Г, г は、キリル文字のひとつ。ギリシャ文字のΓ(ガンマ)に由来する文字で、ラテン文字のC・Gと同系の文字であり、Gに相当する。又、対応するグラゴル文字はⰃ (グラゴーリ)である。
由来
ギリシア文字の Γ γ(ガンマ)に由来する。ガンマは古ギリシア語で[g]と発音され、新ギリシア語で[γ]あるいは[ʝ]と発音された。ガンマはフェニキア語の𐤂(ギメル)に起源を持つ。
呼称
音素
原則として[g]を表す。
アルファベット上の位置
Гに関わる諸事項
- 特に古い時代のロシア語では外来語の「H」や[ɦ]の音をГで表記することが多かった。最近ではХを使うことが多いが、借用時期が古いものであれば現代でもГが使われている。(例:герой (英雄), Йокогама(横浜)→現代ではЙокохамаやЯкохамаの方が一般的。現代発音はいずれもヤコハーマ)
- ロシア語のегоやогоという表記は、語末に来るとГが[v]の発音になることが多い。語末でなくても、сегодня(今日)のように複合語に由来する特殊なものがある。
- ロシア語のмягкий, лёгкийとその派生語とбогでは[x]で発音される。
- ウクライナ語で[g]を表すにはҐを用いる。日常的には[g]と[ɦ]の発音は区別されずに使用されることもある。表記の際も、Ґの代わりにГを代わりに用いられることも珍しくない。
- ウクライナ語訛りのロシア語でも[ɦ]を表す。
- ウクライナの通貨 フリヴニャ(гривня)の通貨記号(₴)に用いられる。略称は「грн.」
- アゼルバイジャン語のラテン文字表記では Q に対応する。
符号位置
大文字 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 小文字 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 備考 |
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Г | U+0413 | 1-7-4 | Г Г | г | U+0433 | 1-7-52 | г г |
関連項目
参考文献
- (ウクライナ語) Сучасна українська мова / О. Д. Понаморів, В. В. Різун та ін.; За ред. О. Д. Понаморева. — 2-ге вид., перероб. — К.: Либідь, 2001.(O・ポノマリーウ編『現代ウクライナ語』第2版、キエフ、2001)