ハードル(hurdle)は、陸上競技の障害走において使用される道具。
競技用のハードルは、10kg以上の重さがあり、3.6kg以上の力で押されると倒れる仕組みになっている。ハードルの幅は1,180 - 1,200mm、基底の長さは700mm以下で、基底には位置の調節が可能なおもりがついている。バーは高さ70mm、厚さ10 - 25mm[1]。
教育用のハードルは、高さの変更が可能なものや、バーが柔軟な素材でできているものもある[2]。
ハードル走
ハードルはハードル競走の際、 競技レーンに一定の間隔をおいて設置される。選手は競技の際にこれらのハードルを跳躍しながらゴールを目指すこととなる。競技規則第168条(7),(8)により、故意にハードルを倒したと審判長が判断した場合は失格になるが、跳躍の流れの中でハードルが倒れた場合は失格にならず、記録も認められる[1]。ただしハードルに当たりながら進んだ場合は反動で走行スピードが低下するため、選手は極力ハードルを倒さずに走っている。
使用される種目と高さ
- 100メートルハードル[1]
- 女子 一般/U20 - 838mm
- 女子 中学校 - 762mm
- 110メートルハードル[1]
- 男子 一般 - 1,067mm
- 男子 U20 - 991mm
- 男子 U18/中学校 - 914mm
- 400メートルハードル[1]
- 男子 一般/U20 - 914mm
- 男子 U18 - 838mm
- 女子 一般/U20/U18 - 762mm
このように、ハードルの高さは、元来イギリスの単位であるインチ、フィート、ヤードに基づいて作られているため、現在使われているメートル法において半端な数字となる[3]。なお、これは、ハードルの高さにおいてだけでなく、ハードル競走の長さ(110mHのインターバル、110mHのスタート~1台目)、テニスのネットの高さなどにおいても同様である。
- 762mm → 2.50フィート
- 838mm →2.75フィート
- 914mm →3.00フィート
- 991mm →3.25フィート
- 1,067mm →3.50フィート(3フィート6インチ)
日常的な用法
日常会話においては、「集客の難しさがハードルとなっている。」など、物事の達成の障害となる要素の意で用いられる。
また、競技において高さが異なるハードルがあることから、「この機械は初心者にはハードルが高い。」など、ハードルの高さを物事の達成の難易度に比喩する[4]。
また、物事の許容水準あるいは評価水準を高くすることを「ハードルを上げる」などと表現することもある[5]。英語でも同様に"raise the hurdles"という表現が用いられることがある[6]。
脚注
- ^ a b c d e “” (PDF). 日本陸上競技連盟. 2021年2月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月14日閲覧。
- ^ “”. 教育zine. 明治図書. 2020年9月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月14日閲覧。
- ^ “”. 日本陸上競技連盟. 2021年4月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月14日閲覧。
- ^ ”]. 朝日新聞. (2021年5月11日). オリジナルの2021年5月14日時点におけるアーカイブ。
- ^ . 朝日新聞. (2020年9月11日). オリジナルの2020年9月11日時点におけるアーカイブ。
- ^ . The Wall Street Journal. (2021年3月4日). オリジナルの2021年3月4日時点におけるアーカイブ。