略歴
1989年、第4回日本国際音楽コンクールピアノ部門にて2位に入賞。なおこの時の舞台裏は中村紘子の「コンクールでお会いしましょう」によれば、タラソフはモスクワ音楽院の有力な学生ではなかったため、審査員がモスクワ音楽院の教授で占められていた選抜オーディションで年齢の幼さを理由のみにはねられてしまった。その結果に怒った父親が自費で息子を東京まで送り出して、4人の正規のソ連代表達を抑え見事2位に入賞した。これがモスクワ音楽院の教授達の反感を買い1990年のチャイコフスキーコンクールの本選には残れたが入賞どまりであった。
その後、正規にモスクワ音楽院の「主要な」学生となってレフ・ナウモフの元で研鑽を積み、優秀な成績で卒業。以後、国際主要コンクールの常連として世界中で有名になった。国際音楽コンクール世界連盟に登録したコンクールに、9回も本選へ出場した。運悪く飲酒に伴う人身事故で、2年ほど謹慎を余儀なくされた。謹慎後、再び質の高い演奏活動を展開して(モンテカルロマスターズ)では1970年代生まれの他国のピアニストを寄せ付けず完勝。
現在も、ソロ・リサイタルほかを繰り広げている。ディスコグラフィーには積極的ではなく、コンクール時の演奏が時折みられる程度である。
受賞歴
- 1988年 - 43rd Prazskeho Jara International Piano Competition - I Prize
- 1989年 - 日本国際音楽コンクールピアノ部門 - II Prize
- 1990年 - チャイコフスキー国際コンクール - 本選出場
- 1991年 - Alabama International Piano Competition - I Prize
- 1995年 - Arthur Rubinstein International Piano Master Competition - II Prize
- 1995年 - 40th Ferruccio Busoni Piano Competition - II Prize
- 1996年 - Concurso Internacional de Piano Premio Jaen - I Prize
- 1996年 - The Sydney International Piano Competition - I Prize
- 1997年 - 浜松国際ピアノコンクール - III Prize
- 1998年 - Porto International Piano Competition - I Prize
- 1998年 - チャイコフスキー国際コンクールピアノ部門 - IV Prize
- 2001年 - The 7th International Piano Competition Principat d'Andorra - I Prize
- 2003年 - Monte-Carlo Piano Masters Competition - 本選出場
- 2006年 - XXII International Competition Valsesia - Musica 2006 - I Prize
- 2006年 - 7th Concurso Internacional de Piano Compositores de Espana - I Prize
- 2009年 - Monte-Carlo Piano Masters Competition - I Prize
ディスコグラフィー
- Sergei Tarasov - Piano (CD, Album) Melodiya GCD 00006 1990
- The Young Tarasov (CD, Album) Art & Electronics AED-68018 1990[1]
- CDK Music CDK0050 2016
参考文献
- 中村紘子 -「コンクールでお会いしましょう」
脚注
- ^ “Sergei Tarasov”. www.discogs.com. discogs. 2020年2月3日閲覧。
外部リンク
- Sergei Tarasov