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ルイビル (ケンタッキー州)

ルイビル英語: Louisville)は、アメリカ合衆国ケンタッキー州北西部に位置する都市。2003年ジェファーソン郡市郡合併し、それ以前に法人化されていた自治体を除く郡全体が市域となった。これにより、市域面積は1,000km2近くまで広がり、人口も倍以上に増加した。2020年国勢調査での市域人口は633,045人(うち、旧ルイビル市域は246,161人)[1]でケンタッキー州最大、全米でも29位である。ジェファーソン郡を中心に、ケンタッキー・インディアナ両州の10郡にまたがる都市圏は1,285,439人、この都市圏に、3郡から成るエリザベスタウン都市圏、および2つの小都市圏を加えた広域都市圏は1,512,133人(いずれも2020年国勢調査)[2]の人口を抱えている。

ルイビル市
City of Louisville
市旗
愛称 : "Derby City", "River City", "Gateway to the South", "Falls City", "The 'Ville
位置

右:ケンタッキー州におけるジェファーソン郡の位置
左:ジェファーソン郡におけるルイビルの市域
位置
ルイビル (ケンタッキー州) (アメリカ合衆国)
ルイビル (ケンタッキー州) (ケンタッキー州)
座標 : 北緯38度13分44秒 西経85度44分58秒 / 北緯38.22889度 西経85.74944度 / 38.22889; -85.74944
行政
アメリカ合衆国
  ケンタッキー州
  ジェファーソン郡
 市 ルイビル市
市長 (クレイグ・グリーンバーグ)(英語版)
地理
面積  
  市域 1,030.06 km2 (397.68 mi2)
    陸上   985.46 km2 (380.46 mi2)
    水面   44.63 km2 (17.23 mi2)
標高 142 m (466 ft)
人口
人口 2020年現在)
  市域 633,045人
    人口密度   642.4人/km2(1,663.9人/mi2
  都市圏 1,285,439人
  備考 全米都市人口第29位
その他
等時帯 東部標準時 (UTC-5)
夏時間 東部夏時間 (UTC-4)
公式ウェブサイト : https://louisvilleky.gov/

1778年に砦が建設され、アメリカ独立戦争に協力的だったフランス国王ルイ16世に敬意を表してルイビルという名がつけられた。以後、オハイオ川の舟運と共に発展し、ケンタッキー州の商業経済金融流通の中心地、および交通の要衝へと成長した。伝統的な産業バーボン・ウイスキー醸造、バット製造があり、他に電器機器や農業機械などの機械工業が発達。また、ケンタッキーフライドチキンピザハットなどを経営するヤム・ブランズの本社も置かれている。

競馬でも知られ、チャーチルダウンズ競馬場ではケンタッキーダービーケンタッキーオークスが毎年開催される。

地理

ルイビルは北緯38度13分44秒 西経85度44分58秒 / 北緯38.22889度 西経85.74944度 / 38.22889; -85.74944に位置している。

アメリカ合衆国統計局によると、この都市は総面積1,030.06km2(397.68mi2)である。このうち985.46km2(380.46mi2)が陸地で44.63km2(17.23mi2)が水域である。総面積の4.33%が水域となっている。

交通

 
ルイビル・モハメド・アリ国際空港

ルイビルの玄関口となる商業空港は、ダウンタウンから南へ約7.5km[3]に立地するルイビル・モハメド・アリ国際空港(旧称: ルイビル国際空港、IATA: SDF、空港コードは旧々称のスタンディフォード・フィールド(Standiford Field)に因む)である。この空港には3大航空会社(アメリカン航空デルタ航空ユナイテッド航空)が全て就航し、各社ハブ空港への便を発着させているほか、アレジアント・エアサウスウエスト航空スピリット航空、ブリーズ・エアウェイズ、およびフロンティア航空も就航しており、全米(太平洋岸北西部を除く)30空港以上からの直行便が発着している[4]。(フォート・ノックス)陸軍基地にも近いという立地条件から、同空港の利用客には陸軍関係者も多い。加えて、同空港はユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)社内で「ワールドポート」と呼ばれる、同社最大のハブを有している。このため同空港はメンフィス国際空港フェデックス最大のハブ)、テッド・スティーブンス・アンカレッジ国際空港に次ぐ全米3位、全世界でも6位(いずれも2021年)の貨物取扱量を誇る[5]。このルイビル・モハメド・アリ国際空港が開港する前に使われていた、ダウンタウンの南東約9km[6]に立地するボウマン・フィールド(IATA: LOU)は、現在ではゼネラル・アビエーションと呼ばれる、自家用機やチャーター機等の発着に専ら使われる空港となっている。

 
I-64・I-65・I-71の3本が交わる「スパゲティ・ジャンクション」

ルイビルのダウンタウン北東端のケネディ・インターチェンジ、通称「スパゲティ・ジャンクション」では、I-64、(I-65)、および(I-71)の3本の州間高速道路が交わる。I-64はミズーリ州セントルイスバージニア州ノーフォークを結ぶ高速道路で、ケンタッキー州内においてはルイビル、州都フランクフォート、および州第2の都市レキシントンを結ぶ重要度の高い高速道路である。I-65は南北の幹線の1つで、北へはインディアナポリスシカゴ都市圏方面へ、南へはナッシュビルアラバマ州方面へと通ずる。I-71はルイビルを南の起点/終点として、シンシナティコロンバスを経てクリーブランドへと通じている。また、I-64の支線であるI-264はルイビル中心部のすぐ外側を、またI-65の支線であるI-265はさらにその外側(インディアナ州側も含む)を通っており、二重環状線を成している。

 
ルイビルのユニオン駅(現: リバー・シティ交通局本部)。1975年国家歴史登録財に指定されている[7]

グレイハウンドのバスターミナルはダウンタウンにあり[8]、インディアナポリス・シカゴ方面、シンシナティ・コロンバス・クリーブランド方面、ナッシュビル・チャタヌーガアトランタ方面などのバスが発着する。また、市内の交通機関としては、リバー・シティ交通局(Transit Authority of River City、TARC)が路線バス網を運行している。TARCの路線バス網は28系統から成り、ルイビル市内、ジェファーソン郡内のみならず、オハイオ川の対岸、インディアナ州側にも、ニューオールバニおよびジェファーソンビルへ向かう#71、クラークスビルへ向かう#72の2系統を運行している[9]。なお、リバー・シティ交通局の本部は(ユニオン駅)の駅舎内に置かれている。この駅には、1970年代にはシカゴとマイアミをルイビル経由で結んでいた(フロリディアン)号が停車し、また2000年代序盤にはルイビルからインディアナポリス経由でシカゴへ向かっていた(ケンタッキー・カーディナル)号が発着していたが、2003年に後者の運行が廃止されて以降は、ルイビルにはアムトラックの列車は停車しなくなっている[10]

教育

ルイビルはルイビル大学、(サリバン大学)、Bellarmine University、Spalding University、並びにJefferson Community College(Kentucky Community and Technical College System の一部)、同じく Southern Baptist Theological Seminary及び Louisville Presbyterian Theological Seminaryが設置されている。また、(インディアナ大学サウスイースト校)はオハイオ川の対岸、インディアナ州ニューオールバニに設置されている。

スポーツ

ルイビルを本拠地とするプロスポーツチームとして、ルイビル・スラッガー・フィールドを本拠地とするシンシナティ・レッズ傘下のAAA級マイナーリーグ野球チームルイビル・バッツアメリカンフットボールチームのルイビル・ブルズ、USLチャンピオンシップルイビル・シティFCナショナル・ウーマンズ・サッカーリーグレーシング・ルイビルFCオージーフットボールチームのルイビル・キングスがある。

ルイビル大学アメリカンフットボールバスケットボールなど大学スポーツも米国有数の強豪として知られる。

公園

ルイビルには都市の至る所に公園が点在している。122ヶ所の公園を合計すると54平方キロメートルとなる。いくつかの公園はニューヨークセントラル・パークも設計したオルムステッドによって設計された。

人口動態

都市圏

ルイビルの都市圏ケンタッキー州北西部、ジェファーソン郡を中心に、オハイオ川の対岸、インディアナ州南部にもまたがる10郡から成り、その面積は8,425km2(3,253mi2)である。広域都市圏はこの都市圏に、3郡から成る近隣のエリザベスタウン・フォートノックス都市圏、および2つの小都市圏を合わせた15郡から成っている[11]

 

上図はケンタッキー州およびインディアナ州におけるルイビル・ジェファーソン郡・エリザベスタウン・バーズタウン広域都市圏の位置を示している。この広域都市圏に含まれる都市圏および小都市圏はそれぞれ、下記の色で示されている。

  ジェファーソン郡(大部分はルイビル市)
  ルイビル・ジェファーソン郡都市圏に含まれる周辺各郡
  エリザベスタウン・フォートノックス都市圏
  バーズタウン小都市圏
  スコッツバーグ小都市圏

また、ルイビルの都市圏、および広域都市圏を形成する各郡の人口は以下の通りである(2020年国勢調査)[2]

ルイビル・ジェファーソン郡都市圏
人口
ジェファーソン郡 ケンタッキー州 782,969人
クラーク郡 インディアナ州 121,093人
ブリット郡 ケンタッキー州 82,217人
フロイド郡 インディアナ州 80,484人
オールダム郡 ケンタッキー州 67,607人
シェルビー郡 ケンタッキー州 48,065人
ハリソン郡 インディアナ州 39,654人
ワシントン郡 インディアナ州 28,182人
スペンサー郡 ケンタッキー州 19,490人
ヘンリー郡 ケンタッキー州 15,678人
合計 1,285,439人
ルイビル・ジェファーソン郡・エリザベスタウン・バーズタウン広域都市圏
都市圏/小都市圏 人口
ルイビル・ジェファーソン郡都市圏 1,285,439人
エリザベスタウン・フォートノックス都市圏 ハーディン郡 ケンタッキー州 110,702人
ミード郡 ケンタッキー州 30,003人
ラルー郡 ケンタッキー州 14,867人
バーズタウン小都市圏 ネルソン郡 ケンタッキー州 46,738人
スコッツバーグ小都市圏 スコット郡 インディアナ州 24,384人
合計 1,512,133人

市域人口推移

以下にルイビル市における1790年から2020年までの人口推移をグラフおよび表で示す[12]

統計年 人口 順位
1790年 200人 -
1800年 359人 -
1810年 1,357人 -
1820年 4,012人 44位
1830年 10,341人 22位
1840年 21,210人 16位
1850年 43,194人 14位
1860年 68,033人 12位
1870年 100,753人 14位
1880年 123,758人 16位
1890年 161,129人 20位
1900年 204,731人 18位
1910年 223,928人 24位
1920年 234,891人 29位
1930年 307,745人 24位
1940年 319,077人 25位
1950年 369,129人 30位
1960年 390,639人 31位
1970年 361,472人 39位
1980年 298,451人 49位
1990年 269,063人 58位
2000年 256,231人 66位
2010年 597,337人 27位
2020年 633,045人 29位
 
ルイビル・パノラマ

姉妹都市

 

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ QuickFacts: Louisville city, Kentucky; Louisville/Jefferson County metro government (balance), Kentucky. U.S. Census Bureau. 2020年.
  2. ^ a b QuickFacts. U.S. Census Bureau. 2020年.
  3. ^ Louisville Muhammad Ali Int'l. Airport Master Record. Federal Aviation Administration. 2021年10月7日. 2021年10月27日閲覧.
  4. ^ Airlines, Destinations. Louisville Muhammad Ali International Airport. 2021年10月27日閲覧.
  5. ^ The World's Busiest Cargo Airports: 2021 Edition. Information Design One. 2021年10月27日閲覧.
  6. ^ Bowman Fld. Airport Master Record. Federal Aviation Administration. 2021年10月7日. 2021年10月27日閲覧.
  7. ^ KENTUCKY - Jefferson County. National Register of Historic Places. 2021年10月27日閲覧.
  8. ^ Louisville Bus Station. Greyhound. 2021年10月27日閲覧.
  9. ^ Maps and Schedule, Full System Map. Transit Authority of River City. 2021年1月. 2021年10月27日閲覧.
  10. ^ McAlister, Shay. The Vault: Amtrak's storied history and short-lived service in Louisville. WHAS. 2021年5月23日. 2021年10月27日閲覧.
  11. ^ OMB Bulletin No. 20-01, Revised Delineations of Metropolitan Statistical Areas, Micropolitan Statistical Areas, and Combined Statistical Areas, and Guidance on Uses of Delineations of These Areas. Office of Management and Budget. 2020年3月6日.
  12. ^ Gibson, Campbell. Population of the 100 Largest Cities and Other Urban Places in the United States: 1790 to 1990. US Census Bureau. 1998年6月.
  13. ^ “Bushmills is twinned with Louisville, USA” (英語). www.colerainetimes.co.uk. 2019年1月6日閲覧。

外部リンク

  • ルイビル市公式サイト (英語)
  • GoToLouisville.com. (英語)
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