グラウンドゴルフ(Ground Golf)は、日本で高齢者向けに考案されたスポーツで、ニュースポーツの一種。
一般的なカタカナ語と同様に、グランドゴルフ、グラウンドゴルフなどと表記ゆれがあるが、本項では公益社団法人日本グラウンド・ゴルフ協会が定める通り「グラウンド・ゴルフ」と記述する。
概要
ゴルフと同様に、打数を競うスポーツである。必要とするプレイ時間は、標準的なコースで8ホール30分強、グラウンドゴルフ交流大会では、35チーム200人で8ホール回るのに、2時間30分と記録されている[1]。
後述の「スタートマット」と「ホールポスト」で一般のグラウンドや広場などある程度整地された場所にコースを設置できる。器具は置くだけなので、競技後に撤去すれば完全に原状復帰が可能である。そのため、専用のコースが必要なゴルフよりも手軽に競技出来る利点がある。グラウンドゴルフ用に恒久設置されたコースもある。コースデザインも容易に変更できるため、競技レベルの変更やコースの慣れなどの対応も可能である。ゴルフでは会員権やコース利用料、必要な用具も多く費用が掛かるが、グラウンド・ゴルフはクラブ一本とボールだけで競技出来る。また、ロストボールも非常に少なくボール代も低く抑えられる。
歴史
1982年、鳥取県東伯郡泊村(現・湯梨浜町)教育委員会が生涯スポーツ活動推進事業の位置づけで考案したとされる。泊村では、当時の総人口3600人に対して、792人(22%)が60歳を超える実情に合わせ高齢者向けのスポーツおよびプログラム開発という難題を抱えていたが鳥取県内外の14名で構成された「泊村生涯スポーツ活動推進専門委員会」の設立により前進することになる[2][3]。
同年7月に、第1回専門委員会を開催。たまたま大学生がグラウンドに描いた白線の輪を狙って、ゴルフクラブでボールを打っている様子をヒントに開発に着手することとなる。 同年10月には、方針、用具、ルールなどがほぼ完成し普及に向けて取り掛かることとなる。
1983年、マスメディアでの全国報道を受けて、教育委員会、老人クラブ、企業などからの問い合わせが増える。 1984年7月27日、南部忠平を筆頭に、16名からなる日本グラウンド・ゴルフ協会が岸記念体育館会議室において、設立される[3]。
使用器具
ゴルフの名を有しているように、必要とするものもゴルフと似ている。 ゴルフクラブとボールと同様に、専用のクラブとボール。 ゴルフのティーの役目に相当するスタートマット。 そして、ゴルフではカップと呼ばれる穴にボールを入れるのに対して、グラウンドゴルフではホールポストと呼ばれるカゴのようなポストにボールを入れる。なおボールがホールポストに入ること(ゴルフの「カップイン」に相当)は公式用語で「トマリ」という。これは発祥地の泊村を記念したものである。1打目トマリ(ホールインワン)を行った場合に合計打数から1回につき3打差し引く。
スタートマット。手前は、対比用の52mmフロントキャップ
ボールと対比用の52mmフロントキャップ
4番ホールポストとボール。
クラブとボール。
関連項目
脚注
外部リンク
- 公益社団法人グラウンド・ゴルフ協会