齊藤 一郎(さいとう いちろう、1969年生まれ)は、日本のクラシック音楽の指揮者[1]。
現在、セントラル愛知交響楽団首席客演指揮者(2014年4月から)。2015年より越前おおのブランド大使。これまでにセントラル愛知交響楽団常任指揮者(2009-2014)、京都フィルハーモニー室内合奏団音楽監督(2014-2019)を務めた。
古典、現代曲、映画音楽、吹奏楽まで幅広いレパートリーを持ち、CD録音、放送、メディア出演も数多い。
文化庁による「文化芸術による子供育成推進事業」など、子供たちがオーケストラ音楽を楽しめるような公演も大切にしている。
その活動は第9回(名古屋音楽ペンクラブ賞)受賞(2014)、第15回佐川吉男音楽賞奨励賞(2016)などで評価されている。
文筆にも定評があり、定期的に「NHK俳句」にゲスト出演し、月刊「なごや」にエッセイ「コンダクター齊藤の誌上の音楽会」を連載している。
人物・来歴
千葉県木更津市に生まれ、父の故郷である福井県大野市で育つ。東京学芸大学、及び東京藝術大学音楽学部指揮科卒業[2]。
指揮を伊藤栄一、遠藤雅古、岩城宏之、若杉弘、(湯浅勇治)、佐渡裕、パブレ・デシュパイ、レオポルド・ハーガー、エルビン・アッツェルの各氏に師事。
東京藝術大学在学中に安宅賞受賞。1998年より文化庁新進芸術家海外研修員としてウィーン派遣。
帰国後、2000年より2004年までNHK交響楽団アシスタントコンダクターを務め、ヴォルフガング・サヴァリッシュ、ヘルベルト・ブロムシュテット、エフゲニー・スヴェトラーノフ各氏らの薫陶を受けた。
1997年のデビュー以来、国内外の主要オーケストラに客演を重ね、2002年N響デビュー。2003年関西フィルハーモニー管弦楽団で定期公演に初登場。
2005年にはスロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団の定期に客演、同楽団の来日公演を指揮する。
2008年、ピアソラのオラトリオ《若き民衆》日本初演を指揮(主催:東京オペラシティ文化財団)した。
2005年、2006年、2013年と、全日本吹奏楽コンクール 課題曲の参考演奏録音の指揮(東京佼成ウインドオーケストラ)した。
これまでに、サントリー音楽財団コンサート「TRANSMUSIC 対話する作曲家 江村哲二〜脳科学者 茂木健一郎を迎えて」(2007年)、第81回日本音楽コンクール・ヴァイオリン部門の指揮(2013年)、伊福部昭百年紀(2014年)、宗次エンジェルヴァイオリンコンクール《本選》(2015年)、渡辺宙明ヒーローオーケストラ(2018年)、実況パワフルプロ野球 25周年記念コンサート(2019年)、ディズニーオンクラシック(2020年)、JOCオリンピックコンサート(2020年)、ヨコハマ・ポップス・オーケストラ(2021年)など、数々の公演を成功に導いた。
公開収録の指揮では、NHKシンフォニーコンサート、題名のない音楽会にも出演している。
シネマコンサートでは、「チャップリン・ライヴシネマ」(2005年~、京都市交響楽団)を皮切りに、「パイレーツ・オブ・カリビアン」(2017年~)、「ホーム・アローン in コンサート」(2018年)、「ジョーズinコンサート」(2019年)、「ジョン・ウィリアムズ・ウインドオーケストラ」(2020年)、「バック・トゥ・ザ・フューチャー in コンサート」(2021年、2022年)「E.T. in コンサート」(2022年)など、この分野を牽引する指揮者として高い評価を受けている。
主な初演作品
江村哲二:語りとオーケストラのための可能無限への頌詩
北爪道夫:サイド・バイ・サイド~室内オーケストラ版(改訂初演)
木下正道:問いと炎Ⅱ~リコーダー・チェロとオーケストラの為の
佐原詩音:箏とピアノ、弦楽オーケストラのためのコナコナ蝶々(改訂初演)
鈴木治行:室内オーケストラのためのGyrocompass【回転羅針盤】
高橋悠治:苦艾
林光:北寿老仙をいたむ(遺作)
水野みか子:レオダマイア~筝と尺八のために
野平一郎:ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための三重協奏曲、2つの顔-ヴァイオリンとサクソフォンのための二重協奏曲
黛敏郎:セレナード・ファンタスティック
山本和智:3つの箏と室内オーケストラのための《散乱系》ほか
主な日本初演作品
ピアソラ:オラトリオ《若き民衆》
グバイドゥーリナ:ピアノ協奏曲《入祭唱》
脚注
- ^ https://ichirosaito.b-sheet.jp/biography/
- ^ 指揮者 齊藤一郎のマネジメント契約開始のお知らせ
外部リンク
- マネジメント:スリーシェルズ
- 大野市:大野ブランド大使