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富山湾

富山湾(とやまわん)は、富山県の北のほぼ中央に位置する日本海では最大の外洋性内湾である。日本の湾のなかでも、水深の深さとの豊富さで知られている。また、春と冬には蜃気楼が発生することで知られる。2014年に世界で最も美しい湾クラブへの加盟が認められた。

富山湾
富山湾 (富山県)
富山湾 (日本)
親水域 日本海
日本
自治体 富山県
(テンプレートを表示)

旧名は有磯海(ありそうみ)である。

地理

 
魚津市から望む富山湾
 
 

(Clip)
富山湾周辺の地形図

沿岸自治体

以下の自治体が面している。

富山県

流入河川

海底地形

富山湾の地形の特徴は急峻さである[1]。海岸沿いには浅い海底がほとんどなく、急に深海に向かって落ち込んでおり、海底地形は非常に険しい谷(「あいがめ」と呼ばれる)と尾根が多い[2]。また日本海中央部の日本海盆まで総延長約750kmの富山深海長谷が延びている[3]。湾の大部分は、深海とされる水深200mより深い水深300m以上にも及び、一番深い部分は1,000mを超える。つまり、標高3000m級の立山連峰から海底まで4000mもの「峡谷」になっている。[4]

海底が深く地形が複雑なため、冬の日本海北部で起こる荒波は富山湾内に入っても速度を緩めないまま海岸に押し寄せる。この荒波は「寄り回り波」と呼ばれる。低気圧が発達しながら通過した後、風や波が静まった頃に、突如として寄り回り波が打ち寄せて海岸を浸食し、時には沿岸の集落に押し寄せる。新湊 の海岸は何度も大きな被害を受けたことがある。2008年には、大規模な寄り回り波が富山湾沿岸を襲い、入善町などで被害を出した。

深海部は未知の部分が多く、海洋研究開発機構などが研究している。近年様々な深海魚が発見されており、その結果の一つとしてユーモラスな外見で知られる珍種オオグチボヤの群生地が発見された。生きた個体が採取され魚津水族館などで展示されている。

入善沖の海底には、10,000年前の森林の立ち木がそのまま残された(海底林)がある[5]。また、魚津の海底には、2,000年前の森林が土砂に埋まった後に海面上昇で海面下に保存された魚津埋没林がある。

湾内の島

海岸沿いに浅い海底がほとんどなく、急に深海に向かって落ち込む地形のため、富山湾には岩礁が少ない。特に東部は島がなく、湾内で島があるのは西部の高岡市や氷見市の沿岸のみである。

湾内の島や岩礁で主なものは東から時計回りに以下の通り。

このうち周囲100mを超える比較的大きなものは、大きい方から虻ガ島、唐島、男岩の3島のみである。

雨晴海岸などの富山湾西部の海岸は、島や岩礁を抱く富山湾越しの立山連峰を望む景勝地となっている。

 
( )
雨晴海岸より望む立山連峰と女岩

深層水と暖流

水深300mより深い部分には水温1~2度ほどの冷たい日本海固有水海洋深層水)があり、冷たい海に住む魚類が棲んでいる。また300mより浅い表層部では、暖流である対馬海流が湾内に入ってくるため、ブリなど南の温暖な海の魚類も同時に棲んでいる。このため、富山湾には日本海に生息する魚類(約800種類)のうち半分以上(約500種類)がおり、獲れる魚の種類が非常に多いため「天然のいけす」とも呼ばれる[6]。 しかしながら2000年代以降、海水温の上昇などの影響により、スケトウダラが姿を消し、シイラサワラの漁獲が増加する傾向にあるなど魚種の構成は変化しつつある[7]

その他、海底谷はエビなどの生物の住処である。加えて黒部川など多くの河川が森からの栄養を海底に送り込むため、多くの魚が繁殖できる豊かな漁場になる条件が揃っており、ブリやホタルイカを捕獲する定置網漁業が古くから発達している。また白エビ(シラエビ)は、日本海側では富山湾、太平洋側では遠州灘駿河湾相模湾に分布するが、白エビ(シラエビ)の商業漁獲が行われるのは富山湾のみである。

対馬海流が湾内に入るため沿岸は緯度の割には温暖であり、暖温帯の南方に多い常緑広葉樹林が湾岸部に多く分布している。

利用

 
伏木富山港

上記のように豊かな漁場であるため、漁業水産業が盛んである。企業向けの海洋深層水の取水なども行われている。

海運業では、特定重要港湾伏木富山港がある。水深の深い富山湾では、北前船などの時代から港湾が栄えており、今でも伏木富山港は日本海側を代表する港湾として木材や中古車などの交易が行われている。

富山県域の富山湾では人工的な利用が進んでおり、天然海岸は0.1%以下しか残っていない。これは、海岸線を持つ都道府県の中では2番目に少ない比率[8]である。富山県の(海岸線)は変化が少なく、海岸線を持つ都道府県の中で海岸線が3番目に短い。

黒部川神通川などのダムによる水力発電により、富山湾岸では太平洋戦争前から製紙・繊維・化学など多くの工場が発達した。特に電力を求めてアルミ精錬工業が立地し、全国一のシェアを誇るほか、アルミを使う関連産業が集まる。現在でも北陸電力の電気料金は全国で最も安い。

観光

豊富な海産物が観光に利用されている。富山県ではその中でもブリ「富山湾の王様」とホタルイカ「富山湾の神秘」、白えび(シラエビ)「富山湾の宝石」の3種を「県の魚」として公式にPRしている。

バイ貝やイカ墨をつかった塩辛黒作り)は江戸時代からの名産である。ベニズワイガニも解禁日が全国放送されるくらい有名である。深海魚ゲンゲも「幻魚」として人気が出てきた。

ホタルイカが水揚げされる富山市から、滑川市を挟み魚津市にかけての富山湾沿岸は、ホタルイカの群遊海面として有名である。ホタルイカは春の風物詩として知られており、「富山湾の神秘」といわれている。富山湾に流入する常願寺川の河口左岸から魚津港までの約15km、満潮時の沖合1,260mまでの海域は1922年大正11年)に国の天然記念物に指定され、1952年(昭和27年)3月29日には「ホタルイカ群遊海面」の名称で特別天然記念物に格上げされている[9][10]。なお、天然記念物指定を「ホタルイカ」とすると食用にはできないために、「群遊海面」としたのである。滑川市には、ほたるいかミュージアムがあるほか、富山湾でのホタルイカ定置網漁の様子を観光船から見学できる。

魚津市では海岸から蜃気楼がしばしば見られる[11]。魚津港そばには魚津埋没林があり、こちらも特別天然記念物に指定されており、魚津市には魚津埋没林博物館という博物館[12]がある。近隣には魚津水族館ミラージュランドという遊園地もある。

射水市の海王丸パークには帆船初代海王丸」が公開されていて、立山連峰と新湊大橋を背景にしたパノラマは県内屈指である。新湊漁港や新湊の内川遊覧も含めた観光地になっている。ベニズワイガニは新湊の名産である。養殖のトラフグも各所で饗される。豊かな自然から生み出される栄養を多く含んだ「岩ガキ」も名産となってきた。

能登半島国定公園内にある景勝地である雨晴海岸を含めた氷見海岸からは3000m級の立山連峰が富山湾越しに眺めることができる。2014年に「世界で最も美しい湾クラブ」に日本で松島の次に選ばれる。

富山湾西端に近い七尾湾周辺にはミナミハンドウイルカの一家族が定着しており、世界最北端の個体群とされている。観光に活かされつつあるホエールウォッチングが、無秩序な観光やレジャー客の横暴な行いによって一度は姿を消しており、今後の慎重な対応が検討されている。

能登半島周辺には、人間社会の影響を受ける以前には数多くの鯨類が生息していたとされ、ナガスクジラなど大型のヒゲクジラ類も回遊していた[13]。 現在、数は減少したがツチクジラミンククジラゴンドウクジラ類やカマイルカなどの中~小型種は見られる事があり、貴重なオウギハクジラもこの海域を頻繁に利用する事が判明している。かつては「鯨ウォンテッド」とよばれる、鯨類の写真および目撃談募集プロジェクトが施行されていた。

災害

津波

1586年天正地震の際には、富山湾で津波が発生し溺死者多数。庄川流域での被害が多かった[14]。このほか湾内の津波は、1488年1792年にも記録されている[15]

高波

冬型の気圧配置が強まると北海道付近から発生する「うねり」が遠く富山湾内まで押し寄せて「寄り回り波」という高波が発生する[16]

1916年12月28日から29日かけて高波が発生し、富山湾東端に近い北陸本線市振駅-親不知駅間の路盤が破壊される被害[17]

2008年2月24日には、入善町など湾内一帯で死者1名、重軽傷者15名、沿岸部の住家全壊4棟、半壊7棟の被害。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 富山湾の地形と地質
  2. ^ (2010年5月5日時点のアーカイブ
  3. ^ 富山深海海底谷最下流部の海底地形 (PDF) 歴史地震研究会 歴史地震・第18号(2002)
  4. ^ NHKスペシャル 神秘の海 富山湾 海の中までアルプスがつづく - NHK名作選(動画・静止画) NHKアーカイブス
  5. ^ (2010年1月4日時点のアーカイブ
  6. ^ 天然のいけす 富山湾時事通信(2018年8月23日閲覧)。
  7. ^ “スケトウダラ取れずシイラやサワラ増加、富山湾海水温上昇で…「なじみが薄く売れない」”. 読売新聞 (2022年9月12日). 2022年10月7日閲覧。
  8. ^ (2005年2月26日時点のアーカイブ
  9. ^ ホタルイカ群遊海面-社団法人農林水産技術情報協会 2012年5月13日閲覧
  10. ^ ほたるいかミュージアム
  11. ^ とやま観光ナビ/蜃気楼富山県(2018年8月23日閲覧)。
  12. ^ 魚津埋没林博物館
  13. ^ 南部久男,2012, 富山湾の鯨類-調査で分かってきたこと-,セトケンニューズレター31号, retrived on 26,January,2014
  14. ^ 「上市町史」p1117その他地震(上市町史編纂委員会編 昭和45年2月刊)
  15. ^ 「黒部川のあゆみ・資料編」年表p288、p296(建設省北陸地方建設局黒部工事事務所編 昭和53年刊)
  16. ^ “富山県東部海岸 における2008年2月高波による被害調査” (PDF). 海岸工学論文集,第55巻(20) (2008年). 2018年10月29日閲覧。
  17. ^ 富山市役所編 『富山市史』第2巻p300 1980年 富山市役所

関連項目

外部リンク

  • とやま観光ナビ 神秘の海・富山湾 - とやま観光推進機構
  • 富山湾の紹介 - 富山県漁業協同組合連合会
  • 日本海ののぞき窓・富山湾 - キッズ日本海学(日本海学推進機構)
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