の貨物列車が迂回運転開始(コンテナ車両10両)[39]
  • 3月20日:東京貨物ターミナル駅 - 福岡貨物ターミナル駅間運転の迂回貨物列車が2往復に増発(増発分はコンテナ車両8両)[39]

使用車両

現在の使用車両

2011年3月12日以降は電車のみが運転されている。篠山口駅 - 福知山駅間の快速・普通列車は、全列車が転換クロスシート車両で運転されている。

特急列車

快速・普通列車

  • 207系網干総合車両所明石支所)
    • 7両編成で、尼崎駅 - 篠山口駅間で快速・区間快速・普通で運転されている。
  • 321系(網干総合車両所明石支所)
    • 7両編成で、尼崎駅 - 篠山口駅間で快速・普通で運転されている。2005年12月1日に運用を開始し、当時は大阪駅 - 新三田駅間のみで運用されていた。2006年3月18日の改正から快速運用にも充当され篠山口駅まで運転されていたが同年10月21日の改正で一旦廃止され、2010年3月13日の改正で再び篠山口駅まで乗り入れるようになった。
  • (223系6000番台)・(225系6000番台)(網干総合車両所宮原支所)
    • 2008年6月28日から日中の丹波路快速などを中心に、快速や朝晩の一部の普通で運用されている。225系は2012年3月17日のダイヤ改正で221系・113系の運行終了を受けて、全線で運用が開始された[41]
  • (223系5500番台)(福知山電車区)
    • 2008年8月11日から113系3800番台に代わって運用開始した。篠山口駅 - 福知山駅間のみ運用されており、日中はワンマン運転を行っている。

過去の使用車両

国鉄時代末期の1986年11月1日に全線電化開業したが、1981年4月1日の尼崎駅 - 宝塚駅間電化の際には、103系として新車の導入がなされたものの、逆に残る宝塚駅 - 福知山駅 - 山陰本線城崎駅(現・城崎温泉駅)間電化の際に新車は全く導入されず、既存の113系を寒冷地向けに改造した800番台の導入等で賄った。

電車

  • 201系205系0番台(網干総合車両所明石支所)
    • JR京都線直通の普通(京阪神緩行線)として1997年9月1日から運用されていたが、321系を投入して普通電車の最高速度を120 km/hに統一するため、201系は2007年3月18日に、205系は2006年2月7日に運用が廃止された。なお、205系はその後、4編成全てが阪和線に転属し、2011年3月14日にJR京都線JR神戸線に復帰したが、その運用は京都駅高槻駅 - 尼崎駅間の平日朝ラッシュ時限定であり、福知山線へは入線しなかった。
  • 113系(網干総合車両所宮原支所)
    • 全線で運転されていた。2012年3月17日のダイヤ改正で運用が終了した[41]
  • (113系3800番台)(福知山電車区)
    • 篠山口以北の単線区間で運用されていた。2両編成の固定運用で113系800番台からの改造工程と経費を節約するため、従来のように廃車体から前頭部を移植・溶接するのではなく、編成に組まれていたクハ111形から運転台機器を流用して非常に簡易なものを新造するという手法が採られた。そのため片方の前面部は独特の外観を持つ車両となった。223系5500番台の運用開始に伴い、2008年10月までに除籍された。
  • 115系
    • 電化直後に113系800番台の不足を補う形で非冷房の0番台が運用を開始、後に1000番台に置き換えられ2004年まで使用された。いずれも転入直後は湘南色だったが、0番台は旧福知山色、1000番台は新福知山色に塗り替えられた。
  • 117系
    • 福知山色と呼ばれる緑帯塗装で快速・普通として運用されていたが、ラッシュ時の遅延対策のため一部の座席を(転換クロスシート)から(ロングシート)に変更されていた。しかし、それでも対応し切れなくなり、ラッシュ時には乗客の流動とは逆方向の列車に充当されたり、早朝深夜を中心に運用されるようになった。なお、ATS-Pを搭載していないため、JR福知山線脱線事故の影響で、結果的に2005年4月25日限りで運用を終了し、福知山色のまま下関地区や京都総合運転所(当時)へ転出した。
  • 103系
    • 宝塚駅まで電化された1981年4月1日から普通として6両編成の新車がカナリアイエロー(黄5号)で登場した。1984年2月1日のダイヤ改正(1984年2月1日国鉄ダイヤ改正)で4両編成に短縮されたが、JR化後に6両編成に戻された。1997年9月1日の改正でJR京都線との直通運転に伴って7両編成に増強された。普通以外に深夜の快速などにも使用された。その後はJR京都線直通が主体となったため1999年以降、順次スカイブルー(青22号)に塗り替えられた。高速化やJR東西線開業の影響により2003年8月14日に運用を退いたが、2005年4月25日の脱線事故の影響で同年8月1日より再び運用を開始し、321系の運用が始まる前日の同年11月30日まで使用された。
  • 221系(網干総合車両所)
    • 1999年10月2日から運用を開始し、2008年6月28日までは4両編成が全線で、それ以降も8・6両編成が大阪駅 - 篠山口駅間で運用されていた。丹波路快速・快速での運用がほとんどだが、2011年3月12日改正時点で朝1本、大阪発篠山口行き普通(8両編成)での運用があった。なお、2012年3月17日のダイヤ改正での223系・225系への統一に伴い運用を終了した[41]
  • (415系800番台)
    • 1991年9月1日の七尾線電化に向けて用意された415系800番台の早期落成車が、延命工事等によって不足していた113系800番台の代わりに福知山線を走行した実績がある。塗装は113系800番台と同一であった。
  • 183系
    • 特急「こうのとり」で使用されていた。2013年3月16日のダイヤ改正で運用が終了した。なお、この形式の運用終了により、当路線での普通鋼製車両の定期運転は全て終了した。
  • 381系
    • 特急「こうのとり」で使用されていた。2011年5月31日まで運用されて、一時離脱していたが[19]、2012年6月1日より再び運用されていた[42]。しかし、車両の老朽化が進んでいたため、289系に置き換える形で2015年10月30日を以って正式に運用を離脱した[43][44]。これにより当路線の全ての営業列車は、JR西日本発足後に製造された車両のみになった。

気動車

  • キハ10系:無煙化の進行していた蒸気機関車 (SL) 混在期に普通列車として使用。
  • キハ55系:1970年代後半よりキハ26形が一日に2往復存在した快速列車に充当された。1970年代初頭には急行「丹波」にも使用。
  • キハ58系キハ65形:特急「エーデル北近畿」「エーデル丹後」「エーデル鳥取」、急行「だいせん」「丹波」、普通列車など
  • キハ47系:快速・普通(1979年より運行開始)
  • キハ80系:特急「まつかぜ」「やくも」
  • キハ181系:特急「まつかぜ」(1982年より運行開始)
  • KTR8000形(北近畿タンゴ鉄道〈現・京都丹後鉄道〉):1996年から1999年まで新大阪駅発着列車が「タンゴディスカバリー」と名乗っていた。また、2005年6月19日 - 2007年3月17日の間、KTR001形気動車の代替で「タンゴエクスプローラー」に使用されていた。
  • KTR001形(北近畿タンゴ鉄道〈現・京都丹後鉄道〉):特急「タンゴエクスプローラー」

客車

  • 12系:急行「だいせん」・普通列車
  • 14系:急行「だいせん」
  • 20系:急行「だいせん」
  • オハ35系:普通列車
  • スハ43系:急行「出雲」「おき」「だいせん」・普通列車
  • 60系:普通列車
  • 10系:急行「出雲」「おき」「だいせん」・普通列車
  • 50系:普通列車

機関車

  • 国鉄DF50形ディーゼル機関車:1957年から1977年まで使用された。当初はスルザー型(DF50 1〜)を使用、のちにMAN型(DF50 501〜)に統一された。
  • 国鉄DD54形ディーゼル機関車:福知山線では1966年から1977年まで使用された。ただし、DD54自体は1978年まで使用された。
  • 国鉄DD51形ディーゼル機関車:1973年以降、非電化時代から電化後まで、福知山線の客車列車・貨物列車を牽引した。急行「だいせん」の牽引からは1999年10月2日を最後に撤退したが、その後は2005年12月まで寝台特急「出雲」の迂回運転を頻回に牽引、以降は臨時列車や工臨の牽引で入線する場合がある。
  • 国鉄DD13形ディーゼル機関車:出力増強型(DD13111)の試験が三田で行われたことから、同機関車とは繋がりが深い。主に尼崎口の貨物牽引や、1981年まで尼崎港線の客車列車を牽引した。この形式による客車牽引例は少なく、近隣では和田岬線などに見られるのみである。
  • 国鉄DE10形ディーゼル機関車:尼崎港線のDD13形検査時などにDE10形による牽引があり、同系のDE15形ラッセル車の除雪列車が設定されていた。民営化後には、宝塚駅北方の大阪砕石からの砕石列車(惣川工臨)牽引に利用されていた。また近年の旅客車牽引実績としては、丹波市で恐竜(丹波竜)の化石が発掘されたことに伴い、2009年に運転された団体臨時列車「恐竜列車ちーたん号」において、14系客車の「リゾート&シュプール」をDD51との(プッシュプル運転)で牽引した。現在でも工事列車などで臨時に入線する場合がある。

また無煙化以前には

といった蒸気機関車が使用された。

輸送改善

 
武庫川中流、武田尾付近には旧線跡が残る。

1970年から兵庫県三田市神戸市北部に位置している神戸三田国際公園都市・北摂三田ニュータウンの開発が始まり、ニュータウンへの入居が始まった1981年頃から三田市の人口が増加した。特に1987年から1996年まで、人口の実質増加率は10年連続で日本一を記録した[45]

福知山線では輸送力増強のため、非電化区間であった宝塚駅 - 福知山駅間の電化による全区間電車運転と一部区間の複線化の実施が決定した。しかし当時は、生瀬駅 - 三田駅間の山間部においては武庫川渓谷に沿って敷設されており[14]、複線化が困難であったため、生瀬駅 - 道場駅間はトンネルを経由する複線の新線を建設して、約1.8 km短縮する計画が立案された。

まず、1986年8月1日より新線切り替えと宝塚駅 - 三田駅間の複線化が行われた[46]。次いで同年10月15日より三田駅 - 新三田駅(この時点では開業前)が複線化された[47]。翌11月1日に行われた国鉄最後のダイヤ改正(1986年11月1日国鉄ダイヤ改正)から全面的に電車で営業を開始した[48]。同時に、生瀬駅 - 武田尾駅間には西宮名塩ニュータウンの開発に併せて西宮名塩駅が、三田駅 - 広野駅間にはウッディタウンの玄関口として新三田駅が開業し、特急「北近畿」の運転開始に加え、113系2両編成を主体として普通が日中時間帯で1時間当たり3本(大阪駅 - 福知山駅間1本、大阪駅 - 新三田駅間2本)に増発された[48]国鉄分割民営化後の1989年より快速が運転を開始した(快速の区間は現在と同じく、大阪駅 - 三田駅間のみ)。この時点で日中は特急0 - 1本、快速2本、普通4本の現在とほぼ変わらないダイヤになった。

1997年には新三田駅 - 篠山口駅間の複線化が完成し[49]JR東西線が開業したことにより、同線経由で学研都市線との直通運転が開始された[50]

なお、生瀬駅北西から武田尾駅北東にかけての廃線敷は、地面に半ば埋まった枕木が残り、2016年11月から渓谷沿いのハイキングコースとして一般開放されている[51](「旧国鉄福知山線廃線跡」も参照)。

利用状況

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