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『大岡越前』(おおおかえちぜん)は、1970年から1999年にTBS系列の『ナショナル劇場』で月曜日の20時台に放送されていた時代劇テレビドラマ。放送開始前に番組タイトルの公募が行われた。なお、2006年3月20日には、ナショナル劇場50周年記念特別企画の1つとして、最終回にあたる2時間スペシャルが放送された。制作はC.A.L。全15部及び2時間スペシャルまで一貫して主演は加藤剛(全402話+スペシャル1本)。なお、本項においては、最終回にあたる2時間スペシャルについては、便宜上単に「最終回」「最終回スペシャル」と表記することがある。また、本項において「再放送欠番」と書かれた回は、2021年現在、地上波放送等で放送されない回であり、一部の(CS放送)などでは放送されることがある。
製作
享保期の江戸南町奉行大岡忠相を主人公とした日本の時代劇である。題名は公募が行われ、6万余の応募の中から決まった。
TBSの月曜日20時からの放送枠「ナショナル劇場」で『水戸黄門』、『江戸を斬る』などとともに放送され、約30年の間、同枠を支えたTBSの看板番組の一つである。2006年放映の2時間スペシャルを除外しても、『水戸黄門』の全43部に次ぐ全15部が放映されている(『水戸黄門』放送開始以後、同作の放送されない期間にもっとも多く放送された)。
本作の前年から始まった『水戸黄門』では、主演や主要キャストに代替わりがあったのに対して、この作品は、主演の大岡忠相役を一貫して加藤剛が29年(最終回スペシャルを含めれば36年)担当し、主要なキャストも、亡くなるまで同一の役でレギュラー出演を続けた人物も少なくない。
初期においては、享保の改革の諸政策の実現に奔走する若き大岡忠相と、それを支える親友・榊原伊織や家族、南町奉行所の部下たちなどを描き、その後は講談や落語の「(大岡政談)」を元にした時代劇に変化していく。
第1〜4部にかけては、忠相や榊原伊織らが物語の登場人物の中でも若手的な位置づけであり、(先に述べた)享保の改革の政策を実現化する努力や葛藤と、若い二人が家庭を持ち成長していく姿などが描かれている。第4部の時点でも、商人に転身した旧友・車屋藤兵衛の乱闘(ただし正当防衛ではあるが)に浪人姿の忠相自身が加勢する若気の至りがあったり、配下の同心が悪に加担して最後は切腹するエピソードもあった。初期は享保の改革の施策の成立過程をフィクションにうまく落とし込んだエピソードが多いのも特徴である。また、捕物時に捕り方に犠牲者が多数出る描写もしばしばあった。なお、第2部最終回と第3部第1話の間で、劇中では約6年の時間が経過している(長男の忠宣が6歳になっている)。
第5部以降の忠相や伊織は、演じる加藤剛・竹脇無我の年齢から中堅的な位置づけになり、講談や落語の「大岡政談」のように、忠相を完全無欠の人物のように描くように変わるが、それに対する忠相の父・忠高の不満(寂しさ)[要出典]や、親友・榊原伊織や同心、家族らのフォローもさりげなく描かれている。また、配下が悪に与するエピソードも、やむにやまれぬ事情があって、最後には改心し敵と刺し違えるような話に変わり、捕り方が落命する話もなくなっていった[要出典]。しかし、同心が悪の一味の女性と愛し合うエピソードでは、裁きの場になると「そんな事実は無かった」と愛人(一味の女性)の同意を得て揉み消すなど、犠牲者の数が少なくなっていく[要出典]。とはいえ、「母親の無理解で、不幸な最期を遂げた同心と恋人」の場合、その悲しみの原因である当の母親に、その事実を説得する作業が中途半端に終わっていた。[要出典]
なお、第11部以降から最終回においては、忠相、伊織、辰三ら古参の顔触れは、年齢を重ねたベテランとして描かれていき、最終回を迎える。最終回は、かつて扱った題材を再利用したアナザーストーリーの側面があるが、主人公・大岡忠相が寺社奉行へ昇進する大団円で終了した。
各部の主な出演者・概要
放送日はTBSおよび同時ネット局を基準とする。 登場人物については大岡越前 (ナショナル劇場) の登場人物も参照のこと。
第1部
大岡越前 第1部 | |
---|---|
ジャンル | テレビドラマ |
脚本 | 葉村彰子 加藤泰 津田幸夫 池上金男 宮川一郎 稲垣俊 |
監督 | 佐々木康 内出好吉 工藤栄一 田坂勝彦 山内鉄也 |
出演者 | 加藤剛 竹脇無我 山口崇 宇津宮雅代 土田早苗 高橋元太郎 加藤治子 大坂志郎 天知茂 片岡千惠藏 |
製作 | |
製作総指揮 | 松下幸之助 |
プロデューサー | 逸見稔 西村俊一 |
制作 | TBS |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1970年3月16日 - 1970年9月21日 |
放送時間 | 月曜日20:00 - 20:56 |
放送枠 | ナショナル劇場 |
放送分 | 56分 |
回数 | 全28 |
「大岡越前 第1部」(おおおかえちぜん だい1ぶ)は1970年3月16日から1970年9月21日までナショナル劇場で放送された時代劇。製作はC.A.L。全28話。
概要
伊勢の山田奉行の直参旗本・大岡忠相は、殺生禁断の場で密漁する紀伊大納言吉宗を召し捕るが、白州では、公儀の名を騙る善悪の判断がつかない狂人として無罪放免にした。それから4年目の享保元年12月、八代将軍の座に就いた吉宗から、忠相に山田奉行解任と江戸出府の命が下り、忠相は親友の医師・榊原伊織と共に江戸に向かう。登城の沙汰が下り、死をも覚悟していた忠相だったが、吉宗から江戸町奉行を命じられる。忠相は与力の神山左門、同心の村上源次郎、岡っ引きの辰三、鳶の伊三郎、政吉らの協力を得て、江戸の町の治安を守るため、事件を鮮やかに裁いていく。さらに、伊織らの助言を元に町火消の創設や目安箱、小石川養生所の設置など享保の改革の施策実現に奔走する。また、忠相が世情を知るために着流しの浪人姿で町の様子を見て回っていた折に、病死した許嫁・千歳に酷似した大番頭吉本作左ヱ門の養女・雪絵と知り合い、互いに惹かれ合うようになった。その後、ある経緯で吉宗の目の前で二人は夫婦となった。そして、「天一坊事件」の発生で、天一坊側の首謀者で山内伊賀亮と名乗る男と対決する。
レギュラー出演者
- 大岡忠相:加藤剛
- 榊原伊織:竹脇無我 (第24,25話除く)
- 雪絵:宇津宮雅代(第4話から)(第8,13,14,17話除く)
- 千春:土田早苗 (第24話除く)
- すっとびの辰三:高橋元太郎(第1〜2部のオープニングでは「辰三」と表記されている)(第23,27話除く)
- 加代:武原英子
- 政吉:里見浩太郎(現・里見浩太朗、第2話から)
- 弥助:鶴田忍(第2話から)
- 徳川吉宗:山口崇
- 大岡妙:加藤治子
- 鳶の伊三郎:中村竹弥
- 村上源次郎:大坂志郎 (第17,22話除く)
- 神山左門:天知茂
- 大岡忠高:片岡千惠藏(特別出演)
準レギュラー
- 中山出雲守:永井智雄(第3話、第5話、第9話、第19話~第20話)
- 吉本作左ヱ門:堀雄二(第4話、第5話、第12話、第21話、第23話)
- 有馬兵庫頭:中村錦司(第1話、第23話)
- 吉本家用人 喜内:丘寵児(第4話~第5話、第7話、第11話、第23話)
- 吉本家若党 太平:本郷淳(第4話~第5話)、(森谷譲)(第15話)、(泉好太郎)(第21話)
- 海野呑舟:志村喬(第11話のみ)
- 吉本家女中 まつ:(池田幸路)(第11話、第16話)
- 竜吉:三角八郎(第4話、第12話)
- お菊:(矢代久美子)(第3話、第7話、第12話)
- 川原但馬:加賀邦男(第2話、第21話)
- 中山新八郎:杉良太郎(第18話・第22話)
- 石川近江守:永田光男(第21話、第28話)
スタッフ
- 脚本:池上金男、稲垣俊、津田幸夫、加藤泰、宮川一郎、葉村彰子
- 音楽:山下毅雄
- ナレーター:芥川隆行
- 題字:朝比奈宗源
- 助監督:渡辺譲(第3話)
- 撮影:河原崎隆夫(第3話)
- 照明:長谷川武男(第3話)
- 録音:渡部芳丈(第3話)
- 美術:鈴木孝俊(第3話)
- 記録:西野敏子(第3話)
- 編集:河合勝巳(第3話)
- 殺陣:近江雄二郎/東映剣会(第3話)
- 衣裳:佐々木常久(第3話)
- 美粧・結髪:(有)東和美粧(第3話)
- 装飾:川本宗春(第3話)
- 装置:林平(第3話)
- 邦楽監修:中本敏生(第3話)
- 進行主任:松岡茂(第3話)
- 現像:東洋現像所(第3話)
- 制作協力:東映
- プロデューサー:逸見稔、西村俊一
- 監督:山内鉄也、田坂勝彦、内出好吉、佐々木康、工藤栄一
- 完全なEDが残っている回が、第3話「謎の父子鶴」のみのため、一部項目は第3話のみ掲載した。
作品リスト
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 監督 | ゲスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
第1話 | 1970年 3月16日 | 大岡越前 | 池上金男 稲垣俊 | 山内鉄也 | 魚勝:柳沢真一 下っ引の勘太:(千代田進一) 紀州吉宗用人:(時美沙) 漁師:瀬良明 勤番侍:(不破潤) 勤番侍:(鈴木金哉) 勤番侍:川浪公次郎 職人:唐沢民賢 茶店の親爺:(野村鬼笑) 役人:(不動匡司) 役人:波多野博 臥煙:(藤長照夫) 臥煙:(大城泰) 火事に逃げ遅れた婆さん:(金森あさの) 罪人熊三:壬生新太郎 | 再放送欠番 |
第2話 | 3月23日 | 町火消誕生 | 稲垣俊 | 佐久間玄蕃:河津清三郎 川原但馬:加賀邦男 原式部:戸田皓久 猪之吉:藤岡重慶 般若の与六:夏目俊二 目付 坂崎:横森久 寺社奉行:志摩靖彦 勘定奉行:(関根永二郎) お絹:桃山みつる 佐久間家の用人:(高村俊郎) 佐久間忠蔵:(小山田良樹) 茶坊主:(佐々木松之丞) お美代:酒井靖乃 | ||
第3話 | 3月30日 | 謎の父子鶴 | 津田幸夫 | 田坂勝彦 | 目付・外記:内田朝雄 下坂刑部:原健策 浪花屋重兵ヱ:香川良介 おきぬ:鮎川いづみ おせい:町田祥子 林田甚内:小美野欣二 沼田東十郎:高橋俊行 番頭信助:坂口徹 道具屋:(市川裕二) 和泉屋:(野村鬼笑) | 再放送欠番 |
第4話 | 4月 | 6日慕情の人 | 稲垣俊 | 山内鉄也 | 権太:冷泉公裕 呉服屋:阿木五郎 藤六:千葉敏郎 三平:(賀川泰三) 信助:市川小金吾 伊勢屋の丁稚:(加島こうじ) お美代:酒井靖乃 | |
第5話 | 4月13日 | 血の直訴状 | 内出好吉 | 河村勝之進:長谷川哲夫 河村冬:稲野和子 駕籠かきの八:砂塚秀夫 越後屋:小林重四郎 島田主水:高桐真 太平:本郷淳 七兵衛:永田光男 和尚:(堀正夫) 金太:(金光満樹) おつる:志乃原良子 若侍:(菅原俊夫) 熊五郎:平沢彰 | ||
第6話 | 4月20日 | 三葉葵の謎 | 津田幸夫 | 山内鉄也 | 伝内:大友柳太朗 とき:岩本多代 田原屋甚助:武藤英司 亥十郎:伊吹聰太朗 主膳:小柴幹治 お美代:(浅松三紀子) 浪人:(寺内文夫) 田原屋の女中:星野美恵子 加兵衛:(藤川弘) | |
第7話 | 4月27日 | 濡れぎぬ | 田坂勝彦 | 巳之吉:石立鉄男 るい:大原麗子 儀兵衛:見明凡太朗 伊太八:高城淳一 源太:中村孝雄 同心関根:穂積隆信 目明し松造:肥土尚弘 竜吉:(森源太郎) | ||
第8話 | 5月 | 4日千春の危機 | 稲垣俊 | 山内鉄也 | 駒吉:藤岡重慶 又五郎:富田浩太郎 しげ:(河村有紀) 長吉:服部哲治 米吉:(小沢文也) 松:川谷拓三 役人:(大木晤郎) | |
第9話 | 5月11日 | 鬼面夜叉 | 津田幸夫 | 内出好吉 | 別木紫緒:北林早苗 おきた:野口ふみえ 相模屋伝兵衛:清水彰 浪人 乙部:五味竜太郎 留吉:神戸瓢介 水野和泉守:(浪花五郎) 茶店の婆さん:(和歌林三津江) | |
第10話 | 5月18日 | 裁かれる者は… | 加藤泰 | 山内鉄也 | 菊:大谷直子 菊の義姉:(沢淑子) 菊の義兄・花房屋弥吉:高野眞二 吉五郎:林家珍平 金太郎:不明 権太:玉生司郎 八重:高橋芙美子 たか:(武田禎子) 熊:(最上龍二郎) 家主:(村居京之輔) 代脈:(香月凉二) 直助:(宮城幸生) | |
第11話 | 5月25日 | 呑舟先生はどこだ | 稲垣俊 | 内出好吉 | 京太郎:夏八木勲 御殿医・林良庵:村上冬樹 町医者・小田伴庵:清水一郎 又八:鮎川浩 渡辺長円:永野達雄 相模屋丑松:小田部通麿 三河屋:(北原将光) 蝮の彦六:守田学哉 お絹:吉川雅恵 子分:野上哲也 子分:(北野拓也) 子分:(広田竜治) 三河屋の内儀:(京町一代) 弥五郎:(奥野保) 長屋の女房:(牧淳子) | 再放送欠番 |
第12話 | 6月 | 1日すっとび辰の片思い | 竜吉:三角八郎 はつ:鷲尾真知子 お楽:荒木雅子 はつの父親:(藤川弘) | |||
第13話 | 6月 | 8日恐怖の影 | 津田幸夫 | 山内鉄也 | 久蔵:深江章喜 吉五郎:宮口二郎 おこま:(峰京子) 夜回り:飯田覚三 安市:(野崎善彦) 床屋の客:(有島淳平) 床屋の客:森章二 床屋の主人弥吉:(楠義孝) 野次馬:(大城泰) | 再放送欠番 |
第14話 | 6月15日 | 地獄の使者 | 宮川一郎 | 内出好吉 | 横網町の甚助:天草四郎 伍市:池田忠夫 伊太八:(土方弘) おそで:京春上 お新:(国睦子) お鈴:(長谷川峯子) 源七:(北町史朗) 足立栄之助:池田駿介 九三:吉原正皓 同心桜田:(田中直行) 浪人檜:石橋雅史 亀造:菅沼赫 熊三:(国一太郎) 金貸し軍次:汐路章 直:不明 長屋の老婆:泉春子 二番役:(北川俊夫) 囚人:志賀勝 囚人:(土橋勇) 甚助の手下:(菅原俊夫) 定吉:不明(子役) | |
第15話 | 6月22日 | 折鶴殺人事件 | 津田幸夫 | 山内鉄也 | 小蝶:弓恵子 仁兵衛:(星十郎) 音吉:市村昌治 大津屋傳兵衛:飯沼慧 万屋丈助:山口幸生 住吉屋利助:(海老江寛) 灘屋源七:如月寛多 松葉屋七兵衛:(乃木年雄) 松葉屋の番頭:(藤本秀夫) お千代:不明 お絹:不明 | |
第16話 | 6月29日 | 義賊木鼠小僧 | 佐々木康 | 宇兵衛:(中村公三郎) 清次:高津住男 おみよ:北川美佳 鬼の源兵衛:(市川岩五郎) 船頭:木谷邦臣 長屋の女房:美松艶子 長屋の女房:(日高綾子) 尾張藩女中:(榊浩子) 尾張藩士:(江上正伍) 侍:(小田真士) 佐七:川崎敬三 | OPにおいて(大久保光代)が クレジットされているが未出演 | |
第17話 | 7月 | 6日幽霊小町 | 田坂勝彦 | お京:岩井友見 おすえ:江夏夕子 おとせ:真山知子 梅乃家友八:本郷秀雄 市之助:林真一郎 | 再放送欠番 | |
第18話 | 7月13日 | 復讐の十手 | 加藤泰 | 山内鉄也 | 六之助:川地民夫 お梶:入江若葉 おこう:伊藤栄子 杁兵衛:牧冬吉 源七:山本清 金屋利兵ヱ:沢村宗之助 棟梁:北見唯一 杢右衛門:古川ロック 囚人:(高村俊郎) 左官:(毛利清二) | |
第19話 | 7月20日 | 悪魔の人形使い(前篇) | 稲垣俊 | 内出好吉 | 与兵衛:伊沢一郎(前篇・後篇) 佐吉:川口恒(前篇・後篇) お市:有川由紀(前篇・後篇) 小原剛蔵:久野征四郎(前篇・後篇) 嘉平:菅野忠彦(前篇・後篇) 藤吉:吉田豊明(前篇・後篇) お光:(時美沙)(前篇・後篇) お兼:木村夏江(前篇・後篇) 三河屋伝兵衛:浅野進治郎(前篇) 蝮の孫六:守田学哉(前篇) 弥五郎:(関真吾)(前篇) おかみさん:(藤山喜子)(前篇) 北町奉行所用人:(入江慎也)(後篇) 牢番:平沢彰(後篇) お艶:不明(後篇) | |
第20話 | 7月27日 | 悪魔の人形使い(後篇) | ||||
第21話 | 8月 | 3日父なればこそ | 加藤泰 | 山内鉄也 | 飯田宗左ヱ門:神田隆 おしの:高須賀夫至子 川原但馬:加賀邦男 母親A:(沢淑子) 母親B:(岡田千代) 縄手の喜兵衛:(河上一夫) 杵屋:西山嘉孝 ごろつき庄五郎:千葉敏郎 石川近江守:永田光男 役人:(丘路千) 役人:(鈴木金哉) 人質の姉:(佃和美) その妹:(上村明子) 女中:(岩村百合子) 父親:(市条亨一) おみつ:不明(子役) 講釈師:不明 | |
第22話 | 8月10日 | 黒い罠 | 葉村彰子 | 赤堀玄蔵:寺島達夫 六兵衛:江見俊太郎 おしん:(加茂良子) おこう:伊藤栄子 伝七:沼田曜一 鎌吉:(賀川泰三) 菊造:遠山金次郎 芳松:(野崎善彦) 刀剣屋:(市川裕二) 風呂屋の客:(伊藤義高) 風呂屋の客:(四条公彦) 捕り方:(有島淳平) 伊勢屋宗兵衛:(那須伸太朗) 次郎吉の母親:富永佳代子 門番:小峰一男 風呂屋の女将:(三上ひろ子) | ||
第23話 | 8月17日 | 越前の結婚 | 稲垣俊 | 滝川:阿井美千子 和尚:(岩田直二) 小姓:(加藤匡志) 近習:(前川良三) | 忠相と雪絵が結婚 | |
第24話 | 8月24日 | 蛇の目傘の女 | 宮川一郎 | 内出好吉 | おみの:大原麗子 軍次:高原駿雄 吉蔵:小田部通麿 赤沢一平:守田学哉 荒物屋おかつ:真咲美岐 伊兵衛:(近藤準) おきん:(木下サヨ子) 旗本 立花:(高村俊郎) 飲み屋の親爺:北見唯一 五月雨の弥助:(北原将光) 刀剣屋:(市川裕二) 藤田:(大月正太郎) | |
第25話 | 8月31日 | 纏女房 | 津田幸夫 | 浜崎広之進:小林勝彦 勝五郎:浅香春彦 伊豆屋喜兵衛:山岡徹也 卯吉:稲吉靖 梶村織部:小笠原弘 旗本:(広田竜治) 旗本:五十嵐義弘 旗本:(小山田良樹) 臥煙:(簑和田良太) 臥煙:野口貴史 料亭の主人:(那須伸太朗) 茶店の親爺:(森敏光) 火消し:(八尋洋) 火消し:(坂東京三郎) 若侍:(村井京二郎) 臥煙:壬生新太郎 | 政吉と加代が結婚 | |
第26話 | 9月7日 | 疑惑の顔 | 葉村彰子 | 鶴川松之助:河原崎長一郎 鶴川翁章:小堀明男 市村梅次郎:(島田景一郎) 仙吉:山口幸生 おかん:北城真記子 安造:(木島新一) お市:(吉田瑠美子) 町娘:吉岡ゆり 幸助:土屋靖雄 雪五郎:鵜沢秀行 町娘:(大里ひろ子) おふみ:宮田圭子 町娘:(上村明子) お美代:山田みどり 目明し:(泉好太郎) 小菅兵助:入江慎也 | OPにおいて玉生司郎が クレジットされているが未出演 | |
第27話 | 9月14日 | 天一坊事件(前篇) | 加藤泰 | 工藤栄一 | 山内伊賀亮:山形勲(前篇・後篇) 天一坊:太田博之(前篇・後篇) お政:木村俊恵(前篇・後篇) 大橋文右ヱ門:舟橋元(前篇・後篇) 天忠:金井大(前篇・後篇) 赤川大膳:天津敏(前篇・後篇) 松平伊豆守:穂高稔(前篇・後篇) 藤井左京:江見俊太郎(前篇・後篇) 天一坊の家臣:唐沢民賢(前篇・後篇) 久兵衛:柳川清(前篇) 浪人 中川:波田久夫(前篇) 瓦版売り:神戸瓢介(前篇) 侍:(大城泰)(前篇) 酒井雅楽頭:(疋田泰盛)(前篇) 酒井の家臣:(浪花五郎)(前篇) 酒井の家臣:(熊谷武)(前篇) おたみ:(林三恵)(前篇) 和尚:(山村弘三)(後篇) 石川近江守:永田光男(後篇) 甚右ヱ門:(海老江寛)(後篇) 惣助:(藤沢薫)(後篇) :(大木晤郎)(後篇) 百姓:(村居京之輔)(後篇) お三:(三田一枝)(後篇) 小姓:(山下義明)(後篇) 小姓:(大矢正利)(後篇) 家臣:(有島淳平)(後篇) | |
第28話 | 9月21日 | 天一坊事件(後篇) | OPに(大木晤郎)がクレジットされるが未出演。 |
解説
- この部は、町火消の創設や目安箱、小石川養生所の設置など、享保の改革で実際に行われた施策を取り扱いながら、病死した忠相の許嫁(村上源次郎の娘(千春の姉)千歳)に似た大番頭吉本作左ヱ門の養女・雪絵との出会いから結婚に至るまでを、話数をかけてゆっくりと描いている。
- 第1部は、御上が定めた御定法(法律)を遵守しようとする忠相に対し、この御定法では救済されない人々による問題提起(例えば、第1部第10話「裁かれる者は....」で描かれた、貧しく薬も買えない病苦で自殺しようとした義母の自殺を幇助する娘の問題提起など)から、享保の改革で行われた施策などで、根本的に弱者を作らないように奔走する話が多い。
- 第1部では、たとえ、弱者を救済する義賊であっても、御定法を破った以上は御定法で裁き(例えば、第1部第16話「義賊木鼠小僧」など)、超法規的措置で例外を作って解決することがほとんどない。ただし、御定法をただ守ることだけが正しいのか、また、冤罪問題、罪を犯す者の弱さなど、人が人を裁く難しさに、忠相自身が苦悩する姿も描かれているのが特徴である。
- 初期(特に第1部)は、吉宗といった将軍であっても、御上(将軍・幕府)が定めた法を守ることに重点が置かれているのが特徴である。ただし、この「法」において守られない立場にある人の存在、力を付けてきた江戸市中の町人たちの(火災などへの)自衛意識の高まり、戦乱の世にあっては有効であった上意下達だけの命令系統の問題点などに焦点を当て、享保の改革で実際に実行された政策をフィクションに落とし込んでいくエピソードが多い。これらは第1部の28話中10話と1/3以上脚本を担当した稲垣俊が手がけた作品に集中している。また、稲垣俊は、この部のもう1つのテーマでもある雪絵との出会いから結婚までのロマンスの進展を描いた作品も担当している。稲垣俊が史実のフィクションへの落とし込みを担当する傾向は、第4部まで続くことになる。
- この部では、(大岡政談)で有名なエピソードである「三方一両損」や「子争い」も扱われているが、後の部のように単独で1話使うのではなく、数分程度の寸劇で使われている(「三方一両損」は第10話、「子争い」は第21話で数分程度の寸劇で済ませている)。
- 第1話から第7話までは、配役・脚本担当紹介のタイトルバックのみ横文字紹介で、配役紹介では写真入りのバックが使われていた。エンディングは縦書き紹介で、スタッフの前にゲストや端役が紹介されていた。
- 冒頭の第1話は、講談の「大岡政談」の終盤にあたる「(徳川)天一坊」の中にある「大岡、若さまを召捕る」を翻案したもので、この部の最後に「大岡政談」と同様に天一坊事件を扱うが、第1話でいきなり講談「大岡政談」の終盤のエピソードを大胆にも冒頭に移動させているのが特徴と言える。
- 講談「大岡政談」の「天一坊」の「大岡、若さまを召捕る」は、まだ吉宗の父・徳川光貞が紀州藩第2代藩主だった頃のエピソードのため、「若さま(藩主の息子)」である。本作では、吉宗が既に紀州藩主だった頃と改変されている。
- 第1話で、登城の沙汰が下りた忠相は、8代将軍となった吉宗と対面し、将軍であっても御定法を守らねばならないという意見は曲げなかった。その意気を汲んだ吉宗は、「大岡能登守改め越前守」「南町奉行に任ずる」とした。
- 第1話では、忠相の町奉行就任が決まった際に、伊織に内与力(奉行直属の家臣の与力)になるよう依頼するが、伊織は「町人の目から見て忠相を助けたい。懐刀よりも転ばぬ先の杖になる。短い杖だが」と言って断り、寺子屋(手習い塾)を始めることになる。
- 同様に、与力の神山左門は同心の村上源次郎に「与力というものはお奉行に仕えるのではない。奉行所に仕えるのだ」と告げるように、町奉行の組織(内与力との違い)について簡単な説明も描かれている。
- 第1話にして、初期(第1〜3部)の「大岡越前」の登場人物が(雪絵や吉本作左ヱ門などを除けば)ほぼ網羅され、大体の人物像が分かるように作られている。
- 第2話「町火消誕生」で、伊織が作っていたポンプは「龍吐水」である。享保年間にオランダから伝わったという説もあり、蘭方医である伊織が作るのも不自然ではない(ただし、龍吐水は、明和年間に幕府が町々に給付した説が有力である)。
- (定火消)の抵抗が強かった町火消設立を政治的な駆け引きにより誕生させるなど、忠相のしたたかな面が描かれ(犯罪を犯した定火消関係者に対し、(家名断絶を防ぐ口実で)目付に報告する前に切腹を促し「潔く病死」した扱いにした)、その駆け引きに同行し、第1話で忠相をいささか懐疑的に見ていた神山左門も感心し、忠相に敬意を示す描写が最終シーンにある。
- また、町火消設立に抵抗した定火消の旗本たちが、忠高に対し、忠相の取り組みをやめるよう説得を依頼するが、忠高はそのような助言はできないと一蹴するシーンがあり、三河武士としての誇り、忠相への信頼が描かれる。
- 伊織の作った龍吐水で、子供のように水遊びに興じる忠相と伊織も描かれ、後述する辰三とのコミカルなシーンもあわせてストーリー構成の妙が光る。
- 町火消の「いろは47組」は、伊織の下で手習をしていた辰三の「いろはにほへと」の文字から発想するという頓知の利いた場面もある。
- 最終シーンでは、完成した町火消の人員および装備を、馬上の忠相が視閲する。ナレーション「この日、初めて江戸の空に翻った纏は、それからのち、町火消しの心意気を誇るが如く、いつの火事場にも町方へ降りかかる火の粉を払い続けたのである」。
- 第3話「謎の父子鶴」のオープニング・エンディングの配役やスタッフの紹介はノーカットでDVDボックスに収録されている。
- なお、第3話「謎の父子鶴」劇中の謎かけに使われた「難波の葦は伊勢の浜荻」の「浜荻」を、「はまはぎ」と誤読して使われている(正しくは「はまおぎ」)。
- この回で、村上源次郎の反対を押し切って、忠相が町の様子を見て回る事情が説明される。
- 大岡忠相の格言として「甲子夜話」に「下情に通じざれば裁きは曲がる」というものがある。この回は、その格言をもとに、忠相が着流しの浪人姿で町の様子を見て回るという、このシリーズの「定番」を構築したものと言える。
- 忠相の着流しの浪人姿の変装を担当したのは、伊三郎の娘・加代である。忠相自身が町の様子を見て回ることには村上源次郎の強硬な反対があり、伊三郎を頼ったためである。伊三郎は万一のために弥助に尾行させるが、忠相は弥助の尾行に気付き、まいている。
- 第4話「慕情の人」で、亡き許嫁で、村上源次郎の長女(千春の姉)・千歳に瓜二つの大番頭吉本作左ヱ門の養女・雪絵と遭遇する。
- 第4話後半、村上源次郎が千歳の位牌を見ながら千春に「これで千歳が本当にいなくなってしまったような」としみじみと語る場面など、村上源次郎の寂しさも描かれている。
- 第23話「越前の結婚」まで、かなり時間が経過するが、その主な原因は、忠高と吉本作左ヱ門の些細な原因(主に将棋)による喧嘩である。その間、忠高は吉本作左ヱ門を「モーモンガー」(関東地方で相手を罵倒するときに使われた言葉)と罵詈雑言を浴びせることが多い。
- 第5話「血の直訴状」において、忠相は吉宗に、(戦乱の世では有効であった)上意下達だけの命令系統の現状の問題点を指摘し、目安箱が設置される。
- 史実では、目安箱と呼ばれるようになるのは、明治時代以降であり、当時は「箱」と呼ばれていた。
- 第10話は、放送時のタイトル表記は「裁かれる者は....」と記載されており、点は「.」4つである。
- 第10〜11話において、小石川養生所を設立するエピソードがある。2013年12月に時代劇専門チャンネルが主催したトークショーにおいて、加藤剛は、忠相の行った優れた政策として小石川養生所の設立を挙げており、さらに加藤剛が通った高校が東京都立小石川高等学校であり、高校時代は小石川養生所跡の「小石川植物園(御薬園跡及び養生所跡)」の脇を歩いて通学し、休みの日には植物園で写生などをしていたとのことで、不思議な縁を感じたとのことである。
- 第11話「呑舟先生はどこだ」では、海野呑舟と雪絵の亡き実父が旧知の仲であることがわかる。当初、養生所の名称は伊織の案では「施薬院」であったが、呑舟は「施薬院とは薬を施すと書くんじゃろうが。施すとは何か―恵み与えることじゃ。お上が貧乏人に薬を与え施すのか?お上とは何じゃ?これは武士・侍か?労せず耕さず人斬り刀を持ち歩くだけの穀潰し。士農工商などと思い上がって万民を見下しておる。よいか、農工商の万民が耕す、紡ぐ、商わずば侍などは一日も立ちゆかぬ。そのくせ思い上がって施すなどとは片腹痛いわい。(略)例日なく耕す、紡ぐ、商う、そして病に伏し老いに倒れた百姓町人に報いるのが道じゃろうが」「薬を与えればそれで良いのか、(そうではないのであれば)なぜ、それでは施薬院などと言うのか?」「(伊織に対して)町奉行の懐刀などと思い上がっているから施薬院という妙な名前を付けるんだ」と伊織を一喝する。この発言を伊織から聞いた忠相は、海野呑舟の人となりの素晴らしさを理解し、「養生所」という名前を考える。呑舟は「
生命 ()を養う」という意図に感心し、養生所の肝煎になることを引き受ける。この際、忠相と雪絵が恋仲にあることを呑舟は察し、今は亡き友の娘の幸せに目を細める。 - この回で小石川養生所が設立されたあと、本放送放映時の小石川養生所跡を映している。
- 史実では、目安箱で小石川養生所の設立を提案し初代肝煎となる小川笙船の当初の提案は「施薬院」である。
- 第11話「呑舟先生はどこだ」では、海野呑舟と雪絵の亡き実父が旧知の仲であることがわかる。当初、養生所の名称は伊織の案では「施薬院」であったが、呑舟は「施薬院とは薬を施すと書くんじゃろうが。施すとは何か―恵み与えることじゃ。お上が貧乏人に薬を与え施すのか?お上とは何じゃ?これは武士・侍か?労せず耕さず人斬り刀を持ち歩くだけの穀潰し。士農工商などと思い上がって万民を見下しておる。よいか、農工商の万民が耕す、紡ぐ、商わずば侍などは一日も立ちゆかぬ。そのくせ思い上がって施すなどとは片腹痛いわい。(略)例日なく耕す、紡ぐ、商う、そして病に伏し老いに倒れた百姓町人に報いるのが道じゃろうが」「薬を与えればそれで良いのか、(そうではないのであれば)なぜ、それでは施薬院などと言うのか?」「(伊織に対して)町奉行の懐刀などと思い上がっているから施薬院という妙な名前を付けるんだ」と伊織を一喝する。この発言を伊織から聞いた忠相は、海野呑舟の人となりの素晴らしさを理解し、「養生所」という名前を考える。呑舟は「
- 第12話「すっとび辰の片思い」では、辰三の片思いの話から、忠相が雪絵に「千歳殿に瓜二つの貴女をではなく、雪絵という名の女人をかけがえのない人と思うようになっている」と告白する。なお、第4話「慕情の人」で、雪絵から紙入れを盗んだスリの竜吉が、村上源次郎の伝で紺屋で働くことになった後日談にもなっている。
- 辰三が村上源次郎の岡っ引きになった経緯や、辰三の名前の由来も明らかになる。
- 第14話「地獄の使者」では、潜入捜査をした神山左門と忠相らの連絡に使い鳩(伝書鳩)が使われる。当時は大坂堂島の米相場の連絡に使われていたことがナレーションで説明される。
- 第15話「折鶴殺人事件」では、かつて長崎で抜け荷・殺人を犯し儲けた金を用いて江戸で店を開業した主人が、次々に「親の敵討ち」として殺されていく話で、後の部でもたびたびリメイクされる。
- この回で、敵討ちを続けてきた小蝶一座に、雪絵がさらわれるため、このシリーズでたびたび作られる「雪絵誘拐」「長崎の敵を江戸で討つ」パターンが作られている。
- 第16話「義賊木鼠小僧」は、弱者を救済する義賊であっても、御定法通り裁き、偶像視される義賊に対する人身の移ろいを描く。第6部で一部改変されリメイクされている。この部でのあらすじは以下の通りである。
- 義賊木鼠小僧が江戸市中を騒がせていた頃、子供たちは木鼠小僧に扮した遊びに夢中になっていた。日中は真っ当な小間物屋をやっていた木鼠小僧佐七は、浪人姿で町を歩いていた忠相と数回遭遇し雨宿りなどをしながら会話する。その際、佐七は忠相に木鼠小僧の素晴らしさを語るが、忠相は「木鼠小僧は哀れだ」「いくら義賊といえども、盗みは盗み」などと率直に話す。
- 佐七と同じ長屋のおみよの一家が父親の薬代も買えないほど金に困っていたので、木鼠小僧佐七は、ある夜、さる屋敷に忍び込み、刻印が入っていた小判を盗みだし、おみよ宅に投げ込む。しかし、おみよは「盗みは盗みだからこのお金は受け取れない」と言い放ち、番所へ届け出ようとする。更に博打に夢中になっているおみよの兄・清次がその金を強引に奪って使い込む。使い込んだ小判の刻印は木鼠小僧が盗んだ証拠とされ、清次は木鼠小僧として捕まってしまう。無実の者を放置できない木鼠小僧佐七は、簡単に捕縛される道を選ぶ。
- 江戸市中の人々に偶像視されている木鼠小僧佐七が捕まり、御定法通りに処断するかどうか苦悩する忠相は、佐七と二人だけで話す。佐七は、子供の頃貧困で苦しんだことを切々と語り、真っ当に稼いで買ったかんざしをおみよに渡すように頼む。忠相は、佐七のように貧しく生きる人がいる世相と御定法との間で苦悩するが、御定法を守るという忠相の信念を通し、死罪とする。木鼠小僧佐七を白州で裁いた直後、忠相(加藤剛)の目に涙がたまっていることが視認できる。
- 木鼠小僧佐七が市中引き回しになる場面、おみよが佐七の引き回しの列に向かって外へ裸足で飛び出す。佐七は、その姿を見つけ一瞬ほほえみ、再度振り向いておみよを見つめ、晴れ晴れとした表情を浮かべる。
- 木鼠小僧が処刑された後、まるで木鼠小僧がなかったかのような人心の移ろいに、村上源次郎は「もう盗んだ金とは関係ない顔をしている」と苦言を呈し、伊織や千春は、親たちが子供に木鼠小僧の真似をたしなめるようになった旨を語る。
- 第17話「幽霊小町」では、「気違い」を装う商家の娘へ伊織が診察に向かうが、忠相も老人に扮して診察に従うシーンがある。
- 第19〜20話「悪魔の人形使い」では、伊織が処方した薬がすり替えられて死者が出たため、伊織が北町奉行に捕らえられる。この部で強調される「御定法を守る」点から、忠相は超法規的措置でもって伊織を助けようとはせず、忠相や村上源次郎、辰三ら南町奉行所の捜査により伊織の無実を証明する。
- 伊織は、正直にも、「医者といえども間違いがないとは言えない」と論理的には正しい証言をし、実際に(薬がすり替えられてはいたが)死者が出ているため捕らえられた。
- 第27話「天一坊事件(前篇)」は、オープニングのサブタイトルは「天一坊事件」とだけ記載されている。
- 第1部の白州で使われているふすまは「白地にグレー」。第6部で「白地に茶色」模様になる以外は概ね水色の模様である(第11部はグレー地に水色模様)。
- ポスターの書体は第1部と第3部〜第11部、第13部、第14部は縦文字である。
- 葉村彰子の項にあるように、この作品から、葉村彰子(集団ペンネーム)が登場。二作品提供されており、いずれも脚本としてであり、原案ではない。
再放送と欠番
- 本放送に用いた素材は第3話を除き残っていない。第3話のDVDボックスの収録時間から、本放送の放送時間はCM等を除けば約48分と推測される。
- 再放送にあたって、放送時間が他の番組よりも若干長いため、上述の第3話を除いてオープニングとエンディングを短くする加工を行い、放送時間を約47分にカットしている。DVDボックスに収録された素材や時代劇専門チャンネルで使われている再放送素材は、これを用いている。
- 現存する再放送素材の中で、一番オープニングが長いのが最終回の第28話で、次いで26話である。
- さらに、ナレーションや本編中の差別的表現を削除し、放送時間を約45分程度にカットした再放送素材も存在している。
- 第1話は、地上波において長年再放送されなかった(地域によって差があり、1990年頃までは再放送した地域もある。TBSでは1980年代夕方4時からの再放送枠で放送されており、その際差別的表現は音が消され無音化されていた。)。理由は山田奉行時代の忠相と伊織がお忍びで禁漁区で漁をしていた吉宗に対し、「白痴狂人」、「気違いを通り越して手のつけようのない馬鹿」などの差別的な表現を用いた発言をしているためである。
- 第3話は、第1話よりも早い段階で、再放送されない状況になっていた。忠相が町の様子を見て回る描写がないまま第4話が放送されていた。
- 他にも3話分(第11話・第13話・第17話)が欠番扱いである。差別的な表現や事実と異なる表現が含まれているためである。
- 第11話は、むじなの京太郎が海野呑舟を「乞食医者」と呼ぶなど差別的な表現が多く含まれるためとみられる。
- 第13話は、「盲の按摩」が殺される内容が問題となっているとみられる。
- 第17話は、幽霊が出ると噂の商家の娘が「気違い」を装っているなど、差別的表現が多く含まれるためとみられる。
- 2006年3月に発売されたDVDボックスは全話収録されている。2008年5月に時代劇専門チャンネルにおいて第1話が放送された。CS放送のTBSチャンネルでは、2003年に放送された際には全話放送された。
- TBSチャンネルにおいて2012年1月18日より開始された第1部の再放送では、当初アナウンスされた2011年12月時点では、ホームページ上で、第1話から最終回まで、全話がオリジナルネガからの素材による放送とされていた。しかし、のちにこの表現が変更され、第1部をオリジナルネガからの素材による放送、という趣旨の文言に変更された。実際の放送では、欠番扱いとなっていた第1話・第3話・第11話・第13話・第17話は放送せず、ナレーションや差別的表現部分などを削除した回もあった(ただし、番組冒頭では「制作時の事情を考慮し…」というメッセージが表示された)。
- 時代劇専門チャンネルで2013年10月から全15部を放送することが決定し、第1部は全28話、欠番扱いされた作品も含めて、初めてのハイビジョンによる放送となった。先行して9月7日に第1〜4話が放送された。
- 時代劇専門チャンネルのホームページでは、第3話の放送時間のみDVDボックスと同様に1分長く表記されていたが、実際は、ノーカットのオープニングと、エンディングでのゲストの配役紹介がノーカットで放送されたことによる(上述のDVDボックスの部分も合わせて参照のこと)。そのオープニングでは、口笛が強調されたテーマ曲で、主要キャストの顔写真が切り替わる際、CM入りに使われる十手の写真が挿入されていた。第3話では、加藤・竹脇・十手・土田ら・十手・中村・大坂・十手・片岡千恵蔵・十手、という流れであり、キャリアや主役などとの間を埋める形で十手の写真が用いられている。
エピソード
- 2013年12月に時代劇専門チャンネルが主催したトークショーにおいて、「大岡越前」の配役が決まり、加藤剛が片岡千惠藏と初めての挨拶をした際、「良い息子だ」と言われたとともに、麻雀ができるか(正確には、牌を返す仕草で「これはできるのか?」と)聞かれたとのこと。なお、加藤剛は麻雀ができない(ので仕草が何を指すのかも分からなかったため、千惠藏からは「大学で何を勉強していたんだ?」と言われたとのこと)。撮影の休憩時間には、出演者で、麻雀の卓を囲んでいたが、加藤剛は一度もその中に加わることはできなかった。
第2部
大岡越前 第2部 | |
---|---|
ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 葉村彰子 |
脚本 | 葉村彰子 加藤泰 津田幸夫 宮川一郎 大西信行 稲垣俊 国弘威雄 石川孝人 |
監督 | 内出好吉 田坂勝彦 松村昌治 山内鉄也 (鎌田房夫) |
出演者 | 加藤剛 竹脇無我 山口崇 宇津宮雅代 土田早苗 松山英太郎 高橋元太郎 加藤治子 大坂志郎 志村喬 天知茂 片岡千惠藏 |
製作 | |
製作総指揮 | 松下幸之助 |
プロデューサー | 逸見稔 西村俊一 (郡進剛) |
制作 | TBS |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1971年5月17日 - 1971年11月22日 |
放送時間 | 月曜日20:00 - 20:56 |
放送枠 | ナショナル劇場 |
放送分 | 56分 |
回数 | 全28 |
「大岡越前 第2部」(おおおかえちぜん だい2ぶ)は1971年5月17日から1971年11月22日までナショナル劇場で放送された時代劇。製作はC.A.L。全28話。
概要(第2部)
江戸町奉行の大岡忠相は、庶民たちの生活という現実と、それを縛る法との矛盾をなくすため、尽力していく。親友の医師・榊原伊織、同心の村上源次郎や与力の神山左門らの協力、義賊だった三次を改心させ密偵とし、妻・雪絵ら家族に支えられて、江戸の町に起こる事件を解決していく。時代は享保の大飢饉と米騒動、はしか、赤痢、インフルエンザなど流行病への対策などに負われる。初孫を待ちわびる忠高たちに板挟みになる雪絵だったが、妊娠したことが分かった。また伊織は自らの医術の限界を忠相に打ち明け、長崎で医学修業することを決意し、村上源次郎の娘・千春と結婚して長崎へ旅立っていった。
レギュラー出演者(第2部)
- 大岡忠相:加藤剛
- 榊原伊織:竹脇無我 (第3,6,8,9,11,13,17,19,25,27話除く)
- 雪絵:宇津宮雅代 (第5,7,8,13,14,16,24,25話除く)
- 千春:土田早苗 (第5,8〜11,13,17話除く)
- 加代:武原英子 (,第19話)
- 以禰:望月真理子(第2話から)(,第15,17〜19話,23,25,26話除く)
- 政吉:里見浩太朗 (,第19話)
- 猿(ましら)の三次:松山英太郎(第2,5話から)(,第15〜19,21,23,25,26話除く)
- すっとびの辰三:高橋元太郎(第1〜2部のオープニングでは「辰三」と表記されている)(第17話除く)
- 徳川吉宗:山口崇 (,第21話)
- 大岡妙:加藤治子 (,第14〜21話,24〜27話除く)
- 鳶の伊三郎:中村竹弥 (,第19話)
- 村上源次郎:大坂志郎
- 海野呑舟:志村喬 (,第6,9,13〜15,17〜20話,23〜26,28話除く)
- 神山左門:天知茂 (,第25,28話)
- 大岡忠高:片岡千惠藏(特別出演)(,第6,9,14〜19,21,24〜27話除く)
準レギュラー
- 吉本作左ヱ門:堀雄二(第17話)
- 中山出雲守:永井智雄(第7話~第8話、第18話~第19話、第28話)
- 老中・安藤対馬守:永野達雄(第2話~第3話、第7話、第11話、第13話、第19話、第28話)
- 有馬兵庫頭:中村錦司(第21話)
- 大岡家若党 伊助:高峰圭二(第1話~第2話、第18話、第28話)、鵜沢秀行(第9話)
スタッフ(第2部)
- 製作総指揮:松下幸之助
- 製作:松下正治、丹羽正治
- 原案:葉村彰子
- 脚本:葉村彰子、加藤泰、津田幸夫、宮川一郎、大西信行、国弘威雄、石川孝人、稲垣俊
- 音楽:山下毅雄
- ナレーター:芥川隆行
- 題字:朝比奈宗源
- 撮影:河原崎隆夫(第22話)
- 美術:鈴木孝俊(第22話)
- 録音:加藤正行(第22話)
- 照明:井上義一(第22話)
- 編集:河合勝巳(第22話)
- 助監督:曽根勇(第22話)
- 邦楽監修:中本敏生(第22話)
- 擬斗:近江雄二郎・東映剣会(第22話)
- 衣裳:佐々木常久(第22話)
- 美粧・結髪:東和美粧(第22話)
- 装置:舘清士(第22話)
- 装飾:川本宗春(第22話)
- 記録:竹田宏子(第22話)
- 進行主任:持田久仁(第22話)
- 衣裳制作:東京衣裳
- 現像:東洋現像所
- 特技:宍戸大全(宍戸大全がオープニングの配役名に残っているのは第22話だが、「特技」という扱いではない。役名のない俳優の扱いである)
- 協力:俳優座
- 制作協力:東映
- プロデューサー:逸見稔、西村俊一、(郡進剛)
- 監督:内出好吉、田坂勝彦、松村昌治、(鎌田房夫)、山内鉄也
- 完全なEDが残っている回が、第22話「幻術師」のみのため、一部項目は第22話のみ掲載した。
作品リスト(第2部)
話数 | 放送日 | サブタイトル | 原案 | 脚本 | 監督 | ゲスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
第1話 | 1971年 5月17日 | 紫の女 | 葉村彰子 | 加藤泰 | 内出好吉 | おつう:日色ともゑ 魚勝:関敬六 同心:三島猛 水天宮の神主:(千葉保) 破落戸:平沢彰 破落戸:志賀勝 破落戸:(藤長照夫) 大家:飯田覚三 | |
第2話 | 5月24日 | 悪の決算 | 川上肘庵:田中明夫 御家貞:江見俊太郎 ぐず市:汐路章 萩原彦三郎:浅野進治郎 与兵衛:伊沢一郎 質店 伊勢屋:宮田洋容 おかみさん:布地由起江 同心 神谷:(島田景一郎) 目明かし 源七:波多野博 おかみさん:(松井加容子) 大家:(藤川弘) 合力:川谷拓三 壺振り:(土橋勇) 祈祷師:(市川裕二) | 三次初登場 | |||
第3話 | 5月31日 | 復讐・唐人剣 | 津田幸夫 | 山内鉄也 | 宗錫烈:夏八木勲 平戸屋:清水元 天堂弥九郎:滝恵一 宗秀芳:東三千 駒蔵:(河上一夫) 助三:広瀬義宣 龍応訓:(関根永二郎) 瓦版売:(島田秀雄) 特使:(市川裕二) 若侍:木谷邦臣 唐人:(北川俊夫) | ||
第4話 | 6月 7日 | 恋文騒動 | 植木昌一郎 | 田坂勝彦 | おしん:中原早苗 清太:江波多寛児 権三:(高並功) 吉六:川浪公次郎 長屋のおかみさん:(佐名手ひさ子) 若侍:(古閑達則) 同心:(小田真士) | ||
第5話 | 6月14日 | 生きていた男 | 山内鉄也 | 香川小源太:加藤剛(二役) 由里:光川環世 松田道十郎:渡辺文雄 駿河屋伊右衛門:内田朝雄 久太郎:小川真司 駿河屋の番頭:上田忠好 地獄耳の文蔵:(賀川泰三) お玉:荒砂ゆき 婆や:東竜子 美濃屋:永田光男 清兵衛:(村居京之輔) 長屋のおかみさん:丸平峰子 長屋のおかみさん:(紅かおる) 長屋のおかみさん:(牧淳子) | 再放送欠番 | ||
第6話 | 6月21日 | 権三と助十 | 大西信行 | 内出好吉 | 権三:財津一郎 おかん:山東昭子 助十:武藤章生 勘太郎:藤岡重慶 小間物屋彦兵衛:(海老江寛) 青山十太夫:寺島達夫 米屋の隠居おたね:(三田一枝) お仲:(赤石光子) 願人坊主:藤尾純 彦三郎:大竹修造 大家 六兵衛:(岩田直二) おかみさん:(武田禎子) おかみさん:岡嶋艶子 長屋の老人:(野村鬼笑) | ||
第7話 | 6月28日 | 燃える牢獄 | 津田幸夫 | 山内鉄也 | お糸:磯野洋子 常吉:橋本功 伝蔵:深江章喜 弥太:牧冬吉 吟味方与力 吉沢唐十郎:三島耕 おしづ:(岩村百合子) おとく:岡嶋艶子 おきょう:(国睦子) 飛脚:(白川浩二郎) 人足:(疋田泰盛) 若侍:木谷邦臣 谷村市之助:(那須伸太朗) 谷村の手代:(坂東京三郎) | ||
第8話 | 7月 5日 | 罠 | 葉村彰子 | 松村昌治 | 白魚のお峰:長谷川待子 岩吉:鮎川浩 念仏右衛門:金井大 織部:高野真二 六兵衛:(岩田直二) 田口:穂積隆信 松田屋:(熊谷武) 松田屋番頭:(和田昌也) | ||
第9話 | 7月12日 | 消えた越前 | 宮川一郎 | 山内鉄也 | おさん:渚まゆみ お道の方:川口敦子 西田屋宗兵衛:香川良介 卯之吉:宗近晴見 津和野藩家老:小柴幹治 矢場の女:小柳圭子 遣り手婆:河東けい 権次:川浪公次郎 仙吉:重久剛 貸本屋:(市川裕二) 虚無僧:壬生新太郎 玄石:(浪花五郎) | ||
第10話 | 7月19日 | 下手人は火あぶり | 稲垣俊 | 惣之助:田中邦衛 志乃:北川美佳 山城屋惣左衛門:増田順司 佐吉:堀川亮 タケ:正司花江 お清:初音礼子 吉兵衛:外野村晋 金六:天草四郎 近藤喜三郎:外山高士 おてい:高橋芙美子 つけ馬:(町田澄彦) | |||
第11話 | 7月26日 | 騒乱 | 国弘威雄 | 内出好吉 | 武田源柳斉:川合伸旺 村田:伊吹総太朗 弥一郎:三木豊 遠藤:楠本健二 高間伝兵衛:(堀正夫) 浪人:神戸瓢介 浪人:(疋田泰盛) 中原弥兵衛:近衛十四郎 | OPにて近衛十四郎の役名が「中原弥一郎」と誤クレジットされている。 | |
第12話 | 8月 2日 | まごころ | 大西信行 | 山内鉄也 | 三枝左内:小池朝雄 玄吉:前田吟 佐古善八郎:穂高稔 水野監物:原健策 おみの:三戸部スエ 大川:五十嵐義弘 職人:(有島淳平) 患者:(大河内宏太郎) 浪江:中村玉緒 | ||
第13話 | 8月 9日 | 卍組始末記 | 葉村彰子 石川孝人 | 本多民部行定:金田竜之介 お葉:磯村みどり 毬:有川由紀 大前屋徳兵衛:永井秀明 孝太郎:服部哲治 大前屋番頭:(国一太郎) 重役:中村錦司 酒井:山口幸生 重役:唐沢民賢 目明し:(香月凉二) 遊郭主人:(鈴木金哉) 安藤:(那須伸太朗) 鴇の松丸:(泉好太郎) 医者:(浪花五郎) | |||
第14話 | 8月16日 | 呪われた鎧 | 大西信行 | 内出好吉 | 坂田左馬之介:吉田輝雄 汐路:北林早苗 坂田大二郎:高森玄 中平喜内:本郷秀雄 楓:上村香子 玉龍軒:波田久夫 筆助:(野崎善彦) 鎧:宍戸大全 土井播磨守:(藤沢薫) 床屋:(有島淳平) 床屋の客:(藤沢徹夫) 口上:波多野博 | ||
第15話 | 8月23日 | 煙草屋喜八 | 加藤泰 | お千代:佐々木愛 喜八:早川保 久保寺幸之進:天津敏 太三郎:小林勝彦 伊豆倉屋五兵衛:見明凡太郎 おかん:(伊吹友木子) 嘉兵衛:(河上一夫) みね:山口朱美 久七:川浪公次郎 熊蔵:(杉浦真三雄) 花魁雛鶴:(時美沙) 質屋伊勢源:(熊谷武) 質屋の番頭:(那須伸太朗) 伊兵衛:島田正吾 | |||
第16話 | 8月30日 | 朝顔 | 石川孝人 | 園:(河村有紀) 早瀬数馬:池田秀一 屋台の親爺:美川陽一郎 猪吉:宮口二朗 養生所の患者:(土佐林道子) おかみさん:小柳圭子 おかみさん:(佐名手ひさ子) おかみさん:(京町一代) 長屋の住人:(大河内宏太郎) 長屋の住人:(土橋勇) 長屋の住人:(野村鬼笑) 酔っ払い:(宮城幸生) 早瀬半兵衛:高松英郎 | |||
第17話 | 9月 6日 | 天狗退治 | 大西信行 | 山内鉄也 | 篠:(西尾恵美子) 助八:入川保則 青砥邦右衛門:下元勉 助左衛門:成瀬昌彦 高尾の岩吉:藤岡重慶 柴山十造:山崎直衛 雲海:武藤章生 小平左次兵衛:小田部通麿 多十:(佐伯赫哉) 忠次:西田良 旅籠の番頭:(有島淳平) 婆さん:坂本和子 村人:(村田玉郎) | ||
第18話 | 9月13日 | すっとび辰の失恋 | 加藤泰 | お梶:土田早苗(二役) 寺社奉行小検使・長谷川大蔵:菅貫太郎 赤腹の儀十:小林重四郎 神さん:赤木春恵 甚助:汐路章 額次:五味竜太郎 左四郎:遠山金次郎 寺社奉行・黒田豊前守:西山辰夫 旦那さん:(藤川弘) 船頭:木谷邦臣 浪人:浜伸二 役人:(森源太郎) | 土田早苗が二役で出演 永井智雄の役名が「中山備前守」と誤表記 | ||
第19話 | 9月20日 | 新助そばの悲願 | 津田幸夫 | 鶴吉:工藤堅太郎 新助:長谷川哲夫 お夏:(青柳美枝子) おまち:桜田千枝子 八巻連三郎:戸浦六宏 唐津屋重蔵:吉田義夫 太吉:植田峻 若侍:木谷邦臣 鶴床の客:(島田秀雄) 鶴床の客:(前川良三) 町人:(藤沢徹夫) 役人:野口貴史 八巻の女:(小島恵子) 浪人:(北川俊夫) | |||
第20話 | 9月27日 | 若様誘拐事件 | 加藤泰 | お島:中原早苗 安間平左ヱ門:垂水悟郎 嘉川主税:南川直 髪結い床:玉川良一 斬首太兵衛(雁山):沼田曜一 安間の仲間:山岡徹也 おとき:柴田美保子 山口惣右ヱ門:(寺島雄作) 吉兵衛:(山村弘三) お蓮:富永佳代子 寺男:(矢野幸男) | |||
第21話 | 10月 | 4日勇気ある挑戦 | 稲垣俊 | (鎌田房夫) | お仙:田村奈巳 お仙の姑・お寅:吉川雅恵 お仙の夫・佐吉:唐沢民賢 曲淵内匠:山口幸生 小人目付:(香月凉二) 馬方:平沢彰 馬に乗る目付:(世羅豊) 町人:(浪花五郎) | 再放送欠番 | |
第22話 | 10月11日 | 幻術師 | 内出好吉 | 日野幻斉:中村敦夫 徳川宗春:滝田裕介 綾:清水良英 於京の方:原良子 石川家の御新造様:三浦徳子 穀物問屋升屋女房:富永佳代子 | 再放送欠番 「大岡越前」において、 唯一再放送・媒体化不可回 | ||
第23話 | 10月18日 | 鬼の目に涙 | 加藤泰 | 内出好吉 | おたか:笠置シズ子 亀屋長右ヱ門:曽我廼家五郎八 伊勢屋四郎左ヱ門:細川俊夫 おまさ配下の浪人:潮健児 うわばみのおまさ:(沢淑子) 富田屋与兵衛:(谷口完) 清三郎:小川真司 お鶴:(高野ひろみ) 番頭:森秀人 熊:北見唯一 山伏:阿波地大輔 ごろつき:(北野拓也) 坊主:志賀勝 おかみさん:岡嶋艶子 米屋:(前川良三) 飛脚:(山下義明) | 雪絵、子を身ごもる | |
第24話 | 10月25日 | やまいぬ | 大西信行 | 田坂勝彦 | 安部右近:成田三樹夫 大槻玄蕃:河津清三郎 丑松:富田仲次郎 権六:(河上一夫) 吉野屋吉兵衛:山岡徹也 松平三郎助:(久田雅臣) 吉兵衛の子分:(藤長照夫) 家臣:(宇崎尚韶) 家臣:(藤本秀夫) | ||
第25話 | 11月 | 1日おとし穴 | 宮川一郎 | (鎌田房夫) | お栄:野川由美子 田所精一郎:島田順司 喜三郎:今井健二 豊前屋茂右衛門:野口元夫 田所の母:近江輝子 伊之:穂積隆信 六三:岡部正純 船頭:(平河正雄) 定次:(藤本秀夫) 目明かし:(古閑達則) | ||
第26話 | 11月 | 8日脅迫者 | 津田幸夫 | 内出好吉 | 喜助:(林真一郎) 清六:東野孝彦 おせん:二本柳敏恵 お梅:伊藤るり子 森田屋嘉兵衛:小栗一也 お鶴:松木路子 大吉:吉原正皓 若侍:木谷邦臣 屋台の親爺:(野村鬼笑) | ||
第27話 | 11月15日 | 小西屋事件 | 稲垣俊 | 山内鉄也 | お光:有川由紀 長三郎:石山律 元益:藤岡重慶 小西屋長兵衛:増田順司 大藤武左衛門:村上不二夫 家主・庄兵衛:富田仲次郎 お勝:東竜子 門番:(野崎善彦) 忠兵衛:(北原将光) 居酒屋の親爺:(市川裕二) 同心:小峰一男 | ||
第28話 | 11月22日 | 祝盃 | 加藤泰 | 上台馮司:小池朝雄 伝吉:高津住男 お専:北川めぐみ 常陸屋新助:坂口徹 馬方 権次:(丘路千) おはや:阿部百合子 大目付:(国一太郎) 空蝉:(佃和美) 昌次郎:(久田正臣) お梅:(国睦子) 上総屋の主人:(有島淳平) 郡奉行配下の役人:(古閑達則) 女性:(橋本房枝) 産婆:(山田光子) 郡奉行配下の役人:(土橋勇) | 伊織と千春が祝言 |
解説(第2部)
- 連座制の廃止、キリスト教に関係のない漢訳洋書の輸入制限の緩和、上米の制(に対する不満)など、享保の改革で実際に行われた施策が第1部に引き続き扱われている。
- 第1話「紫の女」は、同業者の罠によって「おつう」の父が委託金の横領の罪で死罪となり、母や家族も連座で重追放となった恨みを晴らそうとする話で、忠相が公事方御定書の編纂に関わっている描写もある。このエピソードで、享保の改革で実際に行われた連座制の廃止が描かれる。ただし、連座制の廃止は公事方御定書が仮成立した1742年とされており、この年は既に忠相が寺社奉行となっている。
- 伊織が小石川養生所に務めるようになる(第1部では一度「養生所に行っている」と説明されただけで、実際の治療は描かれていなかった)。手習い塾も継続し、看板は元のままである。
- 第1話では、伊織が焼死体を腑分けし(ただし、セリフで語られるのみで、腑分けのシーンそのものはない)、死因が焼死ではなく毒殺だと判明する。
- 第2話では江戸に麻疹が流行。海野呑舟の努力と忠相・伊織らの協力で患者を小石川養生所に収容(隔離)し、治療して流行が収まる。
- 同じ第2話で猿(ましら)の三次と以禰が登場し、準レギュラーとなる。二人の出会いも描かれており、第4組の交際関係となる(忠相・雪絵夫婦、政吉・加代夫婦、伊織・千春の3組が既存の交際)。
- 以禰は海野呑舟の弟子となり、小石川養生所に務めるようになる(再登場は第4話)。
- 三次は義賊として登場したが、改心して以禰の父親の冤罪を晴らす証言を行う。この際、真犯人らによって手傷を負わされており、小石川養生所で療養する事になる。第5話で再登場、以後は小間物屋を表看板とし、忠相の密偵を務めるようになる。
- 第3話では清国からの使節が登場。彼らにすり替わり、島原の乱の残党の子孫が90年越しの復讐を果たそうとする。
- 第4話では、牢内で赤腹(赤痢)が発生。伊織の提案で牢を封鎖・隔離し、以禰と共に治療に当たった。
- 第5話では、忠相そっくりの香川小源太という浪人が登場する(加藤剛が二役を演じた)。ナショナル劇場の時代劇の定番である「レギュラーキャラクターと瓜二つのゲストキャラクター(レギュラー俳優の一人二役)」のエピソードである。
- 第6話「権三と助十」は、「大岡政談」の1つ「小間物屋彦兵衛(権三助十)」を翻案したものである(講談「小間物屋彦兵衛」の一挿話)。
- 第10話「下手人は火あぶり」では子役時代の声優堀川亮が、第16話「朝顔」でも子役時代の声優池田秀一が出演している。
- 第10話「下手人は火あぶり」では、火付盗賊改方頭・近藤喜三郎の屋敷が役宅代わりになっており、史実的に正しい描写となっている。
- 第11話「騒乱」では、享保の大飢饉の原因や米価の高騰への対応なども描写されている(忠相の役宅に投げ込まれた投書が落語の「三方一両損」のサゲであったりする)。
- 第15話「煙草屋喜八」は、「大岡政談」の1つ「煙草屋喜八」を翻案している。講談の「煙草屋喜八」は落語にも翻案され、単独か「松葉屋瀬川」「雪の瀬川」と上下に分けて演じられており、本放送当時は、これを得意とした6代目三遊亭圓生が演じたものが広く知られていた。そのため、内容は「大岡政談」とは若干の相違点がある。相違点は以下の通り。
- 若旦那の身投げから助けるのは、大岡政談では、若旦那のなじみの幇間であり、喜八ではない。
- 喜八の妻の養父は大岡政談では登場しない、また、大岡政談では、喜八の妻の奉公先の火付盗賊改方与力の横恋慕に呆れた中間が逃がしたため、喜八の妻は与力を傷付けてはいない。
- 再吟味を願い出るのは、大岡政談では、喜八が助けた若旦那の父親であり、喜八の妻ではない。
- 島田正吾が演じた「蛸の伊兵衛」は、大岡政談では「田子(たご)の伊兵衛」である。ただし、伊兵衛の行動は大岡政談と変わっていない。
- 大岡政談では、再吟味となった責任を取るため、忠相が老中に辞職を申し出て、慰留され留任となるが、このドラマでは、そういった描写はない。
- 第18話「すっとび辰の失恋」冒頭で、忠相が「おたふく風邪」にかかる描写があり、「大人向けのおたふく風邪の薬」と称して榊原伊織がイギリスのウイスキーを持ち込むシーンがあり、村上源次郎も同席し、一緒にウイスキーを飲むのだが、村上源次郎はこの頃はまだおたふく風邪に罹患しておらず(第5部第3話「欲しかった思い遣り」で発症)、第5部を見た後の視聴者から見れば不用心な描写になっている。
- 第19話「新助そばの悲願」において、髪結床鶴吉が「駆けつけ」(火災発生時に奉行所に保管されている公文書の入った公用箱を待避させる役)の手札を頂戴したことが冒頭に描かれる。
- 史実では、享保年間において髪結床は橋台で商売をしていることが多かったことから、延焼の防止のため取り壊す方針であったが、取り壊す代わりに髪結職人たちは橋梁の消防作業をすることを大岡忠相に申し出て認められた。その際、髪結株を持ち、橋の近くで商売をしている髪結職人を「橋火消」とし、山手で商売している髪結職人を「駆けつけ」とした。株仲間が廃止となる天保の改革までこの制度は継続することになる。
- また、同話の中で事件の発端となる正徳五年の一件を今より十二年前と語っていることから本部の時代設定は享保十二年頃と思われる。
- エンディングナレーションにおいて、忠相によって「駆けつけ役は奉行所手配の者に守られ、一団となって避難する定めに改めた」ことになっているが、時代設定が下った「江戸を斬る」などでも同様の話が作られている。
- 第21話「勇気ある挑戦」にて、吉宗が、第1部第1話冒頭で自分を狂人と罵った榊原伊織が江戸に来ていることを初めて知る。
- ただし、伊織と吉宗は、第1部第28話「天一坊事件(後篇)」にて、天一坊が偽者である証人を連れてきた際に、顔を合わせている。
- この回の冒頭、伊織は自分の医術の限界から長崎に国内留学をすることを忠相に打ち明ける。その際、漢訳洋書が見られない問題点を指摘し、吉宗に対し挑発的にその問題を指摘した書状を目安箱に投げ込む。
- この回の冒頭、「目安箱」がどのように扱われていたのか(例えば、吉宗自ら鍵を解錠した)ナレーションにて比較的詳しい説明があり、この説明は史実と一致している。なお、伊織の投書を読んだ吉宗が、中村錦司演じる有馬兵庫頭を呼ぶ場面でナレーションにて、有馬兵庫頭氏倫(有馬氏倫)、御側役(御側御用取次)の筆頭といった説明もある。
- 伊織が目安箱に投げ込んだ文を直接読んだ吉宗は、激怒しつつも、伊織の主張を一部認め、キリスト教に関係のない漢訳洋書の輸入制限の緩和策をとることになる。
- 呑舟から、流行性感冒(インフルエンザ)に効く薬として、「コールツバスト(あるいは「キナキナ」)」が挙げられていたが、キナ(quina)を指し、解熱作用に効くキナ樹皮のことである。後にキニーネの原材料としても使われていた。
- 第22話「幻術師」は幻術師の道場に「唯一神霊教」という記述があり、本放送直後に類似名の宗教団体神霊教の抗議によって欠番となった。C.A.Lのサイトでもあらすじが分からない状態であるが、概ね以下のような内容である。なお、この話の中で、幻斉が享保の改革における上米の制が小手先の策だと批判する描写がある。また、子供が生まれないことで悩む雪絵の描写もある(この次の回で懐妊が判明する)。なお、この回では尾張大納言宗春と表現されているが、徳川宗春の官位は、権中納言である。
- 日野幻斉という祈祷師の祈祷を受ければ、必ず子宝が授かることが町中で話題になっていた。しかし一般の町人は相手にされず、祈祷を受けるには名だたる御屋敷の添え状が必要。源次郎と辰三は、大番組三百俵石川家の御新造様が、憔悴しきった顔で幻斉の道場から出るのを目撃する。その後、その御新造様は先祖代々の墓の前で自殺する。寺からの知らせで源次郎・辰三・伊織が駆けつけるが、御新造様は死亡する。
- 源次郎はその内容を、忠相や忠高に話す。忠高は源次郎を「おしゃべり同心」と揶揄するが、忠高によれば、幻斉の祈祷により子宝に恵まれた旗本も多いという。しかし、伊織は何かカラクリがあるのではないかと疑問を持つが、伊織はそのカラクリについては説明ができない。このとき、忠相と雪絵の間に子供が生まれないことも話題になり、雪絵はその話を聞いてしまう。
- 忠相もこれまでの記録を調べ、カラクリを明かした場合、(幻斉の手によって得た)幸せな母子がどうなるか危惧し、悩んだ末、源次郎と辰三に命じて、幻斉の道場を見張らせる。すると、幻斉の道場に尾張家の紋(尾州三つ葵)が入った駕籠が入る。尾張大納言宗春にも子供がいない。幻斉は側室の於京の方に子宝の祈祷(妊娠したように腹に帯を巻く)を施す。幻斉は、宗春に偽者の赤子を与えるつもりなのだ。
- 幻斉は尾張大納言宗春と面会し、次期将軍になるようそそのかす発言をする。幻斉はその子供を将軍にし、将軍出生の秘密を知る幕府の影の実力者になる野望を持っていた。幻斉のこの企みを本能的に伊織は感づいて、忠相に警告する。
- 雪絵は、子供が生まれない悩みから、吉本雪絵と旧姓を名乗って幻斉の道場を訪れ、それを伊織と三次に目撃される。雪絵は幻斉と対面するがすぐに返される。幻斉は雪絵の正体を調べるために影の者に追跡させる。
- 雪絵が帰宅途中に伊織が呼び止める。影の者の追跡に気付いた伊織はそれを追い返す。幻斉の元で働く巫女・綾は、影の者に大岡夫妻の暗殺を指示する。影の者は、大岡夫妻就寝中を狙って暗殺を謀るが、失敗し忠相に殺される。この顛末を源次郎は、忠高・妙夫妻に話してしまう。
- 忠高は、雪絵を追い詰めたと思い、夫婦で偽名を使って幻斉の道場に乗り込む。羽織の紋が「大岡七宝」であったため、幻斉には大岡忠高夫妻とばれてしまい、忠高夫妻は人質として幻斉の道場に閉じ込められる。幻斉は宗春と対面するため、尾張藩上屋敷に向かう。
- 幻斉の訪問前に忠相は宗春と対面し、幻斉と縁を切るように説得する。尾張藩上屋敷に幻斉が到着すると、幻斉の前に現れたのは忠相。幻斉は忠相や尾張藩の手の者により殺されるが、忠相には父母が人質になっていることを告げる。
- 幻斉の屋敷に急ぐ忠相、人質となった忠高夫妻のいる幻斉の道場の下には南蛮火薬が仕掛けられている。三次の手によって忠高夫妻は窮地から逃れられるが、幻斉の屋敷は大爆発となり消滅する。
- 全面的に解決した団欒のひととき、忠相夫妻は必ず子供を作ると宣言する。
- (ナレーション:幻斉のからくりを見破った忠相は、子宝だけは神頼み。口では約束したものの、神仏幻術で授かるものならば祈りもしようと言いたかった)
- 第23話「鬼の目に涙」では、第22話「幻術師」で忠相・雪絵の間に子供ができないことが描かれたが、この回で雪絵が懐妊したことが分かる。
- 第27話「小西屋事件」は、大岡政談(講談)で演じられる「小西屋嫁入(小西屋裁き)」を翻案したものである。
- 「小西屋嫁入(小西屋裁き)」には、三次・以禰・海野呑舟が関わる部分が当然ながら存在しない。
- 「小西屋嫁入(小西屋裁き)」では、お光に横恋慕した大家が医者の兄を使いお光の縁談先に「娘は頭の病」と告げて破談にし、破談になったお光が怒りのあまり横恋慕した大家を刺殺する。このドラマでは横恋慕した男が偽医者に扮して講談同様に破談させ、お光を襲い、お光は操を守るため偽医者を殺し自首する話になっており、お光の罪状は、講談よりも若干軽いものに改変されている。
- 劇中、三次がお堀端で石を投げているシーンで、鴨に石をぶつけて殺したとして少年が捕らえられるシーンがあり、大岡政談の「鴨のお裁き」を臭わせている(単独で扱われるのは第6部第10話「鷹の威を借る悪い奴」である)。
- ポスターの書体が第2部、第12部、第15部のみ横文字である。
再放送と欠番(第2部)
- 本放送に用いた素材は、本放送直後に欠番となった第22話「幻術師」のみ残っており、第2部において唯一カットされていない(放送時間は第1部第3話と同様で約48分)。その他の回は第1部と同様にオープニングとエンディングを短くする加工を行い、放送時間を約47分にカットしている。DVDボックスに収録された素材や時代劇専門チャンネルで使われている再放送素材は、これを用いている。さらに、ナレーションや本編中の差別的表現を削除し、放送時間を約45分程度にカットした再放送素材も存在している。
- 第5話「生きていた男」、第21話「勇気ある挑戦」、第22話「幻術師」は欠番になり、再放送されていない。2012年にTBSチャンネルでは引き続き欠番扱いとして放送はされなかった。
- 第5話「生きていた男」は、気のふれた娘が登場し、差別的な表現や事実と異なる表現が含まれているためとみられる。
- 第21話「勇気ある挑戦」は、第1部第1話冒頭に繋がる話であり、かつ吉宗の台詞に差別的な表現が多いことが原因とみられる。
- 第22話「幻術師」は、劇中に幻術師の「唯一神霊教」という看板が登場した。実際に存在する神霊教が本放送直後に抗議したため、欠番となった。なお、2006年11月21日発売のDVDボックスには当初全話収録されていたが、発売直後に神霊教が再度抗議を行った。そのため、現在販売されているDVDボックスでは削除されている。なお、時代劇専門チャンネルでも放送が見送られた。
- 2013年6月29日よりNHK BSプレミアムの名作時代劇第1弾として放送されたが、放送時間が約45分程度の再放送素材が使われた。エンディングの後に出演者の顔写真が紹介されていた。
第3部
大岡越前 第3部 | |
---|---|
ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 葉村彰子 |
脚本 | 葉村彰子 加藤泰 津田幸夫 池田一朗 さわさかえ 宮川一郎 大西信行 稲垣俊 飛鳥ひろし 石川孝人 |
監督 | 内出好吉 小野登 (鎌田房夫) 山内鉄也 松尾正武 |
出演者 | 加藤剛 竹脇無我 山口崇 宇津宮雅代 土田早苗 松山英太郎 高橋元太郎 加藤治子 志村喬 大坂志郎 天知茂 片岡千惠藏 |
製作 | |
製作総指揮 | 松下幸之助 |
プロデューサー | 逸見稔 西村俊一 (郡進剛) |
制作 | TBS |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1972年6月12日 - 1973年1月15日 |
放送時間 | 月曜日20:00 - 20:56 (1972年10月以降は20:55まで) |
放送枠 | ナショナル劇場 |
放送分 | 56→55分 |
回数 | 全31 |
「大岡越前 第3部」(おおおかえちぜん だい3ぶ)は1972年6月12日から1973年1月15日までナショナル劇場で放送された時代劇。製作はC.A.L。全31話。
概要(第3部)
第2部最終回で医学修業のため榊原伊織・千春夫妻が長崎に旅立ってから6年経過し、長男・忠宣も6歳となった。小石川養生所の肝煎・海野呑舟の体調が優れず、長崎から伊織・千春夫妻を呼び戻した。大岡忠相は息子の忠宣の成長とともに、父親としての魅力も増し、家庭人として、庶民のひとりとしての忠相を、“夫婦の愛、親子の愛、友情”などをテーマに描がれている。この部では、爆死した池田良助の息子・池田大助を内与力にした。また、伊織をはじめ、同心・村上源次郎や与力・神山左門らの協力を得て、事件の解決にあたる。
レギュラー出演者(第3部)
- 大岡忠相:加藤剛
- 榊原伊織:竹脇無我(第4,6,10,11,13,14,18,19,21,22,24,25,27,29話を除く)
- 雪絵:宇津宮雅代(第16,17,19,21,25,27,28話を除く)
- 千春:土田早苗(第6,18,22,25,27,29話を除く)
- 加代:武原英子 (第1,24話)
- 以禰:望月真理子(第6,14,18,20,22,23,24,25,29話を除く)
- 政吉:里見浩太朗 (第1,24話)
- 猿(ましら)の三次:松山英太郎(第14,15,20,22,23,24,25話を除く)
- すっとびの辰三:高橋元太郎(第16,17,27話を除く)
- 池田大助:原田大二郎(第6,8,9,20,24,25,28話を除く)
- 大岡忠宣:(大川辰五郎) (第1,3,4,6,7,8,11〜15,18,26,29話)
- おはな:田坂都(第1話から)(第19,23,24,26,27話除く)
- おきん:桜むつ子 (第1,2,5,7,11,29話)
- 大岡妙:加藤治子 (第1,3,8,30,31話)
- い組の伊三郎:中村竹弥(第1,23,24話)
- 徳川吉宗:山口崇 (第1,3,17,22話)
- 海野呑舟:志村喬 (第1,2,9,28,30,31話)
- 村上源次郎:大坂志郎(第14,27話を除く)
- 神山左門:天知茂 (第1,10,27,30,31話)
- 大岡忠高:片岡千惠藏(特別出演)(第1,3,8,18,30,31話)
準レギュラー
スタッフ(第3部)
- 製作総指揮:松下幸之助
- 製作:松下正治、丹羽正治
- 原案:葉村彰子
- 脚本:葉村彰子、加藤泰、津田幸夫、池田一朗、さわさかえ、宮川一郎、大西信行、稲垣俊、飛鳥ひろし、石川孝人
- 音楽:山下毅雄
- ナレーター:芥川隆行
- 題字:朝比奈宗源
- 撮影:萩屋信、平山善樹、脇治吉、柾木兵一、河原崎隆夫、原田裕平、玉木照芳、木村誠司
- 美術:鈴木孝俊、塚本隆治、宇佐美亮、中島哲二、角井博
- 録音:渡部芳丈、草川石文、小野岡道秀
- 照明:井上義一、佐々木政一、真城喩、伊勢晴夫、林春海、藤井光春、椹木儀一
- 編集:河合勝巳
- 助監督:居川靖彦、髙倉祐二、上杉尚棋、渡辺譲、古市真也、内沢豊、曽根勇
- 邦楽監修:中本敏生
- 擬斗:近江雄二郎、土井淳之祐、谷明憲
- 衣裳:上野徳三郎
- 美粧・結髪:東和美粧
- 装置:青木茂雄、曽根美装
- 装飾:関西美工、川本宗春
- スプリクター:竹田宏子、小池光子、石田芳子、浅野秀子、川島庸子、土橋喜久子、野口多喜子、平井宇津江
- 制作進行:上田耕太郎、今井正夫、持田久仁、山田勝、河野荘一、藤野清、北村良一
- 演技事務:松岡茂、上ノ山敏
- 衣裳制作:東京衣裳
- 現像:東洋現像所
- 協力:俳優座
- 制作協力:東映
- プロデューサー:逸見稔、西村俊一、郡進剛
- 特技:宍戸大全
- 監督:内出好吉、小野登、(鎌田房夫)、山内鉄也、松尾正武
作品リスト(第3部)
話数 | 放送日 | サブタイトル | 原案 | 脚本 | 監督 | ゲスト | 備考 |
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第1話 | 1972年 6月12日 | 大岡越前 | 葉村彰子 | 葉村彰子 加藤泰 | 山内鉄也 | 池田良助:高松英郎 伊藤八郎太:川合伸旺 駒木根重蔵:川辺久造 檜垣:五味竜太郎 吉松:北町嘉朗 質屋の主人:藤尾純 神谷次郎兵衛:(新田章) 浪人:出水憲司 浪人:五十嵐義弘 版元:川口喬 源八:(千代田進一) 神谷太兵衛:(疋田泰盛) 町人:(有島淳平) 町人:(菅原俊夫) | |
第2話 | 6月19日 | 江戸わずらい | 内出好吉 | 小室半兵ヱ:横森久 お小夜:東三千 田島屋重右衛門:飯沼慧 典薬頭・半井刑部大輔:外山高士 六兵衛:藤尾純 尚古堂:(北原将光) 浪人:(花岡秀樹) 浪人:(松田利夫) 平作:日高久 八蔵:(徳田実) 養生所の患者:(鳴海剣吾) | |||
第3話 | 6月26日 | 天下の果し合い | 池田一朗 | 山内鉄也 | 尾張大納言宗春:大瀬康一 生沢頼母:佐々木孝丸 伊藤八郎太:川合伸旺 唐沢兵庫:(国一太郎) 内藤日向守:永野達雄 家臣:川浪公次郎 家臣:(泉好太郎) 家臣:(和田昌也) | 再放送欠番 | |
第4話 | 7月 3日 | 消えた御用金 | 宮川一郎 | 荻原源八郎:滝田裕介 川本信之助:村上不二夫 おせん:(加賀ちかこ) お光:(松本望) 坂口文之進:原田清人 お吉:近江輝子 茶屋の女将:古林泉 堺屋の手下:(畑中伶一) 堺屋清兵衛:金田龍之介 | |||
第5話 | 7月10日 | 無情の捕縄 | 大西信行 | 善吉:織本順吉 輔三:三木豊 おきよ:河東けい 利助:(石浜祐次郎) 金持ちの旦那:原聖四郎 幇間:神戸瓢介 医者:(村居京之輔) 下宿のおかみさん:(松井加容子) 長屋のおかみさん:(三上ひろ子) 長屋のおかみさん:(和歌林三津江) 長屋のおかみさん:(大江光) お種:中村玉緒 | 村上源次郎と辰三の 10年前のエピソードが 語られる部分がある。 | ||
第6話 | 7月17日 | 狐火の五千両 | さわさかえ | 小野登 | お栄:岩崎加根子 富治:東光生 留松:(中台祥浩) 亀松:(荘司肇) おぎん:(田中美津子) 伝八:花上晃 仙三:西田良 銀次:志賀勝 友吉:(坂本高章) 松葉屋の主人:北見唯一 松葉屋の客:唐沢民賢 与力:(山田良樹) 役人:(藤山良) 松葉屋の客:(前川良三) 囚人:(智村清) 役人:小峰一男 狐火の五郎蔵:木村功 | ||
第7話 | 7月24日 | 血を吸う宝石 | 葉村彰子 石川孝人 | 内出好吉 | 岩松:米倉斉加年 彦助:早川保 お文:岩本多代 弥太吉:江波多寛児 八丈島役人・梅岡与四郎:波田久夫 留五郎:阿波地大輔 仁兵衛:(鈴木康弘) 目明し権太:(野崎善彦) お菊:(森田由紀子) 彦一: | ||
第8話 | 7月31日 | 越前の娘 | 加藤泰 | おとき:(河村有紀) 疾風甚内:(森健二) おしん:津山登志子 大家利兵衛:入江慎也 按摩:(大城泰) 牢番:(島田秀雄) 甚内の手下:壬生新太郎 甚内の手下:宍戸大全 | |||
第9話 | 8月 7日 | 盗っ人仁義 | 葉村彰子 石川孝人 | (鎌田房夫) | 銀平:砂塚秀夫 お笛:鮎川いづみ 弁天のお米:笠置しず子 井田屋宗吉:坂口徹 お米の子分:芦屋雁平 お米の子分:大橋壮多 | ||
第10話 | 8月14日 | 江戸のごみ | 飛鳥ひろし | 小野登 | 藤左ヱ門:美川陽一郎 お染:伊藤るり子 与太郎(天馬七之助):田口計 吉兵衛:内田勝正 伝七:小林勝彦 志乃:(西山恵子) 清五郎:小田部通麿 川上参之助:玉生司朗 子分:森章二 子分:滝譲二 子分:平沢彰 神山さよ:星野美恵子 | ||
第11話 | 8月21日 | 夜の奉行 | 大西信行 | 内出好吉 | 番頭:南川直 むささびの多吉:中井啓輔 近江屋:溝田繁 竹松:小瀬朗 阿波屋十兵衛:(熊谷武) 阿波屋の手代:(宇崎尚韶) 阿波屋の番頭:(坂東京三郎) 客:(土橋勇) 客:(世羅豊) 中盆:(平河正雄) 夜の奉行:福田豊土 | ||
第12話 | 8月28日 | 誘拐 | 池田一朗 | 松尾正武 | 渡海屋:内田朝雄 山熊:高品格 井関医師:樋浦勉 お米:(伊吹友木子) 勘太:(島田明広) お咲: 六助:古川ロック およしの母親:(佐名手ひさ子) おくめの母親:美松艶子 養生所の所員:平沢彰 山熊の子分:(大月正太郎) 門番:野口貴史 渡海屋の手下:(高谷舜二) 渡海屋の手下:(大城泰) およし:(玉山由利子) 中盆:(宮城幸生) | 再放送欠番 | |
第13話 | 9月 4日 | 恐怖の連判状 | 大西信行 | 田部作左衛門:小栗一也 細川多門:清水一郎 三芳屋貞二郎:(横沢裕一) 細川茜:有川由紀 宝田新六:夏目俊二 小十郎配下:遠藤征慈 小十郎配下:五味龍太郎 小十郎配下:浜伸二 三芳屋の妻:(八代郷子) 侍:川浪公次郎 町人:(有島淳平) おかみさん:(牧淳子) 絵師:(村田玉郎) 細川伝八:小倉雄三 小十郎:露口茂 | |||
第14話 | 9月11日 | 忠相旅日記 | 稲垣俊 | 内出好吉 | 孫六:中野誠也 豪農・川田平左ヱ門:新田昌玄 おせん:利根はる恵 おさと:松木路子 五兵ヱ:成瀬昌彦 親爺:浅野進治郎 近江屋喜助:西沢利明 樋口:小美野欣士 川島:穂積隆信 おのぶ:(佃和美) 藤代:中村錦司 役人:(森源太郎) | ||
第15話 | 9月18日 | 天狗の眠り | さわさかえ | 松尾正武 | 天神松の銀次:天津敏 要作:和沢昌治 楠本立泉:吉田輝雄 おしん:山口朱美 粂八:鮎川浩 北町与力:山本清 役人:(大木晤郎) 役人:(高並功) | ||
第16話 | 10月 | 2日殺しの長脇差 | 山内鉄也 | 船戸の銀次:夏八木勲 中神の定吉:内田勝正 おせい:伊藤栄子 但馬屋嘉兵ヱ:武藤英司 車坂の又蔵:伊達三郎 百助:(国一太郎) 七之助:下元年世 仙太郎:出水憲司 患者:(関根永二郎) 芸者:(那智映美) 川並一家の子分:野口貴史 川並の政太郎:(藤川準) | |||
第17話 | 10月 | 9日天下一番の悪い奴 | 捨八:新克利 おしん:早瀬久美 水野和泉守:清水元 上杉綱憲:小堀明男 茗荷谷の又蔵:上野山功一 しのだ屋おかみ:(任田順好) 老中:西山辰夫 船頭:日高久 娘:河野元子 老中:(小田真士) 重役:(那須伸太朗) 役人:(土橋勇) 目明し:(藤本秀夫) 重役:(坂東京三郎) 茶坊主:(佐々木松之丞) (山田良樹) 仙太郎:(藤長照夫) 娘:(佐久間祐子) 娘:(穂積かや) 伊之:片桐竜次 | ||||
第18話 | 10月16日 | 過去を逃れて | 葉村彰子 石川孝人 | 内出好吉 | 矢吹真之介:峰岸隆之介 千賀:(本多さち子) 片桐玄蔵:高野真二 片桐の配下:高森玄 片桐の配下:中田博久 真之介の父・矢吹右衛門:永田光男 坂崎伝兵衛:(宮城幸生) 山県政二郎:芦田伸介 | ||
第19話 | 10月23日 | 私は泣かない | 大西信行 | 松尾正武 | 直吉:橋本功 おたか:新田勝江 越後屋大兵衛:高野真二 お静:鳳八千代 勝五郎:(浅若芳太郎) 喜助:小林勝彦 瓶屋善助:池田忠夫 太一郎:(加藤紀雄) 太之助:(太田哲也) 先生:(那須伸太朗) 健坊:(荏原雄二) 男の子:(坂本高章) お京:吉沢京子 | 小林勝彦の役名はオープニングでは 「善助」と紹介されているが、 作中では「きすけ」と呼ばれている。 | |
第20話 | 10月30日 | ゆすり | 稲垣俊 | 内出好吉 | 蝮の吉五郎:藤岡重慶 鍛冶屋・藤兵衛:田中春男 お絹:(沢久美子) ひげの男:小田部通麿 | ||
第21話 | 11月 | 6日人情大工裁き | 大西信行 | 小野登 | 久造:河原崎長一郎 お美代:江夏夕子 源六:若宮大祐 政五郎:見明凡太郎 喜兵衛:志摩靖彦 お徳:(早見栄子) 留吉:重久剛 半目の半太郎:川地民夫 | 落語「大工調べ」の翻案 | |
第22話 | 11月13日 | 血ぬられた密書 | 稲垣俊 | 山内鉄也 | 松平左近将監:水島道太郎 水野和泉守:清水元 大岡忠光:倉丘伸太郎 初音:有川由紀 田沼祐一郎:原田清人 むささびの松:岡部正純 番太郎:武藤章生 棒手振:伝法三千雄 御庭番・鏑木兵衛:(木村博人) 桃井:三島猛 長屋の女:(三谷真理子) 田安宗武:(青山隆一) | ||
第23話 | 11月20日 | 狙われた男 | 池田一朗 | 内出好吉 | とめ:利根はる恵 お吉:珠めぐみ 与兵衛:浅野進治郎 暗闇の佐兵衛:金井大 蝮の大造:吉原正皓 伊丹屋十兵衛:溝田繁 石出帯刀:(酒井哲) 伊丹屋長吉:(新田章) おみつ:(古城門昌美) 三吉:平沢彰 牢名主・和助:(芦田鉄雄) 渡り中間:浜伸二 町医者:入江慎也 い組の安:唐沢民賢 渡り中間:西田良 長屋の住人:(疋田泰盛) 幸太郎:近藤正臣 | ||
第24話 | 11月27日 | 人情の罠 | 津田幸夫 | 山内鉄也 | 由造:織本順吉 北町奉行所同心・相良弥平次:南原宏治 由造の娘・おきぬ:二本柳敏恵 相模屋安蔵:横森久 弥太:(松野健一) | ||
第25話 | 12月 | 4日義賊かまいたち | 稲垣俊 | 松尾正武 | 幸吉:信欣三 善助:美川陽一郎 花奴:町田祥子 お時:中村たつ 家主・甚兵ヱ:原健策 与吉:袋正 丹波屋丹次郎:浜田雄史 太吉:(大森久綱) 津軽家用人・三太夫:(掘北幸夫) 鎌鼬の七三郎:林与一 | ||
第26話 | 12月11日 | 悪の報酬 | 葉村彰子 石川孝人 | (鎌田房夫) | おしの:滝奈保栄 お静:上月左知子 藤太:(林真一郎) 岩田屋惣兵ヱ:佐竹明夫 お雪:(長谷川澄子) お菊:(森田由起子) お玉:(小柳冴子) 伊佐吉:谷幹一 お文:園佳也子 | ||
第27話 | 12月18日 | 死の匂いのする花 | 葉村彰子 | お千代:(青柳三枝子) お仙:榊ひろみ 源隆寺住職:松本克平 甚ヱ門:稲葉義男 岡島靭負:幸田宗丸 鮫島五郎兵ヱ:高森玄 松前屋徳兵ヱ:香川良介 忠七:(梶本潔) 喜助:(善賢一) 松前屋の用心棒:(村田玉郎) 同心:有川正治 | |||
第28話 | 12月25日 | 右の腕 | 大西信行 葉村彰子 | 内出好吉 | 弥之吉:森次浩司 遠州屋:増田順司 彦兵衛:天草四郎 おきぬ:沢井桂子 鉄五郎:太刀川寛 お菊:(森田由紀子) 留吉:(奈辺悟) | ||
第29話 | 1973年 1月 1日 | ギヤマンの謎 | 葉村彰子 石川孝人 | (鎌田房夫) | 佐吉:西岡徳美 小夜:新藤恵美 茂助:藤原釜足 上総屋清兵衛:北沢彪 中桐政之助:野々村潔 小出:舟橋元 中桐小十郎:小林勝彦 疾風の仙太:松山照夫 旗本:五十嵐義弘 | おはなの父の茂助が 会いに訪ねてくる | |
第30話 | 1月 8日 | 享保太平記(前篇) | 加藤泰 | 山内鉄也 | 浜島庄兵衛:成田三樹夫(前篇・後篇) 太田くみ:高森和子(前篇・後篇) 南郷屋利喜松:武藤英司(前篇・後篇) 髪結い十三:(平井昌一)(前篇・後篇) 中間利平:郷鍈治(前篇・後篇) 白子屋お常:(任田順好)(前篇・後篇) 手代菊之助:花ノ本寿(前篇・後篇) お熊:二本柳敏恵(前篇・後篇) 勝田修理:浜田寅彦(前篇) 山川安五郎:楠本健二(前篇) 太田小三郎:山本弘(前篇) 南郷屋番頭:(有島淳平)(前編) 牢名主:汐路章(後篇) 千寿姫:真屋順子(後篇) :岩尾正隆(後編) 市川團十郎:(後編) | ||
第31話 | 1月15日 | 享保太平記(後篇) |
解説(第3部)
- この部は、第2部最終話から6年経過した設定となり、この部のみ忠相の息子忠宜が登場する。
- また、第2部最終話で医学の修業のため長崎に旅立った榊原伊織・千春夫妻が、第1話で江戸に戻ってくる。
- 独り身になった村上源次郎は、家事手伝いのため、おきんを雇っている。
- この部から、役宅に奉公するおはなが登場する。図らずも、第2話「江戸わずらい」では、江戸わずらい(脚気)の解決のヒントを与えることになる。
- この部でも、第1〜2部で、大岡忠相が実際に施策が扱われるが、既にドラマ化済みのものを除いて扱っているため、後述するが旧悪の設定などに留まっている。
- 大岡忠相や大岡政談を扱った他の時代劇などには登場する「池田大助」が登場する唯一の部である。なお、「池田大助」は、上方落語「佐々木政談(佐々木裁き)」(江戸時代末期、旗本家来から町奉行・外国奉行に大出世した佐々木顕発をモデルにした落語)を江戸の古典落語に翻案し、登場する奉行を大岡忠相に替え、後に3代目三遊亭金馬が「池田大助」と改題し、野村胡堂の時代小説などでも使われ、一般に定着したものである。
- ただし、落語「池田大助」は、作中では頓知頓才の子供で、忠相が近習に取り立てた際の名前を題とした噺だが、このドラマの池田大助は、第1話で爆死した池田良助の息子という設定である。
- 猿の三次は、第2部の小間物屋から料理屋に商売を変えている。料理屋の暖簾には「めし」と大きく書かれ、端に「三次」と書かれた将棋の駒が描かれており、後に定着する「たぬき」ではない。
- 第1話の殺陣のシーンで、越前が頭突きを披露している。
- 第2話「江戸わずらい」は、タイトルの通り「脚気」がテーマである。上述で触れたが、おはなが養生所で飼っていたニワトリに、精をつけて良い卵を生んでもらおうと白米だけを与えたことにより、ニワトリも脚気と同じ症状になったことから、玄米にあって白米にない「ヌカ」という解決策が見つかる。
- エンディングナレーションにて、「脚気」の解決はオランダの医師アイクマン(クリスティアーン・エイクマン)の研究によるものと紹介がある。
- エイクマンが脚気の原因を発見した経緯は、インドネシアに赴いた際、ニワトリに与える米を変えてみて、精米した白米を与えたニワトリに脚気の症状が現れたことから、玄米に含まれる特定の成分が精米には含まれていないことを断定し、ビタミンBの発見への道標を作った。したがって、この回はエイクマンのエピソードを元に作られている。
- 脚気の原因はチアミンの摂取不足であり、1910年に鈴木梅太郎は米ヌカからチアミンの抽出に成功している。
- この回では、初期の「大岡越前」では少ない(が、後の「大岡越前」や他の娯楽時代劇ではよく見られる)「○○屋も悪よのぅ」「いえいえ**様にはかないませんよ」というやりとりが見られる。
- 第3話「天下の果し合い」は、忠相とともに白装束を着けて尾張藩上屋敷に乗り込む南町奉行の結束の固さや吉宗と尾張大納言宗春との刀ではなく腕による「果たし合い」、忠高の身分に分け隔てなく接するさまが描写がされた。
- 本作の脚本は池田一朗(小説家としては隆慶一郎と名乗った)が担当しており、彼の作品における人物描写でも、とりわけ「男の生きざま」「義理人情」「男の友情」を描いた作品には秀作が多い。
- 水戸黄門で使用されているものに酷似した三つ葉葵(尾州三つ葵)の印籠[1]を、尾張大納言宗春が腰につけている場面が出てくる(第2部第22話「幻術師」にも、尾州三つ葵が描かれた駕籠が登場する)。
- 物語の冒頭に出てくる落書は、「公方さまは乞食に似たり、尾張は天下に似たり」と書かれている。実際に尾張大納言宗春の政策により名古屋の町が活気を得て繁栄していた頃、江戸市中でも「天下、町人に似たり。尾州、公方に似たり。水戸、武士に似たり。紀州、乞食に似たり」という落書があった。
- 第2部第22話「幻術師」と同様に、徳川宗春の官位が「大納言」と表現されているが、正しくは権中納言である。没後75年にして「権大納言」を贈位された。
- 第5話「無情の捕縄」では、困窮した母子の境遇と辰三の過去を重ね、辰三が苦悩する。この回において、辰三が村上源次郎配下になった経緯が分かる(辰三は、父親に死なれ、病気の母を抱え困窮し他人の懐を狙ったところを村上源次郎に阻まれた)。
- 第6話「狐火の五千両」は、第14部第11話でそのままリメイクされ、第7部第20話「辞世に託した三千両」でも設定を若干変更して翻案されている。なお、狐火の五郎蔵に忠相が処刑時に臆病者として振る舞って欲しいと頼む部分は、アメリカで1938年にギャング映画として公開された「汚れた顔の天使」(原題:Angels with Dirty Faces(英語版))の結末と類似している。
- 第10話「江戸のごみ」では、潜入捜査中の神山左門が池田大助をかばうために、大助を殴りつける。左門の真意が分からない大助を諭すように、村上源次郎が神山左門を「かみそり左門」と呼ばれるようになった経緯を語る。
- 第14話「忠相旅日記」において、忠相が地方御用掛に命じられ、武蔵野新田の支配について言及がなされている。史実でも、享保7年(1722年)に大岡忠相は、地方御用掛を拝命して農政にも携わり、役人集団を率いて武蔵野新田や上総国新田の支配、小田原藩領の酒匂川普請などに携わっている。
- 第15話「天狗の眠り」の劇中にて、喘息の治療に用いられていた「曼陀羅華(まんだらげ)」「キチガイナスビ」と称されるチョウセンアサガオを麻酔薬(麻沸薬)に使用する話が登場する。エンディング前のナレーションにて、本種を精製して世界初の全身麻酔手術に成功した江戸時代の医学者・華岡青洲も紹介されている。
- なお、第10部第18話「志保が試した麻酔薬」で、アヘンを麻酔薬にするエピソードがある。
- 第16話より、朝比奈宗源による題字が変更となる。
- それ以前のタイトルの「越」には、点が多いという視聴者の指摘があり修正している。
- 後述するが、第4部以降、さらにタイトル文字が書き直されるため、題字としては使用期間が短く、第5部以降のCMに入る前のアイキャッチに使用されることになる。
- 第20話「ゆすり」において、忠相は15年前の貨幣偽造の罪を自首した男を時効にする判例を作り、10年以上の罪については今でいう公訴時効とした。徳川吉宗の時代に大岡忠相も編纂に参加した公事方御定書が成立し、「旧悪」という時効制度ができる(ただし、時効は12か月である)。また、このエピソードでは伊織が刑死者の腑分けを提案しており、エンディング前のナレーションにて、忠相の死(宝暦元年)から3年後の宝暦4年(1754年)に日本で初めて刑死者の解剖を行った山脇東洋らが紹介されている(加えてその20年後に「ターヘル・アナトミア」を翻訳した「解体新書」が杉田玄白や前野良沢らの手によって刊行されたことも紹介される)。なお、第1部の解説でも書いたが、第14話やこのエピソードを担当している脚本の稲垣俊は、「大岡越前」第1部から第4部にかけて、実際に大岡忠相の関わった施策を扱った回を多く担当した。
- 伊織は、藤岡重慶が演じる蝮の吉五郎を腑分けのターゲットにしており、慈悲のある軽い量刑の裁きの後も口惜しむ。その際、忠相は伊織に「腑分け」についても御上に申し入れていたことを打ち明ける。御上の沙汰は「時機を待て」であり、小石川養生所の医師が腑分けを行うと迷信深い町人達に誤解を招くから、と説明されている。伊織は「お主(忠相)のような友達を持ったおかげで、日本で初めて腑分けをした男にはなれんらしい」「俺は生まれ変わってでもやる。いや俺が生まれ変わらんでも誰かが必ずやる。医を極める学問とはそういうものだ」と語る。
- 上述の通り、この回で伊織が提案した腑分けは、史実通り宝暦年間に山脇東洋らによって行われたことが紹介されるが、後の部(第6部第24話「死体が歩いた長屋露地」)にて、伊織と親しい医師・新三郎(おらんだ新三)が腑分けを行うエピソードがある。
- 第21話「人情大工裁き」は、古典落語(与太郎噺)「大工調べ」の翻案である。ただし、家主(大家)が質の鑑札無しで、久造の大工道具を質草に取ったことを咎める大岡裁きについては、この時代「質屋」なる金融業を開く場合には、盗品の取引を防ぐため、鑑札(株)が必須だが、この場合は大家が質屋を開いたわけではなく、債権(この場合はたまった長屋の店賃)の権利を行使しただけであるため、質の鑑札は不要と考える落語家もいる[要出典]。なお、この回を担当した脚本の大西信行は、寄席研究家正岡容の門下であり、落語などの寄席芸能の造詣が深い。
- 第22話「血ぬられた密書」は、吉宗がにわかに病気となったとき、後に9代将軍となる徳川家重派と後に御三卿田安家初代当主となる次弟の宗武派による吉宗の後継争いを描いたもので、家重派として大岡忠光が登場する。のちに忠光は家重の側用人となる。ドラマでは、忠光が忠相を「叔父上」と呼んでいるが、実際は、叔父・甥の関係ではない。ただし、ともに大岡忠世の子孫に当たる関係であり、個人的にも親交があったとされる。
- 第30〜31話「享保太平記」は、(大岡政談)の中で、大岡忠相が唯一町奉行時代に裁いたとされる白子屋事件や、忠相の実母(このドラマでは妙)が遠州掛川藩主北条出羽守の孫娘という設定を織り交ぜ、エンディングナレーションでは後に忠相が寺社奉行に出世することを言及していることから、初期「大岡越前」最終話とも言える大作となっている。
- 与力の神山左門、鳶の伊三郎と政吉夫婦、以禰が出演する最後の部である。(但し伊三郎のみ最終回スペシャルでは伊吹吾郎で復活している)
- この第3部より、第1話のタイトルがないまま本編に入る形になる。この流れは、1973年9月24日放送の「江戸を斬る―梓右近隠密帳―」、1974年4月1日放送の「水戸黄門 第5部」へと継承されていく。
再放送と欠番(第3部)
- 第15話までは、第1〜2部と同様にオープニングとエンディングを短くする加工を行い、放送時間を約47分にカットしている。DVDボックスに収録された素材や時代劇専門チャンネルで使われている再放送素材は、これを用いている。
- さらに、ナレーションや本編中の差別的表現を削除し、放送時間を約45分程度にカットした再放送素材も存在している。
- 2013年にTBSチャンネルで放送されたものと、2013〜2014年に時代劇専門チャンネルで放送されたものでは、使用されている放送素材が違う。前者において顕著なのは、第16話のエンディング短縮、第17話のエンディングナレーションカットだが、そのいずれもが、2014年時代劇専門チャンネル再放送においては、第16話では十手の写真を挟んでからエンディングに入り、第17話ではこれに加えて、ナレーションもカットされずに放送されている。なお、TBSチャンネル放送時の素材は約46分であるのに対し、時代劇専門チャンネル放送時の素材は約47分と、そもそも素材自体が1分長いものを使用している。
- 1972年10月6日(第16話)放送分より、『JNNフラッシュニュース』の枠拡大で20:00 - 20:55に変更となり、本放送が短くなった。16話以降は、再放送素材も、本放送と同じオープニング・エンディングになった。それゆえ、脇役・裏方も含めた詳細な配役名が見られるようになっている(DVDボックスに収録された素材や時代劇専門チャンネルで使われている再放送素材も同様)。
- 第3話「天下の果し合い」、第12話「誘拐」は再放送から外されることがある。2007年11月24日に発売されたDVDボックスには全話が収録されている。
第4部
大岡越前 第4部 | |
---|---|
ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 葉村彰子 |
脚本 | 植木昌一郎 加藤泰 津田幸夫 さわさかえ 宮川一郎 安藤日出男 大西信行 稲垣俊 木下亮 |
監督 | 内出好吉 倉田準二 山内鉄也 松尾正武 |
出演者 | 加藤剛 宇津宮雅代 吉沢京子 松山英太郎 高橋元太郎 三浦友和 山口崇 加藤治子 志村喬 大坂志郎 片岡千惠藏 |
製作 | |
製作総指揮 | 松下幸之助 |
プロデューサー | 逸見稔 西村俊一 (郡進剛) |
制作 | TBS |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1974年10月7日 - 1975年3月24日 |
放送時間 | 月曜日20:00 - 20:55 |
放送枠 | ナショナル劇場 |
放送分 | 55分 |
回数 | 全25 |
「大岡越前 第4部」(おおおかえちぜん だい4ぶ)は1974年10月7日から1975年3月24日までナショナル劇場で放送された時代劇。製作はC.A.L。全25話。
概要(第4部)
大岡忠相は人情深い奉行として慕われており、大罪を犯した男の息子、相良俊輔の身柄を引き受け、優秀な頭脳を見込んで内与力として登用することにした。村上源次郎には再婚話が出て、後添えをもらった。猿の三次は船宿を始めることになり、南町奉行所の仲間たちの憩いの場のような存在になる。そして、三次がかつて世話になったお葉という女盗賊も改心して仲間に加わる。冤罪問題、罪を犯す者の弱さなど、裁くことの難しさを感じる忠相は、江戸の町が真の意味で平和になることを願い職務に勤める。この部では、相良俊輔と綾との淡いロマンスが描かれ、また物価高に対応する忠相の姿も描かれているのが特徴である。
レギュラー出演者(第4部)
- 大岡越前:加藤剛
- 榊原伊織:竹脇無我(第20話のみ)
- 徳川吉宗:山口崇(第1話、第4話、第8話、第12話、第17話、第19話〜第20話、第25話)
- 雪絵:宇津宮雅代(第1話〜第8話、第10話、第12話〜第13話、第14話、第16話、第18話〜第25話)
- 猿(ましら)の三次:松山英太郎(第1話〜第8話、第10話、第12話〜第15話、第18話、第20話、第22話〜第25話)
- 千春:土田早苗(第4話、第6話、第18話、第20話)
- 美乃:本山可久子<第3話から登場>(初登場際の姓は藤枝、第4話以降「村上」姓)(第5,7〜11,13,17,19,21,23,24話除く)
- 綾:吉沢京子<第3話から登場>(同上)(第5,7〜11,21,23,24話除く)
- すっとびの辰三:高橋元太郎
- 相良俊輔:三浦友和
- 文吉:三ツ木清隆(第7話から登場)(第10,12,13,17,20,22話除く)
- お葉の妹 お千代:沢田亜矢子 (第2話から)(第4,6,10,12,13,18,20話除く)
- おはな:結城しのぶ(第3,4,5,7話除く)
- お葉:江波杏子(第5話、第6話、第10話、第24話)
- 北町同心・戸賀崎新兵衛:佐藤允(第2話、第6話)
- 伊東洪庵:高松英郎(第11話、第21話)
- 大岡妙:加藤治子 (第5〜7,9〜13,15〜18,21,23,24話除く)
- 海野呑舟:志村喬 (第1,4,6,8,10,12〜18,21〜23,25話除く)
- 村上源次郎:大坂志郎
- 大岡忠高:片岡千惠藏(特別出演)(第2,5,6,7,9〜12,15〜17,21,23,24話除く)
準レギュラー
スタッフ(第4部)
- 製作総指揮:松下幸之助
- 製作:松下正治、丹羽正治
- 原案:葉村彰子
- 脚本:植木昌一郎、加藤泰、津田幸夫、さわさかえ、宮川一郎、安藤日出男、大西信行、稲垣俊、木下亮
- 音楽:山下毅雄
- 題字:朝比奈宗源
- ナレーター:芥川隆行
- 撮影:萩屋信、河原崎隆夫、脇治吉、並河孝治
- 美術:鈴木孝俊
- 録音:渡部芳丈、西川潔、面屋竜憲、神戸孝憲、加藤正行
- 照明:井上義一、真城喩、伊勢晴夫、岩見秀夫、井口雅雄
- 編集:河合勝巳
- チーフ助監督:居川靖彦、矢田清巳、髙倉祐二、渡辺譲
- 擬斗:菅原俊夫
- 邦楽監修:中本敏生
- 衣裳:東京衣裳
- 美粧・結髪:東和美粧
- 装置:青木茂雄、野瀬善和
- 装飾:関西美工
- 記録:川島庸子、木下洋子、大原より子、石田照
- 演技事務:本多和雄
- 制作進行:杉浦満洲男、山田勝、持田久仁、上田耕太郎
- 現像:東洋現像所
- 協力:俳優座
- 制作協力:東映
- プロデューサー:逸見稔、西村俊一、郡進剛
- 特技:宍戸大全
- 監督:内出好吉、倉田準二、山内鉄也、松尾正武
作品リスト(第4部)
話数 | 放送日 | サブタイトル | 原案 | 脚本 | 監督 | ゲスト | 備考 |
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第1話 | 1974年 10月 7日 | 大岡越前 | 葉村彰子 | 植木昌一郎 | 山内鉄也 | 相良小左衛門:加東大介 秋元武太夫:金田龍之介 江戸屋甚助:中村是好 室鳩巣:村上冬樹 早瀬主水:久富雅晴 滝川:白木万里 戸田山城守:永野辰弥 有馬兵庫頭:中村錦司 大奥の茶坊主:岡嶋艶子 | |
第2話 | 10月14日 | 仕掛けられた罠 | 内出好吉 | 清助:森次晃嗣 お文:本阿弥周子 中山出雲守:永井智雄 猪之吉:柳生博 北町の門番:(有島淳平) 岡っ引き:小峰一男 | お花の兄、清助が登場 | ||
第3話 | 10月21日 | 男やもめに花が咲く | 加藤泰 | 山内鉄也 | 伊勢屋京左衛門:浜田寅彦 家主 庄兵衛:菅貫太郎 玄辰:名和宏 番頭 忠兵衛:南川直 京三郎:中山克己 おきん:荒木雅子 :(松田明) :(泉好太郎) :(山田良樹) :丸平峰子 | ||
第4話 | 10月28日 | 祝言 | おとき:折原啓子 おいと:服部妙子 七之助:小川真司 十三蔵:藤岡重慶 鶴亀屋の女房:近江輝子 :伊吹徹 門番:千葉敏郎 権六:阿波地大輔 人足:大橋壮多 親方:(矢奈木邦二郎) | 源次郎、美乃と再婚 | |||
第5話 | 11月 | 4日艶ぼくろの女 | さわさかえ | お葉:江波杏子 梅鉢の喜佐松:草薙幸二郎 清造:市川男女之助 同心:有川正治 梅鉢の子分:出水憲司 材木問屋:原聖四郎 おせい:山口朱美 材木問屋の女房:鳴尾よね子 | お千代の 火へのトラウマ、腕の火傷の真相 姉のお葉との姉妹の対面 | ||
第6話 | 11月11日 | 黒い影 | 植木昌一郎 | 内出好吉 | 兵頭奈津:北川美佳 兵頭栄之進:河原崎次郎 叶屋善助:神田隆 大沢主水:玉川伊佐男 兵頭喜八郎:小林勝彦 久右衛門:池田忠夫 千吉:牧冬吉 甚八:岡部正純 ??:西山辰夫 兵頭の用人:芝本正 やくざ:木谷邦臣 岡っ引き:小峰一男 岡っ引き:井上茂 | ||
第7話 | 11月18日 | 形見の観音像 | 安藤日出男 | おかつ:(武田禎子) 伍平:加藤嘉 松尾玄庵:若宮大祐 仁兵衛:見明凡太郎 大工:五十嵐義弘 | 大工の文吉が、 海野呑舟の助手になる | ||
第8話 | 11月25日 | 秋刀魚にがいか恋の味 | 大西信行 | 山内鉄也 | お蝶:ジュディ・オング 伊勢屋彦兵衛:田中明夫 大場市兵衛:川合伸旺 喜作:浅野進治郎 金貸し小兵衛:穂積隆信 外村:松山照夫 助川:小田部通麿 小田:森章二 陰供:(国一太郎) 門弟:遠山金次郎 | 吉宗と大岡忠高の 城下お忍び騒動 | |
第9話 | 12月 | 2日母子しぐれ | さわさかえ | 内出好吉 | おまさ:中原早苗 余吉:(島田明広) 黒門町の又蔵:田口計 長次:石山律雄 おせき:有吉ひとみ 菅野源八郎:中井啓輔 曽根孫四郎:(山村弘三) | ||
第10話 | 12月 | 9日大江戸無法地帯 | 植木昌一郎 宮川一郎 | 山内鉄也 | おうら:菊容子 言問の政五郎:石垣守一 石動の十蔵:城所英夫 大八:山本麟一 助五郎:内田勝正 権六:汐路章 伊之:西田良 仙八:川谷拓三 客:田畑猛雄 客:山本弘 矢場の女将:(八代郷子) 飲み屋の女:(岸本康子) 助五郎の子分:(藤本秀夫) 大八の子分:志茂山高也 助五郎の子分:峰蘭太郎 助五郎の子分:(藤長照夫) 大八の子分:(有田剛一) 大八の子分:(細川純一) 矢場の女:(尾形徳香) 不動の鉄五郎:(浪花五郎) | ||
第11話 | 12月16日 | かわうそ仁術 | さわさかえ | 内出好吉 | 伊東洪庵(門田十蔵):高松英郎 氏家一馬:近藤洋介 銀造:(岩田直二) 氏家平次郎:永田光男 処刑場の警護役人:野口貴史 長屋の男:波多野博 与吉:(吉岡靖彦)(子役) おふみ:(小野朝美) | ||
第12話 | 12月23日 | 暗闇八百八町 | 加藤泰 | 山内鉄也 | 出来星の長太(長太郎):工藤堅太郎 惣兵衛:吉田義夫 富田屋白兵衛:横森久 びんずる角兵衛:富田仲次郎 てっぺん東助:江幡高志 加兵衛:(北原将光) 家臣:(有島淳平) 有馬兵庫頭:(森源太郎) 役人:(前川良三) 角兵衛の子分:(寺内文夫) 角兵衛の子分:福本清三 用心棒:壬生新太郎 役人:(池田謙治) 角兵衛の子分:(矢部義章) 用心棒:(松本泰郎) | ||
第13話 | 12月30日 | 除夜の鐘 | 内出好吉 | 東条才治郎:早川保 乙部九郎右衛門:外山高士 富助:坂田金太郎 おてる:松村康世 おとき:(真山京子) 壺屋の女将:(山口朱実) 東条こよ:志乃原良子 吟味与力:国田栄弥 (宮川珠秀) (三木昭八郎) 宇吉:(中林章) 番人:(松田利夫) 船宿の客:(藤原勝) 中間:(山下義明) 同心:峰蘭太郎 (香西正人) 番人:(杉原範紹) 船宿の客:(小坂和之) 茶店の親爺:(大河内宏太郎) 竹仙の船頭:友金敏雄 丁稚:(西川信夫) (三谷真理子) 同心の妻:(司京子) 録太郎:(下野耕司)(子役) みえ:(船曳富士江)(子役) たか:泉春子 重四郎(畦倉重四郎):南原宏治 | 再放送欠番。C.A.LのHPでは「旗本の次男坊 宮川珠秀・三木昭八郎・香西正人」とあるが本編には登場しない。 | ||
第14話 | 1975年 1月 6日 | 巷談 縛られ地蔵 | 植木昌一郎 | 近江屋嘉右衛門:増田順司 丹後屋伝兵衛:山岡徹也 権次:鮎川浩 丑三:三角八郎 横井源太夫:北原義郎 喜兵衛:(海老江寛) 喜助:池田秀一 弥次馬:神戸瓢介 弥次馬:古川ロック 近江屋の番頭:(村田玉郎) 弥次馬:(泉好太郎) 近江屋の丁稚:(椿竜二) 獅子舞の男:(高谷舜二) 獅子舞の男:(市条亨一) | |||
第15話 | 1月13日 | ともだち | 大西信行 | 松尾正武 | 弥太郎:寺田農 おふく:露原千草 荒霜の唐次:牧冬吉 阿弥陀の六助:山口幸生 利吉:広瀬義宣 番人:井上茂 唐次の子分:(池田謙治) | ||
第16話 | 1月20日 | 父と娘 | 津田幸夫 | 山内鉄也 | お市:二宮さよ子 伊兵衛:美川陽一郎 近江屋万七(儀助):幸田宗丸 紋次:(平井昌一) おとき:(新井麗子) おたか:荒木雅子 駒吉:大竹修造 :(大木唔郎) 銀造:木村功 | ||
第17話 | 1月27日 | 友情 | 稲垣俊 | 内出好吉 | 鍵屋仙兵衛:山内明 車屋藤兵衛(川添拓馬):中丸忠雄 室鳩巣:村上冬樹 相模屋番頭:長浜藤夫 権七:高木均 お糸:二本柳敏衣 鍵屋番頭:(不破潤) 同心:唐沢民賢 :(松田明) :(疋田泰盛) 荻生惣左衛門:辰巳柳太郎 | 荻生徂徠の通称は「総(惣)右衛門」 | |
第18話 | 2月 3日 | 似顔絵の女 | 加藤泰 | 松尾正武 | おとき:土田早苗 雲霧仁左衛門:汐路章 肥前屋小兵衛(肥前の小猿):長谷川弘 向こうみずの三吉:市村昌治 同心:浜伸二 番人:井上茂 | 土田早苗が別役で出演 (辰三の回想で千春としても登場) | |
第19話 | 2月10日 | 天下を盗る―前編― | 稲垣俊 | 山内鉄也 | 水野和泉守:神山繁(前編・後編) 車屋藤兵衛:中丸忠雄(前編・後編) 九一:浜田光夫(前編・後編) 卍屋総兵衛:曽我廼家明蝶(前編・後編) 小川円庵:北沢彪(前編・後編) 松吉:陶隆(前編・後編) 志津:(立木悠子)(前編・後編) 徳川宗春:菅野忠彦(後編) 有馬兵庫頭:中村錦司(前編・後編) 鍵屋:西山辰夫(前編) 町年寄・樽屋 市川男女之助 小田:森章二(前編・後編) 用人:芝本正(前編) 旅の武士:岩尾正隆(前編) 将軍家御側衆:(森源太郎)卍屋の手代:(高並功)(後編) 水野の用人:笹木俊志(後編) 氷運搬役:遠山金次郎(後編) :(藤沢徹夫)(後編) | ||
第20話 | 2月17日 | 天下を盗る―後編― | |||||
第21話 | 2月24日 | 情は人のためならず | 植木昌一郎 木下亮 | 倉田準二 | 徳三:浜田寅彦 近江屋七左衛門:鈴木瑞穂 おせつ:鮎川いづみ 唐次:上田忠好 市松:(早川純一) 大野屋利兵衛:西山嘉孝 桑山主水:(谷口完) 瓦版売り:入江慎也 新八:森秀人 足袋屋の主人:(北原将光) 吟味与力:(酒井哲) 居酒屋の女将:(八代郷子) :(前川良三) :(森敏光) おせつの少女時代:(坂本有美)(子役) :(赤松志乃武)(子役) :(池田美智子)(子役) :(大鎌良宏)(子役) 屋台の親爺:(鳴海剣吾) | ||
第22話 | 3月 3日 | 人情雛裁き | 植木昌一郎 | 内出好吉 | 仙之助:樋浦勉 お島:磯村みどり お光:杉田かおる おけい:珠めぐみ お峰:杉山とく子 今戸の源兵衛:富田仲次郎 大家:阿木五郎 清兵衛:原聖四郎 庄太:笹木俊志 小者:峰蘭太郎 源兵衛の子分:(小坂和之) | ||
第23話 | 3月10日 | 持った病の人助け | 大西信行 | 佐吉:品川隆二 大家六兵衛:花沢徳衛 大塚平兵衛:福田豊土 正太:関敬六 お勢:西岡慶子 玄庵:溝田繁 近江屋:日高久 助八:島米八 お梅:(朝永桐子) お鉄:(木下サヨ子) お寅:(土佐林道子) 相模屋:北見唯一 太市:(中西信夫) 上総屋:(島田秀雄) お光:酒井靖乃 (藤川弘) 伊勢屋:(野村鬼笑) かみさん:美松艶子 大塚津絵:(多田理江)(子役) | |||
第24話 | 3月17日 | 姿なき怪盗 | 植木昌一郎 | 倉田準二 | 多羅尾孫四郎(つちのこの助八):日下武史 吉五郎:田口計 お袖:八並映子 :玉生司郎 岩蔵:山本弘 :(笹吾朗) 客引き:木谷邦臣 :(毛利清三) :(古閑達則) :吉本真由美 | ||
第25話 | 3月24日 | 天下を裁く名奉行 | 山内鉄也 | お照:北川美佳 本間出羽守:滝田祐介 大室玄蕃:天津敏 市助:小林勝彦 稲生下野守:高野真二 :飯田覚三 :(森源太郎) 町人:(有島淳平) :(石月真子) 中間:小峰一男 :(世羅豊) :片桐竜次 :(有田剛一) :(小代研一) :(京町一代) :(林三恵) :(広瀬登美子) |
解説(第4部)
- 榊原伊織を演じる竹脇無我は、第4部と同時期に放映された日本テレビ製作の「鞍馬天狗」の主演とスケジュールが重なったため、伊織は長崎へ留学中という設定となり、第20話のみ登場した。
- 土田早苗演じる伊織の妻・千春と、志村喬演じる小石川養生所の肝煎・海野呑舟が出演する最後の部となる。
- (役名表示される)与力がレギュラー出演する部としては最後となる(それ以降の部では準レギュラー)。
- この部のみ、オープニングやエンディングの背景やCMに入る前のアイキャッチが、大岡忠相が用いた家紋「大岡七宝」をデザインしたものに変更されている(その他の部は、オープニングやエンディングの背景はお白州の砂をイメージした砂模様、アイキャッチは第1部第1〜7話のオープニングにて使われた十手が使われている)。オープニングタイトルは家紋を中心に据えたものを使用し、配役や脚本、監督の紹介の間は、「水戸黄門」の木彫りの三つ葉葵を連想させるような、家紋の位置をずらしたものが数カット使用されている。
- オープニングやエンディングで使われる文字が、第1〜3部までは手書きの筆文字であったが、第4部から写真植字に近い筆文字の書体に変わった。
- 朝比奈宗源による題字がこの部でも書き直され、その後の各部やNHKのリメイク版でも使用されるように定着することになる。
- さかのぼって第1〜3部のDVDボックスのパッケージやDVD盤面のロゴ、メニューなどでも利用されている。
- この部以降、オープニングの配役名のうち大岡忠相が「大岡越前」に変更される(第3部までは「大岡忠相」と記載されている)。
- この部では、三次は船宿を開いているが、船宿の名前は「喜楽」であり、後に定着する「たぬき」とはまだ命名はされていない。
- この部では、南町奉行所の白州に掲げられている額の文字が「天地有情」の4文字に変わる(第3部までは「恬無者」3文字、恬憺虚無あるいは恬惔無為の意であるかの額がかかげられていた)。「有情(うじょう)」は、仏教用語の「人間や動物など心・感情・意識をもつもの」を指し、「この世は生命のいとなみで満ちている」といった意味である。
- 第1〜3部では、(大岡政談)の各エピソードを単独の回で使用することは少なかったが、この部以降、単独回にするケースが増える。
- 史実のフィクション化が、第19〜20話「天下を盗る(前後編)」(株仲間の成立)をもって終了する。
- 第1話は、室鳩巣の門下にあった相良俊輔が内与力の見習いになる経緯が描かれる。父親の相良小左衛門は、吉宗の江戸の町のお忍びの徘徊の際に命を狙ったが、最後は捨て身で吉宗と忠相の命を救った。
- なお、冒頭、吉宗のお忍びの徘徊の際に、辰三が吉宗と気付いていないが、第1〜3部で既に顔を知っている描写があることから不整合となる。また、雪絵と大奥の滝川とも第1部第23話「忠相の結婚」で面識があるはずだが、面識のない描写となっている。これらは一例ではあるが、第4部以降は、第1部〜第3部の初期の「大岡越前」の設定との不整合が目立つようになる。
- 俊輔と村上源次郎は、第3部の池田大助の場合と同様、若い上役と年長の下役という関係から、「村上さん」「相良様」と呼び合い、互いに敬語を使っている。自信喪失した俊輔に源次郎が平手打ちを食わせる場面も描かれた。
- この回に登場した早瀬主水は、自己紹介において「松平長八郎の使いの者」と称している(松平長八郎は文久年間に実在する人物だが、松平長七郎の風説やそれをモデルにした村上元三の小説等が元になって大衆演劇でも使われている)。
- この部のみ、村上源次郎が男やもめから美乃と再婚に至るが、第5部以降は美乃と再婚した設定が抹消される。
- 再婚に至る過程は第3〜4話で描かれるが、この部の第1話から再婚に至るまで、源次郎は無精髭を生やし、衣服がボロボロになるまで使っている描写がなされ、再婚の伏線となっている。
- 第4話では、美乃の娘・綾が再婚話に抵抗する描写がなされるが、同様の境遇にあった娘おいとの話(おいとが14歳の頃、母・おときがヨイトマケの仕事で知り合った小頭と再婚する話があったことに反対し、後悔した旨)を聞いて、再婚を認めることになる。
- 祝言では、当初、伊織・千春夫婦は来ない予定であったが、伊織が路銀を工面して長崎から千春のみ戻ってくる。
- 再婚するまで、辰三は村上源次郎宅で食事をとっていたが、源次郎の再婚後は遠慮する描写がある。
- 第5話「艶ぼくろの女」で、盗賊の仲間で、かつて盗賊時代の三次を助けたことがある、お葉が密偵に加わることになり、通常時は「喜楽」で働いている。
- お葉を演じる江波杏子が当時映画の「女賭博師」の「昇り竜のお銀」で人気を博していた時期の放映であり、第10話「大江戸無法地帯」では、女賭博師に扮し、忠相の潜入捜査に加担している。
- 後述するが、第24話にてお葉は忠相をかばい死亡する。
- 第6話以降、この部の特徴の1つである物価高対策について言及されるようになる。なお、享保の改革において、当初はデフレ政策をとったため米価が下がり、財政に困窮する武士および農民(この描写は第1〜3部に描かれている)を救済しようと試みた。この部では物価高対策を扱っている。この対策に向けて実現に奔走する姿を描く。この部では、登場人物に室鳩巣(享保19年没)や荻生徂徠(享保13年没)が登場するが、時系列的には整合が取れている。
- 第9話「母子しぐれ」では、当時存在しなかった「佃の人足寄場送り」などの台詞が登場する。また、第12話「暗闇八百八町」でも「(佐渡送り、水替人足)を申し付ける」という台詞が出ているが、この制度を発案したのは石谷清昌(勘定奉行)によるもので、忠相死後の1778年に始まっているため、これも忠相の在任時は存在しない。第1〜3部は、史実を膨らませたフィクションが多く作られていたが、この部以降、史実・時代考証を軽視した描写が増えていく。
- 第14話「巷談 縛られ地蔵」は、講談「大岡政談」に存在したもので、元は北宋の判官包拯の故事(「包公案」)からできたものである。この「大岡越前」では、あまり扱われなかった題材でもある(リメイクは第9部第14話「縛られたお地蔵様」のみ)。
- この回のラストに、地蔵に最初に縄をかけた辰三が願をかけるが、それが成就するのは第9部である。また、第9部のリメイクでも最初に地蔵に縄をかけたのは辰三であり、別の願をかける。
- 第17話、第19〜20話の脚本を担当した稲垣俊は、その後は、第7部第9話「天下一品意地くらべ」まで脚本を担当しない。同氏は第1部では最も多く脚本(連名の第1話を含めれば10話)を手がけ、また、伊織が強く関与する話や友情を描いた作品を比較的多く担当しており、第20話ではこの部で唯一伊織が登場することからも、初期の「大岡越前」の骨格作りを担当したキーマンとも言える。以降、「大岡越前」は、同心たちの家族を描いたファミリードラマ化が進み、大岡政談の再度の翻案・過去作の使い回しが増えていくことになる。
- 第17話はじめに、村上源次郎が剥がそうとした落書は、「わるくもなし 沙汰ほどにないもの 飛騨がからくりと 大岡越前守」であり、当時江戸市中で実際に書かれた狂歌である。
- 第17話にて、この物語の冒頭の山田奉行になる前の(20年前の)忠相の友人(車屋藤兵衛)が登場し、抜本的な物価高対策の話となる第19〜20話の伏線となっている。
- 第17話にて、荻生徂徠に紹介された車屋藤兵衛は、忠相と20年ぶりに再会した「かわぞえたくま」であることが分かる。同じ道場で剣術修業に励み、町内のごろつきと喧嘩した仲で、忠相とともに小十人組を務めていた(史実でも大岡忠相は小十人組頭を経験している)。
- 第19〜20話「天下を盗る」で、忠相と車屋藤兵衛が物価高対策として提案したものは、劇中の台詞と史実の整合性が取れるものがあり、享保8年(1723年)10月、忠相らが作成した七か条からなる「物価引き下げに関する意見書」と合致する。当時としては流通革命ともいうべきもので、忠相らは、幕府主導で商業の統制を図るため商人を組織化した方が望ましいとして、生活必需品を扱う商人は幕府に冥加金を収めさせ、問屋・仲買・小売まで「仲間」を作り販売権の独占などの特権を認めるが、相場書を提出させ、相場が高くなった場合は仲間で吟味して高くなった理由を提出させる。このような政策をとれば、物価を統制することができると考えた。忠相は、享保9年(1924年)、生活必需品を取り扱う問屋を集め、問屋・仲買・小売りという流通機構の根幹を確立させようとした。結果として、忠相の意見は全面的に受け入れられ、享保9年(1924年)に「物価引き下げ令」として発布された。忠相の意見書で提案のあった仲間は後に発展して株仲間となる。享保の改革で忠相が実際に物価高対策として提案し採用されたものである。第1部の解説に書いたとおり、脚本担当の稲垣俊らしく、第1〜3部の傾向と同様、史実をうまくフィクションに落とし込んだストーリーを作り上げている。
- 第20話「天下を盗る―後編―」が、土田早苗演じる千春が登場する最後の回となる(第5部以降病死した設定となるため)。
- 第23話「持った病の人助け」は、大岡政談(落語)の1つ「五貫裁き」を翻案している(毎日一文ずつ返す設定などは落語と同じ)。
- 第24話「姿なき怪盗」で、江波杏子演じるお葉は、背後から斬られそうになった忠相を身を挺してかばい斬られた。養生所に運ばれ海野呑舟の手当を受けるが、手当の甲斐なく絶命することになる。
- お葉は、お葉の実妹で養生所手伝いのお千代と文吉の祝言を見ないまま帰らぬ人となる。
- 第1部から小石川養生所の肝煎だった海野呑舟を演じた志村喬も、忠相の身代わりとなって斬られたお葉を治療するシーンが最後の出演となった。
- のちに切られ役として有名になった福本清三がオープニングには紹介がなく第1話、第6話などに出演し、第12話「暗闇八百八町」では配役名がない形で紹介されている。
- 汐路章、川谷拓三は、第10話のオープニングで、配役名がない形で紹介されている。
- 関西地区に於ける(テレビネットワーク腸捻転の解消)に伴い、朝日放送で放送された最後の部である。次の第5部より毎日放送に移行する。
- この第4部からポスターの「放送開始」の書体が太くなった。
再放送と欠番(第4部)
- 第13話「除夜の鐘」は2004年のCS放送・TBSチャンネルでの放映までしばらく再放送されず、2014年の時代劇専門チャンネルでは放送されているが、地上波では2020年現在も再放送されていない。なお、2014年の時代劇専門チャンネルの放映時には、通常の再放送欠番回と同様に「現代においては不適切な表現がある」との注釈があり、按摩や妾という単語を差別ととらえる人への配慮とみられる。
- 第4部のDVDボックスは、ナレーションのカット・差別表現部分の加工処理がされており、現存する完全な素材を用いていない。
- 2014年2月から時代劇専門チャンネルで放送されている素材は、DVDボックスで使用された素材ではなく、ナレーションや差別表現などのカットのないものである。
第5部
大岡越前 第5部 | |
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ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 葉村彰子 |
脚本 | 植木昌一郎 加藤泰 津田幸於 廣澤榮 大西信行 山内鉄也 |
監督 | 内出好吉 倉田準二 山内鉄也 松尾正武 |
出演者 | 加藤剛 竹脇無我 宇津宮雅代 和田浩治 高橋元太郎 山口崇 加藤治子 大坂志郎 片岡千惠藏 |
製作 | |
製作総指揮 | 松下幸之助 |
プロデューサー | 逸見稔 西村俊一 郡進剛 |
制作 | TBS |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1978年2月6日 - 7月31日 |
放送時間 | 月曜日20:00 - 20:55 |
放送枠 | ナショナル劇場 |
放送分 | 55分 |
回数 | 全26 |
「大岡越前 第5部」(おおおかえちぜん だい5ぶ)は1978年2月6日から7月31日までナショナル劇場で放送された時代劇。製作はC.A.L。全26話。
概要(第5部)
大岡忠相は鋭い観察力で悪人達からは恐れられ、また町民たちからは人情深い奉行として慕われている。忠相の親友・榊原伊織は、長崎で妻・千春を亡くすが、医学の知識を深め江戸へ帰ってきた。村上源次郎はじめ、若手同心の風間駿介、すっとびの辰三など真面目で明るい仲間たちと力を合わせて難しい事件を次々解決していく。この部では、若手同心の成長を描いており、また、忠相の態度も人情味ある裁きが増えていく。
レギュラー出演者(第5部)
- 大岡越前:加藤剛
- 榊原伊織:竹脇無我 (第3,4,6,7,9,11〜13,15〜18,20〜25話除く)
- 雪絵:宇津宮雅代 (第5,7,8,10,14話除く)
- 風間駿介:和田浩治 (第11話除く)
- 猿(ましら)の三次:松山省二(現・松山政路) (第12,17話,第23話除く)
- すっとびの辰三:高橋元太郎
- 高坂千絵:山口いづみ(第1話ほか)(第4,6,8,9,12,13,16,17,18,20,22〜25話除く)
- お花:遠藤真理子 (第7,8,9,10,11,14,16,19話除く)
- おとき:(榊千代恵) (第11,12,第14,15,17,22,23,25話除く)
- 工藤新吾:藤間文彦 (第4,第6,9,12,16,17,20〜25話除く)
- 与力:(疋田泰盛)
- 同心:木谷邦臣、(森源太郎)、(山田良樹)
- 徳川吉宗:山口崇(第1話ほか)(第9,第14話,第26話)
- 大岡妙:加藤治子(第1話ほか)(第4,第14,15話,第19,23,26話)
- 村上源次郎:大坂志郎 (第5,10,13,14,15,21,24話除く)
- 大岡忠高:片岡千惠藏(特別出演)(第1,4話,第9,11,第14,15話,第19〜23,26話)
準レギュラー
スタッフ
- 製作総指揮:松下幸之助
- 製作代表:松下正治、丹羽正治
- 製作:山下俊彦、(神前善一)
- 原案:葉村彰子
- 脚本:植木昌一郎、加藤泰、津田幸於、廣澤榮、大西信行、山内鉄也
- 音楽:山下毅雄
- 題字:朝比奈宗源
- ナレーター:芥川隆行
- 撮影:萩屋信、原田裕平、脇武夫、山岸長樹
- 美術:鈴木孝俊、高見哲也
- 録音:面屋竜憲、渡部芳丈、神戸孝憲、加藤正行
- 照明:金子凱美、伊勢晴夫、真城喩、大谷康郎、北口光三郎
- 編集:河合勝巳
- チーフ助監督:矢田清巳、髙倉祐二、金鐘守
- 擬斗:菅原俊夫(東映剣会)
- 邦楽監修:中本敏生
- 衣裳:佐々木常久、植田光三、東京衣裳
- 美粧・結髪:東和美粧
- 装置:青木茂雄、野瀬善和
- 装飾:関西美工
- 記録:石田照、森村幸子、藤原凪子、満尾敦子、川島庸子、梅津泰子、佐久間良子
- 演技事務:山下義明
- 進行主任:山田勝、杉浦満洲男
- 現像:東洋現像所
- 協力:俳優座、京都大覚寺
- 制作協力:東映
- プロデューサー:逸見稔、西村俊一、郡進剛
- 特技:宍戸大全
- 監督:内出好吉、倉田準二、山内鉄也、松尾正武
作品リスト(第5部)
解説(第5部)
- この部は、第1部で稲垣俊に次いで2番目に多く脚本(9話)を担当した津田幸於(津田幸夫)が比較的多く担当しており、初期に近い描写がある。
- オープニング/エンディングの背景は、第1〜3部を踏襲したものに戻るが、第1〜3部までは白州をイメージした砂の模様が渦状で青と緑色で構成されていたが、第5部では砂の模様が直線状や弧状になり、青地だけになっている。
- 番組冒頭に流れるオープニングジングルが、CM挿入前のアイキャッチで流れるジングル(オープニングよりも短め)が使われている回がある。
- 第4部から変わった朝比奈宗源による題字が継続して使用されている。CM挿入前のアイキャッチは、第3部までのアイキャッチの十手をかたどったデザインで、文字の部分のみ変更があり、第3部後半に修正された「大岡越前」の題字が使用されている。
- オープニングの配役紹介の順番に一部変更があり、竹脇無我の出演時は、大坂志郎の後に紹介されるようになった。ただし、片岡千恵蔵が出演の場合は、従来通りである。
- 南町奉行所の白州に掲げられている額の文字が「守道有天知」に変わる。書き下すと「道を守れば天の知る有り」であり、意味は「人としての道さえ守れば、天が知ることになる(から、幸福が訪れるだろう)」である。
- 第4部を20話を除き休演した榊原伊織が復帰し、海野呑舟(志村喬)は第4部第24話以降登場しないため小石川養生所の所長になった。また伊織の妻・千春も長崎留学中に病死(享年28)した設定となり、第2話にて伊織が墓前に参る場面が描かれる。
- この部から和田浩治演じる同心・風間駿介が登場した(第9部まで出演)。好評につき風間を主役としたスピンオフ作品「疾風同心」「八丁堀暴れ軍団」も制作された(放送は東京12チャンネル)。
- 第4部で後添えをもらった村上源次郎の設定は、この部以降継承されない。
- 奉公人のおはな役が遠藤真理子に変わり第10部に至る(ただし、第5〜6部の表記は「お花」)。このころから、辰三との距離が縮まり始める。
- 猿(ましら)の三次役の松山英太郎はプロデューサーに転身するために降板し、実弟の松山省二(現・松山政路)と交代(6部から復帰)する。
- この部より、三次の飯屋の名前が「たぬき」として定着する(第10部を除く)。
- この部のみ、三次の妹「おとき」が登場し、通常は「たぬき」で働いている。
- この部のみ、大部屋俳優4人が名前の設定されない同心役でレギュラー出演し、オープニングでは配役名のない状態で紹介されている。
- 第1話に登場する高坂左内は、厳しい拷問や冤罪などを作ったため、南町奉行所から罷免された元同心で、その妹・高坂千絵は、小石川養生所で働くことになる。高坂千絵は、次第に伊織に惹かれていくことになるが、伊織の亡き妻・千春の思いには打ち勝てないでいる。
- 第2話「すり替えられた薬」、第10話「殴りこみ仁術」にて、雪絵の養父・大番頭吉本作左ヱ門役だった堀雄二が武蔵屋宗兵衛役でゲスト出演している(ただし、第10話のオープニングやC.A.Lの公式ページは「山城屋」と紹介されているミスがある)。
- 第3〜4話にかけて、小石川養生所にかかっていれば悲劇が防げたであろう話になっている。初期にかけては、小石川養生所の役割が広く知られている描写が多かったが、後戻りしている状況にある。第1部第10話「裁かれる者は....」で小石川養生所設立の発端となる話があるために不整合がある。
- 第3話「欲しかった思い遣り」では、村上源次郎が「おたふく風邪」にかかる描写がある。第2部第18話「すっとび辰の失恋」にて、忠相がおたふく風邪にかかり、榊原伊織が持ってきた薬(実はイギリス人が飲むウイスキー)を源次郎が一緒に飲む描写がある。その際には、おたふく風邪に伝染しなかったようである。
- 第4話「恐怖!雨の夜の辻斬り」では、火付盗賊改方の役宅がある描写となっている(池波正太郎の「鬼平犯科帳」と同様の描写)。この作品の初期は、火付盗賊改方頭の屋敷がそのまま役宅代わりに使われている描写があり、時代考証から見ても正しい描写となっていたが(例:第2部第10話「下手人は火あぶり」等)、他の時代劇の影響を受け、時代考証的には後退している。
- 第11話 「白州に哭いた母二人」では、第1部第21話「父なればこそ」で数分の寸劇として扱われた(大岡政談)の「子争い」を1話分の題材としている。
- 第12話「唐獅子の復讐」は、復讐劇としては第1部第15話「折鶴殺人事件」の翻案である(長崎で抜け荷の疑いをかけられた者の敵討ち)。
- 第17話「帰って来た木鼠小僧」は、講談「大岡政談」の「盗賊・雲霧五人男(雲霧仁左衛門)」に出てくる「木鼠小僧吉五郎」を扱った「盗賊・雲霧五人男」の後日談となっており、第1部第16話「義賊木鼠小僧」の木鼠小僧佐七との関連性は不明である。
- 木村功演じる木鼠小僧吉五郎は、7年前に北・南町の両奉行所の雲霧仁左衛門一味の捕縛から逃れた唯一の賊(義賊)で、越後出雲崎の代官所から逃がれ7年間、名前を変え田畑を耕し、村を襲う押し込み強盗から救い、強盗を更生させてきた。雲霧一味の捕縛の7年後、江戸に「帰って来た」設定であり、第1部の木鼠小僧佐七との共通点は「義賊」だけである。
- 冒頭、村上源次郎が仏壇の位牌に話しかける描写があるが、亡き妻と千春の位牌しかなく、この2人にのみ話しかけており、忠相の許嫁で千春の姉だった千歳への言及がない。
- この回では、旗本・水野一学の知行地の年貢50両を納めに来た藤原釜足演じる甚兵衛が、木鼠小僧吉五郎の娘・お芳によって50両入った財布を掏られる。その後、村上源次郎がお芳を捕らえ、50両は見つかったものの、今度は甚兵衛の行方が分からなくなる。甚兵衛は、水野家に経緯を話したものの水野家の用人にきつく咎められ、甚兵衛が身投げしようとする。その場に居合わせた木鼠小僧吉五郎と忠相に助け出されるが、吉五郎は妻女のために持ってきていた50両を老人・甚兵衛に手渡す。木鼠小僧吉五郎は、当初の目的通り、奉行所に名乗り出て、死罪獄門を言い渡されるが、罪状書に老中の裏判がなかったため、解き放ちとなった。忠相の意図としては、「旧悪を裁くのはたやすいが、悔い改めようとしている悪人達に絶望だけを与え、刑罰がかえって悪を作り出す元になる」とのことで、第3部第20話「ゆすり」の「旧悪」を踏まえたものかは不明である。
- この話では村上源次郎が(ギックリ腰)となり、木鼠小僧吉五郎の娘・お芳に介抱されるシーンでは、亡き娘・千春の姿と重ねて見ている場面がある。なお、本作のスピンオフ作品「疾風同心」で、大坂志郎演じる村瀬源兵衛(「疾風同心」では大坂志郎の役名は変更となっている)の娘が香織という名で、この回のお芳役の西崎みどりが演じた。
- 第23話「裁けなかった恋の道」の白州の裁断では、第3部第21話「人情大工裁き」と同様、質屋の鑑札がない家主(大家)が、ため込んだ店賃の質草としたことを問題視している(この点は第3部第21話の解説を参照されたい)。
- 悪役に「丁の目の半次」が登場するが、その後の部でも度々この名前が悪党の名前で使われる。第12部で猿の三次にかわり「たぬき」を引き継いだ左とん平が演じる丁の目の半次と同じ通り名であるが、関係は不明である。
- 第26話「目黒に消えた公方様」が放送ライブラリーで視聴可能である。
- サブタイトルの通り、古典落語の「目黒のさんま」をベースにしている。落語の「目黒のさんま」では殿様の設定がさる大名の殿様であることが多いが、本放送の時期は存命であった8代目林家正蔵(彦六)が殿様の設定を将軍様としてよく演じていた。
- 老中役で幸田宗丸が、北町奉行役で永井智雄が出演する回があるが、オープニングでは役者名の紹介のみで配役名の紹介がなかった。
再放送と欠番(第5部)
- 第4話「恐怖!雨の夜の辻斬り」、第12話「唐獅子の復讐」、第15話「天下御免の偽名医」は2004年までしばらく再放送されなかった。なお、第4話「恐怖!雨の夜の辻斬り」は、2014年の時代劇専門チャンネルの放映時には、通常の再放送欠番回と同様に「現代においては不適切な表現がある」との注釈があり、精神障害者に対する誤解を招く表現(雨が降れば気が触れた者の気が高まる、など)があるためと見られる。他作品は現段階では不明である。
- 第5部のDVDボックスは、ナレーションのカット・差別表現部分の加工処理がされており、現存する完全な素材を用いていない。
- 2014年3月から時代劇専門チャンネルで放送されている素材は、DVDボックスで使用された素材ではなく、ナレーションや差別表現などのカットのないものである。
第6部
大岡越前 第6部 | |
---|---|
ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 葉村彰子 |
脚本 | 植木昌一郎 津田幸於 廣澤榮 柴英三郎 (櫻井康裕) 大西信行 飛鳥ひろし |
監督 | 工藤栄一 倉田準二 山内鉄也 松尾正武 居川靖彦 (岡本静夫) |
出演者 | 加藤剛 西郷輝彦 宇津宮雅代 和田浩治 松山英太郎 高橋元太郎 山口崇 加藤治子 大坂志郎 片岡千惠藏 |
製作 | |
製作総指揮 | 松下幸之助 |
プロデューサー | 西村俊一 |
制作 | TBS |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1982年3月8日 - 10月11日 |
放送時間 | 月曜日20:00 - 20:55 (1982年10月以降は20:54まで) |
放送枠 | ナショナル劇場 |
放送分 | 55→54分 |
回数 | 全32 |
「大岡越前 第6部」(おおおかえちぜん だい6ぶ)は1982年3月8日から10月11日までナショナル劇場で放送された時代劇。製作はC.A.L。全32話。
概要(第6部)
大岡忠相は鋭い観察力で悪人達からは恐れられ、また町民たちからは人情深い奉行として慕われている。一方、忠相の親友・榊原伊織は、長崎へ留学している。伊織が不在の小石川養生所を任された雪絵の乳姉弟・橋本悟は、腕は良いが気の弱い性格で、養生所をあずかるには荷が重すぎたため、養生所は玄庵門下の医師の専横状態となっていた。そこへ伊織に付いて医術を学び、伊織とは義兄弟の契りを交わした新三郎が長崎からやって来た。新三郎は、蘭方に関しては伊織も及ばぬ腕というお墨付きで、伊織が長崎からよこした名医である。新しいメンバーとともに、村上源次郎はじめ、同心の風間駿介、すっとびの辰三など真面目で明るい仲間たちと力を合わせて難しい事件を次々解決していく。
レギュラー出演者(第6部)
- 大岡越前:加藤剛
- 新三郎(おらんだ新三):西郷輝彦(第1話~第2話、第4話、第7話、第9話、第12話、第15話、第18話、第20話~第21話、第23話~第25話、第27話、第29話、第31話~第32話)
- 雪絵:宇津宮雅代(第19話、第20話、第22話、第26話を除く)
- 風間駿介:和田浩治
- 猿(ましら)の三次:松山英太郎(第6話、第20話、第27話、第31話を除く)
- すっとびの辰三:高橋元太郎
- お花:遠藤真理子(第1話~第8話、第10話~第12話、第14話、第17話~第18話、第20話、第21話、第24話~第25話、第27話、第30話~第32話)
- いね:仁和令子(第1話~第2話、第4話、第7話、第9話、第12話、第15話、第18話、第20話~第21話、第23話~第25話、第27話、第29話、第31話~第32話)
- おきみ:(岡田美佐子)(第6話、第15話、第20話~第21話、第27話、第31話を除く)
- 大岡妙:加藤治子 (第1話、第3話、第8話、第10話、第14話、第16話~第17話、第27話~第28話、第31話~第32話)
- 徳川吉宗:山口崇(第1話~第2話、第13話、第27話)
- 村上源次郎:大坂志郎(第21話を除く)
- 大岡忠高:片岡千惠藏(特別出演)(第1話~第3話、第8話~第10話、第14話、第16話~第18話、第27話~第28話、第31話~第32話)
準レギュラー
スタッフ(第6部)
- 製作総指揮:松下幸之助
- 製作代表:松下正治、丹羽正治
- 製作:山下俊彦、小林郁、逸見稔
- 原案:葉村彰子
- 脚本:植木昌一郎、津田幸於、廣澤榮、柴英三郎、(櫻井康裕)、大西信行、飛鳥ひろし
- 音楽:山下毅雄
- 題字:朝比奈宗源
- ナレーター:芥川隆行
- 撮影:片山顕、萩屋信、原田裕平、古谷伸
- 美術:鈴木孝俊、高見哲也
- 録音:面屋竜憲、神戸孝憲、中川清
- 照明:真城喩、伊勢晴夫、大谷康郎、武邦男
- 編集:河合勝巳
- チーフ助監督:髙倉祐二、矢田清巳、金鐘守、山本憲
- 擬斗:菅原俊夫、三好郁夫
- 邦楽監修:中本敏生
- 衣裳:東京衣裳
- 美粧・結髪:東和美粧
- 装置:青木茂雄、磯谷幸一
- 装飾:関西美工
- 小道具:高津商会
- 記録:大原より子、小川加津子、石田照、川島庸子、原淳子、梅津泰子、中嶋俊江
- 演技事務:山下義明
- 進行主任:杉浦満洲男、山田勝
- 現像:東洋現像所
- 協力:俳優座
- 制作協力:東映
- プロデューサー:西村俊一
- プロデューサー補:大庭喜儀、今井正夫
- 特技:宍戸大全
- 監督:工藤栄一、倉田準二、山内鉄也、松尾正武、居川靖彦、(岡本静夫)
作品リスト(第6部)
話数 | 放送日 | サブタイトル | 原案 | 脚本 | 監督 | ゲスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
第1話 | 1982年 3月 8日 | 大岡越前 | 葉村彰子 | 柴英三郎 | 倉田準二 | 橋本悟:村井国夫 大沢玄庵:永井秀明 中山素道:中井啓輔 田辺:中村孝雄 松浦屋長兵衛:野口元夫 白山の五郎蔵:福山象三 伍平:(岩田直二) 佐七:(寺下貞信) 吉田:(真田実) 仔分:滝譲二 大沢の用人:阿波地大輔 五郎蔵の子分:小峰隆司 | |
第2話 | 3月15日 | 辻斬り三葉葵 | 植木昌一郎 | 工藤栄一 | 片山小助:中野誠也 浦神長九郎:名和宏 山室左近:剣持伴紀 おりく:日高澄子 稲富吾作:原口剛 宝屋伝兵衛:市川男女之助 宝屋手代:(有島淳平) 番人:重久剛 長屋の女:荒木雅子 長屋の女:(服部明美) 長屋の女:(門野内純子) 近侍:(森源太郎) 籠屋:(中島俊一) 浪人:福本清三 加納五郎左衛門:中村竹弥 | ||
第3話 | 3月22日 | 意地っ張り三方一両損 | 大西信行 | 倉田準二 | 佐吉:浜田光夫 元次:桜木健一 おきん:早瀬久美 お若:三浦リカ 長屋の住人:(泉好太郎) | 「三方一両損」を 単独で扱った最初の回 | |
第4話 | 3月29日 | オランダ先生拳法仁術 | 植木昌一郎 | 山内鉄也 | 与七:樋浦勉 お袖:竹井みどり 白子屋宗助:山岡徹也 源次:黒部進 万字屋藤兵衛:(鈴木康弘) 喜八:平沢彰 伊吉:宮城健太郎 万字屋の妾:司みのり おつね:(門野内純子) 瓦版屋:(新城邦彦) やくざ:福本清三 やくざ:(池田謙治) 中盆:(宮城幸生) | ||
第5話 | 4月 5日 | 義賊業平小僧 | 津田幸於 | 松尾正武 | お新:堀越陽子 梅次郎:北村総一郎 駒留の勝五郎:北村英三 条八:浜伸二 呼び込み:広瀬義宣 仙太:(秋山勝俊) おえん:三浦徳子 侍:波多野博 :(小船秋夫) 見廻り侍:壬生新太郎 佐吉:林与一 | 第1部第16話「義賊木鼠小僧」 の一部改変 | |
第6話 | 4月12日 | 死を占った女 | 植木昌一郎 | 倉田準二 | 三島屋宗右衛門:田島義文 角屋弥太夫:加藤和夫 伊豆屋与兵衛:稲垣昭三 儀右衛門:増田順司 白子屋藤五郎:汐路章 重蔵:伊吹徹 川清の主人:田中弘史 伊豆屋番頭:佐々山洋一 治助:(大木晤郎) 紋次:平沢彰 夕月の女中:(淡城みゆき) 平作:高松英郎 おせい:松坂慶子 | ||
第7話 | 4月19日 | 勇気ある証言 | 飛鳥ひろし | 勇作:森次晃嗣 お寿:秋月佐江子 真鍋良伯:菅貫太郎 藤蔵屋金蔵:田口計 喜助:斉園寺章雄 老爺:(西康一) 差配の老人:市川男女之助 岩五郎:(国一太郎) 人足:井上茂 良伯の助手:川浪公次郎 お邦:志乃原良子 夜鷹:(神原利衣) 夜鷹:山口朱美 長屋の女:(早見栄子) 長屋の女:(町田米子) 長屋の女:小笠原町子 芳松:(四方公) 哲次:(細川純一) | |||
第8話 | 4月26日 | 過去に泣いた母二人 | 大西信行 | お辻:小畠きぬ子 お玉:中原早苗 おしほ:三浦リカ 甲太郎:永井秀和 上総屋甲兵衛:稲葉義男 髪床の主人:(千葉保) 大家:須永克彦 虎松:(野崎善彦) 助造:高井清 上総屋の番頭:(有島淳平) 髪床の女房:(小野朝美) :(三谷真理子) :(美柳陽子) おかみ:星野美恵子 | 「娘引き」のアレンジ。 | ||
第9話 | 5月 3日 | 千両富は俺のもの | 山内鉄也 | 幸助:谷幹一 おかつ:磯村みどり 福田屋宗左衛門:遠藤太津朗 太吉:南利明 角兵衛:溝田繁 世話役:(海老江寛) 留吉:(清水達裕) 清吉:高橋仁 町人:(宮城幸生) 世話役:(和田昌也) 太郎吉:(木村謙太郎) | 第5部第13話「消えた千両富くじ」 のリメイク | ||
第10話 | 5月10日 | 鷹の威を借る悪い奴 | 植木昌一郎 | 倉田準二 | 三崎屋半右衛門:神田隆 西島左太夫:高野真二 岩田仙十郎:田中浩 儀十:石橋雅史 茂平:(有島昌彦) 権太:(鈴木正晴) お光:吉沢京子 目付:永田光男 町人:(笹吾朗) 村役:(海老江寛) :遠山金次郎 男衆:(大月正太郎) | ||
第11話 | 5月17日 | 江戸っ子駕籠 | 廣澤榮 | 松尾正武 | 亀吉:橋本功 六助:出光元 およし:鶴間エリ 伊助:石田信之 伊兵衛:浜田寅彦 銀次:長塚京三 已之助:藤村有弘 おとき:毛利菊枝 | 大岡政談「小間物屋彦兵衛(権三助十)」の翻案 第2部第6話「権三と助十」の大幅なリメイク。 | |
第12話 | 5月24日 | 盗っ人が託した赤ん坊 | (櫻井康裕) | 山内鉄也 | 夜兎の勘治:天野新士 音蔵:睦五郎 おせん:東山明美 政次:片岡五郎 おくめ:(藤洋子) 嘉六:(高並功) 為吉:友金敏雄 番頭:(森源太郎) 瓦版屋:波多野博 | ||
第13話 | 5月31日 | 情が仇の蕎麦がき代 | 大西信行 | お志乃:岡江久美子 作兵ヱ:北見治一 赤間屋唐造:井上昭文 富蔵:深江章喜 権太:松山照夫 代貸:下元年世 條原:(山田良樹) 勘次:(勝野賢二) 近習:(大月正太郎) 唐造の子分:小峰隆司 | |||
第14話 | 6月 7日 | 父の死を願った息子 | 柴英三郎 | 茂助:河原崎次郎 おとよ:上村香子 安西虎之助:田崎潤 伊東屋九郎兵衛:武藤英司 覚三:原健策 山根又次郎:五味龍太郎 茂十:浜村純 仙吉:(大木晤郎) 甚八:伝法三千雄 | |||
第15話 | 6月14日 | 大岡越前を殺せ | 廣澤栄 | 倉田準二 | おこう:長谷直美 掛札の吉兵衛:神田隆 妙法院の伝八:伊達三郎 吉兵衛の仔分:北九州男 吉兵衛の仔分:岩尾正隆 中神の伊吉:谷隼人 和尚:(北村光生) 富蔵:西山清孝 若いやくざ:(大矢敬典) 捨蔵:(勝野賢二) 羅宇屋の客:峰蘭太郎 町人:(畑中伶一) | ||
第16話 | 6月21日 | 因業大家と人情大工 | 大西信行 | 留吉:工藤堅太郎 六兵衛:花沢徳衛 政五郎:織本順吉 お千代:本山可久子 お絹:佐藤万理 おかね:河東けい おかつ:(酒井久美子) 町役:志摩靖彦 町役:(邦保) | 落語「大工調べ」の翻案 | ||
第17話 | 6月28日 | 人情仇討ち裁き | 植木昌一郎 | 山内鉄也 | 清吉:尾藤イサオ 浜屋弥五郎:佐竹明夫 千枝:鈴鹿景子 お栄:白木万里 与三松:中田博久 町役人:(山村弘三) 瓦版屋:芝本正 | ||
第18話 | 7月 5日 | 幽霊屋敷を訪ねた女 | 大西信行 | 倉田準二 | おとき:金沢碧 与吉:北村総一郎 馬場三郎兵衛:中村竜三郎 銭屋伊左衛門:永井智雄 徳兵衛:長谷川弘 浪人:滝譲二 職人:伝法三千雄 耺人:浜田雄史 小商人:(村居京之輔) 浪人:(宮城幸生) 銭屋の子分:木下道博 | ||
第19話 | 7月12日 | 釣り忍の女 | 津田幸於 | お銀:加賀まり子 丹兵衛:深江章喜 鬼火の弥藤次:小林昭二 彦十:堺左千夫 半蔵:北町嘉朗 梅吉:大木正司 越前屋宇兵ヱ:溝田繁 岡っ引き:(森下鉄朗) 清助:(遠山二郎) | |||
第20話 | 7月19日 | 死を賭けた潜入 | 植木昌一郎 | 山内鉄也 | 下総屋万蔵:南原宏治 西国屋徳兵衛:嵯峨善兵 田所新兵衛:原田樹世土 お澄:舟倉たまき 鹿蔵:宮口二朗 般若の権次:灰地順 お浜:(新井麗子) 銀七:井上茂 :(秋山勝俊) 下総屋の子分:(小舟秋夫) :(藤洋子) :坂本和子 | ||
第21話 | 7月26日 | 心の病の荒療治 | 大西信行 | 倉田準二 | 上総屋宗右衛門:大木実 お葉:北林早苗 お光:森田理恵 神原一郎太:船戸順 芳之助:(長崎真純) 文七:稲吉靖司 お玉:藤江リカ 餅屋:中村錦司 :表淳夫 :(新藤浩) | ||
第22話 | 8月 2日 | 疑われた男 | 津田幸於 | 島吉:柴田侊彦 おるい:若原瞳 武蔵屋彦兵衛:伊沢一郎 おせき:利根はる恵 鉄次:浜田晃 市助:内田喜郎 定五郎:(山村弘三) 米吉:佐々山洋一 駒留の勝蔵:(丘路千) :(平河正雄) | |||
第23話 | 8月 9日 | 嘘が病の札つき婆 | 大西信行 | 山内鉄也 | おかく:千石規子 伝次郎:池田秀一 宗兵衛:田口計 上総屋幸右衛門:増田順司 おしな:(池田幸路) たぬきの客:日高久 :(千代田進一) 佐吉:(遠山二郎) :(新城邦彦) :原一平 :(平田満由美) | ||
第24話 | 8月16日 | 死体が歩いた長屋露地 | 植木昌一郎 | 居川靖彦 | おかん:初井言榮 源太:大竹修造 おゆみ:原田英子 勘八:高原駿雄 三森玄庵:髙野真二 青木平四郎:堀田真三 伊助:三角八郎 与三松:(泉好太郎) 内儀:(春藤真澄) おみち:(渡辺ミエ) :(近藤健二) :(北隆宣) :(武田文雄) | ||
第25話 | 8月23日 | 見えぬ目の目撃者 | 大西信行 | 山内鉄也 | 若松十次郎:藤巻潤 酒井伍介:待田京介 ちか:折原啓子 湊屋三右衛門:(笹吾朗) 客:(泉好太郎) 客:(有島淳平) 丹後屋吉左衛門:(村井京之輔) :(浅井誠) :桂登志子 | ||
第26話 | 8月30日 | 謎の連続殺人事件 | 津田幸於 | 米造:土屋嘉男 高田屋利吉:御木本伸介 おとせ:長内美那子 源七:本郷淳 明石屋久兵衛:西山辰夫 銀助:岡部正純 増吉:市村昌治 お勝:阿井美千子 お徳:(武田てい子) おせき:鮎川十糸子 政五郎:(鈴木康弘) :(タンクロー) 油屋:(疋田泰盛) 行商人:野上哲也 高田屋番頭:遠山金次郎 :(平河正雄) :(市条享ー) :(春藤真澄) | |||
第27話 | 9月 6日 | 殺生禁断!鯉の罠 | 津田幸於 植木昌一郎 | 倉田準二 | おけい:竹井みどり お国:露原千草 徳兵衛:浜田寅彦 安藤出雲守:幸田宗丸 村瀬金十郎:江見俊太郎 戸田備中守:穂高稔 曲蔵:陶隆司 お駒:杉本マチ子 酒井丹後守:岡田英次 根岸又十郎:坂口徹郎 中川玄真:(邦保) 尾崎道林:(峰祐介) 目付:(国一太郎) 金次:小峰隆司 組頭:山本弘 駒春の客:(新城邦彦) 御数奇屋坊主:(藤長照夫) 駒春の女中:(上村明子) | ||
第28話 | 9月13日 | 女掏摸が越前の娘 | 大西信行 | 居川靖彦 | おえん:叶和貴子 木原屋清兵衛:小林重四郎 小狐の紋次:高城淳一 太一:松山照夫 角井三之助:波田久夫 仲居:富永佳代子 子分:(小谷浩二) 女将:星野美恵子 寅松:佐野浅夫 | 佐野浅夫の役名はC.A.Lの各話紹介では「寅吉」だが、 オープニング表記では「寅松」である(寅吉が本名で、寅松が通名)。 | |
第29話 | 9月20日 | 過去を消した男 | 山内鉄也 | 戸丸屋善右衛門:大木実 音造:石橋雅史 権三:(阿部希郎) 丹治:江幡高志 お糸:里見和香 伍平:(寺下貞信) 六助:(伊東亮英) 彦兵衛:(北村光生) 音造の子分:(秋山勝俊) 音造の子分:(細川純一) | |||
第30話 | 9月27日 | 十手を嵩の悪い奴 | 櫻井康裕 | 佐吉:森次晃嗣 お信:上村香子 根岸の藤八:金井大 覚兵衛:堺左千夫 安房屋:西山辰夫 左官の親方:鈴木淳 番頭:(有島淳平) おこう:山口朱美 長屋の住人:(森源太郎) | |||
第31話 | 10月 | 4日呪われた縁談 | 大西信行 | (岡本静夫) | お美代:芦川よしみ 佐助:本郷直樹 善兵衛:近藤宏 仁吉:園田裕久 又造:原健策 田宮十三郎:(岡本隆成) 権造:下元年世 おかん:泉春子 やくざ:(奔田陵) | ||
第32話 | 10月11日 | 越前への挑戦状 | 植木昌一郎 | 倉田準二 | 上総屋宗兵衛:田中明夫 塚本雪斉:名和宏 榎木兵庫:須賀不二男 倉橋与太夫:亀石征一郎 丹治:志賀勝 武田上総介:内田勝正 藤尾:三島ゆり子 梅雪:大前均 田宮良伯:中村錦司 木村孫三郎:五十嵐義弘 上総屋女中:(曽根千香子) :白井滋郎 |
解説(第6部)
- 『水戸黄門』第12部の後番組として放映された。第5部が「水戸黄門」第8部の後に放映されて以来、約4年ぶりとなる。以後、第9部までは『水戸黄門』と交互に放映された(本シリーズ休止期間は、『水戸黄門』第9~12部と西郷輝彦主演の『江戸を斬る』IV~VIが交互に放映されていた)。
- 第6部のポスターから、それまでの「○月○日放送開始」に変わって「○月○日スタート」という表現が使われるようになった(本シリーズでは第15部まで踏襲された。なお第6部の後番組は『水戸黄門』第13部であったが、そちらでも「○月○日スタート」を使っている。『江戸を斬る』シリーズでは、IVから「○月○日スタート」が使われていた)。
- 第6部から「原案:葉村彰子」とオープニングに表示されるようになる。
- 第3部からチーフ助監督を務めていた居川靖彦が、第6部から監督に昇格している。
- オープニングテーマ曲がこの部から変更となる(詳細はテーマ曲を参照)。またオープニングの配役紹介などで用いられている文字が、第4~5部の楷書の筆文字の写真植字のようなものから、崩された行書に近い楷書体の筆文字の写真植字のようなものに変わった。
- 雪絵・妙など、武家の女性の配役表示から苗字がなくなる(ただし、第9部の立花千鶴は第9部のみ苗字が示された)。
- 宇津宮雅代が演じる雪絵、片岡千惠藏が演じる大岡忠高は、この部が最後の出演となった。
- 西郷輝彦演じる蘭方医の新三郎(苗字は設定されていない)が第1話で初登場し、小石川養生所の責任者となる。以後のシリーズにも登場した。通称は「オランダ先生」(第4話のサブタイトルが「オランダ先生拳法仁術」)。この部での新三郎のキャラクターは、『江戸を斬る』で西郷自身が演じた遠山金四郎の町人姿の時を髣髴とさせるような江戸っ子キャラクターとなっている。
- 第1話では「長崎から江戸にやってきた」が、長崎弁などは使っていなかった。第31話で「江戸へ帰って」と述べており、「長崎帰り」である。
- 西郷にとっては、『水戸黄門』以外の作品でナショナル劇場での4作連続レギュラー出演となった。
- 第27話での描写(老中および村上源次郎のセリフ)から、(この部では)身分は町人である。
- 第1話では榊原伊織からの紹介状を持参しており、伊織とは義兄弟であり、また蘭方医としての腕前は伊織以上と書かれている。
- まだ聴診器が発明されてない時代だが、ゴム管のようなものが付いた聴診器を新三郎が使うシーンがある(第27話)。
- 拳法も身に着けており、本シリーズでは珍しく素手で立ち回りを行うキャラクターである(本シリーズの戦闘要員は武士階級が多く、戦闘時以外でも帯刀していることが多い為、事を構える場合には抜刀する事も珍しくない。侍以外でも、岡っ引きの辰三は十手や棍、元盗賊の三次は短刀と、立ち回りの際は得物を手にしている)。
- 小石川養生所の職員として「いね」が登場するが、演じた仁和令子は『江戸を斬るV』(1980年)にお志乃役でレギュラー出演しており、西郷とは共演ずみである。
- 新三郎の依頼で、他の医師の調合した薬を分析しており(第7話「勇気ある証言」)、単なる介護人ではなく、ある程度の医学の心得があることが描写されている。
- 第4部、第5部では男性職員の準レギュラーも存在していたが、本作では特定のキャラクターはいね(と新三郎)しか登場しない。
- 猿(ましら)の三次役は松山英太郎に戻った。店の名は「たぬき」のままであるが、妹はおらず言及もない。店員は女性(おきみ)がひとりいるののみ。なお、第4部、第5部では女性の協力者(三次の過去を知る密偵役)が店員を兼ねていたが(第4部では女将)、この部では類似のキャラクターは不在であり、あくまでおきみはただの店員である。
- 第5部で風間駿介はお見合いをし、また別に恋仲の女性もいたが、その設定は受け継がれていない。
- 第6部では、忠相が裁断を下すお白州の背面のふすまの模様が、白地に茶色模様である(その他の部は水色が使われていることが多い)。
- 第3話「意地っ張り三方一両損」にて、大岡政談で有名な「三方一両損」が単独で使われた最初の回である。財布を落とした左官の男と拾った大工の男に、それぞれ村上源次郎と忠高が加担したため騒動が大きくなった。その上、財布を拾った大工の男が財布を落とした左官の男の妹と夫婦になる約束をしていて、板挟みになる設定である。
- 後にも三方一両損を扱った回があるが、登場人物を一部置き換えて、財布を拾った男が財布を落とした男の妹と夫婦の約束をしている筋が同一な点では、第10部第4話「華のお江戸の意地競べ」がリメイクと言える。
- 第5話「義賊業平小僧」の脚本を担当したのは津田幸於(幸夫)であり、第1部第16話「義賊木鼠小僧」の脚本を担当した津田自身の改変作品となっている。業平小僧を演じた林与一は、オープニングの出演者の紹介では、村上源次郎役の大坂志郎よりも後のトメ(最後)に表記された。
- 【類似点】
- 幼馴染みが捕まったため自首した業平小僧佐吉が、御定法通り死罪となる点。
- 裁きの前に、忠相に、貧乏の身の上を語る点。
- 墜ちた偶像に対する「人の心の移ろい」を指摘する点(「義賊木鼠小僧」では村上源次郎の嘆きであったが、この回は忠相の発言)。
- 【相違点】
- 盗賊の「業平小僧佐吉」に対して、同心である風間駿介の「盗賊への憎しみ」の視点が強く描かれたこと。
- 業平小僧佐吉の自首の前に、忠相が佐吉の長屋を訪れ、自首を勧めたこと。
- 業平小僧佐吉の市中引き回しのシーンはない。ただし、佐吉に投げ込まれた小判で借金を返済し、業平小僧として誤って捕縛された幼馴染みは改心し仕事に励んでいることが分かる(佐吉の位牌も幼馴染み宅にある)。
- 第6話では松坂慶子がメインゲスト・おせい役で出演している、松坂は、西郷輝彦主演の『江戸を斬る』(II~VI)でヒロインの「おゆき」(金四郎の妻)を一貫して演じていた(ただし、この回は西郷や、同様に同作通してのレギュラーだった松山英太郎は登場していない)。オープニングの出演者の紹介では、松坂は村上源次郎役の大坂志郎よりも後のトメに表記された(『江戸を斬る』VIと同様)。
- おゆきは「3つの顔を持つ女」と言えたが、おせいも同じである。普段の町娘、隠された(高貴な)身分、そして裏の顔である。なお、おゆきの裏の顔は「紫頭巾」としての剣客活動だが(もちろん人助けである)、その際は目元以外は隠していた(ニセの紫頭巾のエピソードの際は、本物・偽物ともに華を出している事もある)。おせいの裏の顔である「占い師・安倍晴子(よみは「あべのせいこ」。安倍晴明の子孫、という触れ込み)」も、目元以外は隠されていた。
- 第8話は「娘引き」のアレンジとなっている。母親が両側から手を引く代わりに、「右の乳首のほくろ」が証拠(キーワード)になっている。これを白州で確認するように産みの母が迫り、育ての母が断る。この結果、忠相が「若い娘に、人前で肌をさらせとは何事か!」と実母の非難し、養母に軍配を上げるという結果に終わっている。
- 第9話「千両富は俺のもの」は、第5部第13話「消えた千両富くじ」のリメイクとなっている。
- 第10話「鷹の威を借る悪い奴」は、大岡政談の「鴨のお裁き」(城の濠に遊ぶ鴨を殺したものは厳罰に処すという法のもとで、 蜆売りの子供が誤って鴨を殺したが、忠相が鴨の死体を触り「体がまだ温かくまだ死んでいない」という嘘で子供を救う裁き)を元にしながら、鴨を横流しした役人を裁く話である。
- 第11話「江戸っ子駕籠」は、第2部第6話「権三と助十」で扱われた大岡政談の「小間物屋彦兵衛(権三助十)」の翻案である。第2部第6話「権三と助十」よりも大岡政談に近い内容になっている。
- 忠相がたまたま乗り合わせた駕籠かきが真相を語る部分などは。大岡政談そのままである。
- 第13話「情が仇の蕎麦がき代」でも、辰三が吉宗の顔を忘れている描写があり、第4部第1話「大岡越前」と同様の不整合な描写となっている(後の部にも引き継がれている)。
- 第14話「父の死を願った息子」では、本放送放映時に問題になってきた老人の認知症(痴呆症)をテーマに、老化症状が出てきた忠高の経験談(味覚の変化、物忘れ、忘れていたことを一時的に思い出すこと)などを織り交ぜた話となっている。父を殺したと自白した息子・茂助だが、父親(茂十)が息子夫婦に迷惑をかけないよう石見銀山(ヒ素)の毒入りの餅で自殺したことが分かったため、息子の茂助を無罪放免とした。しかし、茂助が、茂十の生前「父親の死を願った」という法には無い罪を、これから一生背負わせる裁きでもあり、重いストーリーとなっている。
- 冒頭、石見銀山(ヒ素)入りの餅を茂十が自ら食べるかどうか確かめるため、石見銀山を少量混ぜた餅を忠相・風間・辰三の3人が試しに口にするシーンがあり、あまりの不味さに忠相と風間が吐き出したものの、辰三は飲み込んでしまうというコミカルなシーンがあり、テーマの重さを若干和らげている。
- 第15話「大岡越前を殺せ」では、必殺シリーズを想起させるシーンや設定がある(金で殺しの依頼をする、元締めを介する他、仕事人)という呼称も使用されている)。また、第4部第9話「母子しぐれ」と同様、この時代にはない「人足寄場」が台詞の中で登場する。
- 第16話「因業大家と人情大工」は、古典落語(与太郎噺)「大工調べ」の翻案で、第3部第21話「人情大工裁き」のリメイクにもなっている。第3部第21話はほぼ、落語の「大工調べ」と変わらない。ただし、この話では、大工の留吉に金と知恵を与えるのは、留吉に屋根の修理を頼んだ忠高であり(落語や第3部第21話「人情大工裁き」では、大工の棟梁)、家主(大家)六兵ヱは忠相の父親と知りながらあえて訴え出るように設定が改変されているが、質屋の株が無いことをとがめる結末は変わっていない(この点は第3部第21話の解説を参照のこと)。なお、第3部第21話と同様、大西信行が脚本を担当している。
- 大工の留吉が忠高の屋敷の屋根板をはがした後、(大家に大工道具を取られたため)修理に来ないまま雨が降り始め、雨漏りのする屋敷の中で相合傘をしている忠高と妙の姿は、コミカルでもありチャーミングな印象を与える。
- 第20話「死を賭けた潜入」では、後に立花千鶴役でレギュラー出演する舟倉由祐子(この時点の名義は舟倉たまき)がゲスト出演した。
- 第20話では、深川の潜入捜査に忠相は前もって田所新兵衛という隠密廻り同心を潜入させていた。江戸町奉行の同心は、三廻(さんまわり)とも呼ばれ、この物語では、定廻り同心(第4部までの村上源次郎、第5部以降は風間駿介)、臨時廻り同心(第5部以降の村上源次郎)は描かれていたが、この回で初めて隠密廻り同心が活躍らしい活躍をしている(第1部第14話「地獄の使者」で初登場していたが、この時の安達(池田駿介)は早々に正体を暴かれ、殺されている。なお、後任を与力の神山左門が務めた)。
- 第1〜3部は、隠密廻り同心のような役割を神山左門が担っていた。また、後の第12〜13部では、与力の片平弥平次が担うこともある。この他、大部屋俳優が隠密廻り同心を演じることはしばしばあるが、悪人に抹殺されたことも多い。
- 第24話「死体が歩いた長屋露地」では、第3部第15話「天狗の眠り」の解説に書いたとおり、新三郎が「おかん」の死因の特定のため腑分けを行う。第3部「天狗の眠り」ではエンディングナレーションで腑分けに関して史実を言及するが、この回では一切触れられていない。また、おかんの死体を運んだ者は「寄場送り」の裁きとなっており、第4部以降の史実軽視の傾向がこの部でかなり強くなっている。
- 第27話「殺生禁断!鯉の罠」では、吉宗が高熱を発し倒れる。将軍家御典医の見立ては「しわぶき病」と言っている。漢字で書くと「咳病」であり、いわゆる「風邪」である。しかしながら、吉宗の症状は一向に回復せず、忠相は江戸城内に小石川養生所の医師・新三郎を連れ、治療させる。この展開は、第4部第20話「天下を盗る―後編―」で忠相が伊織を城中に入れる展開に類似している。また、ことの発端である、吉宗が殺生禁断の池で鯉を捕る部分は第1部第1話冒頭を想起させる(吉宗自身も言及している)。
- 第28話「女掏摸が越前の娘」では、後に同心・佐橋孫兵衛を演じる佐野浅夫が、元スリで足を洗った飾り職人・寅松(かつての名前は寅吉で、「稲妻の寅吉」と異名をとった巾着切り)を演じている。なお、C.A.L公式サイトでは「寅吉」と紹介されているが、オープニングの配役紹介では「寅松」となっている(過去を知らない者からは「寅松」としか呼ばれていない)。
- 第3部第8話「越前の娘」のリメイクだが、「越前の娘」と違い、母親は他界している。また、実父が存命であり、彼が名乗り出て「母親が死に際に、おえんに越前の娘と騙った」理由が説明された。なお、実父は寅松こと寅吉であった。
- 前回は「孝行娘が、長患いの母親の薬代欲しさに行った窃盗」(初犯であり突発的な犯行)であったが、今回はスリの常習者である。年齢も、前回は15歳で今回は20歳ぐらい、と差がある。前回は印籠が証拠として存在していたが(16年前、遊び仲間に賭けで取られた物)、今回は「母親がそういった」の一点張りであった。なお、前回の母親は忠相と面識があったが、今回は全くの赤の他人である。
- また、前回は白州で「父親は大岡越前」と忠相の面前で告白したことで騒動が持ち上がっているが、今回は捕らえられた現場(人のにぎわう縁日)で、風間駿介と辰三の眼前で名乗るのが最初であり、その後、奉行所で村上源次郎、「たぬき」で忠高と三次とおきみ、忠高邸で妙、の順で情報が伝わり、忠相の耳に入るのはさらにその後で、「たぬき」で忠高と三次からあった。加えて、白州での対面(名乗り)を避けるべく、源次郎がおえんを解き放っている(真偽を見極めるため駿介と辰三に追跡させていたが、まかれている)。
- 最終話(第32話)「越前への挑戦状」では、宇津宮雅代が演じる雪絵は最後となった。また、第7部の解説でも記載されているとおり、片岡千惠藏が演じる大岡忠高も、この回が最後の出演となった。
- 1982年10月から『JNNフラッシュニュース』の再度の枠拡大に伴い、20:00 - 20:54に変更(1分縮小)
第7部
大岡越前 第7部 | |
---|---|
ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 葉村彰子 |
脚本 | 植木昌一郎 津田幸於 星川清司 廣澤榮 (櫻井康裕) 大西信行 稲垣俊 芦沢俊郎 |
監督 | 倉田準二 山内鉄也 松尾正武 居川靖彦 |
出演者 | 加藤剛 酒井和歌子 和田浩治 松山英太郎 高橋元太郎 加藤治子 山口崇 大坂志郎 竹脇無我 |
製作 | |
製作総指揮 | 松下幸之助 |
プロデューサー | 西村俊一 |
制作 | TBS |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1983年4月18日 - 10月24日 |
放送時間 | 月曜日20:00 - 20:54 |
放送枠 | ナショナル劇場 |
放送分 | 54分 |
回数 | 全27 |
「大岡越前 第7部」(おおおかえちぜん だい7ぶ)は1983年4月18日から10月24日までナショナル劇場で放送された時代劇。製作はC.A.L。全27話。
概要(第7部)
大岡忠相は鋭い観察力で悪人達からは恐れられ、また町民たちからは人情深い奉行として慕われている。これまで、忠相を見守っていた父・忠高は亡くなった。長崎留学から戻った忠相の親友・榊原伊織は、忠相宅に向かう途中、負傷した志保を救う。志保の傷は、親の敵として襲った忠相につけられたものだった。忠相への誤解も解け、志保は小石川養生所で働くようになった。風間駿介は志保に思いを寄せるが、志保は伊織に惹かれていく。村上源次郎はじめ、同心の風間駿介、すっとびの辰三など真面目で明るい仲間たちと力を合わせて難しい事件を次々解決していく。
レギュラー出演者(第7部)
- 大岡越前:加藤剛
- 雪絵:酒井和歌子(第1話~第3話、第5話~第7話、第9話~第12話、第14話~第22話、第24話、第26話~第27話)
- 風間駿介:和田浩治
- すっとびの辰三:高橋元太郎
- おけい:叶和貴子(第2話から)(第6話~第7話を除く)
- 猿(ましら)の三次:松山英太郎(第6話~第7話を除く)
- 留吉(たぬきの板前):大橋壮多(第1話~第3話、第5話、第8話~第11話、第13話~第14話、第17話、第22話、第27話)
- 志保:根本律子(第1話~第4話、第7話~第8話、第10話、第12話~第13話、第15話~第19話、第21話、第24話~第27話)
- おはな:遠藤真理子(第1話~第3話、第5話~第7話、第9話~第10話、第12話、第14話~第22話、第24話~第27話)
- 養生所所員(後の高木保之進):高井清(第1話~第2話、第4話、第7話~第8話、第10話、第12話~第13話、第16話、第19話、第25話)
- 大岡妙:加藤治子(第1話、第6話、第9話、第21話)
- 徳川吉宗:山口崇(第9話、第21話、第24話、第27話)
- 村上源次郎:大坂志郎
- 榊原伊織:竹脇無我(第1話~第4話、第7話~第8話、第10話、第12話~第13話、第15話~第19話、第21話、第24話、第26話~第27話)
準レギュラー
スタッフ(第7部)
- 製作総指揮:松下幸之助
- 製作代表:松下正治、丹羽正治
- 製作:山下俊彦、小林郁、逸見稔
- 原案:葉村彰子
- 脚本:植木昌一郎、津田幸於、星川清司、廣澤榮、(櫻井康裕)、大西信行、稲垣俊、芦沢俊郎
- 音楽:山下毅雄
- 題字:朝比奈宗源
- ナレーター:芥川隆行
- 撮影:片山顕、萩屋信、原田裕平、安達重穂、牧浦地志
- 美術:鈴木孝俊、高見哲也
- 録音:中川清、面屋竜憲、渡部芳丈、神戸孝憲
- 照明:真城喩、伊勢晴夫、大谷康郎、武邦男、岡田耕二
- 編集:河合勝巳
- チーフ助監督:井上泰治、髙倉祐二、矢田清巳、金鐘守、尾田耕太郎、福田光、内沢 ウィキペディア、ウィキ、本、library、論文、読んだ、ダウンロード、自由、無料ダウンロード、mp3、video、mp4、3gp、 jpg、jpeg、gif、png、画像、音楽、歌、映画、本、ゲーム、ゲーム。