千駄ケ谷駅(せんだがやえき) は、東京都渋谷区千駄ヶ谷一丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)中央本線の駅である。駅番号はJB 12。渋谷区内の鉄道駅では最も東に位置する。
千駄ケ谷駅 | |
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駅入口(2020年6月) | |
せんだがや Sendagaya | |
◄JB 13 信濃町 (0.7 km) (1.0 km) 代々木 JB 11► | |
右は国立競技場駅 | |
所在地 | 東京都渋谷区千駄ヶ谷一丁目35-10 |
駅番号 | JB12 |
所属事業者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
所属路線 | ■中央・総武線(各駅停車) (線路名称上は中央本線) |
キロ程 | 7.3 km(神田起点) 千葉から44.7 km |
電報略号 | セカ |
駅構造 | 地上駅 |
(ホーム) | 2面2線 |
乗車人員 -統計年度- | 11,680人/日(降車客含まず) -2021年- |
開業年月日 | 1904年(明治37年)8月21日 |
乗換 | 国立競技場駅(都営地下鉄大江戸線) |
備考 | (直営駅) 東京山手線内・東京都区内駅 |
当駅には中央・総武線各駅停車のみが停車する。また、特定都区市内制度における「(東京都区内)」および「東京山手線内」に属する。駅名は「千駄ケ谷」と表記するが、地名は「千駄ヶ谷」である。
歴史
当時の甲武鉄道が飯田町 - 中野間を電化した際、当駅を旅客駅として新設開業したが、当時の乗降客は一日に250人程度であった[1]。その後、アメリカ軍による空襲を受けて駅舎が被災するなどしたが[1]、駅に隣接して駅前に被さる首都高速道路4号新宿線高架道路の完成や駅舎の改築を経て現在の姿となっている。
年表
- 1904年(明治37年)8月21日:甲武鉄道の駅として開業[2]。当初は旅客営業のみ。
- 1906年(明治39年)10月1日:甲武鉄道の国有化により官設鉄道の駅となる[3]。
- 1909年(明治42年)10月12日:線路名称制定により中央東線(1911年から中央本線)の所属となる[3]。
- 1924年(大正13年):2代目駅舎が完成。
- 1945年(昭和20年)
- 5月:東京大空襲により駅舎が被災。
- 12月:木造バラック駅舎建築。
- 1949年(昭和24年)6月1日:日本国有鉄道発足[4]。
- 1956年(昭和31年)3月:PCブロック構造で新築。モデル駅に指定。
- 1958年(昭和33年)1月:アジア競技大会開催に伴い改築。
- 1964年(昭和39年)9月:東京オリンピックにあわせ改築。臨時ホーム新設。
- 1976年(昭和51年)7月:みどりの窓口営業開始[5]。
- 1980年(昭和55年)12月:ホームに将棋の駒のオブジェ設置(日本将棋連盟より寄贈)。
- 1986年(昭和61年)10月23日:国立霞ヶ丘競技場陸上競技場からの観客5000人が当駅の改札に殺到し、群衆事故が起こる[6]。46人負傷[6]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅となる[7]。
- 1990年(平成2年)6月2日:自動改札機導入[8]。
- 1998年(平成10年)3月:エスカレーターの使用を開始。
- 2001年(平成13年)11月18日:ICカード「Suica」の利用が可能となる[報道 1]。
- 2007年(平成19年)3月9日:この日をもってみどりの窓口の営業を終了。
- 2009年(平成21年)4月:駅構内が全面禁煙になる。
- 2012年(平成24年)9月:エレベーターの使用を開始。
- 2016年(平成28年)9月18日:2020年東京オリンピックに向けての駅舎改修工事のため、仮駅舎の使用を開始[報道 2]。
- 2019年(平成31年・令和元年)
- 2020年(令和2年)
新宿御苑仮停車場
1927年(昭和2年)2月7日より2日間にわたって行われた大正天皇の大喪の礼に際し、当駅の付近に新宿御苑仮停車場(しんじゅくぎょえんかりていしゃじょう)が開設されている[10]。
当時複々線化の為に新設工事中だった列車線(現在の上り急行線)の新宿御苑側に専用のホームと駅舎が設置され、霊柩列車を東浅川駅へ奉送運行する際に使用された[10]。同年2月9日に廃止となり、駅舎は浅川駅へ移設された[10]。
駅構造
(単式ホーム)2面2線を有する地上駅である。当駅は駅のすぐ北側にある新宿御苑への配慮のため、周辺の駅のような発車メロディは導入されておらず、代わりに発車ベルが鳴る。かつてはみどりの窓口が営業していたが2007年(平成19年)に営業終了し、代わりに(指定席券売機)が設置されている。2019年(平成31年)2月1日より、始発から午前6時30分までの早朝時間帯は、遠隔対応(インターホン対応は四ツ谷駅が行う)のため改札係員は不在となり、一部の自動券売機のみが稼働する[9]。
1964年東京オリンピック開催時に、旧1番線の反対側に臨時ホームが設置され、五輪観戦客の混雑緩和を図っていたが、開催後は稀に使用される程度で事実上閉鎖された状態が続いていた。その後、2020年東京オリンピック開催に向け、臨時ホームを再整備のうえ西行専用ホームとして使用することになり、エスカレーターやエレベーター、ホームドアの設置と改札口の移設が行われた[報道 2][新聞 2]。また、ホームドアを設けるため、従来は5メートルだったホームの横幅を最大9メートルに広げる工事も同時に行われた[新聞 2]。
のりば
(出典:JR東日本:駅構内図)
駅出入口および改札(2022年11月)
切符売り場(2022年11月)
ホーム(2021年4月)
利用状況
2021年(令和3年)度の1日平均(乗車人員)は11,680人である。中央・総武線(千葉駅 - 三鷹駅間)においては最も少ない。
近年の1日平均乗車人員の推移は下表の通り。
年度 | 1日平均乗車人員 | 出典 | ||
---|---|---|---|---|
定期外 | 定期 | 合計 | ||
1990年(平成 | 2年)28,112 | [* 1] | ||
1991年(平成 | 3年)29,806 | [* 2] | ||
1992年(平成 | 4年)29,085 | [* 3] | ||
1993年(平成 | 5年)28,866 | [* 4] | ||
1994年(平成 | 6年)27,795 | [* 5] | ||
1995年(平成 | 7年)27,068 | [* 6] | ||
1996年(平成 | 8年)25,800 | [* 7] | ||
1997年(平成 | 9年)25,313 | [* 8] | ||
1998年(平成10年) | 24,463 | [* 9] | ||
1999年(平成11年) | 23,923 | [* 10] | ||
2000年(平成12年) | [JR 1]23,123 | [* 11] | ||
2001年(平成13年) | [JR 2]22,698 | [* 12] | ||
2002年(平成14年) | [JR 3]23,022 | [* 13] | ||
2003年(平成15年) | [JR 4]22,508 | [* 14] | ||
2004年(平成16年) | [JR 5]22,419 | [* 15] | ||
2005年(平成17年) | [JR 6]22,213 | [* 16] | ||
2006年(平成18年) | [JR 7]21,993 | [* 17] | ||
2007年(平成19年) | [JR 8]22,543 | [* 18] | ||
2008年(平成20年) | 12,567 | 8,742 | [JR 9]21,309 | [* 19] |
2009年(平成21年) | 12,177 | 8,348 | [JR 10]20,525 | [* 20] |
2010年(平成22年) | 11,582 | 8,685 | [JR 11]20,268 | [* 21] |
2011年(平成23年) | 11,383 | 8,625 | [JR 12]20,008 | [* 22] |
2012年(平成24年) | [JR 13]9,901 | [JR 13]8,524 | [JR 13]18,426 | [* 23] |
2013年(平成25年) | [JR 14]11,893 | [JR 14]8,551 | [JR 14]20,444 | [* 24] |
2014年(平成26年) | [JR 15]10,495 | [JR 15]8,293 | [JR 15]18,788 | [* 25] |
2015年(平成27年) | [JR 16]9,875 | [JR 16]8,118 | [JR 16]17,994 | [* 26] |
2016年(平成28年) | [JR 17]10,128 | [JR 17]8,299 | [JR 17]18,427 | [* 27] |
2017年(平成29年) | [JR 18]10,267 | [JR 18]8,747 | [JR 18]19,015 | [* 28] |
2018年(平成30年) | [JR 19]8,178 | [JR 19]9,089 | [JR 19]17,268 | [* 29] |
2019年(令和元年) | [JR 20]7,763 | [JR 20]8,688 | [JR 20]16,452 | [* 30] |
2020年(令和 | 2年)[JR 21]4,229 | [JR 21]5,911 | [JR 21]10,141 | |
2021年(令和 | 3年)[JR 22]5,777 | [JR 22]5,903 | [JR 22]11,680 |
駅周辺
- 東京体育館
- 国立競技場
- 国立能楽堂
- 神宮外苑
- 新宿御苑
- 明治神宮野球場
- 明治神宮アイススケート場
- 三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア(千駄ヶ谷コート跡地[11])
- 日本将棋連盟東京・将棋会館
- 東京勤労者医療会代々木病院
- 都営地下鉄大江戸線国立競技場駅
- 東京メトロ副都心線北参道駅
- 原宿警察署千駄ヶ谷駅前交番
- 佐藤美術館
- 津田塾大学千駄ヶ谷キャンパス
バス路線
最寄りのバス停留所は千駄ヶ谷駅前(国立競技場駅前)停留所となる。以下の路線が乗り入れている。
- 千駄ケ谷駅(東京体育館)停留所
その他
隣の駅
脚注
記事本文
出典
- ^ a b 『渋谷の記憶 : 写真でみる今と昔』 2巻、渋谷区教育委員会、2009年3月10日。
- ^ 『官報. 1904年08月29日』 - 国立国会図書館デジタルコレクション]
- ^ a b 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR 5号、23頁
- ^ 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR 5号、25頁
- ^ 『交通公社の時刻表』 8月号、日本交通公社出版事業局、1976年。
- ^ a b 『鉄道ジャーナル』 21巻1号、鉄道ジャーナル社、1987年1月、121頁。
- ^ 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR 5号、27頁
- ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '91年版』ジェー・アール・アール、1991年8月1日、191頁。ISBN (4-88283-112-0)。
- ^ a b “”. 東日本ユニオン東京地本. 2019年11月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月15日閲覧。
- ^ a b c “”. 鹿島の軌跡〜歴史の中から見えてくるものがある〜. 鹿島. 2020年10月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月11日閲覧。
- ^ “スポーツの拠点となった「神宮外苑」”. このまちアーカイブス. 三井住友トラスト不動産. 2022年8月7日閲覧。
- ^ a b “”. FUN!TOKYO!. 東日本旅客鉄道 (2020年8月25日). 2021年3月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月12日閲覧。
- ^ “”. 日本将棋連盟 (2020年8月24日). 2020年10月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月6日閲覧。
報道発表資料
- ^ “” (PDF). 東日本旅客鉄道. 2019年7月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月23日閲覧。
- ^ a b (PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2016年6月8日。 オリジナルの2019年8月18日時点におけるアーカイブ2019年11月19日閲覧。 。
- ^ a b (PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道東京支社、2019年9月17日。 オリジナルの2019年9月18日時点におけるアーカイブ2019年9月18日閲覧。 。
- ^ (PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2020年4月7日。 オリジナルの2020年4月7日時点におけるアーカイブ2020年4月7日閲覧。 。
- ^ (PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2019年12月13日、6頁。 オリジナルの2019年12月13日時点におけるアーカイブ2020年2月29日閲覧。 。
新聞記事
利用状況
- JR東日本の2000年度以降の乗車人員
- ^ 各駅の乗車人員(2000年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2001年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2002年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2003年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2004年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2005年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2006年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2007年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2008年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2009年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2010年度) - JR東日本
- ^ 各駅の乗車人員(2011年度) - JR東日本
- ^ a b c 各駅の乗車人員(2012年度) - JR東日本
- ^ a b c 各駅の乗車人員(2013年度) - JR東日本
- ^ a b c 各駅の乗車人員(2014年度) - JR東日本
- ^ a b c 各駅の乗車人員(2015年度) - JR東日本
- ^ a b c 各駅の乗車人員(2016年度) - JR東日本
- ^ a b c 各駅の乗車人員(2017年度) - JR東日本
- ^ a b c 各駅の乗車人員(2018年度) - JR東日本
- ^ a b c 各駅の乗車人員(2019年度) - JR東日本
- ^ a b c 各駅の乗車人員(2020年度) - JR東日本
- ^ a b c 各駅の乗車人員(2021年度) - JR東日本
- 東京都統計年鑑
- ^ 東京都統計年鑑(平成2年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成3年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成4年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成5年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成6年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成7年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成8年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成9年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成10年) (PDF)
- ^ 東京都統計年鑑(平成11年) (PDF)
- ^ 東京都統計年鑑(平成12年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成13年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成14年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成15年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成16年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成17年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成18年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成19年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成20年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成21年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成22年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成23年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成24年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成25年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成26年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成27年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成28年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成29年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成30年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成31年・令和元年)
参考文献
関連項目
外部リンク
- 駅の情報(千駄ケ谷駅):JR東日本
- 青山軍用停車場図『甲武鉄道市街線紀要』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)