- バハマ国
- Commonwealth of The Bahamas
- 国の標語:Forward, Upward, Onward, Together
(英語: 前へ、上へ、先へ、共に) - 国歌:March On, Bahamaland(英語)
進め、バハマよ
国名
正式名称は Commonwealth of The Bahamas (英語: コムンウェルス・オブ・ザ・バハーマズ)、通称は The Bahamas [bəˈhɑːməz] ( (音声ファイル))。
日本語の表記はバハマ国、通称はバハマ。
バハマは、スペイン語の Baja mar (バハマール。水位の下がった海、引き潮)から転じたという説が有力。また、英語の Commonwealth は多義語であるが、バハマの国名の場合は、「イギリス連邦を構成する国」という意味合いで使われており、共和国や連邦といった意味はもたない。
歴史
先住民のアラワク族が定住していた土地に、1492年10月12日、イタリア人クリストファー・コロンブスが到達。 上陸した島がサン・サルバドル島((サマナ島)と言う島だと言う説もある)と名づけられた。これがコロンブスによる新大陸の発見となる。
コロンブスの開いたスペインからバハマのルートを通って、多くのヨーロッパ人がやって来ると、島に居た先住民のインディオは強制労働やヨーロッパ人が持ち込んだ疫病などで死に絶えてしまった。16世紀には絶滅してしまったインディオの代わりにアフリカから初めて、奴隷として多くの黒人がバハマ諸島に連れて来られた。
- 1647年にイギリスが植民地化を開始する。
- 1718年にイギリスは、「黒髭」と呼ばれたエドワード・ティーチ (Edward Teach) をはじめとする海賊たちの拠点だったバハマに対し、ウッズ・ロジャーズ (Woodes Rogers) を初代総督(Royal Governor of the Bahamas) に任じ掃討を命じた。
- 1776年に、アメリカ独立戦争から逃れようとしたイギリス王党派が、多くの黒人奴隷を引き連れて移り住む。
- 1782年から83年にかけて、スペインに占領される。しかし、領有権を取り戻したイギリスは、その年に奴隷を解放。
- 1783年、ヴェルサイユ条約において正式にイギリス領と認められる。
- 1920年から1933年までは、アメリカで禁酒法が制定され、これにより、バハマは酒などの密輸の一大中心地となった。
- 1940年から1945年まで、ウィンザー公(元イギリス国王エドワード8世)がバハマ総督を務める。
- 1945年以後、反植民地運動が起こった。
- 1964年1月7日、自治権獲得。
- 1969年、"Commonwealth of the Bahama Islands" に改称。
- 1973年7月10日、独立。国名を "Commonwealth of The Bahamas" とする。英連邦王国の一国として独立した。
- 1976年に商船用に便宜置籍国の国旗を設置。
- 1983年、バハマ政府が関与した麻薬密輸のスキャンダルが発覚。
- 1981-1986年、バンク・ロイのバハマ支店をドレクセル・バーナム・ランバートのデニス・レヴィーンがインサイダー取引に利用。
- 1987年、総選挙でも麻薬密売に関するスキャンダルを乗り越え与党が大勝した。
- 1992年、英領時代から25年以上続いた進歩自由党の(リンデン・ピンドリング)政権が(自由国民運動)のヒューバート・イングラハム政権に交代。以降は両党による政権交代を繰り返している。
政治
内政
イギリスの国王を君主とし、総督をその代理人とする、立憲君主制。
議会は、両院制(二院制)。民選議員で構成される下院(38議席)と、首相と野党党首の推薦により総督が任命する議員で構成される上院(16議席)から成る。両院とも任期は5年[4]。2021年9月の総選挙による下院の議席配分は、進歩自由党 (PLP) が32議席、自由国民運動 (FNM) が7議席で、与野党が逆転した。
首相は、与党の党首が総督によって任命される、議院内閣制である。
国際関係
日本との外交
軍事
王立バハマ国防軍(Royal Bahamas Defence Force:RBDF)がある。軍は海軍(実質的には沿岸警備隊)のみで編成されており、2007年現在現役兵約860人が所属し、志願制を採用している[5]。経済水域の警備や捜索救難の他に、麻薬密輸対策やキューバ難民の監視も重要な任務となっている。
また、ガイアナ沿岸警備隊がニュープロビデンス島内に基地を設けている。
地方行政区分
33の県 (district) に分かれる。
地理
バハマ諸島は約700の島々と2,400の岩礁からなるほぼサンゴ礁の群島である。うち、30の島々に人が住む。ニュー・プロビデンス島にはバハマの首都ナッソーがある。また、水面積率が世界一位。
バハマ諸島の主な島々
経済
観光業とタックス・ヘイヴンなどの金融業が経済の中心である。首都・ナッソーを始めカジノに興ずる観光客も多い。旧イギリス領であることから、日本と同様に車は左側通行であるが、地理的にアメリカ合衆国からの輸入車が多く、左ハンドル車が多く見かけられる。
バハマ文書
2016年9月にはバハマ文書(実態のない会社を設立・運用した租税回避行為に関する文書)の公開によって、バハマにペーパーカンパニーを設立していた企業や個人名が公開され、注目を集めた。
国民
人種構成は、アフリカ系黒人が 85%、白人が 12%、アジアやラテンアメリカ系人が 3%。
宗教は、バプティスト 32%、英国国教会 20%、ローマ・カトリック教会 19%、メソジスト 6%、チャーチ・オブ・ゴッド 6%、他のプロテスタント 12%、その他が2%、無宗教または不明が3%。
文化
食文化
音楽
- ソカ(トリニダード・トバゴ発祥)
- カリプソ(トリニダード・トバゴ発祥)
- (ジャンカヌー)
- (ロニー・バトラー)
- (レークン・スクラップ)
- バハ・メン - (Who Let the Dogs Out?)がグラミー賞を受賞。
- グームベイ - (ブレーク・アルフォンソ・ヒッグス)などの奏者が有名。
祝祭日
日付 | 日本語表記 | 現地語表記 | 備考 |
---|---|---|---|
1月1日 | 元日 | New Year's Day | |
移動祝祭日 | 聖金曜日 | Good Friday | |
移動祝祭日 | 復活祭 | Easter Sunday | |
移動祝祭日 | イースターマンデー | Easter Monday | |
移動祝祭日 | 聖霊降臨祭 | Whit Sunday | |
6月第1金曜日 | 労働者の日 | Labour Day | |
7月10日 | 独立記念日 | Independence Day | |
8月第1月曜日 | 解放記念日 | Emancipation Day | |
10月12日 | バハマ発見記念日 | Discovery Day | |
12月25日 | クリスマス | Christmas Day | |
12月26日 | ボクシング・デー | Boxing Day |
スポーツ
サッカー
(バハマサッカー連盟)によって構成されるサッカーバハマ代表は、FIFAワールドカップおよびCONCACAFゴールドカップ、さらにはカリビアンカップへの出場経験は1度もない。しかしCONCACAFネーションズリーグでは、2019-20シーズンにリーグCを3勝1分けとなり、(2022–23シーズン)ではリーグBに昇格している。
バスケットボール
バスケットボールバハマ代表は、オリンピックおよびFIBAバスケットボール・ワールドカップへの出場歴は2022年現在まで1度もなく、FIBAアメリカップには1995年に1回出場したのみである。しかし、(FIBAカリブ海選手権)では歴代最多となる優勝7度を記録している。バハマからは計6人のNBAプレイヤーを輩出している。
野球
大洋ホエールズでもプレーしたアンディ・ロジャースを皮切りに8人のメジャーリーガーを輩出している。現役ではジャズ・チザムとルーシャス・フォックスがプレーしている。
脚注
参考文献
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関連項目
外部リンク
- 政府
- バハマ国政府 ログイン (英語)
- 日本政府
- 日本外務省 - バハマ (日本語)
- 在ジャマイカ日本国大使館 - 在バハマ大使館を兼轄 (日本語)
- 観光
- バハマ観光省 (英語)
- バハマ政府観光局 (英語)