略歴
3歳からヴァイオリンを、4歳よりピアノを始める。中学校の時にホルンを始め、15歳より伊藤泰世らに師事。神奈川県立茅ケ崎北陵高等学校[2]入学と共に作曲法、指揮法を学ぶ。1987年東京藝術大学音楽学部入学[1]。ホルンを守山光三、千葉馨らに、室内楽をアンリエット・ピュイグ=ロジェらに、指揮法を佐藤功太郎に師事。
1991年(平成3年)に京都フランス音楽アカデミー講師として訪日していた(ジョルジュ・バルボトゥ)から強く留学を勧められたことがきっかけで、翌年フランス政府給費留学生として渡仏[3]、パリのエコールノルマル音楽院へ入学[1]し彼に師事、第6課程を一年で修了した後、1993年にパリ国立高等音楽院のアンドレ・カザレのクラスへ入学。
1996年にパリ国立高等音楽院を卒業し、エコールノルマル音楽院のジョルジュ・バルボトゥのクラスに戻る。翌年コンサートプレイヤー課程を修了し卒業。1999年にパリ国立高等音楽院大学院の室内楽科へ入学[1]、モーリス・ブルグのもとで勉強する。2001年にパリ国立高等音楽院大学院修了。2003年国立音楽院教員国家試験に合格。
活動
大学院在学中の2000年にパリ聖ウスタッシュ教会ニューイヤーコンサートに於いてジャン・ギユーのオルガン伴奏でソリストとしてデビュー。2003年にはパリ国際文化週間からの委嘱により作曲家としてもデビューした。
現在、ホルン奏者としての活動の傍ら、フランス・カシャン国立音楽院ホルン科、室内楽科の教授、並びに学生オーケストラの指揮者として後進の指導にあたる他、編曲家としてもパリ・オペラ座[4]、アンサンブル・ジュスティニアーナ等からの委嘱を受けるなどして、活動。
室内楽奏者としてヨーロッパ各地を始め、南米、イスラエル等の音楽祭へ頻繁に出演する他、クラシック音楽専用チャンネル《MEZZO》等にも数多く出演している。
2012年2月にはパリ・アテネ劇場に於いて笈田ヨシ演出、本人による編曲でシューベルトの『冬の旅』の舞台版を指揮[5]、(Les Échos紙)、Libération紙などの主要な批評家から注目された[6]。同年11月には国立オペラカンパニー《ラ・ペニッシュ・オペラ》の『ヘンゼルとグレーテル』の編曲を手がけると共に指揮を行い、ル・モンド紙等で絶賛される[7]。
2013年には自ら主宰するアンサンブル・ムジカ・ニゲラを率いてナント市のラ・フォル・ジュルネ並びに日本各地のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 「熱狂の日」音楽祭に登場[8]、自らの編曲による歌劇カルメンやラヴェル、プーランク等の作品を指揮した。またホルン奏者としても同音楽祭でフランスを代表する室内楽団《トリオ・ヴァンデレール》と共にケクランの未発表の作品《ラメント》を日本の聴衆に披露した。
演奏活動の傍ら、2005年から2015年までカシャン国立音楽学校で教鞭をとり、2017年に愛知県立芸術大学で2か月にわたり外国人客員教授として招聘された後、2018年ボルドー国立地方音楽院教授に就任。
楽団
- すべて現在関わっているもの
- 2004年 - ペレアス室内管弦楽団 首席
- 2004年 - グルノーブル・ルーヴル宮音楽隊首席
- 2005年 - ポワトゥーシャラント管弦楽団 首席
- 2006年 - ムジカ・ニゲラ国際音楽祭 芸術監督[9]。
- 2010年 - アンサンブル・ムジカ・ニゲラ 音楽監督
受賞歴
- 1992年(平成4年) 東京文化会館 金管新人演奏会 入選
- 1993年 エコールノルマル音楽院 最高位ホルン演奏ディプロマ、審査員特別賞 受賞
- 1996年 パリ国立高等音楽院 満場一致の一等賞 受賞
- 1997年 エコールノルマル音楽院 ピアノ教育課程ディプロマ 受賞
- 1997年 エコールノルマル音楽院 最高位コンサートプレイヤーディプロマ、審査員特別賞 受賞
- 1999年 トゥーロン国際音楽コンクール 入賞[10]
- 1999年 トレヴー国際ホルンコンクール 第3位受賞[10]
- 2000年 イタリア『金の樫国際コンクール』 第2位受賞
- 2003年 マルセイユ国際木管五重奏コンクール『アンリ・トマジ』第2位受賞
- 2003年 ローマ国際音楽 トーナメント作曲部門[1]特別賞受賞
主なCDならびにDVD作品
- ポワトゥーシャラント管弦楽団との作品 指揮:ジャン=フランソワ・エッセール
- 「ファリャ『恋は魔術師』」
- 「ベルク『室内協奏曲』」
- 「テオドール・デュボワ『協奏曲集』」
- グルノーブル・ルーヴル宮音楽隊との作品 指揮:マルク・ミンコフスキ
- コンパニー・レ・ブリガンとの作品 指揮:バンジャマン・レヴィ
- 「モーリス・イヴァン『君の口』」
- 「オッフェンバッハ『オックス博士』」
- それ以外のオーケストラとのもの
- 「ドニゼッティ『リタ、もしくは殴られ亭主』」 根本雄伯(指揮)
- 「マルク=オリヴィエ・デュパン『ナナ』」 マルク=オリヴィエ・デュパン(指揮)
主な作品
- 「吹奏楽のためのブラジル風スーザ」
- 1988年 四芸祭委嘱作品
- 「ユーフォニアムとオーケストラのための三つの歌」
- 1989年 石橋美奈子(ユーフォニアム)
- 「テューバとオーケストラのための絵画的小協奏曲」
- 1989年 柏田良典(テューバ)
- 「テューバ、琴とパーカッションのための《影の無い樹》」
- 1990年 札幌テューバ・ユーフォニアム国際会議委嘱作品
- 「フルートとハープのための《受胎告知》」
- 2002年 サブリナ・マルフィ(フルート/パリ・オペラ座管弦楽団ソリスト)、マリー・ノルマン(ハープ/ギャルド・レピュブリケーヌ管弦楽団ソリスト)
- 「クラリネット、チェロとピアノのための《中原中也の三つの詩》」
- 2003年 パリ外国文化週間委嘱作品
- 「児童合唱、チェロとパーカッションのための《鉢かつぎ姫》」
- 2006年 アンサンブル・ジュスティニアーナ委嘱作品
- 「メゾソプラノとアンサンブルのための《艶かしい墓場》」
- 2010年 ムジカニゲラ音楽祭委嘱作品
- 「メゾソプラノ、児童合唱とオーケストラのための《東風が樹々に囁いたのは》」
- 2010年 ブザンソン管弦楽団委嘱作品
脚注
- ^ a b c d “Takénori Némoto • 根本雄伯 - Accueil”. 根本雄伯. 2019年5月28日閲覧。
- ^ “県立茅ケ崎北陵(4) - 神奈川 - 地域”. 朝日新聞デジタル. 2019年5月28日閲覧。
- ^ 在日フランス大使館発行旧フランス政府給費留学生名簿 2003年3月31日
- ^ Simon Corley. “Der Mond”. 2010年10月6日閲覧。
- ^ Athénée, Théâtre Louis-Jouvet. “Voyage d'hiver”. 2012年3月11日閲覧。
- ^ Revue de presse. “On en parle”. 2014年3月1日閲覧。
- ^ Pierre Gervasoni. “Hänsel et Gretel, deux ados égarés en banlieue”. 2014年3月1日閲覧。
- ^ ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン. “根本雄伯”. 2014年3月1日閲覧。
- ^ パ・ドゥ・カレ県議会. “Musica Nigella, festival de musique de chambre et lyrique dans le Montreuillois”. 2010年5月4日閲覧。
- ^ a b 福澤守 「根本雄伯、フランスで活躍する日本人ホルン奏者」パイパーズ244号 2001年12月
外部リンク
- 根本雄伯
- ポワトゥーシャラント管弦楽団
- グルノーブル・ルーヴル宮音楽隊
- 根本雄柏ブログ
- ムジカニゲラ音楽祭
- アンサンブル・ムジカニゲラ