概要
佐賀県の県庁所在地・佐賀市の代表駅である。特急列車を含む全列車が停車する。
当駅は路線名称上としては長崎本線の単独駅だが、長崎本線久保田駅を起点とする唐津線の列車がすべて当駅まで乗り入れており、長崎本線と唐津線の接続駅としての機能も持っている。なお久保田駅には長崎本線の特急列車は停車しないため、特急を介して長崎本線江北駅方面と唐津線を乗り継ぐ際には一旦、当駅まで行って乗り換える必要があるが、(分岐駅通過の特例)により、当駅で途中下車をしなければ乗り越し区間(当駅 - 久保田駅間の往復)の運賃は不要である。
1987年(昭和62年)までは当駅を起点とする佐賀線が乗り入れていた[3]。
近年では2022年(令和4年)9月23日開業した西九州新幹線や2024年(令和6年)の国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会開催が関係し、佐賀駅南口と北口で整備事業を進めてきた。
歴史
- 1891年(明治24年)8月20日:九州鉄道(初代)の駅として開業[2]。
- 1907年(明治40年)7月1日:九州鉄道が国有化、国有鉄道(当時は帝国鉄道庁)の駅となる[2]。
- 1935年(昭和10年)5月25日:佐賀線が筑後大川駅まで開通し全通[3]。
- 1976年(昭和51年)2月19日:高架化工事完成により約100 m北側に移転[2][4]。車扱貨物の取扱を廃止[2](鍋島駅に移管[1])。
- 1977年(昭和52年):北口広場前整備[5]。
- 1986年(昭和61年)11月1日:荷物の取扱を廃止[2]。
- 1987年(昭和62年)3月28日:佐賀線全線廃止[3]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化によりJR九州が継承[2]。
- 2002年(平成14年)10月5日:自動改札機を導入[6]。
- 2009年(平成21年)3月1日:ICカードSUGOCAの取り扱いを開始[7]。
- 2012年(平成24年)2月29日:西口改札を閉鎖。
- 2016年(平成28年)10月21日:改札前コンコースを改装。デジタルサイネージ「TERAビジョン」などを設置[8]。
- 2021年(令和3年)
- 2022年(令和4年)10月8日:ホームに「サガ」シリーズの楽曲を編曲した駅メロディを導入。唐津駅でも同様に導入される。
- 2023年(令和5年)4月26日:旧えきマチ1丁目佐賀西館がサガハツとしてオープン。オープンに伴い西口改札も復活する。
駅構造
島式ホーム2面4線を有する(1番のりばの外側に機回し線がある)高架駅で高架下に駅舎・コンコースがある[1]。なお、駅を真上から俯瞰した場合、駅の高架形状が北側が直線的であるのに対し、南側が曲線的であるのは将来的には北側に沿って新幹線駅の併設と新幹線高架線を考慮した名残である。また、1番のりばの鳥栖方には切り込み線があるが、これは佐賀線の列車が発着していた名残で、一部であるが佐賀線の高架も残っている[1]。ホームまでのエスカレーター・エレベーターは整備されたが、ホームのかさ上げは唐津線のステップ付き気動車が入線するため行われなかった。これは普通電車の場合は20 cm弱の段差が生じるためである。2012年にはホームの鳥栖寄り半分のかさ上げ工事が実施され、床も博多駅と似たレンガ調のものになった。一方江北寄りは従来のまま工事は実施されず、唐津線の気動車の停車位置が江北側に移動する形となっている。今までのようにホーム中央に停車しなくなったので、乗車の際は注意が必要である。
運転扱い上は、1番が機回し線、2番が1番のりば、4番が2番のりば(下り本線)、5番が3番のりば、6番が4番のりば(上り本線)となっており、3番はかつての佐賀線用切り欠きホーム(線路は撤去済)で欠番となっている。なお、旧国鉄の高架新駅誕生当初の番号が現在も使用されている。
構内にはえきマチ1丁目(旧:デイトス)などの商業施設や佐賀市観光案内所などがあるが、テナントの入れ替わりも激しい。えきマチ1丁目佐賀は東館と西館に分かれており、2004年(平成16年)に改装が行われた際、西館にはスーパーなどが入居したが、その後スポーツジムが一時期入っていたのを経て、現在は西館の大半はフリースペースとなっている。2022年2月からは改装工事が行われている。工事に伴い西館の4つの出入口は、3月現在閉鎖されている。(直営駅)であり、みどりの窓口・自動改札機が設置されている(自動改札機はこの先、長崎駅、諫早駅、佐世保駅、唐津駅のみ設置されており、西唐津駅と長崎県内の長崎駅・諫早駅を除いたSUGOCA利用可能駅には簡易改札機が設置されている)。構内にはJR九州直営の旅行代理店である「JR九州 旅行の窓口」もあり、駅自動放送が導入されている。
なおSUGOCAに関しては2009年(平成21年)3月1日のサービス開始当初より導入されているが、当駅が北部九州エリアの西端であり、鳥栖駅方面のみ利用可能である。また当駅から唐津線の列車で直通可能な唐津駅・西唐津駅にはSUGOCAが導入されているが、佐賀駅 - 唐津駅間は通過も含めてSUGOCAの利用は一切認められていない。なお2012年(平成24年)12月1日には長崎地区の一部駅でもSUGOCAが導入されたが、長崎エリアは当駅が属する北部九州エリアとは独立しており相互利用は不可である(長崎本線における長崎エリア東端駅は諫早駅)。
のりば
のりば | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1・3 | JH 長崎本線 | 下り | 江北・肥前浜方面 | |
上り | 新鳥栖・鳥栖方面 | |||
■唐津線 | - | 多久・唐津・西唐津方面 | ||
2 | JH 長崎本線 | 下り | 江北・肥前浜方面 | |
□特急「リレーかもめ」 「みどり」「ハウステンボス」 | 武雄温泉・長崎・佐世保・ ハウステンボス方面 | 長崎方面は武雄温泉で 新幹線「かもめ」に乗り換え | ||
□特急「かささぎ」 | 肥前鹿島行き | |||
4 | JH 長崎本線 | 上り | 新鳥栖・鳥栖方面 | |
□特急「リレーかもめ」「かささぎ」 「みどり」「ハウステンボス」 | 博多・吉塚・門司港方面 | 当駅始発の「かささぎ」は3番のりば |
改札口(2021年10月)
ホーム(2021年10月)
旧佐賀線ホーム(2021年10月)
駅弁
佐賀駅構内営業有限会社(あら玉)[10]が販売している。ホーム上・改札内には売店はなく、改札口を出た駅ビル内の店舗で販売されている。店舗にはカウンター席があり、その場での食事もできる。主な駅弁は下記の通り[11]。
- 佐賀名産特製ちらし寿司
- 佐賀みつせ鶏「とりトロ弁当」
利用状況
2021年(令和3年)度の1日平均乗車人員は9,404人である[12]。JR九州の駅としては12位で、長崎本線の駅、および佐賀県内の駅の中では最も多い。コロナ禍以前は利用者数は12,000人程度で、利用者数が減少していたが、少しずつ回復してきている。
鉄道を利用して福岡方面に行く客が多い。佐賀 - 博多間の特急列車は西日本鉄道(西鉄)が佐賀 - 福岡間で運行する高速バス「わかくす号」に対して所要時間の面で優位に立っている。
全体として当駅での乗客の入れ替わりが大きく、特急列車の自由席に関しては当駅以西では空席が目立つことも多いが、当駅以東では立ち客が出ることもある。上り特急の当駅から博多駅までは、最後部車両を除いた普通車指定席の空いている席に、自由席特急券で乗車可能の特例が設けられていたが、2018年(平成30年)3月16日をもって終了した。なお、当駅と長崎駅までの2枚きっぷは設定されている(6,060円)が、佐世保駅・ハウステンボス駅までに関しては当駅からは2枚きっぷの設定はない。
年度 | 1日平均 乗車人員[13] |
---|---|
2000年 | 10,371 |
2001年 | 10,157 |
2002年 | 10,312 |
2003年 | 10,421 |
2004年 | 10,602 |
2005年 | 10,807 |
2006年 | 11,084 |
2007年 | 11,228 |
2008年 | 11,356 |
2009年 | 11,097 |
2010年 | 11,390 |
2011年 | 11,697 |
2012年 | 11,949 |
2013年 | 12,432 |
2014年 | 12,023 |
2015年 | 12,251 |
2016年 | 12,341 |
2017年 | 12,535 |
2018年 | 12,624 |
2019年 | 12,348 |
2020年 | 8,546 |
2021年 | 9,404 |
駅周辺
佐賀市の中心市街地の北寄りに位置している。佐賀県庁・佐賀城・佐嘉神社などは南へ2 kmに位置している。
- 東横イン佐賀駅前
- コムボックス佐賀駅前
- 唐人町商店街
- 九州国際情報ビジネス専門学校
- ホテルルートイン佐賀駅前
- コンフォートホテル佐賀
- 九州電力佐賀支店
- 佐賀東信用組合本店
- 佐賀共栄銀行神野支店
- 佐賀市役所
- 佐賀県農業協同組合中央会
- 佐賀駅前郵便局
- サガシティホテル
- 佐賀ワシントンホテルプラザ
- 佐賀学園高等学校・成穎中学校
- 佐賀県立佐賀商業高等学校
- 佐賀年金事務所
- 読売新聞佐賀支局
- Cygames佐賀ビル
- アメダス佐賀(佐賀市駅前中央)
バス路線
駅の東隣にある佐賀駅バスセンターから各方面への一般路線バス、高速バスが発着する。駅の北側には佐賀駅北口バス停がある。
なお、ユタカ交通が運行する夜行高速バス「ユタカライナー」は、佐賀駅バスセンターの南向かいの駐車場の東側(佐賀県JA会館向かい)にある同社独自の「佐賀」停留所より発着する。
隣の駅
- 九州旅客鉄道(JR九州)
- JH 長崎本線
- ■唐津線(当駅 - 久保田駅間長崎本線)
- 佐賀駅 - 鍋島駅
かつて存在した路線
- 日本国有鉄道
- 佐賀線
- 佐賀駅 - 東佐賀駅
脚注
- ^ a b c d e 『週刊 JR全駅・全車両基地』 27号 長崎駅・佐世保駅・大村駅ほか75駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2013年2月17日、20頁。
- ^ a b c d e f g 停車場変遷大事典、713頁
- ^ a b c d e 停車場変遷大事典、718頁
- ^ 「佐賀駅 きょう新装開業」『交通新聞』交通協力会、1976年2月19日、2面。
- ^ a b “佐賀駅北口広場、5月10日から利用開始 市長が現地確認”. 佐賀新聞. (2021年5月8日) 2021年5月30日閲覧。
- ^ <平成 この日、>JR佐賀駅に自動改札機=平成14年10月5日(16年前)佐賀新聞 - 2018年10月5日
- ^ 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (2009年3月3日)
- ^ 佐賀)佐賀駅がリニューアル、21日オープン朝日新聞 - 2016年10月22日
- ^ “佐賀駅南口広場整備工事のお知らせ”. 佐賀市. (2021年5月28日) 2021年5月30日閲覧。
- ^ “お弁当・お食事メニュー”. 駅弁あら玉. 2020年3月3日閲覧。
- ^ 『JTB時刻表』2023年3月号、JTBパブリッシング、2023年、425頁。
- ^ “駅別乗車人員上位300駅(2021年度)” (PDF). 九州旅客鉄道 (2020年7月). 2020年12月26日閲覧。
- ^ 佐賀県統計年鑑
参考文献
関連項目
外部リンク
- 佐賀駅(駅情報) - 九州旅客鉄道