事(こと)は、言(こと)と同語源の[1]象形文字で[2]、事(じ)とも読む[3]。「神への祈りの言葉を書きつけ、木の枝などに結びつけた札を手にした形」にかたどる。「祭事にたずさわる人のさま」から仕事・仕えるの意味を表す[2]。
概要
以下は新漢語林(2008年)から引用した字義。
- こと。ものごと。ことがら。しごと、つとめ。できごと。(まつりごと)。
- こととする(こととす)。専念する。努め行う。
- つかえる(つかふ)。
- 用いる。使う。使役する。
- とどまる。
大辞泉では主に二つの用法がある。
仏教
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事(じ)は理に対する言葉。
事は個別的具体的な事象・現象を意味し、理は普遍的な絶待・平等の真理・理法を指す。このような概念はインド仏教では顕著ではなく、また漢訳仏典にも現れない中国仏教に独特のものである。
ことに華厳では、事と理は融通無碍の関係にあると説き、(四法界)や(三重観門)などの教理を作り上げて、普遍的な理と個別的具体的な事とか一体にして不可分であることを強調した。
- 密教では、理を摂持の義と解して、一切の事相がおのおのその体を摂持するから、これを理として、理の体を地水火風空識の六大とする。