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コククジラ

コククジラ(克鯨[7]学名: Eschrichtius robustus)は、哺乳綱偶蹄目(鯨偶蹄目とする説もあり)コククジラ科(またはナガスクジラ科)コククジラ属に分類される鯨類。コクジラ(小鯨、児鯨)ともいう[8]

コククジラ
保全状況評価[1][2][3]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 偶蹄目/鯨偶蹄目
Artiodactyla/Cetartiodactyla
: コククジラ科/ナガスクジラ科 Eschrichtiidae/Balaenopteridae
: コククジラ属
Eschrichtius Gray, 1864[4]
: コククジラ E. robustus
学名
Eschrichtius robustus
(Lilljeborg, 1861)[3]
シノニム

Balaenoptera robusta
Lilljeborg, 1861[4]

和名
コククジラ[5][6]
英名
Gray whale[3][5]

分布

アメリカ合衆国中華人民共和国日本メキシコロシア[3]。以前は北大西洋にも分布していた[3][5][6]

オホーツク海から中華人民共和国南部沿岸部にかけて分布する個体群と、チュコト半島からカリフォルニア湾にかけて分布する個体群に分かれる[5]

2010年にイスラエルおよびスペイン沖で発見された例がある[3]。同年にエルサルバドル沖で発見された例がある[3]。2013年にナミビア沖で発見された例がある[3]

形態

体長オス12.4メートル、メス13メートル[5]。体重12 - 25トン[5]。背鰭はない[5]。背から尾柄の背面にかけて、複数の隆起がある[5]。腹面に平行に入る細い溝(畝)はないが、下顎に2 - 4本の溝がある[6]。体色は灰黒色で、不規則に灰色の斑紋が入る[5]。皮膚の表面には、フジツボ類やクジラジラミ類が着床している個体が多い[6]

下顎よりも、上顎の方が長い[6]。髭は左右に140 - 180枚ずつ[5][6]

分類

コククジラの系統については長らく議論されてきた。上方へと湾曲した吻の形状からセミクジラ科と近縁であるとする意見も出される一方、祖先的な形態を留める事からケトテリウム科と近縁であるとする説もある[9]。しかしSINEを使用した遺伝子解析においては、ナガスクジラ内の3系統と挿入パターンの矛盾が見られる。これは、祖先多系[注 1]を保った状態のまま、急激に四つの系統に分化した事を示している[注 2][10]これらのことから、コククジラの分類は見直される可能性もある。2019年の分子系統解析では、コククジラは完全にナガスクジラ科に内包されることが明らかになった[11](詳細は(ナガスクジラ科#分子系統)を参照)。

生態

海底の泥や砂ごと口に含み、底棲生物を髭で濾しとって捕食する[6]

11月下旬から12月上旬に交尾を行う[6]。妊娠期間は13か月[5][6]。寿命は70年[5]

コククジラは外洋に出ることなく、沿岸部を南北に往復し、2万kmを回遊する。これは、現生哺乳類の年間の回遊距離としては、おそらく最長のものである。現在生存している北太平洋のコククジラは、アジア側の沿岸を回遊する西の系統と、北米側の沿岸を回遊する東の系統とに分かれる。西の系統は、夏はオホーツク海で過ごし、冬に中国広東地方の沖で繁殖する。春と秋の回遊時には、朝鮮近海から日本の太平洋沿岸を通過する。東の系統はカリフォルニア州メキシコの沿岸を繁殖場とする。

人間との関係

1975年のワシントン条約発効時から、ワシントン条約附属書Iに掲載されている[2]

個体数

かつては北半球全域に生息していた。沿岸性であり、クジラとしてはさほど巨大でなかったことから、古くから捕鯨の対象とされてきたが、特に近世になってからは乱獲により急速に個体数が減少させられた。北大西洋の個体群は18世紀ごろまでに絶滅し、北太平洋においても激減した。その後の捕鯨禁止が功を奏し、北太平洋のうち北アメリカ沿岸の個体群はかなり回復してきているが、他方、東アジア沿岸の個体群は一時は絶滅と判断されたほどで残存数わずか100[12]-150頭と危機的な状況にある。数値統計上、アジア系個体群は実質的に日本の捕鯨業によって壊滅した[注 3](中国沿岸のザトウクジラやアジア系のシロナガスクジラナガスクジラセミクジラなど数多くの種類に共通)。コククジラは沿岸棲で東アジア(日本を含む)の沿岸の開発の影響を受けるのだが、更に現在樺太島北部で行われているロシア油田開発(サハリン2)によって生存を脅かされている。また、現存するアジア系個体群の何割が元来のアジア系なのかも不明である。

北米個体群は一時期は二万頭前後まで回復したが、人間活動の影響による環境収容力の低下から餓死する個体が増え、その後減少したが現在では安定しつつあると思われる。遺伝子調査の結果、捕鯨以前は現在の10倍以上もの鯨が棲息していたと推測されている。

アジア系個体群の動向

朝鮮半島で日本の捕鯨業者によって捕獲された個体を測定した結果、胸ビレやヒゲ板、頭部のプロポーション等に北米系とは異なる特徴が見られたとされる。アジア系の個体数は、捕鯨以前の規模ですら北米系統よりは遥かに少なかったとする説が存在する。

かつては東アジア圏沿岸のほぼ全土が生息域であった。済州島黄海(大連市沖の海洋島等)、中国南部(福建省香港大亜湾など)・マカオ海南島および雷州半島に繁殖海域が存在したと思われる。琉球諸島台湾に越冬海域が存在したかは未確認であり、トンキン湾バブヤン諸島などのフィリピン国内等、既知の分布外の地域に到達した可能性もある。過去、アジア系に現在のバンクーバー島のような定住群が存在したか否かに関しても不明である。

捕鯨以前は日本列島の沿岸にも数多く、北海道ではセミクジラやツチクジラなどと同様に一種の風物詩とされるほどよく見られ、とくに採餌海域が到達していた可能性がある北海道北西部(礼文島利尻島宗谷岬天塩町石狩湾積丹半島など)[13]や九州北部(対馬海峡山口県沖の玄界灘若狭湾周辺の地域(伊根湾丹後半島)など)、土佐湾などは捕獲上の統計的に見ても数が多かったとされる[14]知床半島周辺(標津町野付半島など)と根室海峡周辺(根室半島の落石など)、陸奥湾伊豆半島周辺[15]三浦半島小田原など)、丹後半島周防灘鳥取砂丘沿い、大村湾有明海などにも本種にとっては理想的とも言える自然環境が整っている。かつて、日本列島の日本海沿岸は本種の分布には当てはまらないとされてきたが、混獲等の記録が存在する事から覆された[16]大村秀雄瀬戸内海が本種の繁殖海域であったとする説を発表したが[17]、それを証明する資料は捕獲記録以外は存在しない。これまで日本では、大隅半島以南および南西諸島など東シナ海での確認は考古学的検証や記録からも発見された事はなかった[18]日向灘沿岸で白骨化個体の発見が一例ある[19])。近年、未確認の目撃例がトカラ列島および宮古島であったが、過去、このような記録が一切存在しなかった理由は謎である。

近年の確認

現在生存する130頭前後のニシコククジラの何割が、純粋なアジア系の生き残りか北米個体群由来なのかは不明である。韓国および中国では、国家指定の保護動物に指定されてきたが、少なくとも韓国での近年の同種の確認はない。中国国内の場合、2007年に、台湾海峡平潭県での混獲記録が存在する。

日本はおろか、現代のアジアでは同種の確認は他の多くの大型種同様、非常に稀である。日本では近年になるまで保護対象となることもなく、積極的な保護対策は取られずにきた。結果、2000年代に東京湾に迷入した個体や親子を含む雌4頭が定置網で混獲され犠牲になった。90年代には 北海道寿都郡で密猟されたと思われる死体が発見された[20]。市場から同種の肉が発見された事もある。

絶滅していたと思われていたが、アジア系では初の水中撮影が1993年に伊豆大島で行われた(およびロシア国内外での、一度の出現数では最多の3頭)[21]。この時の撮影を行ったのは、(望月昭伸)(初のセミクジラの水中撮影も小笠原で成功した)や中村宏治、小笠原ホエールウォッチング協会会長を務めた森恭一らである[22]。この時の撮影は、同種の採餌行動を鮮明に捉えたものでも世界初であった。伊勢湾三河湾では80年代より3度生存個体が確認されており、数ヶ月にわたる定着行動も見られた(同地域は国内での商業捕鯨業の発祥地でもある)。また、2010年に伊良湖岬近くの田原市赤羽根町沖で確認された若年個体が2012年に湾内に定着していた事も証明され[23]、アジア圏では初の定期的な回遊の記録となった。2009年に尾鷲沖で観察された幼鯨も同一の可能性がある[24]

日本海では、2014年に新潟県長岡市の沿岸で確認され[25]、捕鯨時代以降、生存個体では日本初の記録である。

ホエールウォッチングも参照。

その他

大西洋では絶滅したとされている。2000年代に東太平洋個体群から50頭を空輸して再導入する計画が持ち上がったが、2014年1月現在の時点で実行される予定はない。

飼育

コククジラにおいても、ミンククジラと同様、ヒゲクジラの種類では珍しく、過去にアメリカの水族館で個体が飼育されていたことがあった。

画像

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 一つの種内で異なるサイン配列を持ったグループが存在する事。この状態は長続きせず、いずれ一つの配列パターンに落ち着く。
  2. ^ こうした現象は真獣類の三大系統北方真獣類アフリカ獣上目異節上目の間にも見られる。
  3. ^ 朝鮮半島大亜湾など様々な地区に日本の捕鯨基地を林立

出典

  1. ^ I, II and III (valid from 28 August 2020)<https://cites.org/eng> (downroad 12/10/2020)
  2. ^ a b UNEP (2020). Eschrichtius robustus. The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: www.speciesplus.net. (downroad 12/10/2020)
  3. ^ a b c d e f g h Cooke, J.G. 2018. Eschrichtius robustus. The IUCN Red List of Threatened Species 2018: e.T8097A50353881. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2018-2.RLTS.T8097A50353881.en. Downloaded on 10 December 2020.
  4. ^ a b Games G. Mead & Robert L. Brownell Jr., “Order Cetacea,” In: Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (eds.), Mammal Species of the World (3rd ed.), Volume 1, Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 723-744.
  5. ^ a b c d e f g h i j k l 粕谷俊雄 「コククジラ」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2000年、146 - 147頁。
  6. ^ a b c d e f g h i 大隅清治 「片道6000キロの長い旅 コククジラ」『動物たちの地球 哺乳類II 4 クジラ・ジュゴンほか』第9巻 52号、朝日新聞社、1992年、104 - 106頁。
  7. ^ 松村明; 三省堂編修所 編「こくくじら(克鯨)」『大辞林 4.0三省堂、2019年。 
  8. ^ 松村明; 三省堂編修所 編「こくじら(小鯨・児鯨)」『大辞林 4.0三省堂、2019年。 
  9. ^ 『鯨類学』 42 - 43頁
  10. ^ 雑記 - 進化・分類学 ヒゲクジラの系統も SINE 法で〆(2006.08.01)
  11. ^ McGowen, Michael R; Tsagkogeorga, Georgia; Álvarez-Carretero, Sandra; dos Reis, Mario; Struebig, Monika; Deaville, Robert; Jepson, Paul D; Jarman, Simon et al. (2019-10-21). “Phylogenomic Resolution of the Cetacean Tree of Life Using Target Sequence Capture”. Systematic Biology 69 (3): 479–501. doi:10.1093/sysbio/syz068. ISSN 1063-5157. PMC 7164366. PMID (31633766). https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7164366/. 
  12. ^ 水口博也、『クジラ&イルカ生態ビジュアル図鑑』株式会社誠文堂新光社、2013年、148頁
  13. ^ 南部久男、石川創、山田格「アジア系コククジラの記録―その分布と回遊―」『日本セトロジー研究』第20巻、2010年、21-29頁、doi:10.5181/cetology.0.20_21。 
  14. ^ 宇仁義和 (2004年). “”. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年5月9日閲覧。
  15. ^ “”. 2018年10月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月4日閲覧。
  16. ^ 南部久男、箕輪一博、徳武浩司、山田格「中部日本の日本海側におけるコククジラに関する新たな観察情報」『日本セトロジー研究』第24巻、2014年、11-14頁、doi:10.5181/cetology.0.24_11。 
  17. ^ “”. 2015年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月4日閲覧。[出典無効]
  18. ^ 宇仁義和, 2010, 『コククジラは大隅海峡を通るのか?』, 日本セトロジー研究会ニューズレター25号, 2014年5月11日
  19. ^ http://svrsh1.kahaku.go.jp/marmam/?p=6
  20. ^ http://svrsh2.kahaku.go.jp/drift/FMPro?-db=rec2000web.fp5&-format=%2fdrift%2fresults.htm&-lay=hp&-sortfield=%90%bc%97%ef%94%4e%8c%8e%93%fa&sp%5fid=3&-format=/drift/detail.htm&-skip=11&-max=1&-find
  21. ^ https://www.youtube.com/watch?v=YrUcUmQSufE[出典無効]
  22. ^ 森恭一. “伊豆大島のコククジラ騒動(『海のはくぶつかん』1993年11月号)”. 東海大学. 2022年10月4日閲覧。
  23. ^ http://www.beachland.jp/beach_blog/post/e2809ce38395e383aae383b3e5b195e2809de3818be38289e2809ce382b3e382afe382afe382b7e383a9e5b195e2809de381b8.aspx[出典無効]
  24. ^ https://events.iwc.int/index.php/scientific/SC65a/paper/view/305/278/SC-65a-BRG20[]
  25. ^ http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20140409105475.html[出典無効][]

関連項目

参考文献

  • 村山司『鯨類学』東海大学出版会〈東海大学自然科学叢書〉、2008年、42 - 43頁頁。ISBN (978-4-486-01733-2)。 
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