ソラマメ属(Vicia)はマメ亜科に属する属の一つ。アジア・ヨーロッパ・アフリカ原産の140種ほどの草本があり、日本には11種ほど自生する。ソラマメや(ナンテンハギ)のように直立するものと、ヤハズエンドウやスズメノエンドウ(いわゆるノエンドウ類)などのようにつる性のものがある。
葉は偶数羽状複葉で先端に小突起があり、つる性の種では突起は巻きひげになる。小型の托葉があり、ここに蜜腺のあるものもある。茎は角張ったものが多い。花は蝶形花で、色は白、赤、紫、青など。
近縁の属にはエンドウ属やレンリソウ属(スイートピー、ハマエンドウ等)などがあり、ソラマメ連(Vicieae)としてまとめられる。
利用
栽培種としては、世界的に食用とされるソラマメが代表的。牧草あるいは緑肥にされるものもあるが、人間も食べることができ、古くはソラマメ以外にも食用に栽培されたものがある。ただし毒性のある種もある(ソラマメでも一部の人に毒性を示す場合がある:ソラマメ中毒を参照)。
主な種
日本には次のような種が自生する[1]。
- (ツルフジバカマ) Vicia amoena Fisch.
- (ノハラクサフジ) Vicia amurensis Oett.
- (ホソバノエンドウ) Vicia angustipinnata Nakai
- (ミヤマタニワタシ) Vicia bifolia Nakai
- (トウエンドウ) Vicia bungei Ohwi
- (チョウセンエビラフジ) Vicia chosenensis Ohwi
- クサフジ Vicia cracca L.
- ソラマメ Vicia faba L.
- (ツガルフジ) Vicia fauriei Franch.
- (キバナカラスノエンドウ) Vicia grandiflora Scop.
- スズメノエンドウ Vicia hirsuta (L.) Gray
- (ヒロハクサフジ) Vicia japonica A.Gray
- (ヒナカラスノエンドウ) Vicia lathyroides L.
- (オニカラスノエンドウ) Vicia lutea L.
- (アレチノエンドウ) Vicia monantha Retz.
- (タチノエンドウ) Vicia multicaulis Ledeb.
- (ヨツバハギ) Vicia nipponica Matsum.
- (オオバクサフジ) Vicia pseudo-orobus Fisch. & C.A.Mey.
- オオヤハズエンドウ(ザートウィッケン) Vicia sativa
- ヤハズエンドウ(カラスノエンドウ) Vicia sativa subsp. nigra
- (イブキノエンドウ) Vicia sepium L.
- カスマグサ Vicia tetrasperma (L.) Schreb.
- (ナンテンハギ) Vicia unijuga A.Br.
- (エビラフジ) Vicia venosa var. cuspidata
脚注
- ^ TSUYUZAKI Shiro. “Vicia L. (ソラマメ) in Japan”. 2015年4月13日閲覧。