「テーマソング」(Theme Song)は、ポルノグラフィティの楽曲。2021年9月22日[注釈 1]にSME Recordsより51作目のシングルとしてリリースされた。
概要
2021年8月2日に発表された『ポルノグラフィティ 2021 "新始動"』[3]のファンファーレとなるニューシングルであり、前作『VS』から過去最長となる784日(2年2か月)のインターバルを経てのリリース[注釈 2][3]。
ジャケット写真には暗闇の中から前に向かって歩き出しているメンバーのシルエットが用いられており、混沌とした現在から光るある未来へ進んでいくという意志を感じさせるビジュアルとなっている[4]。
本作のリリースを記念して、ポルノグラフィティ Official YouTube Channelでは「アポロ」から「VS」までの全シングル表題曲[注釈 3]のMV(フルサイズ)が9月4日より公開された[5]。また、同年9月21日から27日にかけて『CYBERロマンスポルノ’20 〜REUNION〜』のパネル展が(タワーレコード)8店舗[注釈 4]で開催された[6]。
2021年10月4日付オリコン週間シングルチャートで初登場2位を記録。同チャートTOP3入りは2013年の『瞬く星の下で』以来、2位獲得は2010年の『』以来となった。
リリース形態
初回生産限定盤(CD+BD/CD+DVD)、通常盤の3形態でのリリース[3]。
初回生産限定盤付属BD/DVDには、2020年12月4日にLINE CUBE SHIBUYAで開催した配信ライヴ『CYBERロマンスポルノ'20 〜REUNION〜』のライヴ映像が全曲収録されている[3]。
また、初回生産限定盤および初回プレス盤の共通特典として、2021年9月から12月にかけて開催された『17thライヴサーキット "続・ポルノグラフィティ"』でのスペシャルセッション視聴シリアルコードが封入されており、同ツアーの大阪公演2日目・名古屋公演2日目・東京公演2日目のライヴ終了後、各会場より配信されるスペシャルセッションを視聴することができた[注釈 5]。
収録曲
CD
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|---|
1. | 「テーマソング」 | 新藤晴一 | 岡野昭仁 | 立崎優介, 田中ユウスケ, PORNOGRAFFITTI[注釈 6] | |
2. | 「REUNION」 | 新藤晴一, 岡野昭仁 | 岡野昭仁 | tasuku, PORNOGRAFFITTI | |
3. | 「IT'S A NEW ERA」 | 新藤晴一 | 新藤晴一 | 宗本康兵, PORNOGRAFFITTI | |
合計時間: |
BD/DVD
楽曲解説
- テーマソング
- 「混沌とした時代の中でプラスもマイナスも受け止めて生きていこう」という力強いメッセージが込められた疾走感ある応援歌[8][9]。
- 作曲を手掛けた岡野は1年ほど前から「みんなでユニゾンで歌える曲[注釈 7]」を作りたいと思っていたといい、本楽曲は「そのイメージをようやく形にすることができた曲」としている[11][12]。また、ライヴでは声が出せないという状況であるが、「コロナ禍が明けたときにこの曲をみんなで歌い合えるんだと思えば、未来への希望になるのではないか」という思いを持ちながら制作したという[12][10]。
- 曲はサビのパートが2種類あるような構成となっており[12][10]、この点については『DISPATCHERS』における他アーティストのカバーや(「歌を抱えて、歩いていく」プロジェクト)における様々なクリエイターとのコラボレーションに影響を受けているとし、「今までの自分は自分で作った型にはまった曲作りをしていた」とそれらの活動を通じて気付かされたという[10]。また、今回はアレンジャーの立崎優介と田中ユウスケがいろいろなアイデアを出してくれたことも大きかったといい、「ホントに固定観念を崩した曲作りができたと思います。」とコメントしている[10]。
- 新藤はコロナ禍という時世において「今、エンタメに求められているものは何か?」と考え、「明るいとは言えないこの世の中を、曲を聴いている数分間だけでも忘れられるものがいいな」というビジョンを持って本作の制作に取り組んだと語っており[13]、本楽曲では「みんなの背中をてらいなく押そう」「今の状況でのエンタメってそういうもんやん?」という気持ちで、岡野の書いた曲に対して素直に言葉を乗せていったという[10][13]。また、新藤は自身のnoteに次のように綴っている[14]。自分が理屈っぽい人間だということは自覚している。
なので「明日は必ずいい日だ」「諦めなけれてば夢は叶う」的な歌詞とかに抵抗感がある。
何を根拠に?と思ってしまう。
だから応援歌を作るのは苦手なのだけれど、今回の「テーマソング」でいうと、こういう時代だから、根拠とかそういうことではなくて、フレフレー、そういう曲をやる意味が今のポルノにはある、という自分の中の理屈があって書いてみた。理屈として、こういう曲、メッセージが必要だと考えた。—新藤晴一、理屈っぽい自分が好きだったり嫌いだったり(2021年9月28日)、[15]。 - 9月8日にはデビュー22周年を迎えると同時に本楽曲の先行配信が開始された[16]。また、同日には本楽曲のレコーディング風景やビジュアル撮影のドキュメント映像を使用した「『テーマソング』 document movie」が公開された[注釈 8][16]。
- 『THE FIRST TAKE』第151回(2021年9月15日公開)では本楽曲を披露し[17][18]、このパフォーマンスを音源化した「テーマソング - From THE FIRST TAKE」が同年11月16日より配信リリースされた[19]。また、リリースから約2か月後の11月17日に出演した『日テレ系音楽の祭典ベストアーティスト2021』でテレビ初披露された[注釈 9][20]。
- 『17thライヴサーキット "続・ポルノグラフィティ"』ではライヴ本編のラストナンバーとして披露された[21]。2021年12月22日に東京ガーデンシアターで行われたツアーファイナルの終演直後には、冒頭に前日に行われた東京ガーデンシアター公演の映像を用いた本楽曲のMVが公開された[注釈 10][24]。
- REUNION
- 『CYBERロマンスポルノ'20 〜REUNION〜』で初披露された楽曲[25]。
- 岡野と新藤による共同作詞は「稲妻サンダー99」「俺たちのセレブレーション」に続き3曲目。岡野はサビでリフレインする英語詞を担当し、その他の歌詞は全て新藤によるものとなっている[12]。
- 音源化にあたり、同ライヴで披露した際に感じたものを込め、更にメロディや歌詞を再構成し、2021年1月下旬に改めてスタジオレコーディングされた[9]。その点について、岡野は「昨年12月のライヴでやることを想定して、あのタイミングの空気感を封じ込めるようとして作りましたけど、そこからまた少し時間が経って、世の中の状況もまた変化しましたからね。この音源には当初とは少し違った色合いがあるような気がします。」と語っている[26]。
- また、岡野は「僕が最初に作ったメロディが制作の過程でどんどん変わっていった」と語っている[12]。元々のメロディに合わせてアレンジャーのtasukuが作ったトラックを聴く中で、違うメロディが浮かび上がったといい[12]、この経験が後の「暁」「バトロワ・ゲームズ」の制作へと繋がることになった。
- IT'S A NEW ERA
演奏参加
- Guest Musicians
-
- テーマソング
- REUNION
- IT'S A NEW ERA
収録作品
アルバム
- テーマソング
ライヴ映像作品
- テーマソング
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- REUNION
-
- CYBERロマンスポルノ'20 〜REUNION〜(本作収録)
- 17thライヴサーキット "続・ポルノグラフィティ" Live at TOKYO GARDEN THEATER 2021
- IT'S A NEW ERA
-
- 17thライヴサーキット "続・ポルノグラフィティ" Live at TOKYO GARDEN THEATER 2021
脚注
注釈
- ^ 表題曲のみ9月8日に先行配信[3]。
- ^ これまでの最長インターバルは406日(『オー!リバル』-『THE DAY』)。また、アルバムリリースを挟まない最長インターバルは273日(『今宵、月が見えずとも』-『この胸を、愛を射よ』)であった。
- ^ 「痛い立ち位置」を除く。
- ^ 渋谷店・新宿店・西武東戸塚店・京都店・梅田大阪マルビル店・梅田NU茶屋町店・神戸店・広島店の8店舗。
- ^ 大阪では「Sheep 〜song of teenage love soldier〜」、名古屋では「あなたがここにいたら」、東京では「ギフト」が演奏された[7]。
- ^ 本作から編曲のクレジット表記がPorno GraffittiからPORNOGRAFFITTIに変更された。旧表記は2人体制初作品となった15thシングル『シスター』から使用されていた。
- ^ 「アゲハ蝶」のようにラララで歌い合う曲はあるが、歌詞の乗ったフレーズをユニゾンする曲はこれまでなかったことから、そのような曲を作ってみたかったとのこと[10]。岡野は例としてBLACKPINKの「Lovesick Girls」を挙げている[10]。
- ^ 9月1日から9月7日にかけて、ショートバージョンが先行公開されていた[4]。
- ^ テレビ番組での歌唱は2019年7月27日出演の『COUNT DOWN TV』以来844日ぶり、生放送での歌唱に限ると2019年7月19日出演の『ミュージックステーション』以来852日ぶりとなった(ただし、番組内では850日ぶりのテレビ歌唱と紹介された)。
- ^ MVには山田愛奈が出演しており[22]、それぞれ違う環境で、マスクをしながら日々葛藤している人たちの生活が描かれている[23]。メンバーの歌唱・演奏シーンは渋谷スクランブルスクエアで撮影された。
出典
- ^ “オリコン週間 シングルランキング 2021年10月04日付”. ORICON NEWS (oricon ME)2021年9月29日閲覧。
- ^ “Billboard Japan Top Singles Sales 2021/09/29 公開”. Billboard JAPAN. 2021年9月29日閲覧。
- ^ a b c d e “ポルノグラフィティ新始動!9月22日(水)NEWシングルリリース!9月末より全国ツアー開催決定!! 2021年、新たな物語が始まる。 | 株式会社 アミューズ - AMUSE -”. www.amuse.co.jp. 2021年9月20日閲覧。
- ^ a b “ポルノグラフィティ、ニューシングル「テーマソング」ジャケット解禁 ドキュメントムービーも公開 | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス”. SPICE(スパイス)|エンタメ特化型情報メディア スパイス. 2022年4月19日閲覧。
- ^ “ポルノグラフィティ「アポロ」から22年、歴代シングル曲MVのフルサイズ公開決定(動画あり)”. 音楽ナタリー. 2022年4月19日閲覧。
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- ^ “ポルノグラフィティ 公式 (@pg_koushiki)”. Twitter (2021年12月10日). 2023年1月13日閲覧。
- ^ “ポルノグラフィティ2年2カ月ぶりシングルは「テーマソング」収録内容詳細発表”. 音楽ナタリー. 2021年9月20日閲覧。
- ^ a b c “ポルノグラフィティ、ニューシングル詳細発表 タイトルは“テーマソング””. Real Sound|リアルサウンド. 2021年9月20日閲覧。
- ^ a b c d e f g “ポルノグラフィティ「テーマソング」インタビュー|母船に帰還した岡野昭仁と新藤晴一、新時代に懸ける2人の思い (2/2) - 音楽ナタリー 特集・インタビュー”. 音楽ナタリー (2021年9月22日). 2023年1月13日閲覧。
- ^ “ポルノグラフィティ「暁」全曲解説インタビュー|岡野昭仁と新藤晴一が全15曲を徹底解説 - 音楽ナタリー 特集・インタビュー”. 音楽ナタリー (2022年8月10日). 2023年1月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g “ポルノグラフィティ新始動。コロナ禍が明けたとき、みんなで歌う希望の“テーマソング””. THE FIRST TIMES. 2021年9月21日閲覧。
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- ^ “ポルノグラフィティが『テーマソング』で見せた、応援歌を書くという挑戦”. EYESCREAM (2021年11月17日). 2021年11月17日閲覧。
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- ^ “ポルノグラフィティ「THE FIRST TAKE」に再び登場、新曲「テーマソング」パフォーマンス(コメントあり)”. 音楽ナタリー. 2021年9月20日閲覧。
- ^ “THE FIRST TAKEが2周年、ポルノ「サウダージ」など未配信35曲の配信が明日スタート(動画あり)”. 音楽ナタリー. 2021年11月16日閲覧。
- ^ “ポルノグラフィティ「テーマソング」テレビ初披露にあたりコメント【ベストアーティスト】”. dogatch.jp. 2021年11月17日閲覧。
- ^ a b “【ライブレポート】ポルノグラフィティ3年ぶり全国ツアーでレア曲に魂注入、未発表曲もパフォーマンス(写真9枚)”. 音楽ナタリー. 2022年4月19日閲覧。
- ^ “山田 愛奈/official(@yamadaina96)”. Twitter. 2022年4月19日閲覧。
- ^ a b “ポルノグラフィティ、全国ツアー「17thライヴサーキット“続・ポルノグラフィティ”」完走。ライヴと連動した“テーマソング”MV公開 - TOWER RECORDS ONLINE”. tower.jp. 2022年4月19日閲覧。
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- ^ “【ライブレポート】ポルノグラフィティ、初の配信ライブで1年3カ月ぶりにファンと再会「全盛期はこれからです」(写真8枚)”. 音楽ナタリー (2020年12月5日). 2022年7月23日閲覧。
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