『公園通りの猫たち』(こうえんどおりのねこたち)は、1989年12月23日に公開された中田新一監督の日本映画。製作・配給は東映。
解説
東京渋谷の公園通りで自由闊達に生きる野良猫たちと、ミュージカルで成功を目指す女の子たちとの交流を描いた作品。実質的な主人公である猫たちは頻繁に登場して奔放に描かれ、女の子たちが街中で踊るシーンなど、ミュージカル的要素が盛り込まれた集団劇でもある[2]。
原作は、1990年に第6回講談社エッセイ賞を受賞した早坂暁の講談社刊の同名作品。映画化を企画した岡田裕介が、『ドン松五郎の生活』をヒットさせ、『パンダ物語』も手掛けるなど動物ものの経験がある中田新一を起用して正月映画として公開されたが、興行的にも作品の評価としても大失敗に終わったと中田は語っている[3]。
主演の荻野目洋子は、1977年に『獄門島』に端役で出演したことがあったが[4]、本作が初の本格的な映画出演であり、1990年2月26日の第27回ゴールデン・アロー賞新人賞(映画部門)を受賞した。
劇中に猫たちが踊るアニメーションのシーンがあり、アニメパートは東映動画と東京ムービー新社が制作している。1990年8月27日にVHSビデオにて発売された。
あらすじ
カルー・リエ・マユミらは、東京渋谷の公園通りでミュージカルで成功を夢見る、猫が大好きな女の子である。 カルー・マユミは歌と踊りのレッスンに励み、リエは演出家・関のアシスタントとして、日々の生活を送り、公園通りでは野良猫たちも彼女らを支えるように近くにいながら、気ままにたくましく生きている。 関は公園通りで生きる猫たちをミュージカルにしようと提案。 猫が好きなカルーたちは大喜びでレッスンに挑んだ。また、北海道から家出してきた千代という女の子も猫が好きで、ミュージカルに参加することになった。公演日が目前に迫ったそんなある日、「キャット・バスターズ」という怪しい会社が公園通りで猫狩りを始め、子猫たちが捕まってしまうのだった。
キャスト
- 荻野目洋子:カルー
- 五十嵐いづみ:リエ
- 伊藤智恵理:マユミ
- 万里洋子:花村千代
- 小谷ゆみ:ユミ
- 塩沢とき:板金篤子
- 長谷川歩:板金薫
- 上田耕一:事務所の男
- 山口仁:石橋
- (大場明之):車の男
- 松本伊代:車の女
- 大川透:舞台監督
- (佐久間尚美):振付助手
- 皆川衆:獣医
- 殺陣剛太:猫買業者
- 入江まゆ子:社長秘書
- 江戸家猫八:社長
- 常田富士男:雪村
- 石橋蓮司:関雪夫
- クォーターフェイク:ロックバンド
- アネマル(猫):ダンサー
- シュガー(猫):カルメン
- コマンチ(猫):グリドン
- ウシワカ(猫):ジュンサ
- サッチャー(猫):マーマ
- キャンピー(猫):マリリン
- 麻里万里、成清加奈子、岸田里佳、三田村賢二、矢沢美紀、劔持誠 ほか
スタッフ
- 監督:中田新一
- 原作・脚本:早坂暁
- 企画:岡田裕介
- プロデューサー:坂上順、河瀬光
- 音楽監督:多賀英典
- 音楽:森英治
- 音楽制作:近藤由紀夫、和田敦子
- 撮影:奥村正祐、米原良次、藤石修
- 美術:桑名忠之、山崎秀満
- 照明:篠崎豊治、磯山忠雄、山口利雄
- 編集:西東清明
- 録音:林鑛一、柿沼紀彦
- 監督補:長谷川計二
- 助監督:井坂聡
- 製作担当:山田稔
- ミュージカル演出・振付:関矢幸雄
- ミュージカル振付:結城敬二、佐久間尚美
- ミュージカル舞台美術・衣装:神取宏全
- 舞台製作:東宝舞台
- キャット・クルー:金祐彦、日垣一博、遠藤聖一、岡信介、田村大蔵、千葉弘太郎
- 技斗:(横山稔)
- 特殊造形:ライブハウス鯨井、ツエニー、アップアート、特殊美術GAM、レプリカ
- ハイビジョン技術協力:NHKエンタープライズ、IMAGICA、ソニーPCL
- 特撮ユニット:東宝映像美術
- アニメパート:東映動画
- アニメパート:東京ムービー新社
- 現像:東映化学
- 製作協力:サクセス・ロード
挿入歌
- 「汚れた靴のイニシャル」(荻野目洋子)
- 「メインテーマ」(荻野目洋子)
- 「想い出には早すぎる」(荻野目洋子)
- 「ノラネコワールド」(大山潤子)
- 「夜はデンジャラス」(大山潤子)
- 「ラブ」(大山潤子)
- 「キャットバスターズ」(吉岡梅吉47才)
- 「SHAKE YOUR LITTLE BODY」(1/4FAKE)
- 「ゴロちゃん」(すぺぺ)
- 「噛みつきたい」(ムーンドッグズ) ※エンディングテーマ
サウンドトラック
- (東映映画「公園通りの猫たち」オリジナル・サウンドトラック) (1989年12月21日) ビクター音楽産業
出典
外部リンク
- 公園通りの猫たち - MOVIE WALKER PRESS
- 公園通りの猫たち - allcinema
- 公園通りの猫たち - KINENOTE