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ガイウス・マリウス(ラテン語: Gaius Marius, 紀元前109年/紀元前108年 - 紀元前82年)は、共和政ローマ後期の政務官。ガイウス・マリウス(大マリウス)の息子。父と区別して小マリウス(Marius Minor)とも。ルキウス・コルネリウス・スッラとの内戦で敗北、死亡した。
生涯
紀元前108年[注 1]、大マリウスとユリア・カエサリアの子として生まれる。法務官(マルクス・マリウス・グラティディアヌス)は父方の従兄弟、独裁官ガイウス・ユリウス・カエサルは母方の従兄弟[2]、執政官クィントゥス・ムキウス・スカエウォラ・アウグルは母方の祖父にあたる[3]。後に元老院議員ルキウス・リキニウス・クラッススの娘で、同じスカエウォラ・アウグルの孫にあたるルキニアと同族婚を結んでいる。他に幼馴染にティトゥス・ポンポニウス・アッティクスとマルクス・トゥッリウス・キケロがおり、キケロは父と同じアルピヌム出身でもある。
父の大マリウスはキンブリ・テウトニ戦争での歴史的な勝利によって民衆派の指導者として絶大な権力を持ち、小マリウスもその後継者として育てられた。支持者からは軍神マルスの子と持ち上げられたが[4]、実際には父に比べて戦向きの事は不得手であった。プルタルコスによれば小マリウスは美男子として知られており[5]、むしろ女神ウェヌスの子(「女たらし」という意味の隠語)と言われたという[4]。
紀元前88年、閥族派のスッラが執政官に選出された事に民衆派の護民官(プブリウス・スルピキウス・ルフス)が大マリウスを指導者にクーデターを起こし、民衆派と閥族派の内戦が発生した。小マリウスは内戦中にスッラ軍がローマを占領した際、父の命令で祖父スカエウォラの下に物資を取りに向かっているが、輸送に手間取って追手に捕らえられそうになり、やむなく単身でアフリカ属州に亡命している[3]。アフリカではかつて父がユグルタ戦争で戦ったヌミディア王国の(ヒエムプサル2世)に庇護されたが、しかし扱いとしては殆ど人質に近く宮殿から立ち去る事も許されなかった[5]。
小マリウスはヒエムプサル2世の妻を篭絡してヌミディアから逃れる手助けを受け、父と合流してケルキラ島に身を隠した[5]。紀元前87年、父がローマでスッラに反旗を翻した執政官ルキウス・コルネリウス・キンナから執政官代理に指名されると、マリウス父子はイタリアに上陸してローマを奪還した。大マリウスは閥族派や自身を裏切った民衆派議員への粛清を行い、7期目の執政官に選出された。紀元前86年、大マリウスが死去。後継者である小マリウスはまだ青年であった事からキンナが民衆派の指導者となったが、スッラ率いる閥族派との戦いは苦戦が続いた。
紀元前84年、キンナの死によって小マリウスが民衆派の指導者となった。軍事的経験やカリスマ性を持たなかった事から亡父の威光を楯に支持を獲得したと伝えられている。紀元前82年、若くして執政官に選出され、グナエウス・パピリウス・カルボ (紀元前85年の執政官)を同僚執政官とした。同年にローマに再度進軍するスッラ軍とサクリポルトゥスで相対したが敗れ、プラエネステへ退いて籠城した。スッラ軍のレガトゥス(総督代理)であったクィントゥス・ルクレティウス・オフェッラ(en)によってプラエネステは完全に包囲され、陥落を前にして自害した。小マリウスの自決後、プラエネステの男性市民が虐殺されたと伝わっている。
家系図
(カエサル1世 ) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(カエサル2世 ) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
大マリウス | (ユリア ) | 大カエサル | (アウレリア ) | (セクストゥス・ カエサル) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
小マリウス | (小コルネリア ) | ユリウス・カエサル | (小ユリア ) | (アティウス ) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
大ポンペイウス | ユリア・ カエサリス | (オクタウィウス ) | アティア | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(スクリボニア ) | アウグストゥス | リウィア・ ドルシッラ | クラウディウス・ ネロ | アントニウス | 小オクタウィア | 小マルケッルス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
アグリッパ | 大ユリア | ティベリウス | 大ドルスス | 小アントニア | 大アントニア | L・ドミティウス・ アヘノバルブス | 小マルケッラ | メッサリヌス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
大アグリッピナ | ゲルマニクス | クラウディウス | G・ドミティウス・ アヘノバルブス | ドミティア ・レピダ | バルバトゥス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(カエソニア ) | カリグラ | 小アグリッピナ | メッサリナ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ユリア・ ドルシッラ | ネロ | クラウディア・ オクタウィア | ブリタンニクス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||