しし座(ししざ、獅子座、Leo)は、黄道十二星座の1つ。トレミーの48星座の1つでもある。また、日本では春の代表的な星座。
Leo | |
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属格形 | Leonis |
略符 | Leo |
発音 | [ˈliːoʊ]、属格:/liːˈoʊnɨs/ |
象徴 | the Lion |
概略位置:赤経 | 11 |
概略位置:赤緯 | +15 |
正中 | 4月15日21時 |
広さ | 947平方度[1] (12位) |
主要恒星数 | 9, 15 |
バイエル符号/ フラムスティード番号 を持つ恒星数 | 92 |
系外惑星が確認されている恒星数 | 8 |
3.0等より明るい恒星数 | 5 |
10パーセク以内にある恒星数 | 3 |
最輝星 | レグルス(α Leo)(1.40等) |
最も近い星 | ウォルフ359;(7.78光年) |
メシエ天体数 | 5 |
流星群 | しし座流星群 |
隣接する星座 | おおぐま座 こじし座 やまねこ座(角で接する) かに座 うみへび座 ろくぶんぎ座 コップ座 おとめ座 かみのけ座 |
概要
α星は、全天21の1等星の1つであり、レグルスと呼ばれる。β星のデネボラが、うしかい座のα星アークトゥルス、おとめ座のα星スピカと形作る三角形は春の大三角と呼ばれる[2]。λ、ε、μ、ζ、γ、η、レグルスを繋ぐことでできる特徴的な「」形を裏返した星の並びを、「ししの大鎌」と呼ぶ[3]。日本ではこれを「樋掛け星(といかけぼし)」と呼ぶ地方がある。
「(しし座の方言)」も参照
主な天体
恒星
「しし座の恒星の一覧」も参照
1等星のα星(レグルス)以外に、β星、γ星の2つの2等星がある。
以下の恒星には、国際天文学連合によって正式な固有名が定められている。
- α星:レグルス (Regulus) は、しし座で最も明るい恒星で、全天21の1等星の1つ[4]。ライオンの心臓とされる。名前はラテン語で「王」に相当する意味である。
- β星:デネボラ (Denebola) は、2等星[5]。春の大三角を形成するたて座デルタ型変光星。
- γ星:2等星[6]。美しい二重星として知られている連星で、γ1星にはアルギエバ (Algieba) という固有名がある。
- δ星:ゾスマ[7] (Zosma[8])白色の輝巨星。
- ζ星:アダフェラ[7] (Adhafera[8])しし座35番星とは見かけの二重星。
- θ星:シェルタン[7] (Chertan[8])
- λ星:アルテルフ[7] (Alterf[8])
- μ星:ラサラス[7] (Rasalas[8])
- ο星:Subra[8]
その他、以下の恒星が知られている。
- ε星:ラス・エラセド・アウストラリス (Ras Elased Australis)黄色の輝巨星。
- κ星:アル・ミンリアル・アル・アサド(Al Minliar al Asad)
- ウォルフ359, しし座CN星(CN Leonis):太陽から7.7光年と、非常に近い恒星の1つ。
- グリーゼ388, しし座AD星(AD Leonis): 太陽から15.9光年としし座方向で近い恒星の1つ。
- DP星:食連星で、太陽系外惑星も発見されている。強磁場激変星の1つ。
星団・星雲・銀河
しし座には明るい銀河が多くある。
その他
流星群
由来と歴史
古代バビロニア時代からライオンとされ、古くから知られる星座の1つである。古代バビロニアや古代エジプトでは、王権の象徴とされた。
ライオンの尻尾の房を表していた部分は、後にかみのけ座になった。ただしエラトステネスはこれをライオンの尾ではなく女性の髪の房、すなわちギリシア神話のアリアドネー[10]もしくはプトレマイオス朝エジプトの王妃ベレニケ2世の髪の房であるとしている[11]。
神話
12の冒険を行うことになった勇者ヘーラクレース(ヘルクレス座)の最初の冒険は、ネメアーの谷の化け物ライオンの退治であり、しし座に描かれているのはこのネメアーの獅子であるとされる[11][12]。ヘーラクレースは最初弓を使ったが利かず、棍棒で叩いたが砕ける。そののち、首を絞めて殺した[12][注 1]。
脚注
注釈
- ^ なお古代には南東ヨーロッパに広くライオンが生息していた。
出典
- ^ “星座名・星座略符一覧(面積順)”. 国立天文台(NAOJ). 2023年1月1日閲覧。
- ^ “春の星空を楽しもう”. AstroArts. 2013年5月11日閲覧。
- ^ 原恵 1996, p. 95.
- ^ “SIMBAD Astronomical Database”. Results for NAME REGULUS. 2013年1月19日閲覧。
- ^ “SIMBAD Astronomical Database”. Results for V* bet Leo. 2013年1月26日閲覧。
- ^ “SIMBAD Astronomical Database”. Results for CCDM J10199+1951AB. 2013年1月27日閲覧。
- ^ a b c d e 原恵『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂)恒星社厚生閣、1996年6月30日、96頁。ISBN (4-7699-0825-3)。
- ^ a b c d e f “IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合. 2016年10月17日閲覧。
- ^ “主な流星群”. 国立天文台. 2016年10月17日閲覧。
- ^ “伝エラトステネス『星座論』(2) りゅう座・ヘルクレス座・かんむり座”. 2022年8月31日閲覧。
- ^ a b “伝エラトステネス『星座論』(5) しし座・ぎょしゃ座”. 2022年8月31日閲覧。
- ^ a b 長島晶裕/ORG『星空の神々 全天88星座の神話・伝承』新紀元社、2012年。ISBN (978-4-7753-1038-0)。
座標: 11h 00m 00s, +15° 00′ 00″