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ガジュマル(学名:Ficus microcarpa、漢名:細葉榕、正榕、榕樹[注釈 1]、我樹丸)は、亜熱帯から熱帯地方に分布するクワ科イチジク属の常緑高木。
名称
ガジュマルの名の由来は、幹や気根の様子である「絡まる」姿が訛ったという説がある。ガジュマルの名は、沖縄の地方名だが、由来は不明である。中国植物名は「榕樹」である[1]。気根を多数伸ばした姿が雨降りのようなので、レインツリー(雨の木)の異名もある[2]。
分布
日本を含むアジア東南部の熱帯から亜熱帯地域に分布する[2]。日本では九州の屋久島と種子島以南、主に南西諸島などに分布する[2]。また小笠原諸島では植栽がなされている。観葉植物としては本州でも見ることがある。日本国外では台湾、中国南部やインドからオーストラリアなどにかけて自生している。
特徴
常緑広葉樹の高木で[2]、樹高は20メートル (m) 。実は鳥やコウモリなどの餌となり、糞に混ざった未消化の種子は土台となる低木や岩塊などの上で発芽する。幹は多数分岐して繁茂し、囲から褐色の気根を地面に向けて垂らす。垂れ下がった気根は、徐々に土台や自分の幹に複雑にからみつき派手な姿になっていく。気根は当初はごく細いが、太くなれば幹のように樹皮が発達する。地面に達すれば幹と区別が付かない。また、成長した気根は地面の舗装に使われているアスファルトやコンクリートなどを突き破る威力がある。こうした過程で、土台となる木は枯れていく(ガジュマルはいわゆる「絞め殺しの木」の一種である)。枝には輪状の節がある。葉は長楕円形または卵形、革質でやや厚く[2]、毛はない。イチジクのような花序((花嚢))は枝先につき、小さい。花嚢は(果嚢)となり、8月ごろに黄色または淡紅色に熟す[2]。
近縁種
ガジュマルを含むイチジク属は熱帯域を中心に世界で800種が生息する。日本では本州から南西諸島に16種ばかりが分布し、その中でガジュマルは葉が小さくて厚くつやがある点で、他に紛れる種がない。
利用
樹木は防風林、防潮樹、街路樹、生垣として、材は細工物として利用される。熱帯地域では、日陰を作る(公園樹)としてよく植えられる[2]。キクラゲの原木栽培にも利用される[3]。燃やした灰でつくった灰汁は、沖縄そばの麺の製造に用いられることもある。近年は観葉植物としても人気がある。観賞用に、中の枯れた木を取り除いて空洞状にした木も売られている。
沖縄県名護市にはひんぷん(屏風)ガジュマルと呼ばれる大木が目抜き通りの真ん中にあり、名物になっている。この屏風とは、門のところに建てて、中があけ広げにならないようにするものという意味で、もともとは風水の魔除けである。ひんぷんガジュマルはもとの街の入り口に立っていた。
ヨーロッパでは盆栽の木として使われている[要出典]。
栽培
観葉植物として幼木を鉢植えにして栽培される。日光を好む性質から、日当たりのよい場所に置いて育てられるが、夏場は強い日差しに当たると葉焼けを起こす場合もあるため、半日陰にするのが良いといわれる[4]。春から秋にかけて水やりと施肥を行い、湿度を保つため表土が乾くたびに多めに保水し、緩効性の肥料を2か月置き程度に与える[4]。
耐陰性があるが日光を好み、光量が不足すると徒長しやすい。熱帯の植物の中では耐寒性もあるが、降霜に耐えられるほどではない。良く成長した葉は近縁のインドゴムノキよりは小さいが、ベンジャミンより一回り大きい。
文化
伝承
沖縄県ではガジュマルの大木にはキジムナーという妖精のようなものが住んでいると伝えられる。
脚注
注釈
- ^ 「榕樹」はガジュマルの近縁種を含めた総称。「溶ける木」という意味であるが、他の木や障害物の間を縫って成長し、しなやかな気根を多く伸ばすなどして流体のような形状になることがあるため。