概要
九州最西端および、鉄道事業法に基づく普通鉄道における日本最西端の駅であり、「本土」を北海道・本州・四国・九州の四島とした場合には本土最西端の駅である。
2003年、沖縄県那覇市に沖縄都市モノレール線(軌道法準拠路線)が開業したことで、同線の那覇空港駅が「日本最西端の駅」を名乗ることとなった。ただし、松浦鉄道及び地元の平戸市では、現在でもたびら平戸口駅を「(普通鉄軌道方式で、全国の各駅とレールでつながっているものでは)日本最西端の駅」であるとしており、当駅到着前の車内放送でもそのように案内されている[1]。駅前には地元平戸市出身の作曲家藤浦洸の揮毫による「日本最西端の駅」の碑がそのまま存置されているほか、2015年(平成27年)には松浦鉄道が当駅の愛称として「日本最西端の駅」を公式に採用するなど、「最西端」の称号は現在も沿線地域の活性化のために積極的に活用されている[2]。
鉄道の通じていない平戸島の最寄駅であるため、(旧)平戸市ではなく北松浦郡田平町(開業当時は南田平村)にありながら「平戸口駅」として開業した。1988年に松浦鉄道が発足すると、田平町の中心部にあることから翌1989年に「たびら平戸口駅」に改称された。その後、2005年10月1日に田平町が平戸市ほか2町村と対等合併して(新)平戸市となったため、この駅も平戸市内に含まれることになった[3]。
歴史
- 1935年(昭和10年)8月6日:国鉄伊万里線平戸口駅として開業[4]。
- 1945年(昭和20年)3月1日:松浦線に路線名称変更。
- 1962年(昭和37年):「日本最西端の駅」の記念碑が駅前に建立される。(前年4月の昭和天皇巡幸を記念)
- 1974年(昭和49年)10月1日:貨物営業を廃止[4]。
- 1984年(昭和59年)2月1日:荷物扱い廃止[4]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により九州旅客鉄道松浦線の「平戸口駅」となる[4]。
- 1988年(昭和63年)4月1日:第三セクター松浦鉄道への転換により、松浦鉄道西九州線の駅となる[4]。
- 1989年(平成元年)3月11日:たびら平戸口駅に改称される[4]。
- 2002年(平成14年)11月18日:全国豊かな海づくり大会臨席のため長崎県を訪問した天皇・皇后が当駅からお召し列車に乗車。これに先だって駅設備の整備が行われ、構内踏切階段の補修や改札ラッチの一部撤去などが行われた。
- 2015年(平成27年)5月11日:駅愛称が「日本最西端の駅」に決まる[2]。
駅構造
単式1面1線と島式1面2線の複式3線ホームを持つ地上駅である。単式ホームが1番のりば、島式ホームが2・3番のりばとなっており、構内踏切で連絡している。なお、営業時間内(9:00 - 18:00)は観光客の案内とカーブ上に位置している構内の安全確保のため、駅員が列車発着時にホーム上で放送案内を行う。
のりば
- 備考
- 旧最西端としての駅は当駅であるが、線路上の最西端地点は当駅からやや佐世保寄りのカーブの所にある。
- 2番のりばは上下線共有となっているが、一部の列車しか使用しない。
- 夜間停泊は1番・3番のりばにて行う。
- 日中営業の売店がある。不定休。
- トイレは駅舎の外にある。
- 駅舎・ホームに関する画像
駅舎内(2010年8月、待合室を兼ねる)
改札口(2007年10月、ホーム側から)
ホーム(2007年10月)
- 「日本最西端の駅」に関する画像
「日本最西端の駅」の碑(2007年2月)
日本最西端の駅を示す看板(2019年1月)
駅名標(2019年1月、「日本最西端の駅」という字がある)
鉄道資料館
駅舎の一部が鉄道資料館となっており、営業時間内は無料で見学できる。
- 主な展示物
駅舎内にある資料館の入口(2019年1月)
セラ2206号(2015年8月)
利用状況
1日の平均乗車人員は以下の通りである。
乗車人員推移 | |
---|---|
年度 | 1日平均人数 |
1998 | 181 |
1999 | 202 |
2000 | 208 |
2001 | 202 |
2002 | 171 |
2003 | 147 |
2004 | 138 |
2005 | 158 |
2006 | 124 |
2007 | 142 |
2008 | 112 |
2009 | 130 |
2010 | 116 |
駅周辺
駅周辺は平戸市田平町の中心地である。平戸島へは、駅から約500m先に田平港があるが現在は平戸への定期航路はなく、平戸大橋(国道383号)を経由してのアクセスとなる。
バス路線
平戸市中心部へは西肥自動車(西肥バス)の「(平戸桟橋)」行きのバスがある。駅すぐ前の「平戸口駅」バス停か国道204号に下りた「平戸口駅前」バス停が近いがどちらも本数は少なく、田平港そばの「(平戸口桟橋)」の方が利便性が高い。
- 平戸口駅バス停 - 駅すぐ前
<平戸島方面>
- 平戸口駅 - 平戸口駅前 - 平戸口桟橋 - (平戸桟橋) (1日1往復のみ)
- 平戸口駅前バス停 - 駅から徒歩約2分、国道204号上
<松浦方面>
<平戸島方面>
- 平戸口駅前 - 平戸口桟橋 - 平戸桟橋
- 平戸口桟橋ターミナル - 駅から徒歩約7分、田平港そば
- →(田平港#バス路線) の項を参照
位置情報
- 北緯33度21分45秒 東経129度34分57秒 / 北緯33.36250度 東経129.58250度
- 平戸[南東] - 地理院地図
- たびら平戸口駅 - Google マップ
隣の駅
脚注
- ^ なお、鉄道事業法に基づく索道路線を含めた場合、沖縄県宮古島市の観光用チェアリフト「ザ シギラリフト オーシャンスカイ」(2015年営業開始)が最も西に位置する。沖縄県の鉄道も参照。
- ^ a b (PDF)(プレスリリース)松浦鉄道、2015年5月11日。 オリジナルの2019年3月6日時点におけるアーカイブ2021年2月13日閲覧。 。
- ^ 類似例としては、兵庫県の篠山(旧篠山町)への最寄駅である篠山口駅(旧丹南町)が旧多紀郡4町の合併により丹波篠山市内の駅となっている。
- ^ a b c d e f 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』JTB、1998年、732頁。ISBN (978-4-533-02980-6)。