トラップ(Trap)とは、ハードコア・ヒップホップから派生したヒップホップの1つ、もしくはそのビートにイギリス発祥のダブステップの要素を取り込んだダンスミュージック(ベースミュージック)のジャンルの1つ。近年、アメリカ合衆国を中心に、その人気を急速に拡大している。
Trap | |
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様式的起源 | サザン・ヒップホップ, ハードコアヒップホップ, クランク |
文化的起源 | 1990年代、アメリカ合衆国にて。 |
使用楽器 | FL Studio – シンセサイザー – ドラムマシン – キーボード – サンプラー |
関連項目 | |
(フットワーク)( Footwork) |
概要
2000年代にサザン・ヒップホップやクランクから派生して生まれた、比較的新しいジャンル。重低音を強調したビートに、トラップ特有のハイハットの連続音や、派手な電子音を加える中毒性の高いスタイルが一般的。トラップとは、「コカイン密売所」を表すスラングで、アトランタが、このジャンルの発祥地とされている[1]。先駆者とされるアーティストは、2003年以降に活躍したT.I.やヤング・ジージーだが[2]、2010年代になっても2チェインズやリック・ロス、ワカ・フロッカ・フレイム等のヒットにより、非常に高い人気が続いている。特に2 Chainzの2012年発表のアルバム『Based on a T.R.U. Story』は、全米で50万枚以上を売り上げ、ゴールドディスクを獲得した。近年はシンセサイザーを用いたテクノ色の強いサウンドや、ダブ・ステップ寄りのサウンドまで登場しており[3]、独創的で退廃的な世界観で人気を博しているオルタナティブ・ヒップホップ勢と比べ、流行を意識したメインストリーム寄りのサウンドが多い。代表的なプロデューサーとして、ワカ・フロッカ・フレイムやグッチ・メインの楽曲を多く手掛けたレックス・ルガー等がいる[3]。また、ダブステップを取り込んだベース音を強調した(トラップステップ)、さらにそこにメロディアスな旋律やおしゃれな雰囲気を追加した(フューチャーベース)などのサブジャンルがダンスミュージックとして、EDMフェスなどでも人気のジャンルとなっている。こちらの代表的なプロデューサーとして、(DJ Snake)、Major Lazor、Diplo、G.T.A.、Griz等がいる。
代表的なアーティスト
1990年代
- スリー・6・マフィア
- UGK
- (グッディモブ)
- (ゲットーマフィア)
- (ダンジョンファミリー)
- (クールブリーズ)
- アウトキャスト
2000年代
2010年代
- 2チェインズ
- チーフ・キーフ
- (フレド・サンタナ)
- リック・ロス
- ドレイク
- ワカ・フロッカ・フレイム
- ミーゴス
- フューチャー
- トラヴィス・スコット
- (OGマコ)
- ヤング・サグ
代表的なプロデューサー
- レックス・ルガー
- サウスサイド
- (ゼイトーヴェン)
- ドラマ・ボーイ
- メトロ・ブーミン
- (TM88)
- (ヴァイナルス)
- (ボーイ・ワンダ)
- (ロンドン・オン・ダ・トラック)
- (ヤング・チョップ)
- (ヒット・ボーイ)
- マイク・ウィル・メイド・イット
トラップに分類される主な楽曲
- "B.M.F. (Blowin' Money Fast)" (2010) - リック・ロス
- "Hard in da Paint" (2010) - ワカ・フロッカ・フレイム
- "Ni**as In Paris" (2012) - ジェイZ & カニエ・ウエスト
- "I Don't Like" (2012) - チーフ・キーフ
- "Versace" (2013) - ミーゴス
- "Ocho Sinco" (2013) - フレンチ・モンタナ
- "Trap Queen" (2014) - (フェティ・ワップ)
- "Tuesday" (2014) - アイラヴマコーネン
- "F*ck Up Some Commas" (2014) - フューチャー
- "Antidote" (2015) - トラヴィス・スコット
- "Jumpman" (2015) - ドレイク & フューチャー