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クリケット

クリケット: cricket英語発音: [ˈkrikit] )は、クリケットバットクリケットボールを用いて1チームが11人の計2チームの間で行われるスポーツ球技)である。長径140メートル程の楕円形のフィールドの中で、長さ20メートル程の長方形のピッチを中心に各チームが交互に攻撃と守備を行い、得点数の優劣に基づいて勝敗を競う。国際クリケット評議会の発表によると、世界の競技人口は3億人を超える[1]

クリケット
クリケットの試合風景 ベージュ色の線がピッチ。右側で黒いズボンを着用しているのが審判。
統括団体 国際クリケット評議会
起源 16世紀前半
イングランド
特徴
身体接触
選手数 グラウンド上:11人
男女混合 男女別
カテゴリ チーム競技、屋外競技、バットアンドボール
用品 クリケットボールクリケットバットウィケットスタンプベイル
実施状況
オリンピック 1900年夏季オリンピックのみ
(テンプレートを表示)

概要

 
ロンドンにあるローズ・クリケット・グラウンドは『クリケットの聖地』と呼ばれる。創設されて200年以上の長い歴史がある。

クリケットの試合は1チーム11人の2チームによって交互に攻撃と守備を1回ずつの1イニング制、または2回ずつの2イニング制で行われる[2]。守備側が攻撃側から10アウトを取るか、規定投球数を投げ切るかで攻守交代となる。試合を行うフィールド[注 1]は長径140メートル程の楕円形であり、その中央には長さ22ヤード(20.12メートル)の長方形のピッチがある。

主な得点方法は攻撃側のバッツマンが守備側のボウラーの投げたボールバットで打ち、その間に2人のバッツマンがピッチの反対側の(クリース)(英語版)まで走り、守備側の返球でウィケットを倒されるよりも早く、2人とも体の一部かバットがクリースを越えると1点(ラン)となる(往復で2点)[2]。また打球がフィールド境界線のバウンダリーをゴロで越えると4点、ノーバウンドで越えると6点となる[2]

主なアウトの方法はボウラーが投球によってウィケットを倒すことやフィールダーがバッツマンの打った飛球をグラウンドに着く前にキャッチすることである。全面芝のフィールドでプレイされ、試合中にはティータイムもある。その優雅な雰囲気から別名「紳士のスポーツ」といわれる。イギリスでは上流階級がたしなむスポーツとされており、イートン校ハーロー校などの名門校の体育ではクリケットは必修種目とされている[2]

国際試合の形式は主に3種類ある。テスト・クリケットは球数無制限の2イニング制で5日間に渡って行われ、12のナショナルチームしか行うことができない伝統的な形式である。ワン・デイ・インターナショナル(ODI)は規定投球数が50オーバー(300球)[注 2]ずつの1イニング制であり、7時間程度で試合が終了する形式である。クリケット・ワールドカップはこの形式である。トゥエンティ20(T20)は規定投球数が20オーバー(120球)ずつの1イニング制であり、2-3時間程度で試合が終了する形式である。世界で最も普及しており、国内プロリーグでもメジャーな形式である。(クリケット競技規則)(英語版)国際クリケット評議会 (ICC) および(メリルボーン・クリケット・クラブ)(英語版) (MCC) によって維持されており[3]、試合の形式を定めた追加規則がある。

16世紀にイングランド南部で初めてプレーされた。18世紀末までには、イングランドの国民的スポーツへと発展した。大英帝国の拡大によってクリケットは海外でプレーされるようになり、19世紀中頃までには初の国際試合が開催された。2019年現在、12の国・地域の協会がクリケットの統括団体である国際クリケット評議会の正会員であり、93の国・地域が準会員である[4]。とりわけ、オーストララシアインド亜大陸西インド諸島、アフリカ南部、イングランドでプレーされている。

イギリスで発祥したスポーツであるため、英連邦諸国ではサッカーなどと並び高い人気を誇る。とりわけインドパキスタンバングラデシュなどインド亜大陸では最も人気のあるスポーツである。インドでは圧倒的に一番人気スポーツであり、他のスポーツを大きく引き離している[5]オーストラリア南アフリカジンバブエニュージーランドアフガニスタン西インド諸島も典型的な人気国である。国際クリケット評議会の調査によると、世界のクリケットファンは10億人を越えている[1]クリケット・ワールドカップは200以上の国と地域で視聴されており[6]、サッカーのワールドカップ夏季オリンピックに次いで世界で3番目に視聴者数の多いスポーツイベントである[7]世界選手権大会は他にICC T20ワールドカップ女子クリケット・ワールドカップ等がある。多くの国際試合は2カ国の間で行われるテストマッチシリーズであり、イングランド代表オーストラリア代表ジ・アッシズが有名である。

国際クリケット評議会が2018年に発表した国際調査によると[1]、世界の競技人口は3億人を越えており、サッカーを上回った[8]。ただ、世界のクリケットファンの大半をインド亜大陸で占めていることから、地域的な人気の偏りが強いとされる[9]。日本での競技人口は日本在住外国人を含めておよそ1,500人[10]。日本やアメリカ合衆国での人気、認知度はあまり高くないが、世界の100以上の国と地域でクリケットが行われている[2]。また、プロ野球・横浜DeNAベイスターズの本拠地でもある横浜スタジアムの前身・横浜公園平和野球場は元々1876年に居留外国人向けにクリケットグラウンドを開設したことに起因している[11]

2003年に従来のクリケットとは異なり2、3時間程度で試合が終了するトゥエンティ20形式が導入された。これにより夜のプライムタイムに試合を開始することも可能になり、この形式のプロリーグが世界で急速に普及した。世界最大のプロリーグは2008年に発足したインドのインディアン・プレミアリーグ(IPL)であり、世界のトップクラスの選手の多くはこのリーグでプレーしている。オーストラリアのビッグ・バッシュ・リーグや西インド諸島のカリビアン・プレミアリーグも高い人気があり、アメリカ合衆国では2021年にプロリーグが開始される見込みである[12]

オリンピックでは1900年のパリ大会においてクリケット競技が1度だけ採用されたことがある。また近年、クリケットをオリンピック競技にしようとする動きがある[13]。(オリンピックのクリケット競技#オリンピック競技復帰を目指す)も参照。

歴史

初期クリケットは、「club-ball、stool-ball、trap-ball、stob-ballといった古代の競技のように棍棒でボールを打つ競技」と解説される[14]。クリケットの歴史は16世紀初頭イングランド、テューダー朝の時代まで間違いなく遡ることができる。1301年にケント、Newendenにおいてエドワード1世(長脛王)の息子エドワードによって「creag」として知られる競技がプレーされたという文献が存在しており[15]、証拠はないものの、この競技が一種のクリケットであったと推測されている。

その他多くの単語が「cricket」の語源として提唱されている。1598年のこのスポーツに関する最も初期の確かな文献では[16]、「creckett」と呼ばれている。イングランド南東部と(フランドル伯領)(英語版)ブルゴーニュ公国に属していた)との間の中世における強い貿易関係を考えると、この名称は中期オランダ語(当時フランドルで話されていた)で棒(杖)を意味するkrick(-e)に由来するかもしれない。あるいは、古英語で松葉杖 (crutch) を意味する cricc あるいは杖 (staff) を意味する cryce に由来するかもしれない[17]古フランス語では、criquest という単語は杖あるいは棒の一種を意味していたようである[18]サミュエル・ジョンソンの「英語辞典」では、サクソン語で棒を意味する cryce に由来をたどっている[19]

その他可能性のある語源としては、中期オランダ語で教会で使われる背の低く長い膝付き台を意味する Krickstoel がある。これは初期クリケットで使用された2つのスタンプからなる背の低く長いウィケットに似ている[20]ボン大学のヨーロッパ言語の専門家であるHeiner Gillmeisterによれば、「cricket」は中期オランダ語でホッケーを意味するフレーズ「met de (krik ket)sen」に由来する[21]。Gillmeisterは名称だけでなくスポーツ自体もフランドル地方が起源であると考えている[22]

 
1859年リヴァプールの船上での、初のイングランド遠征チーム

クリケットがイングランドでプレーされたことに関する最も初期の確かな言及は、1598年の訴訟である。ここでは1550年頃に、 サリー、ギルフォードの共有地において「creckett」がプレーされていたと述べられている。ギルフォード裁判所において、1597年1月17日月曜日ユリウス暦における日付、グレゴリオ暦の1598年に相当)[疑問点]に59歳の検視官(ジョン・デリック)(英語版)は、50年前に"Free School at Guildford"の学生だった時に「hee and diverse of his fellows did runne and play [on the common land] at creckett and other plaies(彼と彼の仲間は〔共有地で〕クリケットやその他の遊びを行った)」と証言した[23][24]。元々はこれは子供の遊びだったと考えられているが、1610年頃の資料[24]によると大人もクリケットをプレーし始めており、教区間の対抗戦あるいはビレッジ・クリケットがすぐに興った。1624年、ジャスパー・ヴァイナルと呼ばれる選手がサセックスの2つの教区チーム間の試合中に頭を打たれ殺された[25]

17世紀の間、膨大な資料がイングランド南東部でクリケットが成長したことを示している。この世紀の終わりまでには、大金のためにプレーする組織化された活動となり、1660年の王政復古の後数年で初の職業(プロ)選手が登場したと考えられている。1697年にサセックスにおいて大金を掛けて1チーム11人で争われた「a great cricket match」に関する新聞の記録が残っており、これはこのような重要性を持つクリケットの試合に関する最も初期の資料である。

クリケットは18世紀に大きく発展し、イングランドの国民的スポーツとなった。賭け事この発展において主要な役割を果たし、裕福なパトロンは自分の「select XIs」を作った。クリケットは1707年には早くもロンドンで盛んとなり、(フィンズベリー)(英語版)のArtillery Groundで行われた試合は多くの観衆を集めた。2人で争われる(シングル・ウィケット・クリケット)(英語版)は多くの観衆を魅了し、賭けの対象となった。ボウリングは1760年頃に考案された。それまではバッツマンに向かってボールを転がすか地面を弾ませて飛ばしていた。これによりバットのデザインの革命が起こった。バウンドしたボールを打つためには古い「ホッケースティック」型ではなく現代的な形のバットの導入が必要だったためである。(ハンブルドン・クラブ)(英語版)は1760年代に創立された。1787年にMCCが設立、(ローズ・オールド・グラウンド)(英語版)が落成されるまでのその後20年間、ハンブルドンはクリケットの最も偉大なクラブ・中心であった。MCCはすぐにクリケットの一流クラブと(クリケット競技規則)(英語版)の管理者となった。18世紀後半に導入された新たな規則としては、3本のスタンプからなるウィケットやレッグ・ビフォー・ウィケット (lbw) がある。

 
ドン・ブラッドマンはテストクリケットでの通算打率99.94、ファーストクラスマッチでの通算打率95.14と、他に並ぶもののない記録を残した[26]

19世紀には、アンダーアーム・ボウリング(下投げ)が初めにラウンドアーム・ボウリング(横投げ)に、次にオーバーアーム・ボウリング(上投げ)に取って代わられた。カウンティー(郡)単位でのクリケット競技の組織化はカウンティークラブの成立につながり、1839年に(サセックスCCC)(英語版)が開始し、最終的には1890年にカウンティー・チャンピオンシップが始まった。それと同時に、大英帝国はクリケットが海外に普及する手助けとなり、19世紀半ばまでにはインド、北米、カリブ、南米、オーストラリア、ニュージーランドに定着した。1844年には、アメリカ合衆国代表とカナダ代表の間で初の国際試合が行われた。

 
サチン・テンドルカールは、テストクリケットおよびワン・デイ・インターナショナル・クリケットにおける通算ラン(得点)およびセンチュリー(1試合100点)の記録保持者である。

1859年、イングランドの選手が北米に初めて海外遠征を行った。海外遠征を行った初のオーストラリアチームはアボリジニ牧夫(ストックマン)のチームである。彼らは1868年にイングランドに渡り、州(カウンティー)チームと対戦した[27]。1862年、イングランドのチームは初のオーストラリア遠征を行い、1876-77年にはメルボルン・クリケット・グラウンドにおいてオーストラリアと史上初のテストマッチを行った。

W・G・グレースは1865年にその長いキャリアを開始した。グレースのキャリアはクリケットに革命をもたらしたとしばしば言われる[28]。イングランドとオーストラリアとのライバル意識の結果、1882年に両国の対抗戦であるジ・アッシズが始まり、現在も続いている。テスト・クリケットは、1888-89年に南アフリカがイングランドと対戦したのを期に拡大していった。第一次世界大戦前の20年間は「(クリケットの黄金時代)(英語版)」と呼ばれている。これは戦争による共通の喪失感から来る懐古の念にとらえられた名前であるが、この時期は偉大な選手や記憶に残る試合を本当に生んだ。

世界大戦の間の時代は一人の選手によって支配された。クリケットの歴史において記録上最も偉大なバッツマン、オーストラリアのドン・ブラッドマンである。ブラッドマンの打撃技術に対抗するため、1932-33年のジ・アッシズにおいてイングランドは悪名高いボディーライン戦術(手前でボールを弾ませ、打者の体を狙う)を採った。テスト・クリケットは20世紀の間拡大を続け、西インド諸島インドニュージーランドが第二次世界大戦前に、パキスタンスリランカバングラデシュが戦後にテスト国に加わった。しかしながら、南アフリカはアパルトヘイト政策のため1970年から1992年まで国際クリケットから追放されていた。

クリケットは1963年に、イングランドの州チームが(リミテッド・オーバー)(英語版)(オーバー数の制限された)ルールを導入したのを期に新しい時代に入った。リミテッド・オーバー形式による初の国際試合は1971年に行われた。国際クリケット評議会 (ICC) は、この形式の将来性を見て、1975年には初のリミテッド・オーバー形式によるクリケット・ワールドカップを開催した。21世紀には、新たなリミテッド・オーバー形式であるトゥエンティ20が人気を博している。

ルール

概略

 
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
1
審判
2
ウィケット
3
ノンストライカー・バッツマン
4
ボウラー
5
ボール
6
ピッチ
7
ポッピングクリース
8
ストライカー・バッツマン
9
ウィケット
10
ウィケットキーパー(捕手)
11
フィールダー
12
リターンクリース
 
典型的なクリケット場

以下ではクリケット・ワールドカップも準拠する50 オーバー制(300球限定)1イニングマッチ、通称ワン・デー・マッチ (one-day match) の概要を説明する。

ゲームは、各11人で構成される2チームがコイントスで先攻と後攻を決め、攻撃側と守備側に交互に分かれて対戦する。プレイフィールドの中央にピッチと呼ばれる縦長の場所があり、20.12メートル離れたその両端に高さ71センチメートルの3本の杭(スタンプ)とそれを上部で繫ぐ梁(ベイル)で構成されるウィケットと呼ばれる柱状のものが刺さっている。

守備側はボールを投げるボウラー(投手)、それを受けるウィケットキーパー(捕手)、その他の9人はフィールダー(野手)としてプレイフィールド各所に配置する。

攻撃側は1番から11番まで打順を決め、1番打者と2番打者がバットを持ちプロテクターをつけて各ウィケットの手前で配置につき、3番打者以降はベンチで成り行きを見守る。片方の打者がアウトになったら、アウトになった打者と交代で順番に従ってフィールドに入り打撃を行う。フィールドに出ている打者 2 人をバッツマンといい、ボウラーと対峙する方のバッツマンをストライカー、ストライカーの反対側でランナーとなるバッツマンをノンストライカーという。

ボウラーは片側のウィケットの後方から助走をつけて、肘を伸ばし、もう片側のウィケット目掛けてワンバウンドさせるようにして投球する。それに対してバッツマンは、アウトにならないようにバットを用いてそれをブロックしたり、ラン(得点)するためにボールを遠くまで打つ。打つ方向は360度どの方向に打っても良い。

バッツマンがボウラーの投球を打った後、2人のバッツマン(ストライカーとノンストライカー)がそれぞれ相方側のウィケットの方向まで走り、双方がウィケットの前に引いてある安全線(ポッピングクリース)に到達すると1ランが入る。バッツマンが打球を遠くまで打ったときは1往復、1往復半、2往復などしても良く、それぞれ2ラン、3ラン、4ランなどと得点が入る。また、プレイフィールドの境界(バウンダリー)を超えてボールが飛んでいった場合は、走らなくても規定の得点が入る。ゴロでバウンダリーを越えた場合は4ラン、飛球であれば6ランである。バッツマンは、走ってもアウトになりそうだと判断した場合は走らなくて良く、またアウトにならない限り投球を見送ってもよい。

バッツマンがアウトになるのは、

ボウルド (Bowled)
ボウラーによって投げられたボールがウィケットに当たる
コート (Caught)
バッツマンが打った飛球をグラウンドに着く前にキャッチされる
ランアウト (Run Out)
バッツマンの体やバットの一部がポッピングクリースの後側に位置していない時に、相手チームによって正しくウィケットが倒される

などの場合である。詳細は#アウト節を参照のこと。アウトになったバッツマンは次の打順のバッツマンと交替する。クリケットでは、アウトにならない限りいつまで打っていてもよく、逆にアウトになったらその試合ではもう打つことはできない。

ボウラーが6球投球することを1オーバーといい、オーバーになるとボウラーは交替し(2オーバー連続して投げることはできない)、反対側のウィケットから次のボウラーが投球する。 規則では1オーバーは6球または8球で、大会ごとに定めることとなっているが、今日では1オーバー8球という試合はないものとおもわれる。 1人のボウラーは総オーバーの5分の1(10オーバー60球)までしか投球できないため、1チームにボウラーは最低5人は必要である。

攻撃側が10人アウトになるか、50オーバー(300球)経過した場合にイニング終了となり、攻守交替する。 先攻後攻それぞれ1イニングずつ攻撃し、ランの多い方が勝利チームとなる。 両者の力関係にもよるが、クリケット・ワールドカップルールでは1イニング200 - 300ラン程度入り、試合時間はティータイム、ランチタイムを含めると6時間以上かかる長丁場である。

チーム構成

クリケットのチームは11人で構成される。試合中に1人までは交代が認められているが、この交代は怪我などの理由による交代のみで、基本的には最初から最後まで同じ11人でプレーする。また交代で入ったものには、ボウリング等に制約があり、他の競技のようにまわりの選手と同様のプレーは行えない。

また、クリケットは他のイギリス発祥のスポーツ・ラグビーと似て、監督(マネージャー)が指示できず、試合中は主将(キャプテン)の指示に従う。そのため、キャプテンシーも重要な試合の勝敗を決める要因となる。

戦術的には、3名 - 4名ほどのボウラー、3名ほどのバッツマン、3 - 4名ほどのオールラウンダーに1人のウィケットキーパーでチームを構成する。その中でもボウラーは速球派なのか、変化球派なのか、バッツマンはハードヒッターなのか、ブロッキングに長けているのか、などのそれぞれの個性によってメンバーを決める必要がある。

攻撃中は1番から11番までのバッツマンがアウトになるまで2人ずつでバッティングを行う。

守備中はボウラー1名、ウィケットキーパー1名とフィールダー9名で守る。

試合のフィールド

 
クリケットのピッチの寸法

試合の中心となるピッチは、長さ20.12mの2つのウィケット間と幅2.64mのエリアである。

試合のルールを変えることにより全体の競技エリアの大きさについては対応が出来る。 長径60m、短径40mほどあれば試合が行えるが、成人が行うならば長径90m、短径70mほどあると良い。 国際大会の規格はこれよりも大きく、長径120m、短径100m程度が必要となる。

試合の進行

試合は2チームの攻撃によって行われる。上記のように大会によりルールは異なるが、1回の攻撃と守備が1イニングとカウントされ、またボウラーが6球投げ1オーバーとカウントされる。このイニングか、オーバーのどちらか、または両方で試合の長さに関する制限がされ、試合時間が決まる。

試合はコイントスなどにより先攻・後攻を決めて試合が始まる。トスから30分程度の後に試合が始まる。それぞれのチームが攻撃(バッティング)と守備(フィールディング)につき、試合が始まる。

バッティング

 
競技で使用されるボール。コルクの芯をウールと皮で巻きつけた作り。非常に硬い。男子用は156-163g。女子用は140-151g。

クリケットには以下のような打ち方がある。

  • ドライブ
    • フロントフットドライブ(投球の来た方向に打球が飛ぶ)
    • バックフットドライブ(投球の来た方向、または体の前に打球が飛ぶ)
  • プルショット(引っぱり、体の向きの真後ろに飛ばす)
  • レッググランス(足下への投球を後ろにそらす)
  • カットショット(体の真正面に打球を飛ばす)
    • レイトカット(打撃点を遅らせ後ろ45度の方向に打球を飛ばす)
  • スウィープショット(足下への遅い球を、ほうきで払うように横に飛ばす)

などといった打ち方がある。

また、必ずしも投球を打たなくても良く、ブロックし、投球がウィケットに当たるのを阻止したり、アウトにならないために無理に打たずに見送ったりということがある。

ラン(得点)

得点は走った数で数えられるので、得点はラン(run/runs)として数えられる。

クリケットの得点は、バッツマンが二人同時にフィールドに入るが、お互いに反対側のウィケット付近(ホッピングクリースのラインをまたぐこと)で1点と数える。片方のバッツマンのみが入っただけの場合は得点にならず、もう片方が辿り着く前に送球等でウィケットが倒されてしまえば、1点もカウントされない。そして倒された側のウィケットに近かったバッツマンがアウトとなる。

クリケットのランにおいて最大の特徴は、バットを使えることである。体の一部としてバットを考えるため、バットを持って走った方が距離が稼げる。通常は、バットをホッピングクリースのラインに擦るようにしてランを行う。往復する時は、バットの先をラインよりもウィケット側につけて返ることで、早く往復できる。

走者の距離が足りなかった場合、ホッピングクリースのラインよりも手前、またはライン上までしか来なかった場合はランが不成立となる。このような場合に気がつかず、往復してしまっている場合は「ショートラン」と言い、得点がカウントされない。カウントされない得点はショートランとなったもののみを数える(往復する際の初めの時が足りていなかったら、1ラン目のみ無効とされ、帰りの1点はカウントされる)。

通常は上記のように走った回数によって得点が入るが、

4ラン
バッツマンにより打たれたボールが、ワンバウンド以上して転がったままバウンダリーを越えた場合。
5ラン
反則等により、相手側に点数が入る場合。例えば守備側のヘルメット等の道具をフィールドに置き、打球が当たった場合はこれに当たる。
6ラン
打球がノーバウンドでバウンダリーを越えた場合。1球で取れる通常の最大得点に当たるが、理論上は往復し続けた方が得点を取れる。

などのように、あらかじめ決められている得点の入り方も存在する。

クリケットの醍醐味の1つにバッツマン2人のパートナーシップがある。このパートナーシップにより伸ばせるランに違いが出ることも面白い点である。勝手に走ることは許されない。

アウト

 
審判

バッツマンはアウトになると、次のバッツマンと交代しなければならない。

Laws of Cricket(クリケットのルールブック code 2000)に記載されているアウトを簡単に紹介する。

ボウルド (Bowled (Law 30))
ボウラーの投球によりウィケットが直接倒された場合。
コート (Caught (Law 32))
バッツマンの打ったボールがノーバウンドで捕球された場合に宣告される。360度どの方向に打ってもよいことから、チップによるアウトを狙うために速球投手の場合は打者後方7、8メートルのところへ数名の守備が配置される。
ランアウト (Run Out (Law 38))
バッツマンが走っている間にボールがウィケットに戻ってきて、送球により、または捕球したフィールダーがボールで触れ、ウィケットが倒された場合。どこまで走れば良いのかといった区切りについてはランの項目を参照のこと。
タイムド・アウト (Timed out (Law 31))
3分以内に前のウィケットが落ちてから(アウトになってから)次のバッツマンが準備し構えない時に、宣告される。これはアンパイアの試合進行義務 (Law 21.3) からくる。
ハンドルド・ザ・ボール (Handled the ball (Law 33))
怪我を防ぐためや守備にボールを返す時を除いて、バットを握らない状態でボールに触れた時に反則と見なされアウトとなる。
ヒット・ザ・ボール・トゥワイス (Hit the ball twice (Law 34))
意図的に投球を止めて打つような行為を防ぐもの。同時に守備側の送球を打ってしまうことも禁じている。ブロックやショットの際に流れの中で2度打ちした場合はこの限りでない。また打った後のボールがウィケットに向かって転がるまたは飛んでいる際に、ウィケットを守るために2度打ちすることは許されているが、この場合は走れなくなる(=得点できなくなる)。上記2項目はオブストラクティング・ザ・フィールド (Obstructing the field (Law 37)) にも密接に関わる。
ヒット・ウィケット (Hit wicket (Law 35))
守るはずのウィケットを自ら倒してもアウトとなる。ショットのために足を移動しウィケットに触れてもアウトになる。
LBW (Leg before wicket (Law 36))
バッツマンが足で、投球がウィケットに当たるのを防いだとされる場合にアウトにされる(細かい条件がある)
スタンプト (stumped (Law 39))
ノーボールでない投球に対してホッピングクリースの外でボールを空振り、または見逃し、そのままランを試みぬまま、ウィケットキーパーによって捕球したグラブでウィケットを倒された場合に、ランアウトではなく宣告されるアウト。スピンを打ちに前に出てミスショットした際によく見られる。キーパーの早技が鍵となる瞬間的なプレー。

通常は反則(Law 33・34・37)などは起こりにくいので、ボウルド、コート、ランアウト、スタンプト、LBWがアウトの中心となる。

なお、バッツマンが1点の得点も上げられずにアウトになる事をダック(Duck)と呼び、スコアカードの自身の得点欄にはアヒルのマークが記載され、テレビ中継でもその様に表示される。

ボウリング

 
ペースボウリングの投球フォーム

ボウリングは肘を曲げずに投球することを指す。クリケットにおいてはバッツマンに向かって投げることを指している。 助走を付けてよく、走り込みながら投げられる。この際、バッツマンに対して1バウンドしても良く、通常はノーバウンドより打たれにくい1バウンドを利用してバッツマンに投げ込む。このとき、打者から大きく外れ打たれなかった投球はワイド・ボール (Wide ball (Law 25))、肘曲げやオーバーステップなどの違反投球の場合はノー・ボール (No ball (Law 24)) といって、投球数にカウントされない。

空気抵抗を利用した変化球のほか、ワンバウンドでの投球もあるので、バウンド後の変化を利用する投球もある。

  • ペースボウリング
    • シームボウリング
    • スイングボウリング 速い投球が鋭く変化する
      • アウトスインガー 打者の体から遠ざかる。
      • インスインガー 打者の手元に食い込む。
    • スロワーボール
    • カッター 速めの投球で、バウンドが少し変化する
      • オフカット
      • レッグカット
  • スピンボウリング 遅い投球で、跳ね上がりが大きく変化する
    • フィンガースピン
      • オフブレーク
      • レフトアームオーソドックス
      • トップスピン
      • ドゥーズラ
      • アームボール
    • リストスピン
      • レッグブレーク
      • チャイナマン
      • トップスピン
      • グーグリー
      • スライダー
      • フリッパー
  • フルトス ノーバウンドの投げ方

また、投球スタイルにより、

  • ファストボウラー(本格派・速球投手)
  • スピナー(技巧派・変化球投手)

などの業種分けがなされる。

オーバー

1試合の中で、ボウラーが正規の投球を6球投げたところで1区切りとなる。この6球を1オーバーという。この中には、前述の通りワイド・ボール、ノーボールは含まれない。

オーバー数制限がある場合は打てる球数に実質制限があるため、出来る限りボールを打ちにいく必要がある(ルール上ではノー・ボールは際限なく打てるため、打てる球数は最大で無限になる)。逆にオーバー数制限がない場合はいくらでもボールを見逃すことができる。

休憩

試合中に、一定のオーバーが経過した場合、または時間が経った場合にはドリンクタイム、ティータイム、ランチタイムなどが入り試合を休憩する。詳細は試合形式により異なる。

例えば最も正式な試合形式であるテストマッチでは、1日に2時間のプレーを3回行い、プレーとプレーの間にお昼の時間(lunch time)40分とお茶の時間(tea time)20分が設定される。1日の流れとしては、まず午前中にプレーを行い、昼食を楽しんだ後再びプレーを行い、さらにアフタヌーン・ティーを楽しんだ後に再びプレーを行い終了となる。

午前11時に試合を開始した場合、午後6時ごろの終了となるが、インド亜大陸は季節による日の長さの差が少ないため、日没による影響なく試合を行うことができる。

選手や観客たちは休憩時間になると、炎暑を避けて日陰でランチョン敷物を広げ、ランチボックスやティーポットを使って飲食し、家族や友人たちとの歓談を楽しむ。

試合の終了

試合は規程のオーバー数またはアウト数により攻守を交代する。 そしてそれぞれバッティングによって得た得点により勝敗を決する。

先攻側が勝利したときは、得たラン数の差で勝敗を表す。たとえば1イニング制の試合で先攻チームが200ラン、後攻チームが190ランだった場合、先攻チームが「10ランで勝利」とされる。これに対し、後攻側が勝利したときは、残ったウィケットの数で表記する。たとえば1イニング制で先攻チームが200ラン獲得しており、後攻チームが逆転して201ランになったときはその場で後攻側の勝利となるが、この反撃中に4回ウィケットを落としていた場合(ウィケットは10本とされるため)後攻チームは「6ウィケットで勝利」とされる。

1イニングの試合(オーバー数制限あり)であれば、先攻チームによる逃げきりか後攻チームによる逆転で試合の終了が決まる。先攻チームは後攻チームをオールアウトにするか規程のオーバー数を使い切る中で得点を上回られなければ勝ちになる。逆に後攻チームは規程のオーバー数の中で、オールアウトにならずに先攻チームの得点を上回れば勝ちとなる。

2イニングの試合(オーバー数制限なし)であれば、そのまま逆転したとしてもゲームを続け、後攻チームのオールアウトをもって攻守を交代し、もう1イニングを行う。この際に、これ以上先攻チームor後攻チームが得点を必要としないと判断した場合はデクラレイション(Declaration、宣言)することができる。これは2イニング制において試合の時間制限はあれど、オーバー数制限がないために、試合時間以内に試合を終わらせるための手段である(試合が時間以内に終わらなければ、自動的に引き分けとなるが、大会により勝ち点などの細かいルールが規程されていることが多い)。また、同様の理由から、先攻チームが大量リード(100点以上の差など)して1イニング目が終わった際に、後攻チームに再度攻撃をさせる(先攻・後攻が入れ替わる)ことができる。これをフォロー・オン (follow-on) という。

試合の形式

なお、概略ではクリケット・ワールドカップルールの概要を説明したが、それ以外にもクリケットの国際大会には下記のようなさまざまな試合形式がある。近年、メディアの影響と人々のライフスタイルの変化により、所要時間の短い試合形式が徐々に支持を得てきており、短い時間でも十分楽しむことができるスポーツとなった。

テストマッチ
伝統的な国別対抗戦の試合形式。球数無制限の2イニング制を採用、1試合のリミットは無い。最大5日間で勝敗を決する。
ワン・デイ・インターナショナル (ODI)
ワールドカップ形式で行われる国別対抗戦。50オーバー(300球)限定1イニング制である。試合時間はおよそ6-7時間程度となる。
トゥエンティトゥエンティ (Twenty20)
2003年に登場した短時間で終わる試合形式。20オーバー(120球)限定1イニング制を採用、1試合2時間半程度で終了する。
T10
10オーバー(60球)限定。1試合90分程度で終了する。
シックス・ア・サイド(6-a-side)
6人制クリケット。5オーバー(30球)限定1イニング制で、1試合50分程度で終了する。

試合での服装

 
2005年に行われた南アフリカイギリスの試合(テストマッチ)。選手は伝統的な白い制服を着用している。黒いズボンを身に付けているのは審判である。

テスト・クリケットやアマチュアの試合では、伝統的な白のユニフォーム(白い襟付きのシャツ、白いズボン、帽子、気温の低いときはベストまたはセーターを着用することもある)に赤のボールを使用し競技を行うが、プロフェッショナルチームのワン・デイ・インターナショナルでは、着色されたユニフォームに白のボールを使用する。

近年では、国際試合でも、着色されたユニフォームを着用することもある。白いユニフォームの着用は、スポーツ競技として潔白を表す白色とともに、夏季に開催されるクリケットの試合で、日差しを避ける意味がある。

用具

 
ウィケットキーパーが使用するグローブ

主な用具は以下の通りである。

クリケットボール
クリケットをプレーするために使用される硬いボール。
クリケットバット
バッツマンが投球を打つために用いられる。
スタンプ
ウィケットを構成している3本の柱。
ベイル
ウィケットを構成しているスタンプ(3本の柱)の上に乗った横木2本。
ヘルメット
バッツマンやウィケットキーパー、バッツマンから近距離のポジションのいるフィールダーが安全確保のため着用する。
パッド
バッツマンやウィケットキーパーが安全確保のため着用する。
グローブ
バッツマンやウィケットキーパーが安全確保のため着用する。

女子クリケット

1745年にイギリス・ロンドン近郊のサリ―で初めて女子クリケットがプレーされたことが記録されている[29]。国際的に発展し始めたのは20世紀からであり、1934年にイングランドとオーストラリアの間で初めてナショナルチームのテストマッチが行われた[30]。その翌年にはニュージーランドも参加した。1958年には国際女子クリケット評議会(International Women's Cricket Council)が創設された。1973年には女子クリケット・ワールドカップがイングランドで初開催された。2020年現在の女子クリケット・ワールドカップの最多優勝国は6回のオーストラリアである。2005年には国際女子クリケット評議会が国際クリケット評議会(ICC)に吸収合併され、男女一体となる一つの統括団体となった。2015年10月1日からICCによって3つの形式による女子の世界ランキングが開始された。

統括団体

 
  正会員
  準会員(ODI形式に参戦可能)
  準会員
  元会員又は資格停止
  非会員

クリケットの国際競技連盟国際クリケット評議会(International Cricket Council, ICC)である。本部はアラブ首長国連邦ドバイにある。2020年現在の正会員の国・地域は12、準会員は92、合計の会員は104である[31]。正会員の国・地域は以下の通り。

国・地域 正会員加盟日[32]
  イングランド 1909年7月15日
  オーストラリア 1909年7月15日
  南アフリカ共和国 1909年7月15日
  インド 1926年5月31日
  西インド諸島 1926年5月31日
  ニュージーランド 1926年5月31日
  パキスタン 1952年7月28日
  スリランカ 1981年7月21日
  ジンバブエ 1992年7月6日
  バングラデシュ 2000年6月26日
  アイルランド 2017年6月22日
  アフガニスタン 2017年6月22日

国際大会

 
クリケット・ワールドカップトロフィー
クリケット・ワールドカップ
1975年に始まった4年に1度開催されるクリケットで最大の世界選手権大会。試合形式はワン・デイ・インターナショナル(ODI)。FIFAワールドカップ夏季オリンピックに次いで世界で3番目に視聴者数の多いスポーツイベント[7]。最多優勝チームは5回のオーストラリア。通算最多得点(ラン)を記録している選手はインドサチン・テンドルカール
ICC T20ワールドカップ
男子は2007年、女子は2009年に始まったトゥエンティ20形式の世界選手権大会。男子の最多優勝チームは2回の西インド諸島。女子の最多優勝チームは5回のオーストラリア。
ICCチャンピオンズトロフィー
1998年に始まった4年に1度開催されるODI形式の国際大会。ODI形式ではクリケット・ワールドカップに次ぐ重要な大会。最多優勝チームはオーストラリアとインド。
女子クリケット・ワールドカップ
1973年に始まった女子の世界選手権大会。近年は4年に1度開催される。最多優勝チームは6回のオーストラリア。
ICC U19クリケット・ワールドカップ
1988年に始まった2年に1度開催される19歳以下の世界選手権大会。試合形式はODI。最多優勝チームは4回のインド。
ICCテストチャンピオンシップ
2003年に始まった国際クリケット評議会に認定を受けた12のナショナルチームが参加をするテスト・クリケット形式の国際大会。

各国リーグ

ファーストクラス・クリケット

球数無制限の2イニング制を採用している伝統的なクリケットの形式を特に国内リーグでは(ファーストクラス・クリケット)(英語版)と呼ぶ。この形式のリーグでは(イングランド・ウェールズクリケット評議会)(ECB)が1890年から実施しているカウンティ・チャンピオンシップが有名である。オーストラリアでは1892年度に始まったシェフィールド・シールドという大会があり、インドでは1934年に始まった(ランジ・トロフィー)(英語版)という大会がある。

オーバー制限のある形式

伝統国を中心に世界に様々な大会がある。オーストラリアでは1969年度に始まった50オーバー制で行われるワン・デイ・カップがある。日本では2006年に始まった40オーバー制で行われる日本クリケットリーグがある[33]

トゥエンティ20

更に短時間で試合が終わる20オーバー制のトゥエンティ20形式が2003年に導入され、その後各国でプロリーグが新設された。インドのインディアン・プレミアリーグ(IPL)は世界最大規模のプロクリケットリーグである。

クリケット選手

代表的な選手

 
ヴィラット・コーリは世界最高の現役選手の一人である[34]

クリケットの長い歴史の中で最も偉大な選手の一人としてオーストラリアのドナルド・ブラッドマンが挙げられる。ブラッドマンは史上最高のクリケット選手と評され[35][36]ペレモハメド・アリ等と共に20世紀を代表するスポーツ選手の一人である[37][38]。インドのサチン・テンドルカールはクリケットの神様とも呼ばれ[39]、テスト形式とODI形式で歴代最多得点(ラン)を記録している。バルバドスガーフィールド・ソバーズは史上最高のオールラウンダーの一人であり、ジャック・ホッブスシェーン・ウォーンヴィヴ・リチャーズも20世紀のトップ5選手に選出されている[40]。19世紀を代表する選手はイングランドのW・G・グレースが挙げられる[41]。現役選手ではインドのヴィラット・コーリが代表的で、2010年代から世界最高選手の一人としてトップレベルの実力と圧倒的な人気を兼ね備えている[36]

世界最優秀選手賞

アマチュア・クリケット

 
テニスボール・クリケットを路上で行うインドの少年達

アマチュア向けの様々な形式のクリケットが世界各地で行われている。

  • (クラブ・クリケット)(英語版)
  • デクラレーション・クリケット
  • (ショートフォーム・クリケット)(英語版)
  • インドア・クリケット
  • (シングル・ウィケット・クリケット)(英語版)
  • (クイック・クリケット)(英語版)
  • (バックヤード・クリケット)(英語版)
  • ガーデン・クリケット
  • (フレンチ・クリケット)(英語版)
  • テニスボール・クリケット
  • (テープボール・クリケット)(英語版)
  • (キリキティ)(英語版)
  • (ヴィゴロ)(英語版)
  • (トロブリアンド・クリケット)(英語版)
  • (テーブル・クリケット)(英語版)

類似競技

野球

 
イギリス出身のヘンリー・チャドウィックはクリケットの知識を利用し、野球用のボックススコアや打率防御率などを考案したとされ、『野球の父』と呼ばれる。

野球は一見クリケットと似ており、投手が投げたボールを打者が打ち、打ったボールがフィールドを転がる間に打者が走って点を重ねるスポーツである。

クリケットは野球との相違も多く、代表的な点としては

  • 投手は助走を付けられるが、肘は伸ばして投げなくてはいけない。
  • 打者は投げられたボールがノーバウンドであろうと、ワンバウンドであろうと構わず打つ。
  • 打者は全方位どこに向かって打ってもよい。
  • 後ろに立つ3本の棒(ウィケット、三柱門と書かれている時がある)に投球が当たるとアウト。
    • 3ストライクなどではなく、ウィケットに1球でも投球が当たればアウト。
    • そのかわりアウトにならなければ、何球でも打者は打てる。
  • 打者はペアを組んで打撃し、投球をいくら見送っても良く、打って走らなくてもいい(但し、得点するためには走る)。

などの違いがある。

また、道具にも違いがあり、バットは棒形ではなく平たいオール型をし、グローブは捕手のみが着用を許され、両手に付けることができる。

その他

クリケットを扱った作品

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ クリケットではオーヴァル:oval とも呼ばれる
  2. ^ ボウラー(投手)が6球投げることを1オーバーと言う。1オーバーが終わると他のボウラーと交代する。

出典

  1. ^ a b c First global market research project unveils more than one billion cricket fans 国際クリケット評議会 2019年7月6日閲覧。
  2. ^ a b c d e 日本クリケット協会. “クリケットとは”. 2020年7月1日閲覧。
  3. ^ Lord's. “Laws - Laws of Cricket - Laws & Spirit”. 2012年7月24日閲覧。
  4. ^ ICC Global Map 国際クリケット評議会 2019年7月6日閲覧。
  5. ^ IPL only third-most popular cricket event in India, international competitions more favoured, survey reveals CNBC TV18 2019年7月6日閲覧。
  6. ^ ICC announce broadcast and digital distribution plans for ICC Men's Cricket World Cup 2019 国際クリケット評議会 2019年7月6日閲覧。
  7. ^ a b More money, more viewers and fewer runs in prospect for intriguing World Cup More money, more viewers and fewer runs in prospect for intriguing World Cup The Guardian 2019年7月15日閲覧。
  8. ^ 265 million playing football FIFA 2019年7月6日閲覧。
  9. ^ India constitutes 90 percent of one billion cricket fans: ICC research The Economic Times 2019年7月6日閲覧。
  10. ^ クリケットスタートアップ・キャンペーン 日本クリケット協会
  11. ^ “横浜スタジアムの歴史”. 横浜スタジアム公式サイト. 2020年6月24日閲覧。
  12. ^ US$1bn US T20 cricket league set to launch in 2021 SportsPro 2019年8月3日閲覧。
  13. ^ Cricket Set To Be Included In 2028 Los Angeles Olympics Forbes (2019年8月14日) 2019年10月2日閲覧
  14. ^ John Major, More Than A Game, HarperCollins, 2007
  15. ^ John Leach (2012年6月19日). “From Lads to Lord's”. 2012年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年7月24日閲覧。
  16. ^ John Leach (2012年6月19日). “From Lads to Lord's”. 2012年6月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年8月20日閲覧。 quotes the precise date of the court case in Guildford as Monday, 17 January 1597 (Julian date), which is in the Gregorian year of 1598.
  17. ^ Birley, p.3
  18. ^ Birley, op. cit.
  19. ^ Altham, p.21
  20. ^ Bowen, p.33
  21. ^ David Terry. “The Seventeenth Century Game of Cricket: A Reconstruction of the Game” (PDF). 2012年8月20日閲覧。
  22. ^ Gillmeister's theory is summarised in the introduction to the book The Language of Cricket by John Eddowes, (ISBN 1-85754-270-3).
  23. ^ David Underdown, Start of Play, Allen Lane, 2000, p.3
  24. ^ a b H S Altham, A History of Cricket, Volume 1 (to 1914), George Allen & Unwin, 1962, p.21
  25. ^ Timothy J McCann, Sussex Cricket in the Eighteenth Century, Sussex Record Society, 2004
  26. ^ “Don Bradman”. CricketArchive. 2012年8月20日閲覧。
  27. ^ National Museum of Australia. “The Australian Eleven: The first Australian team”. 2012年8月23日閲覧。
  28. ^ Neville Cardus. “Six giants of the Wisden century”. ESPN CricInfo. 2012年8月23日閲覧。
  29. ^ History of Cricket Early Cricket (Pre 1799) 国際クリケット評議会公式サイト 2020年6月29日閲覧。
  30. ^ History of Cricket 20th Century Cricket 国際クリケット評議会公式サイト 2020年6月29日閲覧。
  31. ^ About Our Members 国際クリケット評議会公式サイト 2020年6月26日現在。
  32. ^ List of full member nations under ICC CricTracker. 2020年6月26日閲覧。
  33. ^ 日本クリケットリーグ1部 日本クリケット協会. 2020年6月27日閲覧。
  34. ^ Players of the Decade: 2010-2019 Wisden. 2020年6月27日閲覧。
  35. ^ The Greatest Cricketer of All Time – your votes revealed! BBC. 2020年6月15日閲覧。
  36. ^ a b Kohli can be the best after Sir Don Bradman Hindustan Times. 2020年6月15日閲覧。
  37. ^ The Independent's 100 sportsmen and women of the 20th century The Independent. 2020年6月15日閲覧。
  38. ^ Pele tops sportsman of the century poll IOL. 2020年6月15日閲覧。
  39. ^ Sachin Tendulkar, India’s ‘God of Cricket,’ retires Washington Post 2019年7月6日閲覧。
  40. ^ BBC News | CRICKET | Widen's cricketers of the century BBC. 2020年6月20日閲覧。
  41. ^ WG Grace and Shane Warne in Wisden all-time World Test XI BBC. 2020年6月27日閲覧。
  42. ^ a b 『黒執事』第17巻 173頁2コマ目
  43. ^ インド版『巨人の星』:Suraj The Rising Starのサイト(英語)
  44. ^ 「インド版巨人の星」が放映 大リーグ養成ギプスも登場 (2012.12 MSN産経ニュース)

関連項目

外部リンク

公式

その他

  • Cricinfo - 世界最大のクリケット情報サイト(英語)
  • 『(クリケット)』 - コトバンク
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