大聖寺駅(だいしょうじえき)は、石川県加賀市熊坂町にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)北陸本線の駅である。石川県最西端および最南端の駅である。
概要
北陸本線の起点の米原駅から見て、石川県最初の駅である。事務管コードは、▲541438[3]。
一部の特急列車が停車する[4][5]。1日1往復、金沢方面へ折り返す普通列車の始発駅としても設定されている。このため、福井県の芦原温泉駅と当駅までの間(細呂木駅・牛ノ谷駅)の普通列車は本数が少ない。
なお、北陸本線において金沢支社直轄となっている駅は当駅から金沢駅(2015年(平成27年)3月13日までは倶利伽羅駅)までの各駅で、隣の牛ノ谷駅から福井寄りは同支社福井地域鉄道部の管轄であり、当駅はその指令上の境界とされている。また、当駅は北陸新幹線の金沢駅 - 敦賀駅間の開業後、当駅はIRいしかわ鉄道とハピラインふくいとの境界駅になる予定である(IRいしかわ鉄道の管轄駅を予定)[6][7][8][9]。
歴史
加賀市の中心地に建つ駅だが、ほとんどの特急は隣の加賀温泉駅に停車している[1]。以前、当駅は加賀温泉郷への玄関口として、動橋駅とともに特急が手分けして停まっていた[1]。1960年代末期には特急「雷鳥」「しらさぎ」が大聖寺駅と動橋駅の両駅に停車するダイヤとされていたことが特急の格やスピードアップの観点から問題視されたことから、1970年(昭和45年)10月1日に両駅の中間に位置する作見駅が加賀温泉駅と改称され加賀温泉郷の玄関口として一本化された[10]。それ以降は急行以下の列車が停車するのみとなり、1982年(昭和57年)に急行が特急に統合されて廃止されたため再び特急停車駅に返り咲いたが、その後も現在に至るまで特急の停車は一部の列車のみとなっている[5]。この経緯については、(鉄道と政治#停車駅争奪戦・追加運動・臨時停車など)を参照されたい。
年表
- 1897年(明治30年)9月20日:官設鉄道の福井駅 - 小松駅間延伸時に開業((一般駅))[1][2][5]。
- 1909年(明治42年)10月12日:線路名称制定、北陸本線所属駅となる。
- 1965年(昭和40年)9月24日:みどりの窓口を設置[11]。
- 1970年(昭和45年)9月30日[要出典]:みどりの窓口の営業を終了[12]。
- 1982年(昭和57年)11月15日:貨物の取扱を廃止((旅客駅)となる)。
- 1985年(昭和60年)3月14日:荷物の取扱を廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅となる。
- 1990年(平成2年)3月:みどりの窓口の営業を再開[13]。
- 2017年(平成29年)4月15日:ICカード「ICOCA」の利用が可能になる[14][15][16][17][18]。
- 2021年(令和3年)
- 2022年(令和4年)6月13日:駅舎を加賀市が取得し、複合施設「大聖寺ゲートウェイ」として整備[22][5][23][24][25][26]。
- 2024年(令和6年)春:北陸新幹線敦賀延伸開業に伴い、IRいしかわ鉄道[5]・ハピラインふくいの境界駅となる予定(IRいしかわ鉄道の管轄駅)[9]。
駅構造
単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線[27]のホームを有する地上駅。駅舎は単式の1番のりば側にあり、島式の2・3番のりばへは跨線橋で連絡している。
小松駅が管理する無人駅である。無人駅への移行後は、加賀市は駅舎をJR西日本から譲渡したうえで賑わい創出を目指し改修する方針としている[4][5][25][26]。カフェや高校生の自習室を備えた施設に改修して有人を維持するという[5][25]。IRいしかわ鉄道への移管後も駅舎は加賀市が所有する予定となっている[5]。
IRいしかわ鉄道線、ならびにあいの風とやま鉄道線(富山駅まで)の連絡運輸は、北陸本線米原方では当駅までが発売範囲である(一部の通過連絡運輸を除く)[28][29]。
2017年(平成29年)4月15日から、ICOCAおよび相互利用を行う交通系ICカードでの利用およびチャージが可能になり、2018年9月15日から福井方面にエリア拡大し、関西圏と北陸本線のICOCAエリアが繋がった[30]。ただし、IRいしかわ鉄道線に跨っての利用可能区間はJR七尾線・のと鉄道七尾線和倉温泉駅、城端線新高岡駅、あいの風とやま鉄道線越中宮崎駅から当駅までに限られているため、牛ノ谷駅方面へ通しての利用はできない[31][32][33][34]。
のりば
- 列車運転指令上では、1番のりばが「下り本線」、2番のりばが「中線」、3番のりばが「上り本線」とされる。2番のりばは金沢方面からの折返し列車や、当駅で特急の通過待ちを行う列車が使用する。
改札口(2010年8月)
ホーム(2012年7月)
利用状況
2019年(令和元年)度の1日平均(乗車人員)は902人である[35]。
「石川県統計書」と「加賀市統計書」によると、近年の1日平均(乗車人員)は以下の通りである。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
---|---|
1996年 | 1,437 |
1997年 | 1,372 |
1998年 | 1,347 |
1999年 | 1,310 |
2000年 | 1,283 |
2001年 | 1,239 |
2002年 | 1,214 |
2003年 | 1,182 |
2004年 | 1,143 |
2005年 | 1,105 |
2006年 | 1,070 |
2007年 | 1,058 |
2008年 | 1,047 |
2009年 | 985 |
2010年 | 942 |
2011年 | 877 |
2012年 | 881 |
2013年 | 935 |
2014年 | 923 |
2015年 | 902 |
2016年 | 904 |
2017年 | 927 |
2018年 | 916 |
2019年 | 902 |
駅周辺
- 加賀市役所[26]
- 加賀市民会館
- 加賀郵便局
- 大同工業本社工場
- APAホテル加賀大聖寺駅前
- 国道8号
- 国道305号
- 石川県立大聖寺高等学校
- 石川県立大聖寺実業高等学校
バス路線
「大聖寺駅前」停留所にて、北鉄加賀バス((加賀営業所))の路線バスが発着する。
- 1番のりば
- 山代大聖寺線:大聖寺実業高校前
- 吉崎線:塩屋
- 温泉大聖寺線:かが交流プラザさくら
- 2番のりば
- 山代大聖寺線:山代温泉・山中温泉
- 吉崎線:加賀温泉駅
- 温泉大聖寺線:加賀温泉駅
隣の駅
※特急「しらさぎ」「おはようエクスプレス」「おやすみエクスプレス」(「しらさぎ」は上り一部のみ停車)の隣の停車駅は各列車記事を参照のこと。
北陸鉄道 大聖寺駅
大聖寺駅 | |
---|---|
だいしょうじ DAISHOJI | |
◄帝国繊維前 (1.5 km) | |
所属事業者 | 北陸鉄道 |
所属路線 | 山中線 |
キロ程 | 8.9 km(山中起点) |
開業年月日 | 1913年(大正2年)3月18日[36][37] |
廃止年月日 | 1971年(昭和46年)7月11日[38] |
概要
山中線の乗換駅で、国鉄の南側に位置していた。山中線の起点駅は当駅ではなく山中駅であった。
歴史
駅構造
国鉄の駅舎・ホームとつながる跨線橋を降りたところに山中線のホームがあり、ホーム上に出札口と中間改札が設けられていたが、北陸鉄道側には独自の出入口はなかった。ホームは1面2線であったが、配線の関係で国鉄とは反対側の1線のみが使用されていた(国鉄側の1線からは直接山中方面には行けない配線になっていた)。加南線では唯一国鉄との接続線があり、直江津方で線路がつながっていた。
廃止後
ホームと跨線橋、山中線の線路が撤去されているが、敷地はそのまま残されて資材が置かれ、除雪用車両が留置されている。
隣の駅
- 北陸鉄道
- 山中線
- 帝国繊維前駅 - 大聖寺駅
脚注
- ^ a b c d 朝日 2012, p. 22.
- ^ a b 川島 2010, p. 58.
- ^ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
- ^ a b “大聖寺駅再生へ本腰 加賀市補正案に1億7000万円”. 北陸中日新聞Web. (2021年7月21日)2021年7月24日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i “大聖寺駅「譲って」 無人化計画のJR西に加賀市 「有人」維持へ カフェ、自習室で活気”. 北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ(北國新聞). (2021年7月21日)2022年4月10日閲覧。
- ^ “北陸新幹線の予定通り延伸で連携 石川と福井知事”. 日本経済新聞. (2020年10月23日)2021年6月17日閲覧。
- ^ . 朝日新聞デジタル. (2021年8月26日). オリジナルの2021年8月26日時点におけるアーカイブ。 2021年9月23日閲覧。
- ^ . 読売新聞オンライン. (2021年8月31日). オリジナルの2021年9月10日時点におけるアーカイブ。 2021年9月23日閲覧。
- ^ a b . 読売新聞オンライン. (2022年4月9日). オリジナルの2022年4月9日時点におけるアーカイブ。2022年4月10日閲覧。
- ^ . 北陸中日新聞Web. (2020年11月15日). オリジナルの2021年4月21日時点におけるアーカイブ。2021年7月24日閲覧。
- ^ 『国鉄監修 交通公社の時刻表』1965年10月号「みどりの窓口」案内②、③
- ^ 『国鉄監修 交通公社の時刻表』1970年1月号・11月号「みどりの窓口」案内
- ^ 『JR時刻表』及び『JTB時刻表』1990年3月号・4月号「索引地図」
- ^ (PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道/IRいしかわ鉄道/あいの風とやま鉄道、2017年1月31日。 オリジナルの2019年5月25日時点におけるアーカイブ2020年2月1日閲覧。 。
- ^ (PDF)(プレスリリース)あいの風とやま鉄道、2017年1月31日。 オリジナルの2019年5月25日時点におけるアーカイブ2020年2月1日閲覧。 。
- ^ “JR西日本、ICカード「ICOCA」を金沢地区・新高岡地区へ導入”. トラベルWatch (2016年2月16日). 2021年9月21日閲覧。
- ^ “富山に続き石川も「ICOCA」エリアに 4月15日、3社相互利用開始”. 乗りものニュース (2017年2月1日). 2021年9月21日閲覧。
- ^ “金沢でイコカ利用可能に 石川、富山の19駅”. 産経フォト (2017年4月15日). 2021年9月21日閲覧。
- ^ “”. 西日本旅客鉄道. 2021年9月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月29日閲覧。
- ^ a b “”. NEWS. 北陸朝日放送 (2021年9月30日). 2021年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月1日閲覧。
- ^ a b . 北國新聞. (2021年2月27日). オリジナルの2021年2月27日時点におけるアーカイブ。2021年4月23日閲覧。
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- ^ . 北國新聞 (北國新聞社). (2022年6月14日). オリジナルの2022年6月14日時点におけるアーカイブ。2022年6月14日閲覧。
- ^ (PDF)(プレスリリース)加賀市、2021年8月12日。 オリジナルの2021年9月30日時点におけるアーカイブ2021年9月30日閲覧。 。
- ^ a b c “大聖寺駅 来月1日無人化 JR西 切符は自動券売機のみ みどりの窓口廃止”. 北國新聞 (北國新聞社): p. 32(朝刊). (2021年9月10日)
- ^ a b c “石川・加賀市、大聖寺駅にぎわい再生 駅舎に利便施設”. 日本経済新聞. (2021年8月12日)2022年4月10日閲覧。
- ^ 川島 2010, p. 32.
- ^ きっぷの取扱い・購入方法 - IRいしかわ鉄道
- ^ あいの風とやま鉄道株式会社「あいの風とやま鉄道 利用者説明会」 (PDF)
- ^ “JR西日本の『ICOCA』利用エリアが一体化…山陽本線と北陸本線のエリア分断が解消 9月15日から”. Response. (2018年5月30日). 2021年7月24日閲覧。
- ^ JRおでかけネット ICOCAご利用可能エリア - 西日本旅客鉄道
- ^ ICカードについて - あいの風とやま鉄道
- ^ “富山から山口までICカードのエリア統合…JR西日本「ICOCA」大幅拡大へ”. Response. (2017年10月18日). 2021年7月24日閲覧。
- ^ “JR西日本、2021年春にICOCAエリア拡大。七尾線、和歌山県内、北近畿エリアで利用可能に。3月13日~”. トラベルWatch (2020年12月21日). 2021年9月5日閲覧。
- ^ “令和元年石川県統計書” (PDF). 石川県. p. 104 (2021年3月). 2021年4月12日閲覧。
- ^ a b c 朝日 2011, p. 18.
- ^ 寺田 2008, p. 163.
- ^ a b c 朝日 2011, p. 19.
- ^ 『北國新聞に見るふるさと110年(上)』北國新聞社、2003年8月5日、187頁。
参考文献
関連項目
外部リンク
- 大聖寺駅|駅情報:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道