数学において、フィボナッチ数列の逆数和(フィボナッチすうれつのぎゃくすうわ、英: reciprocal Fibonacci constant)、またはψは、フィボナッチ数列の逆数の総和として定義される数学定数である。
この和の連続した項の比は、黄金比の逆数に近づく。従って、ダランベールの収束判定法により、この和は収束する。
ψの値は、おおよそで以下のようになると知られている[1]。
(ビル・ゴスパー)は、この値の高速な数値近似のためのアルゴリズムを得た。フィボナッチ数列の逆数和自身はk個の項に対しO(k)桁の精度であるが、ゴスパーのSeries accelerationではk個の項に対しO(k 2)桁の精度である[2]。
ψは無理数であると知られている。これはポール・エルデシュ、ロナルド・グラハム、Leonard Carlitzなどにより予想され、1989年、(Richard André-Jeannin)によって証明された[3]。 フィボナッチ数列の逆数和が超越数(代数的数でない数)であるかは、分かっていない。
連分数展開(数列表記)は、
のようになる[4]。
脚注
- ^ オンライン整数列大辞典の数列 (A079586)
- ^ (Gosper, William R.) (1974), Acceleration of Series, Artificial Intelligence Memo #304, Artificial Intelligence Laboratory, Massachusetts Institute of Technology, p. 66
- ^ André-Jeannin, Richard (1989), “Irrationalité de la somme des inverses de certaines suites récurrentes”, (C. R. Acad. Sci. Paris) Sér. I Math. 308 (19): 539–541, MR0999451
- ^ オンライン整数列大辞典の数列 (A079587)
関連項目
- フィボナッチ数列
- (逆数の和の一覧)
外部リンク
- Weisstein, Eric W. "Reciprocal Fibonacci Constant". MathWorld (英語).