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グランドラピッズ (ミシガン州)

グランドラピッズ(Grand Rapids)は、アメリカ合衆国ミシガン州ロウアー半島の西部に位置する都市。西ミシガン地域の中心都市であり、ケント郡郡庁所在地である。人口は188,040人(2010年国勢調査[1]で、デトロイトに次ぐミシガン州第2の都市である。ケント郡を中心に4郡にまたがる都市圏には993,670人、ミシガン湖岸のマスキーゴンなどを含む広域都市圏には1,320,064人の人口を抱える(ともに2010年国勢調査)[1]。グランドラピッズは家具産業で知られ、「家具の街」と呼ばれている。

グランドラピッズ市
City of Grand Rapids
位置

左: ケント郡におけるグランドラピッズの市域
右: ミシガン州におけるケント郡の位置
座標 : 北緯42度57分40秒 西経85度39分20秒 / 北緯42.96111度 西経85.65556度 / 42.96111; -85.65556
歴史
創設 1826年
行政
アメリカ合衆国
 州 ミシガン州
 郡 ケント郡
 市 グランドラピッズ市
地理
面積  
  市域 117.4 km2 (45.3 mi2)
    陸上   115.6 km2 (44.6 mi2)
    水面   1.8 km2 (0.7 mi2)
標高 200 m (640 ft)
人口
人口 (2010年現在)
  市域 188,040人
    人口密度   1,626.6人/km2(4,216.1人/mi2
  都市圏 993,670人
その他
等時帯 東部標準時 (UTC-5)
夏時間 東部夏時間 (UTC-4)
公式ウェブサイト : http://www.grcity.us/

グランドラピッズは第38代大統領ジェラルド・R・フォードゆかりの街である。フォードはグランドラピッズで少年期を過ごし、ベティ・ブルーマーと出会った。2006年の暮れに死去したフォードはグランドラピッズの大統領博物館の敷地内に埋葬されている。グランドラピッズの玄関口となる空港、(ジェラルド・R・フォード国際空港)はフォードにちなんで名付けられた。

歴史

 
グランドラピッズの地図(1853年

2,000年以上前、(グランド川)流域一帯には古代のアメリカ先住民の文化であるホープウェル文化が栄えていた[2]1700年頃、ネイティブ・アメリカンのオタワ族はグランド川沿いにいくつもの村を創った。この地にヨーロッパ人が入植し始めたのは19世紀に入ったあたりであった。初期の入植者は主に毛皮の取引商であった。彼らはネイティブ・アメリカンから毛皮を買い、ヨーロッパから持ち込んだ金属製品や織物を売るという取引を行っていたため、必然的にオタワ族の村の近くに入植地を建設して住んでいた。西ミシガンに最初の毛皮取引所を創設したのはジョセフ・マデリーンのラ・フランボワーズ夫妻であった。夫妻の建てた取引所は現在のエイダの近くにあった。1806年に夫が死去した後、マデリーン・ラ・フランボワーズは最初の取引所の西と北にも新たな取引所を創設し、事業を拡大した。その後フランボワーズの会社と(アメリカ毛皮会社)は合併した。フランボワーズは41歳で退職し、西ミシガンを離れてマキナック島に移り住んだ。

1825年ケンタッキー州出身のバプテスト教会宣教師、(イサク・マッコイ)が布教のためにグランドラピッズを訪れた。マッコイはグランドラピッズ最初の定住者となった。翌1826年にはデトロイト出身の(ルイス・キャンポー)がグランド川の急流の東岸に取引所を建設した。キャンポーは一旦デトロイトに帰ったが、その翌年に妻を連れ、5,000ドルの商品を持ってこの地に舞い戻り、地元のネイティブ・アメリカンと取引を始めた。1831年、連邦によるノースウェスト準州の調査がグランド川の河岸まで進み、ケント郡の領域が定められた。郡名はニューヨーク弁護士ジェームズ・ケントにちなんでつけられた。同年、キャンポーは現在のグランドラピッズのダウンタウンにあたる291,000m²の土地を連邦政府から90ドルで購入し、「グランド川の急流」を意味するグランドラピッズという名をつけた[2]。 キャンポーのライバルであった(ルシアス・リヨン)は残りの土地を購入し、ケント村と名づけた。

1830年代に入ると、グランドラピッズ一帯にはニューヨークニューイングランドから人が移り住んでくるようになった。1836年には、ジョン・ボールはデトロイトを通り越してグランドラピッズに発展の可能性を見出し、この地をthe promised land, or at least the most promising one for my operations(将来を約束された地、少なくとも、私の手がけた中では最も将来性のある地)と評した。1838年には正式な村となり、村域も東西・南北それぞれ約1km程度に広がった。1845年に初めて正式な統計が取られたときには、グランドラピッズの人口は1,510人を数え、村域も4km²に広がっていた。1850年5月1日には市制を施行した[2]。市制施行時の人口は2,686人であった。1857年には、グランドラピッズの市域は27km²に広がった。

家具の街

 
グランドラピッズの中心部、1905年

現在のグランドラピッズの街の基礎が築かれたのは19世紀後半に入ってからであった。この頃、グランドラピッズは製材業と家具産業の中心地として栄えていくようになり、Furniture City(家具の街)と呼ばれるようになった[3]1876年フィラデルフィアで開かれた国際展示会では、グランドラピッズは高品質な家具を生産する街として世界中にその名を知らしめた。また、この頃に始まった全米家具市は1960年代に至るまで75年間にわたって開かれていた。現在では事務用家具の生産が中心になっている。また、19世紀にはこの地にオランダ系の移民が大量に移入してきた。現在グランドラピッズに多く住むオランダ系住民の多くは、この頃に移入してきた移民の子孫である。

交通網も確立されていった。1867年にはグランドラピッズに鉄道が敷かれた。この(グランドラピッズ・アンド・インディアナ鉄道)はその数十年にわたって路線を拡大し、グランドラピッズを中心にしてマスキーゴンや北ミシガンのトラバースシティ、(マッキノーシティ)へ、南へはカラマズーを経てインディアナ州に入りフォートウェインへ、さらに南下してシンシナティへと通じた。またシカゴへ通じる路線も敷かれた。1926年にはスタウト航空(Stout Air Services)による、全米最初の航空機の定期旅客便がグランドラピッズとデトロイトを結んだ[4]

1900年にはグランドラピッズの人口は87,565人を数えた。1916年、市はミシガン州法のホーム・ルール・チャーターを受け入れ、全米でも最初の部類に入るシティー・マネージャー制を採用した。現在でもグランドラピッズ (の市政はシティー・マネージャー制が採られている。

地理

 
雪のグランドラピッズ

グランドラピッズは北緯42度57分40秒 西経85度39分20秒 / 北緯42.96111度 西経85.65556度 / 42.96111; -85.65556に位置している。市の中心部を(グランド川)が流れている。かつてはこの付近は急流であったことから、「グランド川の急流」を意味するグランドラピッズという市名がついた。市の標高は186mである。ミシガン湖の湖岸線からは約50km離れている。州都ランシングからは西北西へ約100km、デトロイトからは西北西へ約250kmに位置している。西ミシガン地域のもうひとつの主要都市であるカラマズーはグランドラピッズから南へ約80kmに位置している。

アメリカ合衆国統計局によると、グランドラピッズ市は総面積117.4km²(45.3mi²)である。このうち115.6km²(44.6mi²)が陸地で1.8km²(0.7mi²)が水域である。総面積の1.50%が水域となっている。市の水域のほとんどはグランド川である。

ワシントンD.C.アルバカーキなどと同様、グランドラピッズはNE(Northeast)、NW(Northwest)、SE(Southeast)、SW(Southwest)の4つの区域に分けられている。これらの区域名は住所の一部にもなっている。南北はフルトン・ストリート(Fulton Street)を境に、東西はディビジョン・アベニュー(Division Avenue)を境にそれぞれ分けられている。

気候

グランドラピッズ
雨温図((説明))
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-8
 
 
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14
 
 
97
 
28
17
 
 
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16
 
 
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23
12
 
 
84
 
16
5
 
 
89
 
9
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64
 
2
-5
気温(°C
総降水量(mm)
出典:Weatherbase.com
インペリアル換算
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2.1
 
31
18
 
 
1.8
 
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20
 
 
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44
27
 
 
3.4
 
58
38
 
 
4
 
69
48
 
 
3.8
 
79
58
 
 
3.8
 
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62
 
 
3.6
 
81
61
 
 
4.3
 
73
53
 
 
3.3
 
60
42
 
 
3.5
 
47
33
 
 
2.5
 
35
24
気温(°F
総降水量(in)

グランドラピッズの気候は寒い冬と涼しい夏に特徴づけられる、大陸性の気候である。最も暖かい7月の平均気温は22℃、最高気温の平均は28℃で、日中でも32℃(華氏90度)を超えることは少ない。最も寒い1月の平均気温は氷点下4℃、最低気温の平均は氷点下8℃で、日中でも0℃に達さない日が続く。降水量は1年を通じて概ね平均しているが、冬期の12月から3月にはやや少ない。また、グランドラピッズはカナダからの寒気が湿気を増すミシガン湖の風下に位置しているため雪が多く、12月から3月にかけては月間20-55cm程度の降雪が見られる。年間降水量は約980mm、年間降雪量は約190cmである[5]ケッペンの気候区分では、グランドラピッズは亜寒帯湿潤気候Dfa)に属する。

グランドラピッズの気候[5]
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均気温( -4.2 -2.9 2.0 8.9 14.8 20.2 22.5 21.6 17.1 10.6 4.5 -1.6 9.5
降水量(mm 53.3 45.7 61.0 86.4 101.6 96.5 96.5 91.4 109.2 83.8 88.9 63.5 977.8
降雪量(cm 52.8 37.6 21.1 4.6 - - - - - 1.3 17.3 55.6 190.3

政治

 
ケント郡地方裁判所

グランドラピッズはアメリカ合衆国下院のミシガン第3選挙区の中心都市である。1949年から1973年にかけては、後に第40代副大統領、そして第38代大統領となるジェラルド・R・フォードが同選挙区選出の下院議員であった。フォードは2006年12月26日カリフォルニア州パームスプリングスの自宅で死去し、2007年1月3日にグランドラピッズの大統領博物館敷地内に葬られた。

グランドラピッズとその周辺は伝統的に共和党が強い。しかし、グランドラピッズの保守的な評判とは裏腹に、市民は共和党の中道派と民主党の保守派を選ぶ傾向がある。2000年2004年の大統領選挙では、グランドラピッズ市単体では民主党のアル・ゴアジョン・ケリーの得票がそれぞれ共和党のジョージ・W・ブッシュの得票を上回った。

ミシガン州法に基づき、グランドラピッズは1916年シティー・マネージャー制を採用した。この制度により、グランドラピッズの市政の責任は選出された市議員と雇われたシティー・マネージャーとに分けられる。市議員は3つの地区からそれぞれ2名ずつが選出され、任期は4年である。各地区2名のうち1名は2年ごとに改選となる。これはちょうど日本参議院の「3年ごとに半数改選」のルールに似ている。市長は市議会の長を務め、任期は市議員と同じ4年である。市議員の選挙は奇数年に行われる。市議会は条例の制定やシティー・マネージャーおよびその他公職員の採用に責任を負う[6]

経済

 
東郊のエイダにあるアムウェイの本社

グランドラピッズは豊かな森林資源と良好な環境によって、長きにわたり家具産業で栄えていた。その流れを汲み、今日ではオフィス家具産業が爛熟している。グランドラピッズに本社を置くアメリカン・シーティング社は1886年に創立して以来、事務所、教室、講堂などの椅子の製造に特化してきた[7]。同じくグランドラピッズに本社を置くスチールケース社は、1912年に創立したオフィス用家具メーカーで、世界100ヶ国以上でビジネスを展開している[8]。その他、ヘイワース、ハーマンミラーといった錚々たる企業がこの地に拠点を置いている(同社とも近郊に本社を置いている)。また、歴代米国大統領積み木をはじめ、外国語のアルファベット積み木などを多数発表している木製玩具の老舗・(アンクルグース)(Uncle Goose)の工房もグランドラピッズに設置している。

家具のほかには、グランドラピッズには自動車関連や航空機関連の製造業が興っていた。2007年ゼネラル・エレクトリック傘下に入った航空機エンジン・部品メーカー、GEアビエーション・システムズ(旧スミス・エアロスペース)はグランドラピッズに本社を置いている[9]ゼネラルモーターズ2009年まで、グランドラピッズに金属プレス工場を持っていた[10][11]

1990年代以降、これらの製造業に代わってグランドラピッズの産業の中心となってきているのは健康科学分野である。19,000人の従業員と1,500人の内科医を抱える西ミシガン最大の医療サービス会社、スペクトラム・ヘルスはグランドラピッズに本社を置いている[12]。また、市内にはがんの研究所として1996年に創設されたバン・アンデル研究所[13]をはじめ、(グランドバレー州立大学)のクック=デボス健康科学センター[14]ミシガン州立大学人間医学部[15][16]など、複数の医療研究施設が立地している。

また、グランドラピッズ東郊のエイダにはアムウェイが本社を置いている[17]

交通

 
ミシガン線の路線図。グランドラピッズへのペレ・マーケット号は赤で記されている。青はポートヒューロンへのブルーウォーター号、黄色はポンティアックへのウォルバリン号。

グランドラピッズの玄関口となる空港はダウンタウンの南東約11km[18]に立地する(ジェラルド・R・フォード国際空港)(IATA: GRR)である。同空港には主要3社(アメリカン航空ユナイテッド航空デルタ航空)のほか、ミッドウェスト航空も就航しており、各航空会社のハブ空港からの便がある。

ダウンタウンの東で州間高速道路I-196が(I-96)本線から枝分かれし、ダウンタウンを東西に貫いている。I-96本線はダウンタウンの北を通り、ミシガン湖岸の町マスキーゴンへと通じている。一方、I-196はダウンタウンを過ぎると南西へ、さらにミシガン湖沿いに南へと進路を変え、(ベントンハーバー)で(I-94)に合流してシカゴへと通ずる。グランドラピッズより東では、I-96は東南東へランシングデトロイトへと通じており、州の大動脈としての役割を果たしている。また、ダウンタウンを南北に縦断する高速道路規格の(国道131号線)はカラマズーへ通じている。これらの高速道路上にはグレイハウンドや提携会社の中長距離バスが走っている。

また、市内にはアムトラックもあり、シカゴからの中距離列車(ペレ・マルケット号)(英語版)の終点となっている。このペレ・マーケット号は、シカゴからミシガン州に出ている、ミシガン線(Michigan Services)と呼ばれる3本の中距離列車のうち最も短いもので、シカゴ・グランドラピッズ間283kmを約4時間かけて走る。ペレ・マーケット号はシカゴ行、グランドラピッズ行それぞれ1日1本ずつ運行されている[19]

市内の公共交通はインターアーバン交通パートナーシップ、通称ザ・ラピッド(The Rapid)によって運営されている路線バス網によってカバーされている。ザ・ラピッドは27系統を有し、グランドラピッズ市内のみならず、インターアーバンの名が示す通り隣接する郊外都市やグランドバレー州立大学などにもバスを走らせている[20]。また、ダウンタウンにはDASHと呼ばれるバスも走っている。これはDowntown Area SHuttleの略である。このバスは3路線あり、いずれも市内の駐車場とダウンタウンの各所を結んで走っている[21]

教育

 
グランドバレー州立大学

グランドラピッズの中心部から西へ12マイル(約19km)、(アレンデール)には(グランドバレー州立大学)が1,304エーカー(約5,341,000m²)のキャンパスを構えている[22]。同学は1960年に創立した州立の総合大学で、学部に82、大学院に30の専攻を有し、学部生約21,000人、大学院生約3,300人を抱えている[22][23]。同学のスポーツチーム、レイカーズはNCAAのディビジョンIIに属し、男子9種目、女子11種目に参加している[22]

グランドラピッズの市内には、全米のリベラル・アーツ・カレッジの中で上位120位以内に入る評価を受けている[24]、校名にジャン・カルヴァンの名を冠した改革派教会系のカルヴァン大学[25]をはじめ、カトリック系のアクイナス大学[26]、グランドラピッズ神学校を併設する無宗派のコーナーストーン大学[27]根本主義系のグレース聖書大学[28]アブラハム・カイパーの名を校名に冠した改革派教会系のカイパー大学[29]といった、キリスト教系のリベラル・アーツ・カレッジ5校がキャンパスを構えている。

グランドラピッズのK-12課程はグランドラピッズ公立学区の運営する公立学校によって主にカバーされている。同学区は約1,400人の教師を擁し、約17,000人の児童・生徒を抱えている[30]

文化

名所と文化施設

 
ローザ・パークス・サークル

グランドラピッズのダウンタウンに位置するローザ・パークス・サークル(Rosa Parks Circle)は、南部における公民権運動の引き金となったモントゴメリー・バス・ボイコット事件で知られるローザ・パークスにちなんで名づけられている。周囲にはアムウェイ・グランド・プラザ・ホテルやデボス・プレイス・コンベンションセンター、多目的屋内競技場であるバン・アンデル・アリーナが建っている。この3つの建物はスカイウェイ(Skyway)と呼ばれる屋内連絡通路でつながっている。冬には、ローザ・パークス・サークルにはアイススケートのリンクが設けられる。

市内を流れる(グランド川)には魚道や遊歩道が設置されている。また、川沿いにはホープウェル族が土葬を行った塚が並んでいる。また、市の西側には動物園を有するジョン・ボール・パークがある。市の北東にはグランドラピッズの街並みを見下ろすベルクナップ・ヒルの丘が連なっている。

グランドラピッズは西ミシガンの文化の中心でもあり、博物館・美術館も数多く建つ。1854年に開館したバン・アンデル・ミュージアム・センター(グランドラピッズ公立博物館)は全米でも最古の部類に入る博物館のひとつである。同館はグランドラピッズとその周辺地域の歴史に関する展示物を常設展示しているほか、イベントとして世界のさまざまな歴史的展示物を展示している[31]。また同館はプラネタリウムも併設している[32]。同館は1994年にグランド川西岸の現位置に建てられた。

 
ジェラルド・R・フォード大統領博物館

ダウンタウンの北西部に建つジェラルド・R・フォード大統領博物館は、フォードの大統領在任中の歴史や、フォード夫妻の人生のハイライトに関する事物を展示している[33]。他の大統領博物館とは異なり、ジェラルド・R・フォード大統領博物館は大統領図書館を併設していない。ジェラルド・R・フォード大統領図書館はアナーバーにあるジェラルド・R・フォードの母校、ミシガン大学のキャンパス内に建てられている[34]。大統領博物館の敷地内には2006年末にカリフォルニア州パームスプリングスの自宅で死去したフォードが埋葬されている。

ダウンタウンに立地する都市現代美術館(Urban Institute for Contemporary Arts)は、美術作品を展示するのみならず、映画館を併設し、さらに塑像製作スタジオも併設している。グランドラピッズ美術館はダウンタウン、ローザ・パークス・サークルの南東に隣接して建っている[35]。同館は19世紀・20世紀の芸術作品をはじめ、デザインや写真などを常設展示している[36]。また、同館は図書館を併設しており、アメリカ州やヨーロッパの絵画、彫刻、写真、デザインや、モダニズムに関する書物を所蔵している[37]

 
メイヤー・メイの家

ダウンタウンの東に位置する、国家歴史登録財にも指定されているヘリテージ・ヒル地区には、1,000軒を超えるビクトリア調の歴史的建造物が建ち並んでいる。中でも有名なのは、フランク・ロイド・ライト1908年に設計した地元商人メイヤー・メイの家である。メイの家は1985年にスチールケース社によって修復され、無料の博物館になっている[38]。ヘリテージ・ヒル地区よりさらに東には、グランドラピッズを代表する歴史的建築物のひとつであるウェルシー・ストリート・シアターがある。

芸術とイベント

 
ラ・グランデ・ビテス

1969年アレクサンダー・カルダーがバンデンバーグ・プラザ(Vandenburg Plaza)に「ラ・グランデ・ビテス」(La Grande Vitesse)というスタビル(抽象彫刻)を制作してから、グランドラピッズのダウンタウンでは毎年芸術祭が開かれている[39][40]6月最初の週末、バンデンバーグ・プラザ周辺の道路は通行止めとなり、フリーコンサートや芸術実演・販売など、芸術に関連したイベントが執り行われる[41]。このほかバンデンバーグ・プラザでは、夏季期間中いくつもの民族祭が開かれる。

グランドラピッズの夏はレイバー・デイの週の週末、セレブレーション・オン・ザ・グランドを以って終わる。同イベントでもフリーコンサートが行われるほか、西ミシガン最大の花火大会が行われ、出店も出る[42]。セレブレーション・オン・ザ・グランドの運営は全てボランティアによってまかなわれている。運営資金は企業からの後援や個人の寄付によって集められている。またボランティアスタッフの販売による収益も運営資金にあてられる。

1973年、グランドラピッズのメイン・ストリート・アメリカではSculpture off the Pedestal(歩道の外の彫刻)と題したイベントが開かれた。世界的に有名な13人の芸術家を集めて行われたこのイベントは、その名の通り道のわきに彫刻を制作・展示したものである。同イベントは国の芸術支援協会による資金面での支援や州の芸術局による教育面での支援を取り付けると共に、個人レベル、企業レベル、業界レベルでの協力も得た。各種イベントの収益も運営資金にあてられた。ボランティアによる運営や地元住民による芸術家への宿の提供などは、このイベントが地域に密着して行われたことをうかがわせるものであった。

スポーツ

 
バン・アンデル・アリーナ

グランドラピッズにはメジャープロスポーツのチームこそ置かれていないが、下部リーグのチームが2つ置かれている。デトロイト・タイガース傘下のマイナーリーグ(Aクラス)の野球チーム、(ウェストミシガン・ホワイトキャップス)は北郊の(コムストックパーク)に立地する(フィフスサード・ボールパーク)を本拠地にしている。また、デトロイト・レッドウィングスと提携しているAHLの(グランドラピッズ・グリフィンズ)は、ダウンタウンに立地するバン・アンデル・アリーナを本拠地としている。

毎年5月には、(フィフスサード銀行)がスポンサーとなって、フィフスサード・リバー・ランという市民マラソン大会が行われる。この大会では25km、10km、5kmの3コースでレースが行われる[43]。また、5-13歳の子供を対象としたジュニア部門では5km、1マイル(1.6km)、1/2マイル(800m)の3コースで行われる[44]。メインとなっている25kmのレースでは、無差別のオープン部門のほか、体重別や年齢別の部門もある[45]。また、25kmと同じコースで車椅子・ハンドサイクルのレースも行われる[46]。5kmのコースでは、通常のレースのほか、ローラーブレードスケートボードでの参加や、犬を連れての参加なども可能なフリースタイルの散歩部門もある[47]

人口動態

都市圏人口

グランドラピッズの都市圏、および広域都市圏を形成する各郡の人口は以下の通りである(2010年国勢調査)[1]

グランドラピッズ・ワイオミング都市圏
人口
ケント郡 ミシガン州 602,622人
オタワ郡 ミシガン州 263,801人
イオニア郡 ミシガン州 63,905人
モンカルム郡 ミシガン州 63,342人
合計 993,670人
グランドラピッズ・ワイオミング・マスキーゴン広域都市圏
都市圏/小都市圏 人口
グランドラピッズ・ワイオミング都市圏 993,670人
マスキーゴン都市圏 マスキーゴン郡 ミシガン州 172,188人
ホランド小都市圏 アレガン郡 ミシガン州 111,408人
ビッグラピッズ小都市圏 メコスタ郡 ミシガン州 42,798人
合計 1,320,064人

市域人口推移

以下にグランドラピッズ市における1850年から2010年までの人口推移をグラフおよび表で示す[1][48]

統計年 人口
1850年 2,686人
1860年 8,085人
1870年 16,507人
1880年 32,016人
1890年 60,278人
1900年 87,565人
1910年 112,571人
1920年 137,634人
1930年 168,592人
1940年 164,292人
1950年 176,515人
1960年 177,313人
1970年 197,649人
1980年 181,843人
1990年 189,126人
2000年 197,800人
2010年 188,040人

姉妹都市

グランドラピッズは以下5都市と姉妹都市提携を結んでいる[49][50]

関係者

出身者

居住その他ゆかりある人物

  1. ^ a b c d American FactFinder. U.S. Census Bureau. 2011年2月4日.
  2. ^ a b c Historical Info: A Brief History of Grand Rapids Grand Rapids Historical Society.
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  4. ^ History & Statistics. Gerald R. Ford International Airport.
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  6. ^ Government Information. City of Grand Rapids.
  7. ^ 125 years of innovation. American Seating Company.
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  9. ^ McGrath, S. and Stone, R. Smiths To Sell Aerospace Ops To GE For $4.8B. The Wall Street Journal. 2007年1月15日.
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外部リンク

  • グランドラピッズ市公式サイト
  • Convention and Visitors Bureau
  • Downtown Grand Rapids
  • Grand Rapids Public Library
  • Grand Rapids Pundit
  • Grand Rapids Historical Commission's Online Grand Rapids History Archive
  • Grand Valley State University
  • Grand Rapids Polish Heritage Society
  • Grand Rapids, Michigan - City-Data.com
  • Grand Rapids, MI - Yahoo!Mapの地図
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