鏨(たがね、chisel)とは、金属や岩石を加工するための工具の一種[1]。鋼鉄製で[1]、一般的につち(ハンマー)とともに用いる。たがね とひらがなで表記されることが多い。漢字では鏨と書く。
金属を加工する場合、削る作業つまりいわゆる「はつり」に用いたり、金属版を切断したり、凹凸をつけたり、やすりの刃を形成するためなどに用いる。岩石を加工する場合は、それを削ったり割ったりするために用いる。
なお英語ではchiselという用語で呼ぶが、chiselは日本語の「たがね」と「のみ(鑿)」を含んでおり、欧米の用語では一般に、金工用と木工用を区別をせず呼んでいる。これは、加工する対象は異なるものの、「たがね」というのは、「のみ」に類似したものだということでもある。
たがねの使い方としては、金属や岩石に刃をあてた状態にして、刃と反対側の箇所をハンマーでたたく。
たがねには次のような種類がある。
- 平たがね - 切断や平面的な「はつり」に用いる。
- 友たがね(烏帽子たがね とも) - 荒削りやみぞ切りに用いる。
- コーキングたがね - リベットのかしめや、かど・すみ・非対称部の加工に用いる。
金属用たがね
石の彫刻に用いられている、刃つきのたがね。筋をつける。
使用上の注意点
たがねは、のみほど刃先は鋭くはないが、指程度であれば容易に切断できる能力を持っている。 使用に際しては、万一滑った場合などでも怪我をしないよう、刃の行き先には手などを置かないなどといった安全上の工夫が必要である。