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アニメソング

アニメソングは、主にアニメ作品で使用される主題歌挿入歌イメージソングなどの歌曲楽曲の総称。アニソンと略される。後述の通り音楽技法による分類ではない。

概要

アニメ (anime) と、歌、曲を意味するソング (song) を組み合わせた新語または造語の英語圏で使用されない和製英語レコードCDの販売や音楽配信において、主にアニメと分類されるジャンルの曲を指す。

アニメ作品で使用される主題歌・挿入歌・イメージソング以外にも、インスト曲やBGM、そしてゲームラジオドラマドラマCD特撮などの曲、さらには声優のオリジナル曲もアニメソングと称されることがある。例えば、日本コロムビアの該当カテゴリは 「アニメ・特撮」 である。また、特撮に限定した「特撮ソング(特ソン)」という呼称もある[1]


個別作品の楽曲に関しては、

を参照。

アニメソング歌手

かつてはアニメソングや特撮ソングを専門に歌う「アニメソング歌手」が表に出ることは少なかったが、「およげ!たいやきくん」のヒットで同曲を歌う子門真人が有名になり、子供番組の主題歌を歌う歌手が注目される頃から、少しずつテレビなどの露出も増えていった[2]

アニメソングを担当する声優

アニメ作品の主役級の担当声優になると、その作品の主題歌・挿入歌・イメージソングも任されることがあり、年々増加傾向にある[3]

アニメ音楽作曲家

制作会社

主題歌やサウンドトラックなど音源制作は、大手レコード会社(ポニーキャニオン、NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン、ブシロードミュージック等)で一括して自前で行っている作品も多いが、他社と分担する作品も増えている。

また、アニプレックス・SACRA MUSIC(ソニー・ミュージックエンタテインメント)、flying DOG(JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント)、エイベックス・ピクチャーズ(エイベックス)、キング・アミューズメント・クリエイティブ本部(キングレコード)、ランティス(バンダイナムコミュージックライブ)などのアニメ専門のレーベルや、ポニーキャニオンなどのレコード会社で制作している。

アニメソング史

1929年、同名の童謡をアニメ化したレコード・トーキーによる実験映画『黒ニャゴ』(1931年公開)が製作され、市販のレコードがサウンドトラックとして使用された[4]ことが始まりと言われている。同年には、同じく市販のレコードをサウンドトラックとして使用したレコード・トーキー『頓智奇珍 漫遊記 團子串助漫遊記』が製作されている[4]

東映動画が本格的に長編まんが映画を制作し始める以前、および東映動画の初期の作品では、アニメソングは主に登場人物によって歌唱される劇中歌の扱いが多かった。それらのアニメソングはレコードとして発売されることは少なく、ほとんどの曲は未発売である。東映動画の総天然色長編漫画映画の劇中歌は後にCD-BOX『東映長編アニメ音楽大全集』(1996年発売)に収録された。なお、主題歌はテレビ・ラジオドラマで主に使用されていた。

朝日ソノラマの『まんがソノシート』のヒット、連続テレビまんがの放映開始、主題歌フォノシートの各社競作発売、日本コロムビアの専用規格での参入から「まんがの歌(=アニメソング)」はほぼ成立し[5][6]、「テレビまんが」「まんが映画」から「アニメ」と呼称の変化を経て、「アニメソング」はジャンルとして確立した。

物品税の時代は童謡と判定されれば非課税であったため、アニメソングを『童謡扱い』とするレコード会社もあった。

作風史

主題歌映画音楽テレビ映画で存在していたが、日本のアニメにおいては1963年元旦に放送開始された「鉄腕アトム」が最初期とされており、本作にて本編前後に主題歌を付けたことをきっかけにオープニング・エンディングからなるアニメソングの基本的なフォーマットが成立した[7]童謡のように歌詞に主人公の活躍やストーリー展開を散りばめて作品イメージを連想させるスタイルは事実上のアニメソングの基本形となり、「トムとジェリー」など外国アニメの日本版主題歌や、2020年代現代までの子供向けアニメ特撮作品で継承されている。

黎明期のアニメ主題歌は、方法論が確立されていないこともあり作詞では詩人の谷川俊太郎や放送作家の前田武彦などの著名な文筆家、作曲では三木鶏郎小林亜星などの一般に知られる作曲家が手掛け童謡的な作風が中心となっており[7]児童合唱団、あるいは成人歌手(コーラス・グループを含む)や俳優が歌ったものが多かった[8]。1968年に流行歌手の石川進が歌う「オバケのQ太郎」、1969年に森本英世が歌う「行け!タイガーマスク」が作品の人気から200万枚以上のレコード売上を達成した。またヒーロー・ロボット・スポーツ系アニメでは軍歌調の勇ましい楽曲が中心となった[7]

1960年代末〜1970年代に入ると日本コロムビアが東映動画・タツノコプロ・東京ムービー等の主要アニメスタジオと関係を構築しいち早くレコードの制作体制を強化し、水木一郎堀江美都子大杉久美子などアニメ主題歌を活動の主体とするアニメソング歌手が登場[7]。主題歌以外の挿入歌やキャラクターの声優が歌唱したイメージソングを収録したLPアルバムやシングルレコードが企画・発売されるようになる。ささきいさおが歌う「宇宙戦艦ヤマト」が200万枚以上、「アルプスの少女ハイジ (アニメ)」の主題歌「おしえて(歌:伊集加代)」と「キャンディ・キャンディ(歌:堀江美都子)」がそれぞれ100万枚以上のレコード売上を達成した。1975年よりタイムボカンシリーズJVCケンウッド・ビクターエンタテインメントがアニメソングに注力するようになる。

1960年代から1970年代頃までは、同じ作曲家が主題歌とBGMの作曲をまとめて担当するケースが多く[9]、BGMには主題歌のアレンジ曲も多く含まれていた。渡辺宙明によると、作曲家として名前を覚えてもらうためには、歌とBGMの両方を担当し、長年にわたって数作品を担当するのが良いが、近年の作曲家は飛び飛びにやっていると述べている[10]。なお、渡辺の場合、先に書かれた詞に曲を付ける[11]が、「バンバラ」「ダンダン」などのスキャットを付加することもある[12][13]

製作会社の企画部(企画室)名義[14]、あるいは原作者か脚本担当者によって書かれたもの[15]も多く、主人公や技・武器の名称を連呼する歌詞が主流であり、番組名やキャラクター名がそのまま歌のタイトルになっていることが一般的だった。渡辺宙明は、特に主題歌は「番組の顔」として慎重に作る[11]が、「ハカイダーの歌」(『人造人間キカイダー』の挿入歌)などのように「キャラクターに助けられた」曲もあるという[11]

1979年8月に公開されたアニメーション映画の主題歌であるゴダイゴ銀河鉄道999」は、当時まだ珍しいニューミュージックな曲調やアーティストの人気もあり120万枚のレコード売上を達成した。

1980年代からはOVA作品の登場に伴いアニメソングの製作数が一段と増すこととなる[7]1981年10月から4年半放送された『うる星やつら』の主題歌「ラムのラブソング」は、作品の人気と当時流行していたテクノポップの曲調が相まってキャニオンレコードのアニメソングで初の50万枚を超えるレコード売上を達成。芸能事務所のキティグループがアニメーション製作も行い、作曲の小林泉美、歌手の松谷祐子ともにキティのアーティストであった。1983年にアニメの制作体制が変更してからはキティ主導で2クールごとにオープニング・エンディング曲と歌手の交代を行った。これによって同作の中心的な視聴者であるティーンエイジャーおたく層に向けて、キティが手掛けたアイドルやバンドの認知度向上とレコードの購買につながることを見い出し、後の「みゆき」や「タッチ」などでキティレコードとポニーキャニオンが自社所属の新人歌手で踏襲するようになる。

ラムのラブソング」以降のハイティーン向けのアニメ作品では、物語やキャラクターを連想させる歌詞はありながら、キャラクターの名前は含まず現代的なニューミュージック調、後にいうJ-POP志向の楽曲へ変化を遂げていく。この傾向は「愛をとりもどせ!!」や『シティーハンター』シリーズなどキティ・ポニーキャニオン以外の作品にも広がっていった。

「アニソン界の帝王」[16]と呼ばれる水木一郎は、自身の公式サイトにおいて、「アニメソングは世界に誇ることのできる日本固有の文化だ」[17]と述べている。水木によれば、アニメソングは、「いろいろなジャンルの音楽的要素は含まれているけど、何かの真似かというと、そうではない。それでいて、アニソン的な音というものが確実にある。まさにオリジナルなものなんです。」という[18]。また、「子供向け」という建前があるからこそ、「手を抜かず最高に贅沢な音楽」であるべきだと語る[18]タイアップなどによって、番組の内容とは必ずしも関係ない主題歌が増えたが、水木によると、たとえ主人公や武器の名前を連呼せずとも、「何を訴えたいか」が伝わってくる「魂」のこもった歌であればアニソンと呼べるという[16]。この他編集者・ミステリー作家の日下三蔵は、決まった定形が無くその時時の流行が反映され呼名や曲調・歌手も時代毎に変わり「アニメの歌」という一つの共通点で括られているだけのジャンルのため様々な曲の多様性が大きな魅力となっていると述べている[7]

商業史

朝日ソノラマの『まんがソノシート』のヒットから、「まんがの歌」の本格的な商品展開が始まり[5]、テレビまんがの登場、アニメブーム、声優ブームなどを経て、その規模を大きく広げている。

朝日ソノラマの『まんがソノシート』の安価で、ドラマや絵物語等の掲載された冊子が充実したフォノシート、音質に勝るが収録内容に劣るレコード、ともに子供たちに支持されて売り上げをのばす[6][注釈 1]

当初の音源は、本編用・レコード用等に分けて[19] 作品の製作会社や朝日ソノラマが製作していたが、やがてレコード会社がオリジナル曲の独占使用を目的として原盤製作を行うようになった[5]

1977年日本コロムビアから『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』、1978年キングレコードからオムニバス盤『ウルトラマン大百科』が発売され、ヒットした。『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』は以降のアニメ・特撮のサントラ盤『組曲シリーズ』の発売に、『ウルトラマン大百科』は『無敵超人ザンボット3』(1977年)のサントラ盤発売につながり、それらのヒットから以降の特撮・アニメサントラ盤の発売へと繋がった[20]。『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』などのヒットにより、購買層は中高生層まで広がり、多くのレコード会社がアニメソングに着目するようになったとされる[21][注釈 2](『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』を作った際に念頭にあったモデルは『子どものための交響詩 ジャングル大帝』であったといわれる)。木村英俊によると、1983年当時、アニメレコードの市場規模はざっと100億円とみられ、既に固定した市場が確立していた[23]

1980年代に入ると、第二次声優ブーム、青年層が中心のアニメブーム、レコード会社のタイアップ戦略などの結果、頻繁に交代する主題歌、キャラクター別CD、同人誌のようなセルフパロディCD、声優によるオリジナルCDの発売など、多数のオーディオビジュアルアイテムが発売されるようになった。また、限定盤を除いてレコード盤の製造・販売が終了した。以降、コレクターズアイテムとしてレコード盤は一部の作品のみの数量限定生産となった。

1987年、「絵の出るCD」としてCDビデオが発売された。アニメでは、音声トラックに既発売の曲を収録したほか、ビデオトラックにノンテロップOP、EDを収録した『きまぐれオレンジロード』、新作PVを収録した『バブルガムクライシス』のほか、ビデオトラックのみにPVと主題歌を収録した『毎日が日曜日』などが発売された。

1980年代まで主題歌の制作は、製作権を有するテレビ局・広告代理店やアニメ制作会社が懇意のレコード会社や音楽出版社に番組のイメージなどを共有し、配下のディレクターや作家が書き下ろすスタイルであったが、1993年にテレビ朝日ミュージックがテレビドラマの主題歌と同じ手法で「SLAM DUNK」の主題歌にビーイングがストックしていた「君が好きだと叫びたい」のタイアップを提案し採用された結果、アーティストのファンと原作・アニメファン双方で支持されて160万枚のCD売上を記録。これ以降、放送局系の音楽出版社が番組制作会社とレコード会社を取り持ち、楽曲制作の出資や仲介を積極的に行うようになった。

2000年代前半頃から、音楽配信サイトでのダウンロード販売が増え始めた。また、音楽配信サイトだけではなく、一部のアニメ関連サイトでも専用のダウンロードコーナーが設置されるようになった。

2001年、俗に「限定版商法」または「同梱商法」と呼ばれる販売手法が始まる。初回生産分のみに何らかの特典が付く商品[注釈 3] とは違い、何らかの特典が付いた初回限定版と、特典が最初から付いていない通常版がそれぞれ販売される[注釈 4] もので、当初は音楽ソフトとは全く関係のないグッズが同梱されていた[注釈 5] が、後にミュージッククリップなどが収録されたDVDソフトやボーナスCDが同梱されることが多くなった。DVDソフトの「限定版商法」では、当初はフィギュアなどのグッズを同梱することが多かったが、後に主題歌CD、ドラマCD、サントラCDなどが同梱されることが多くなった[注釈 6]

2002年DVDオーディオ、DVD music、DVDシングルなどのDVDを利用した音楽ソフトが発売された[注釈 7]

2010年、一部新番組の宣伝用としてOP/EDのTVサイズとボイスメッセージ等を収録したレンタル専用のサンプラーCDの発売が開始された[注釈 8]。レンタル専用なので一般販売はしていないが、レンタル落ちCDとして入手可能。

2011年頃から、パッケージ販売化されていない音源の音楽ダウンロードサイトでの販売が始まる[注釈 9]

2012年、パッケージ発売に先駆けてTVサイズ音源のダウンロード販売が始まる。

主な出来事

アニメソング番組

テレビ番組ラジオ番組でも、アニメソングを軸にした番組が放送されている。

アニメソングのライブイベント・フェスティバル

アニメソングのライブイベントとしては、特定の作品のイベントに付随する形でライブパートが設けられていたり、アニメソング歌手や声優によるライブ・コンサートが開催されるのがほとんどで、複数の作品ないし放送局や制作会社、レコードレーベルをまたがった形のイベントはアニメ紅白歌合戦などわずかに見られる程度であった。

2005年に始まったAnimelo Summer Live(アニサマ)が開催されると、アニメソングにおけるフェスティバル(アニソンフェス)が定着化、アニサマやそれ以前から開催しているANIME JAPAN FES(AJF)、アニサマ以後に開始したANIMAX MUSIXリスアニ! LIVEなど、大規模なアニソンフェスが開催されるようになり、中にはランティス祭りKING SUPER LIVEのようにレコード会社が単独開催するものも出ている。

また、アニメソングやアニメのBGMをオーケストラ編成に編曲し、実際に管弦楽団や交響楽団が演奏するコンサートイベントや、Re:animationなどのようにクラブで開催しアニメソングなどをリミックスした形でかけるダンスイベント(アニクラ)なども開催されている。

主なライブイベント

日本国外のアニメソング

アメリカ

ウォルト・ディズニー・カンパニーのアニメーション作品で、楽譜として発売されたオリジナル曲の第一号は、1930年の「(ミニーのユー・フー!(ミニーのヨー・ホー))」である[46]。この曲はミッキーマウスのテーマソングの一つである。

1931年キャブ・キャロウェイが歌った「(ミニー・ザ・ムーチャ)(英語版)」は、ラジオ放送によって全米で人気を呼び、さらに翌年の1932年フライシャー兄弟によるベティ・ブープ主演のアニメーション「(ベティの家出)(英語版)」の劇中歌として演奏されたこともあって、異例の大ヒットとなった。

1933年に公開された『三匹の子ぶた』の挿入歌「狼なんかこわくない」は大ヒットとなり[47]ディズニー初のヒットソング[48] として知られる。続いて1934年公開の『アリとキリギリス』主題歌の「ザ・ワールド・オウズ・ミー・ア・リビング (The World Owes Me A Living)」も大ヒットした[49]

1938年、前年公開の『白雪姫』のサウンドトラックアルバム『(白雪姫 オリジナル・サウンドトラック)(英語版)』が発売された。映画用に録音されたサウンドトラックがレコードとして発売されるのはこれが初である[50]

アーチーでなくちゃ!』のキャラクターによって結成された架空のバンド「アーチーズ」が、モンキーズらを手がけたドン・カーシュナーのプロデュースによって現実世界でもデビューし(実際にはスタジオ・ミュージシャンらによる歌唱)、1969年に「(シュガー・シュガー)(英語版)」が大ヒットした。

1994年に発売されたディズニーのアニメ映画『ライオン・キング』のサウンドトラック『ライオン・キング/オリジナルサウンドトラック』は、最も売れたアニメーション映画のサウンドトラックとしてギネス世界記録に認定されている[51]

韓国

韓国のアニメソング(歌詞のある主題歌)の歴史は、1967年、日韓共同制作のテレビアニメ『黄金バット』が日本と同じ30分枠で放送され、日本版の主題歌を韓国語訳したものが流されたことが本格的な始まりとされる[52]。それまで韓国で放送されていた『ポパイ』や『ウッドペッカー』などのアメリカ製アニメでは、演奏のみのオープニングテーマが使用されていたこともあった[53]。同じく1967年に公開された韓国初の長編アニメーション『洪吉童』(ホンギルトン、邦題『少年勇者ギルドン』)にも主題歌があった[54]

当初、韓国で放送される日本製アニメの主題歌は、日本版主題歌に韓国語歌詞を載せることもあれば、韓国独自に作曲した主題歌が使われることもあり様々であったが[注釈 15][55]1980年代に入ると多くの作品で韓国独自に作曲した主題歌が使われるようになった。以前日本版主題歌を使用して放送した作品でも、後の再放送では独自の主題歌が使われる場合もあった[56]

韓国製劇場版アニメーションにおいて、オリジナル・サウンドトラックがレコードとして発売されるのは1976年公開の『テコンV宇宙作戦』が初である[53]

1997年放送の韓国製テレビアニメ『(霊魂騎兵ラジェンカー(ラゼンカ))(朝鮮語版)』ではロックバンドの(N.EX.T)(朝鮮語版)が主題歌を担当した。アニメ自体は興行的に失敗したが、主題歌を収録したサウンドトラック盤は30万本を売り上げるヒットとなった[57]。この頃になると、日本製アニメの主題歌にも、韓国の人気歌手が歌う独自の主題歌が使われる例が現れる一方で、日本版主題歌に韓国語歌詞を載せたものも存在した。ビデオ販売やケーブルテレビでの放送では日本版主題歌を使用し、地上波の放送では独自の主題歌が使われた例もあった[58]

2006年には、OVA『(Re:キューティーハニー)』の主題歌として使われた倖田來未の「」[注釈 16]が、韓国においてアユミが日本語原詞に忠実な韓国語訳詞でカバーしヒットする[59][注釈 17]

フランス

フランスで放送される日本製アニメの主題歌は、日本版の主題歌にそのままフランス語歌詞を載せて歌う例が多く、『キャンディ・キャンディ』や『UFOロボ グレンダイザー』などが挙げられる。『UFOロボ グレンダイザー』は、後年の再放送では同じ菊池俊輔のメロディをもとに、シンセサイザーによる独自のアレンジを施した版も使われている。

イタリア

イタリアではいくつかの日本製アニメにおいて、日本版の主題歌がそのまま使われている。高い視聴率を得て今も多くのイタリア人が知る代表的なものは『鋼鉄ジーグ』である。一方で多くの主題歌はイタリア独自に作曲したものに差し替えられている。劇中のBGMはほとんどが日本のオリジナルのまま使われているが、『アルプスの少女ハイジ』は例外的にBGMもドイツ版が用いられており、近年ではアメリカ経由で配信された『スマイルプリキュア』がBGMを差し替えている。劇中で流れる挿入歌は、1990年代までの作品は日本語のまま流れることが少なからずある。

魔法の天使クリィミーマミ』は、オープニング曲こそ独自の楽曲が使用されているが、挿入歌として日本版の主題歌「デリケートに好きして」(イタリア語: Dimmi che mi ami teneramente)が、そのままのメロディかつタイトルもほぼそのままの訳で、イタリアのアニメソング歌手クリスティーナ・ダヴェーナによって歌われている。エンディング曲2種も同様に日本版の楽曲が使用されている。

クリスティーナ・ダヴェーナはイタリアのいわゆる「アニソン女王」であり、500曲以上のアニメ主題歌を歌っている。日本以外で制作されたアニメも若干含まれるが、ほとんどは日本製アニメである。多くはイタリア独自に作曲した主題歌であるが、中には日本版の主題歌をそのまま歌った例もある。『愛してナイト』でダヴェーナは主役やっこちゃん(リチアと改名)の声優を務め、またイタリアで独自に実写ドラマ化してその主役も演じ、大ブレイクした。これに端を発するダヴェーナの人気の高さから、以前別の主題歌で放送した番組でも、1980年代後半以降ダヴェーナが別の楽曲を歌ってそれに差し替えて再放送する例も多く見られる。(『ベルサイユのばら』、『おはよう! スパンク』、『キャプテン翼』など)。2020年現在55歳のダヴェーナは、1990年代(『美少女戦士セーラームーン』など)、2000年代(『東京ミュウミュウ』など)、2010年代(『ドラえもん』新版など)、現在にかけても多くのアニメソングを担当し、精力的に活動している。

2010年代以降のイタリアでの日本製アニメの放送は、オリジナルを重視して日本版の主題歌をそのままイタリア語訳して歌う傾向に回帰してきた。『美少女戦士セーラームーンCrystal』では女性歌手ユニット「ラッジ・フォトーニチ」(マジンガーZの必殺技「光子力ビーム」の意味)によって歌われ、ダヴェーナの次世代であるアニソン専門のユニットが頭角を表してきたことをイタリアのアニメファンに知らしめた。また同作品の「月虹」をはじめとするエンディング曲は全て日本語のままで放送された。他にも『遊戯王』、『妖怪ウォッチ』、『イナズマイレブン』などが、日本版の主題歌をそのままイタリア語訳で歌っている。『魔法少女まどか☆マギカ』はオープニング、エンディングとも日本語のままで放送された。

資料・参考文献

  • 「アニメ・ソング資料集」上・下・年鑑1:アニメソングうたう会・自費出版。1989年〜1992年。
  • 「特ソン超百科 -準備稿 - 」 アニメソングうたう会・自費出版。1987年刊
  • 「特ソン資料集」「致死量の毒」シリーズ 地球防衛群・自費出版
  • 「THE アニメソング」:木村英俊 著・角川書店1999年刊
  • 「THE ART OF 劇場アニメ70年史」 徳間書店・リスト制作委員会
  • 「THE ART OF TVアニメ25年史」 徳間書店・リスト制作委員会
  • 「アニソンバカ一代」 キムラケイサクK&Bパブリッシャーズ2010年刊(串田アキラ小林亜星山本正之インタビュー収録)
  • 玄武岩「越境するアニメソングの共同体 : 日本大衆文化をめぐる韓国の文化的アイデンティティとオリジナルへの欲望」、『国際広報メディア・観光学ジャーナル』No.18、北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院、2014年、25-47頁。(日本製アニメを中心とした韓国でのアニメソングの歴史)

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 1971年時点において、アニメ・特撮をはじめとした子供向けテレビ番組は、テレビ番組の中でも特に主題歌レコードの売り上げが好調な分野とされている[8]
  2. ^ ビクター音楽産業から発売されヒットした『超時空要塞マクロス』や『魔法のプリンセス ミンキーモモ』(第1作)の主題歌のシングル盤は子供ではなく大学生が主な購入層だったという[22]
  3. ^ 設定資料集付きでBOX仕様の『新世紀エヴァンゲリオン』サントラシリーズや林原めぐみの写真集付きアルバムなどが有名。再生産分(規格番号と価格は同じ)からは特典は付かない。
  4. ^ 別商品のため規格番号と価格はそれぞれ別。
  5. ^ 第一弾は恐らく『NOIR ORIGINAL SOUNDTRACK II』。トールケース仕様でマウスパッド付きの限定版の規格番号がVIZL-55(3200円)、特典の付かない通常版の規格番号がVICL-60738(2913円)。ちなみに『NOIR ORIGINAL SOUNDTRACK I』は初回生産分のみトールケース仕様でマウスパッド付き、再生産分からは特典なしのジュエルケースに入った通常仕様CD(規格番号も価格も同じ)だった。
  6. ^ 映像ソフトの初回生産分に特典として音楽ソフトが付く事はビデオカセットの時代からあった。
  7. ^ DVDオーディオの第一弾は『AKIRA』DTSバージョン、DVD musicの第一弾はChangin' My Lifeの「ETERNAL SNOW」(『満月をさがして』エンディング主題歌)
  8. ^ 第一弾は恐らく『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD
  9. ^ 例えば東京ムービーが発売元の子門真人版「王者!侍ジャイアンツ」フルサイズ音源など
  10. ^ 副題は「ウランちゃんとお茶の水博士」(再版では「ロボット・ランドの巻」)。規格番号は初版がB-61、1965年の再版がM-1。
  11. ^ 副題は「地球防衛隊の巻」。規格番号は初期版がB-67、1965年の再版がM-6。
  12. ^ これ以後もアニメソングのミリオンセラーは多数生まれている。
  13. ^ 前者はオリコンLPチャートで6週連続1位(1977年8月29日付〜10月3日付)、シングルもヒットした。後者は1976年12月13日付〜1977年末時点でオリコン「TVまんが・童謡部門」チャートで56週連続1位、その後も記録更新した。
  14. ^ ビルボードチャートでは世界初のアニメソングチャートとなる。
  15. ^ 1969年放送の『海底少年マリン』は米国版主題歌に韓国語歌詞を載せたものが使われた。
  16. ^ 前川陽子の「キューティーハニー」のカバー。
  17. ^ 韓国ではそれ以前に、1998年放送の『(キューティーハニーF)』の主題歌として原曲の「キューティーハニー」に韓国語の歌詞を載せたものが使われているが、こちらは歌詞の内容が原曲と異なっていた。

出典

  1. ^ #資料・参考文献節を参照。
  2. ^ 「子供番組の主題歌うたう “顔のない歌手”の売れっ子たち」『読売新聞』1976年3月16日付夕刊、7面。
  3. ^ 「新人で歌やイベントがNGなら仕事が難しい」変わりゆく声優の現状をプロが真剣討論 エキサイトレビュー 2015年5月11日、同12月1日閲覧。
  4. ^ a b c 神戸映画資料館 古典アニメーション(1960年代初頭まで) フィルムリスト、神戸映画資料館、2021年3⽉。
  5. ^ a b c 木村英俊『THE アニメソング』を参照。
  6. ^ a b 競作発売など当時の音盤事情に関しては「ウルトラマン大全集(講談社・1987年)」の「空想特撮シリーズ音盤目録」の項を参照。
  7. ^ a b c d e f 日下三蔵「アニメソング50年史概説」 - ドリカンからこむちゃへアニソン黄金伝説!!(扶桑社 2012年)
  8. ^ a b 「売れる売れるレコード 子ども向きのテレビ番組主題歌」『読売新聞』1971年7月15日付夕刊、7頁。
  9. ^ 渡辺宙明、菊池俊輔渡辺岳夫小川寛興ほか多数。
  10. ^ 渡辺宙明先生ロングインタビュー - プリキュア挿入歌特集・第五弾 CHUMEI CHRONICLE 2012年7月5日閲覧
  11. ^ a b c CHUMEI CHRONICLE - 渡辺宙明文筆館 インタビュー - メーキング・オブ・東映ヒーロー3 メカニカルヒーローの世界(講談社:1987) - アクション音楽の確立 CHUMEI CHRONICLE 2012年7月5日閲覧
  12. ^ 過去ログ 渡辺宙明コラム 2012年7月5日閲覧
  13. ^ 特撮では「秘密戦隊ゴレンジャー」(『秘密戦隊ゴレンジャー』の初代エンディングテーマ)が有名。
  14. ^ 東京ムービー企画部、日本サンライズ企画室など。
  15. ^ 石森章太郎藤川桂介井荻麟など。
  16. ^ a b アニソン界の帝王・水木一郎、40年間歌ってきたアニソン替え歌に「最初は抵抗がありました」 シネマトゥデイ 2012年3月29日付
  17. ^ 水木一郎 公式ホームページ「魂」
  18. ^ a b ナタリー Power Push 水木一郎 アニソン一筋40年! 「Z」のアニキが語る音楽論 2012年7月5日閲覧(2011年8月末頃の記事だが、日付なし)
  19. ^ 『TVサイズ!メタルヒーロー全主題歌集』(2002年)解説書を参照。
  20. ^ 『アニメ大好き!』(徳間書店)1982年、149頁参照。
  21. ^ 「アニメ・レコード戦線に“異変”あり!!」『アニメージュ』1980年4月号、142-146頁。
  22. ^ ポストメディア編集部(編)『マクロス音楽の全軌跡 1982-2018 ――歴代アーチスト/クリエイター証言集』一迅社、2018年、244頁。(ISBN 978-4-7580-1607-0)。
  23. ^ 「アニメ戦国時代接近──春休み空前大作3本(ニュースの周辺)」『日本経済新聞』1983年3月31日付夕刊、3頁。
  24. ^ a b 『別冊ゲッカヨ 昭和アニソン大全集』シンコーミュージックエンタテイメント、2013年、4頁。(ISBN 978-4-401-63772-0)。
  25. ^ たいやきくんプロフィール
  26. ^ アニメソング25年史、木村英俊、ジーベック音楽出版、90頁。
  27. ^ 『歌い継がれる名曲案内 音楽教科書掲載作品10000』日本アソシエイツ、2011年、540頁、827頁。(ISBN 978-4816922916)。
  28. ^ 平緒佐和「アニメソングと音楽教科書」『音夢 : わらべ館童謡・唱歌研究情報誌』第7号、わらべ館、2012年、43-46頁。NAID 40019665789
  29. ^ 『コンフィデンス年鑑』1978年版、97頁。
  30. ^ 『オリコン・ウィーク The Ichiban』2001年1月1・8日号(第23巻第1号、通巻1079号)オリコン(現:オリコン・エンタテインメント)、46頁。(2000年8月28日付現在の情報)
  31. ^
  32. ^ 2003年JASRAC賞 「千と千尋の神隠しBGM」が金賞を受賞、日本音楽著作権協会。
  33. ^ アニメ専門のiモード向け着メロサイト「アニメロミックス」、インプレス、2003年8月4日。
  34. ^ ソニーミュージック アニメ音楽専門サイトオープン、アニメ!アニメ!、2005年5月24日。
  35. ^ 角川 アニメ音楽のダウンロードサイトオープン(12/22)、アニメ!アニメ!、2005年12月22日。
  36. ^ 2007年JASRAC賞 「ハウルの動く城BGM」が金賞を受賞、日本音楽著作権協会。
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関連項目

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