東山タワー(ひがしやまタワー)は、名古屋市昭和区高峯町の中京テレビ放送(CTV)旧本社内に置かれている県域FMラジオの送信所、名古屋高速道路の業務用無線の基地局およびNTTドコモの中継所である。
東山タワー | |
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東山タワー(2011年) | |
送信所名 | 中京テレビ鉄塔 |
送信波 | 県域FMラジオ 名古屋高速道路業務用無線 UHF地上アナログテレビ放送(廃止) |
送信塔 | 1塔 |
(空中線形式) () | 4L6段8面(CTV、廃止) 4L4段8面(TVA、廃止) 2L2段1面・1段3面(FM3局) SG4段4面(Radio NEO、廃止) |
送信放送局 | 中京テレビ放送(CTV、廃止) テレビ愛知(TVA、廃止) NHK-FM(名古屋) エフエム愛知 ZIP-FM Radio NEO(廃止) |
空中線電力 | 30kW(CTV、廃止) 10kW(CTV以外・TVAは廃止) 5kW(Radio NEO、廃止) |
放送区域 | 愛知県(FM放送) 愛知県・岐阜県・三重県(アナログテレビ放送) |
開局 | 1969年3月1日 |
設置場所 | 名古屋市昭和区高峯町154 北緯35度8分48.8秒 東経136度58分4.5秒 / 北緯35.146889度 東経136.967917度座標: 北緯35度8分48.8秒 東経136度58分4.5秒 / 北緯35.146889度 東経136.967917度 |
概要
「中京テレビ鉄塔」という名称も持つ。在名局初にして民放広域テレビ局唯一のUHF放送だった中京テレビが、1969年の開局に合わせて同局の敷地内に建設した。敷地内に建てた理由は、UHF電波の特性として遠距離やビル群で電波が減衰してしまうために高い丘陵地が必要であったことと名古屋空港(小牧空港)への飛行機の進入路や警察無線の妨害にあたらない場所として最適だったためである。
標高65mのところに高さ162mの鉄塔が建設され、両方の高さを併せると名古屋市中心部にある名古屋テレビ塔(180m)よりも高い。建設費は1億7000万円。中京テレビOBの話によれば、砂利道しかない雑木林を切り開いて造ったという。後に、在名FMラジオ局・名古屋高速道路公社・NTTドコモが送信所・基地局・中継所として使用している[新聞 1]。
1989年の東山スカイタワー完成以降は、混同されやすいことからか、付近住民も中京テレビの職員の間でも東山タワーの名称をあまり使わなくなっている[新聞 1]。
かつては、自社を含めたUHFアナログテレビ放送も送信していたが、瀬戸デジタルタワーの運用開始、そして完全地上デジタルテレビ放送化により2011年7月24日を以って名古屋テレビ塔のVHFアナログテレビ送信所共々廃局となった(2010年9月に閉局した外国語放送局のRADIO-iは瀬戸市の三国山から送信されていた)。
送信所概要
FMラジオ放送
廃止された局の概要
地上アナログテレビジョン放送
チャンネル | 放送局名 | コールサイン | 空中線電力 | 実効輻射電力 | 放送対象 地域 | 放送区域 内世帯数 |
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25ch | TVA テレビ愛知 | JOCI-TV JOCI-TAM | 映像10kW/ 音声2.5 kW | 映像110kW/ 音声27kW | 愛知県 | 不明 |
35ch | CTV[注釈 1] 中京テレビ放送 ※鉄塔所有者 | JOCH-TV JOCH-TAM | 映像30kW/ 音声7.5 kW | 映像360kW/ 音声90kW | 中京広域圏 |
FMラジオ放送
歴史
- 1969年4月1日 - 中京テレビ放送(中京テレビ)が開局。
- 1969年12月24日 - エフエム愛知(FM AICHI)が開局。
- 1971年3月26日 - NHK名古屋放送局のFM放送の送信所が名古屋テレビ塔から当所に移転する[1]。
- 1983年9月1日 - テレビ愛知が開局。
- 1993年10月1日 - ZIP-FMが開局。
- 2011年7月24日 - 当所に置かれている全ての地上アナログテレビジョン放送が廃局となった。
- 2014年4月1日 - エフエムインターウェーブなごや(InterFM NAGOYA、その後:Radio NEO)が開局。
- 2016年11月21日未明 - 中京テレビ、隣接地での放送業務を終了。中村区平池町4丁目(ささしまライブ24地区)の新社屋への移転完了。
- 2020年6月30日 - Radio NEOが閉局。
放送エリア
存廃問題
- テレビはアナログ放送が2011年7月24日に終了してデジタル放送に移行されたが、このタワーでは名古屋テレビ塔と同様に地上デジタルテレビ用のアンテナを設置すると強度不足が生じると判断されたため、中京テレビとテレビ愛知両局のデジタル送信所は、NHKおよび他の民放局共々、新造の瀬戸デジタルタワーに設置された。
- 一方、FMラジオ3局と名古屋都市高速については今後も引き続きこのタワーでの送信を継続する予定だったが、2016年度に中京テレビがささしまライブ24地区に新社屋を建設、移転する予定となっている(2016年11月21日実施)ため、今後の存続がどうなるかが取りざたされている。中京テレビは「ラジオ局の関係もあり、今後は白紙状態」で「栄のテレビ塔(名古屋テレビ塔)のようにシンボル化してきたわけでもない」とし、FM3局も様子見の状態である。名古屋高速道路公社は「デジタル無線に切り替える際に別の候補地を検討する」としている[新聞 1]。
- 2013年現在、このタワーそのものの耐久性は問題ないとされているが、仮に維持した場合は7年ごとのペンキの塗り替え作業で維持費がかかり、仮に解体する場合でも中京テレビが試算を明らかにしないほどの撤去費用が掛かると見られている[注釈 2][新聞 1]。
- 付近の住民の中には「中京テレビが移転した際に鉄塔だけ残されても困る」という声も上っている[新聞 1]。一方で、AMラジオを運営するCBCラジオと東海ラジオ放送が共同でFMの電波を利用したFM補完中継局(AM電波と同じ番組のFM電波による送信)を巡り[新聞 2]、その送信所に当タワーを利用する話が出ていた[新聞 3] が、最終的にかつてのRADIO-iと同じ三国山に中継局を設置し、2015年10月1日に運用を開始した[WEB 6]。
- 2016年10月、NHK名古屋放送局は老朽化したFM送信アンテナの更新のため、エフエム愛知・ZIP-FMと共に当タワーの従来より高い位置(中京テレビがアナログ時代に使用していた位置)にアンテナを移設したことを発表[WEB 7]。中京テレビの移転後もしばらくは東山タワーは残ることになった。
脚注
注釈
出典
WEB
新聞
文献
- ^ 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修室『NHK年鑑'71』日本放送出版協会、1971年、363頁。