ジョン・クリアリー(Jon Cleary、1962年8月11日[1] - )は、米国ルイジアナ州ニューオーリンズを拠点に活動するシンガー兼ピアニスト。イギリス出身だが17歳のときに渡米。今では、ニューオーリンズを代表するピアニストの一人として知られている。プロフェッサー・ロングヘアらのニューオーリンズR&Bを影響を色濃く受けながらも、ファンク、ラテンなど幅広い音楽的要素を取り入れたサウンドが特長。ボニー・レイットのバンド・メンバーとしてツアーとレコーディングに参加したことでも知られている。
来歴
1962年、ロンドンの北部に生まれる。父親や伯父、祖母、祖父が歌手またはミュージシャンという音楽的な家系だった[1]。5歳でギターを手にし、15歳で初めてのバンドを結成する[2]。
1980年、17歳の時に渡米する。ニューオーリンズの著名なクラブ、メイプル・リーフ・バーでペンキ塗りの仕事をする傍ら、音楽活動をするようになった[1][2]。ニューオーリンズでピアノの魅力に取り憑かれたクリアリーは、本格的にピアノに取り組むようになった[2]。
ニューオーリンズでは、、スヌークス・イーグリン、アーニー・ケイドー、ジョン・ムーニーなどのミュージシャンたちとの共演を重ねた[1]。1992年には、ダーウィン"ビッグD"パーキンズ(ギター)、コーネル・ウィリアムズ(ベース)、ジェフリー"ジェリービーン"アレクサンダーをメンバーとした自身のバンド、アブソリュート・モンスター・ジェントルメンを結成。バンド名はの曲名から取られている。1994年には、ニューオーリンズのミュージシャンたちをバックにレコーディングされたソロ・デビュー・アルバム『Alligator Lips & Dirty Rice』をリリースした。
ビザの問題から出国を余儀なくされたクリアリーは、この後、一時的にイギリスに拠点を移したが[2]、1995年にはニューオーリンズに戻っている[1]。この頃、クリアリーはタジ・マハールのツアーに参加。続いて、ボニー・レイットからも声がかかり、彼女のバンドに迎え入れられた。ツアーに同行し、彼女の2002年のアルバム『Silver Lining』にも参加した。
1999年には、メジャー・レーベルのヴァージン/ポイントブランクよりセカンド・アルバム『Moonburn』をリリース。続いて地元ニューオーリンズのレーベル、ベイシン・ストリートより2枚のアルバムを発表するなど、順調に作品をリリースしていった。
2008年には自主制作による初のライブ・アルバム『Mo Hippa』をリリース。同年秋には、アブソリュート・モンスター・ジェントルメンとしての初となる日本ツアーのために来日し、横浜、東京、名古屋、大阪の4都市で公演を行った[3]。
また同年、ジョン・スコフィールドの新バンド、パイアティ・ストリート・バンドに参加。翌2009年、アルバム『Piety Street』がリリースとなった。このバンドはニューオーリンズのミュージシャンが中心となったもので、アルバムには他にジョージ・ポーターJr.、ジョン・ブッテらが参加している。2009年9月、クリアリーは同バンドとともに再来日を果たした[4]。
2012年、アラン・トゥーサンの楽曲を取り上げたアルバム『Occapella』をリリース。トゥーサン自身のレパートリーに加え、リー・ドーシー、アーロン・ネヴィルらが歌った楽曲をカバーしている。カーリー・ムーアの"Let's Get Low Down"ではドクター・ジョンとボニー・レイットが、リー・ドーシーの"Everything I Do Gonh Be Funky"では、がゲスト参加している。
翌2013年には5月、9月と相次いで来日公演を行った[5]。その後、音楽フェスティバル「LIVE MAGIC!」出演のため、2014年と2018年に来日しており、後者の公演はDVD化された[6][7]。
2016年、アルバム『Go Go Juice』で初のグラミー賞を受賞した(リージョナル・ルーツ・ミュージック・アルバム)[8]。
ディスコグラフィ
アルバム
- 1994年 Alligator Lips & Dirty Rice (Ace)
- 1999年 Moonburn (Virgin/Poinblank)
- 2002年 Jon Cleary & the Absolute Monster Gentlemen (Basin Street)
- 2004年 Pin Your Spin (Basin Street)
- 2007年 Do Not Disturb (FHQ) ※EP
- 2008年 Mo Hippa (FHQ)
- 2012年 Occapella (FHQ)
- 2015年 Go Go Juice (FHQ)
- 2017年 Live at Chickie Wah Wah (FHQ)
- 2018年 Dyna-Mite (FHQ)
- 2021年 So Swell (Newvelle)※LP
DVD
- 2020年 Jon Cleary Trio with Nigel Hall live in Tokyo, October 21st, 2018 (629 Records)
参考文献
- ^ a b c d e "Jon Cleary and the Absolute Monster Gentlemen" by Blue Mountain Artists
- ^ a b c d AllmusicのJon Clearyバイオ
- ^ Buffalo Records: ジョン・クレアリー待望のジャパンツアー決定!
- ^ John Scofield tour dates
- ^ Buffalo Records ジョン・クレアリー来日!
- ^ 2014.10.25 SAT Peter Barakan’s LIVE MAGIC!
- ^ Peter Barakan’s Live Magic! 2018 - Creative Man Productions
- ^ Grammys Past Winner Search
外部リンク
- Jon Cleary公式サイト (英語)
- Allmusicのバイオ (英語)
- ジョン・クリアリー - Discogs