この記事は(検証可能)な(参考文献や出典)が全く示されていないか、不十分です。(2015年7月) |
この記事は「旧馬齢表記」が採用されており、国際的な表記法や2001年以降の日本国内の表記とは異なっています。 |
生涯
1987年、向別牧場は繁殖牝馬ラドンナリリー(1981年の東京3歳優駿牝馬優勝馬[3])を種牡馬ミルジョージと交配させた。当時の馬産地には「脚の長いミルジョージ産駒は走る」という評価があり、ラドンナリリーは脚の長い仔を産む傾向があったため、脚の長いミルジョージ産駒の誕生を狙ってのことであった。
中央競馬で競走生活を送る。デビュー当時の評価は低く、1990年12月のデビュー戦では9番人気であった。リンデンリリーはこのレースを低人気を覆して優勝。翌1991年1月のKBS京都紅梅賞(現在の紅梅ステークス)でも9番人気でありながら1位入線を果たした。しかし直線で斜行し他馬の進路を妨害したと裁定され、13着に降着する処分を受けてしまう。さらにレース後、生まれつき状態の良くなかった左前脚を骨折していることが判明。春の牝馬クラシック断念を余儀なくされた。中央競馬ではこの年から降着制度が導入されたばかりで、このときの降着は関西における適用第1号で、加えて1位入線馬に対する中央競馬史上初の適用となってしまった。
その後リンデンリリーは7月の小倉競馬場で骨折から復帰。脚への負担を軽くするためにダートの(500万下条件戦)に2度出走したが4着・2着と勝ち切れず、陣営は賞金を加算するために中2週で芝の500万下条件戦に出走し、優勝。続いて出馬投票で除外になることを覚悟の上で出走に踏み切ったエリザベス女王杯トライアルのローズステークスも優勝。重賞初制覇を達成した。
エリザベス女王杯では、桜花賞馬シスタートウショウが屈腱炎で出走を回避し、オークス馬イソノルーブルの調整が順調でなかったこともあり、1番人気に支持された。レースでは前半は9番手からレースを進め、直線で一気に加速。2着馬に2馬身差をつけ優勝した。この勝利はリンデンリリーばかりでなく騎乗した岡潤一郎にとっても、管理調教師の野元昭にとっても初めてのGI制覇となった。しかしゴール後すぐに岡はリンデンリリーから下馬。診断の結果、右前脚浅屈腱不全断裂を発症し競走能力を喪失していることが判明した。なお負傷はレース中、最後の直線を走行していた時点で既に発症していたものと推測されている。
競走成績
以下の内容は、netkeiba.com[4]およびJBISサーチ[5]に基づく。
年月日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 | 枠 番 | 馬 番 | オッズ(人気) | 着順 | タイム (上り3F) | 着差 | 騎手 | 斤量 (kg) | 勝ち馬/(2着馬) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1990.12. | 2京都 | 3歳新馬 | ダ1400m(重) | 12 | 5 | 8 | 16.0(9人) | 1着 | 1:26.6 (49.8) | -0.8 | 須貝尚介 | 53 | (ナリタレッドバード) | |
1991. | 1. 6京都 | 紅梅賞 | OP | 芝1200m(良) | 14 | 5 | 8 | 16.0(9人) | 13着[race 1] | 1:10.2 (46.0) | (降着) | 須貝尚介 | 53 | フレンチパッサー |
7.27 | 小倉 | 日向特別 | 500 | ダ1700m(不) | 12 | 8 | 12 | 2.7(2人) | 4着 | 1:49.8 (41.9) | 0.6 | 武豊 | 53 | スズカケンホウ |
9. 7 | 中京 | 4歳上500万下 | ダ1700m(良) | 11 | 1 | 1 | 1.6(1人) | 2着 | 1:47.1 (37.6) | 0.1 | 武豊 | 53 | スリーリゾーム | |
9.21 | 中京 | 馬籠特別 | 500 | 芝2000m(良) | 9 | 6 | 6 | 1.9(1人) | 1着 | 2:00.2 (35.0) | -0.8 | 武豊 | 53 | (スイホービート) |
10.20 | 京都 | ローズS | GII | 芝2000m(良) | 14 | 7 | 11 | 2.9(2人) | 1着 | 2:01.4 (47.1) | -0.1 | 岡潤一郎 | 55 | (ヤマノカサブランカ) |
11.10 | 京都 | エリザベス女王杯 | GI | 芝2400m(良) | 18 | 6 | 11 | 2.4(1人) | 1着 | 2:29.6 (48.7) | -0.3 | 岡潤一郎 | 55 | (ヤマノカサブランカ) |
- ^ 1位入線
繁殖牝馬時代
診察結果を受けてリンデンリリーは競走馬を引退し、繁殖牝馬となった。繁殖牝馬としては長らく目立つ活躍馬を送り出すことができなかったが、2000年に生まれた7番仔ヤマカツリリーが2003年のフィリーズレビューを優勝するなどの活躍を見せた。また2017年には初仔リンデンジョオーの孫にあたるコマノインパルスが京成杯を[6][7]、2022年には同じくリンデンジョオーの子孫であるメイドイットマムが東京2歳優駿牝馬を制している。
2008年5月5日、繋養先である北海道勇払郡厚真町の阿部栄乃進牧場で死亡した[2]。
産駒一覧
生年 | 馬名 | 性 | 毛色 | 父 | 馬主 | 管理調教師 | 戦績 | 主な勝利競走 | 供用 | 出典 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
初仔 | 1993年 | リンデンジョオー | 牝 | 鹿毛 | リアルシャダイ | 林田秋利 | 栗東・野元昭 | 12戦0勝 | (繁殖牝馬) | [8] | |
2番仔 | 1994年 | リンデンシラユリ | ダンシングブレーヴ | 6戦1勝 | (繁殖牝馬) | [9] | |||||
3番仔 | 1995年 | リンデンルレーブ | 栗毛 | ノーザンテースト | 林田博士 | 12戦2勝 | (繁殖牝馬) | [10] | |||
4番仔 | 1996年 | リンデンユタカオー | 牡 | サクラユタカオー | 林田博士 →廣松一義 | 栗東・野元昭 →荒尾・吉永晃 →高崎・渡邉和泰 →荒尾・矢ケ部徹 →大井・荒井隆 | 21戦9勝(うち地方19戦9勝) | [11] | |||
5番仔 | 1997年 | リンデンパッション | サンデーサイレンス | 林田博士 | 栗東・野元昭 | (不出走) | (種牡馬) | [12] | |||
6番仔 | 1999年 | リンデンブーケ | 牝 | フォーティナイナー | 佐賀・手島豊 | (不出走) | (繁殖牝馬) | [13] | |||
7番仔 | 2000年 | ヤマカツリリー | ティンバーカントリー | 山田博康 | 栗東・松元茂樹 | 13戦2勝 | 2003年フィリーズレビュー | (繁殖牝馬) | [14] | ||
8番仔 | 2003年 | ハナイチリン | ボストンハーバー | ジョイ・レースホース(株) →セゾンレースホース(株) | 栗東・(飯田雄三) →美浦・松山将樹 | 17戦4勝 | (繁殖牝馬) | [15] | |||
9番仔 | 2004年 | コンジキノシシオウ | 牡 | カリズマティック | ジョイ・レースホース(株) | 美浦・国枝栄 | 3戦0勝 | [16] | |||
10番仔 | 2006年 | メジャーステージ | 鹿毛 | ダンスインザダーク | 阿部榮乃進 →保利照美 | 栗東・崎山博樹 →北海道・松本隆宏 →園田・保利幸作 | 42戦1勝(うち地方38戦1勝) | [17] | |||
11番仔 | 2007年 | ファイナルリリー | 牝 | 黒鹿毛 | ロージズインメイ | 阿部榮乃進 | 美浦・石毛善彦 →北海道・松本隆宏 | 2戦0勝(地方出走歴なし) | (繁殖牝馬) | [18] |
血統表
リンデンリリーの(血統) | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ミルリーフ系 | [§ 2] | ||
父 *ミルジョージ Mill George 1975 鹿毛 | 父の父 Mill Reef1968 鹿毛 | Never Bend | Nasrullah | |
Lalun | ||||
Milan Mill | Princequillo | |||
Virginia Water | ||||
父の母 Miss Charisma1967 鹿毛 | Ragusa | Ribot | ||
Fantan | ||||
*マタティナ | Grey Sovereign | |||
Zanzara | ||||
母 ラドンナリリー 1979 栗毛 | キタノカチドキ 1971 鹿毛 | *テスコボーイ | Princely Gift | |
Suncourt | ||||
ライトフレーム | *ライジングフレーム | |||
グリンライト | ||||
母の母 ヤマニガーサント1964 栗毛 | *ガーサント | Bubbles | ||
Montagnana | ||||
イチクニヒメ | イツセイ | |||
クニハタ | ||||
母系(F-No.) | シユリリー(AUS)系(FN:7-d) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Nasrullah 4×5×5=12.50% | [§ 4] | ||
出典 |
脚注
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “リンデンリリー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年11月27日閲覧。
- ^ a b “91年エ女王杯馬リンデンリリー死んでいた…”. スポニチアネックス - ギャンブル. スポーツニッポン (2008年5月14日). 2019年11月27日閲覧。
- ^ “ラドンナリリー”. JBISサーチ(JBIS-Search). 2015年4月4日閲覧。
- ^ “リンデンリリーの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年11月27日閲覧。
- ^ “リンデンリリー 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年11月27日閲覧。
- ^ “コマノインパルス”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年11月27日閲覧。
- ^ “【2歳新馬】東京5R コマノインパルスがイン伸びV”. サンスポZBAT!競馬. サンケイスポーツ (2016年10月22日). 2019年11月27日閲覧。
- ^ “リンデンジョオー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年11月27日閲覧。
- ^ “リンデンシラユリ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年11月27日閲覧。
- ^ “リンデンルレーブ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年11月27日閲覧。
- ^ “リンデンユタカオー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年11月27日閲覧。
- ^ “リンデンパッション”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年11月27日閲覧。
- ^ “リンデンブーケ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年11月27日閲覧。
- ^ “ヤマカツリリー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年11月27日閲覧。
- ^ “ハナイチリン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年11月21日閲覧。
- ^ “コンジキノシシオウ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年11月27日閲覧。
- ^ “メジャーステージ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年11月27日閲覧。
- ^ “ファイナルリリー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年11月27日閲覧。
- ^ a b c “リンデンリリー 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年11月27日閲覧。
- ^ a b “リンデンリリーの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年11月27日閲覧。
参考文献
外部リンク
- 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビJBISサーチ
- リンデンリリー - 競走馬のふるさと案内所