VRChat(VRチャット)はGraham GaylorとJesse Joudreyによって開発され、アメリカ合衆国の企業であるVRChat Inc.によって運営が行われているソーシャルVRプラットフォームである[1]。
ジャンル | (MMO) |
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対応機種 |
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開発元 | VRChat Inc. |
発売元 | VRChat Inc. |
デザイナー |
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人数 | 多人数 |
発売日 |
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最新評価版 | 2022.4.1(ビルド番号: 1258)/ 2022年11月3日 |
対象年齢 | 13歳以上 |
必要環境 |
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エンジン | Unity |
現在は早期アクセス版[2]とされ、Steam[2]またはOculus Store[3]にて無料でダウンロードできる。Oculus Rift、 HTC Vive等対応したバーチャル・リアリティヘッドセットを使用してプレイすることが出来る。また、バーチャル・リアリティヘッドセットを利用しないデスクトップ版で遊ぶことも可能である[4][5]。
VRChatは2014年1月16日にOculus DK1開発キットに対応したスタンドアロンアプリケーションとしてMicrosoft Windows向けにリリースされ、2017年2月1日にはSteamの早期アクセスプログラムを介してリリースされた。Oculus Rift、Oculus Rift S、Oculus QuestはOculus Store経由でサポートされ、その他にHTC Vive、HTC Vive Pro、Valve Indexをサポートしている[6]。
概要
名前に「VR」が含まれているが、必ずしもVR機器を所有している必要は無い。
VR機器を持っていないプレイヤーのためにデスクトップ版も用意されているがアバターの手足を自由に動かすことができないなどの制限がある[7]。
バーチャル・リアリティヘッドセットとハンドコントローラー[6]を所持していれば顔と手を動かすことも可能になる。追加でトラッカーをプレイヤーの腰に一つか腰と両足合計三か所に装着することでプレイヤーの全身の動きをアバターに反映させるフルボディートラッキングを使用することが出来る[8]。
また、VRChatと並行して開発されたSDK[9]を使って、プレイヤーが購入したり作成したモデルをインポートしてVRChat内で自身のアバターとして使用したり、ゲーム内のワールドを作成して他プレイヤーとVRChatを通して共有することも可能である。
アバター
VRChatでは、自分が操作するアバターを予め用意された物から選ぶことが出来るが、一定以上のトラストランク(詳細は後述)になるとUnityとVRCSDK[9]を利用してプレイヤー自身が用意した3Dモデルをアップロード[10]することができ、それを自由に扱う事が出来る[11]。
自分で用意する場合には、Unityに標準で備わっている物の一部とVRCSDK[9]に同梱された物、Unityの公式(Asset Store)で配布されている物の一部など、許可されたコンポーネント[12]のみを使用したものである必要がある。自分で3Dモデルを製作しなくても他人が作成し配布・販売しているものを利用することが出来るが、利用者本人にその意思はなくとも他の配信者などの商用映像や配信などへの映り込みにより、(商用利用)と見なされる場合があるため必ず(利用規約)を読み、商用利用やその他の禁止事項に違反する恐れが無いか確認してから利用するよう呼びかけられている[11]。
また、基本的にペデスタル(不特定多数のプレイヤーがモデルをアバターとして使用可能な形式)での使用は二次配布としてみなされ禁止されているため、モデルデータの扱い方にも細心の注意を払う事が必要である[11]。
VRChat SDK
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SDK2とSDK3にはそれぞれ同じプロジェクトにインポートできず互換性がないとしている[13]。
また、2022年8月には「VRChat Creator Companion」というアバター・ワールド制作用コンパニオンソフトが正式に公開され、以後このソフトを通し、後述するSDK,Udonをダウンロードする形となった。[14]
SDK2
過去に使われていたSDKである。
SDK2でのワールド作成では、プログラミングによる処理の追加が行えないため、VRC_triggerなどの限られたコンポーネントやシェーダーなどを使って疑似的に製作者が行いたい処理を実装していた。
SDK3 World および SDK3 Avatar
SDK3では、ワールド用のものとアバター用のものが分けられた。
SDK3でのワールド作成では、新機能としてUdonなどが使えるようになり、SDK2が使われていた時に比べプログラムが容易に実装可能になった。それにより製作者の自由度が増し、現在も更新によってさまざまな機能が増えている。
Udon
SDK3に付属するVRChat専用のビジュアルプログラミング言語である。
プログラミングで実行する処理を、ヌードルと呼ばれる白い線でつなげることによってプログラムを作ることができる[15]。
また、有志が開発していた、UdonをC#ベースでプログラミングが行えるアドオン「UdonSharp」が、「VRChat Creator Companion」の公開と同時に公式に統合され、コードベースのプログラミングがサポートされるようになった。これは前述したソフトを通して導入することが出来る[14]。
トラストランク
VRChatでは全プレイヤーにそのプレイヤーの信頼度に応じてトラストランク(Trust rank)が付与される。上位のものからTrusted User、Known User、User、New User、Visitor となっている。その他に、迷惑行為を繰り返した者に付与されるNuisanceと、VRChatの社員が使用するVRChat Team がある[16]。
このランクはプレイヤーのプレイ時間、訪れたワールドの数、フレンドの数、インスタンスからキックされた回数など様々な情報を総合的に評価して付与され、昇格や降格がされる[16]。
それぞれのトラストランクはプレイヤーの詳細画面で確認する事が出来る。Trusted User は紫、Known User は橙、 User は緑、 New User は青、 Visitor は灰である。また、Trusted UserとKnown Userのみプレイヤー自身の判断でトラストランクの表示をUserと同じ緑に切り替える事が出来る[16]。
トラストランクを昇格させるに応じて、機能が開放されたり、セーフティシステムによるアバター非表示等の制限がされにくくなるというメリットが存在する。[16]アバターのアップロードは New User 、ワールドのアップロードは User から開放される。
インスタンス
プレイヤー同士が直接会うことができる部屋となるものがインスタンス(instance)である。全てのプレイヤーがインスタンスを作成できる。他インスタンスに出現させたポータルや、オーナー(インスタンスを作成した者)や条件を満たしたフレンドからの招待や、条件を満たしたフレンドのユーザー詳細の画面から参加出来る。また、招待を受けていなくても、条件を満たしたフレンドに招待を送ってもらうよう要求する事が出来る。
インスタンスには参加できるプレイヤーの範囲によっていくつかの段階に分けられている。
Public
全てのプレイヤーが参加できるインスタンス。
Friends+
インスタンスのオーナー(インスタンスを作成した者)のフレンドでオーナーと同一インスタンスに居る時、そのフレンドのフレンドも参加可能なインスタンス。
Friends
オーナーのフレンドのみが参加できるインスタンス。
Invite+
オーナーからの招待とそれと同一インスタンスに居るプレイヤーに送られた参加申請(Req Invite)に対する承認でのみ参加出来るインスタンス。
Invite Only
オーナーからの招待でのみ参加できるインスタンス。
セキュアインスタンス
インスタンスには内部的にIDが割り振られており、そのIDが分かっている状況下[注釈 1]においては、Friendsインスタンスへフレンド以外が参加することができていた。2022年7月25日、開発チームはこれらは混乱や悪用を招くとして、ワールド作成時のルールを強制するセキュアインスタンス(SI)のオプションを選択可能にする機能を導入することを発表し、翌日7月26日に実装された。以降、SIを有効にしたFriendsインスタンスへはオーナーのフレンド以外のユーザは如何なる場合も参加できなくなり、またインスタンスの移動に用いるポータルを出現させた場合にもオーナーのフレンド以外のユーザには見えなくなるように仕様が変更された。[17]。
資金源
VRChat Inc.は2014年に現在はVRChat Inc.のCEOであるGraham Gaylorと、VRChat Inc.のCTOであるJesse Joudreyによって起業された[1]。
VRChatへの出資にはRothenberg VenturesやGVR Fund、HTC、Brighstone VC、WS Investment Company、Makers Fundなどが参加している[18]。
2016年120万ドル(約1億3,000万円)を調達[19]。2017年にHTCの主導で400万ドル(約4億5,000万円)の資金を調達した[20]。2019年には1000万ドル(約10億円)の資金を調達した[18]。 2021年にはAnthos Capitalのリードで8,000万ドル(約80億円)の資金調達。
歴史
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2014年
- VRChat Inc. 設立[21]。
- Oculus DK1開発キット対応のアプリケーションとしてリリース[要出典]。
- THE PROTO AWARDSのBest Social Experience部門とMost Innovative部門の候補にVRChatが選出[22]。
2015年
2016年
2017年
- Steamで早期アクセス版としてリリース開始[25]。
- HTCにより400万ドルの資金を調達[20]。
- VRChatの総インストール数が11月末(約12万)から1ヶ月間で倍以上(約27万)に増加[26]。
- Unity 5.6へアップグレード[27]。
- VRChat Hub更新[28]。
2018年
- VRChat公式ブログで上の素行の悪いユーザーへの対処についての公開書簡を発表[29]。
- 1月14日、VRChat同時接続ユーザー数2万人達成[30]。
- 1月18日、VRChat総インストール数200万を達成[31]。
- 2月22日、VRChat総インストール数300万を達成[32]。
- アップデートによりカメラ機能が実装[33]。
- セキュリティーアップデートによりWeb Panel廃止[34]。
- オンラインステータス、フレンドグループ分け機能追加[35]。
- Unity 2017.4へアップグレード[36]。
- VRタイムズスクエアワールドで大晦日イベントを開催[37]。
2019年
2020年
- VRChat Hub バレンタインアップデート[40]。
- VRChat Hub 聖パトリックの日アップデート[41]。
- Unity 2018へアップグレード[42]。
- VRCSDK3 Udon(VRChat独自のプログラミング言語) α版公開[43][44]。
- 第4回VR Awardが完全にVRChat上で開催[45]。
- Avatar 3.0リリース、VRCSDK3がアバター用とワールド用に分離[46]。
- VRChatをVRモード使用ユーザーが全体の約52%に達する[47]。
- プレミアムメンバーシップ(VRChat Plus)を開始[48]。
2021年
2022年
- Avatars OSC(Open SoundControl)公開[50]。
- 7月26日、不正な改造クライアントへの対策としてEasy Anti-Cheatを導入したほか、セキュアインスタンスを導入するセキュリティアップデートが実施された[51]。
- 8月30日、「VRChat Creator Companion」が公開[14]。
脚注
- ^ a b “Filing For VRCHAT INC.PDF/A1 Document”. 2020年10月28日閲覧。
- ^ a b “Steam : VRChat”. 2018年12月15日閲覧。
- ^ “VRChat : Oculus”. 2018年12月15日閲覧。
- ^ “VRchat 日本wiki”. VRchat 日本wiki. 2020年11月29日閲覧。
- ^ https://www.vrchat.net/
- ^ a b “Controls” (英語). VRChat. 2020年10月13日閲覧。
- ^ “Keyboard and Mouse” (英語). VRChat. 2020年10月13日閲覧。
- ^ “Full-Body Tracking” (英語). VRChat. 2020年10月13日閲覧。
- ^ a b c “Setting up the SDK”. 2018年12月15日閲覧。
- ^ “Creating Your First Avatar”. 2018年12月15日閲覧。
- ^ a b c “Creating Your First Avatar” (英語). VRChat. 2020年10月14日閲覧。
- ^ “Whitelisted Avatar Components”. 2018年12月15日閲覧。
- ^ a b “Choosing your SDK” (英語). VRChat. 2022年1月13日閲覧。
- ^ a b c “The VRChat Creator Companion is Now Live!” (英語). VRChat. 2022年11月18日閲覧。
- ^ https://docs.vrchat.com/docs/what-is-udon
- ^ a b c d “VRChat Safety and Trust System” (英語). VRChat. 2020年10月12日閲覧。
- ^ “The VRChat Security Update” (英語). VRChat. 2022年7月30日閲覧。
- ^ a b c ASCII. “ソーシャルVRアプリ開発元のVRChatが10億円を調達”. 週刊アスキー. 2020年10月12日閲覧。
- ^ a b “VRで世界中と交流できる『VRChat』120万ドルの資金調達 | Mogura VR”. MoguraVR (2016年10月6日). 2020年10月12日閲覧。
- ^ a b Hamilton, Ian. “VRChat Raises $4 Million Round Led By HTC” (英語). UploadVR. 2020年10月12日閲覧。
- ^ “VRChat|STARTUP DB(スタートアップデータベース)”. STARTUP DB|スタートアップデータベース. 2021年8月30日閲覧。
- ^ Lang, Ben (2014年9月16日). “Proto Awards Nominees Are In, Thomas Middleditch of HBO's 'Silicon Valley' to Host Ceremony” (英語). Road to VR. 2021年8月30日閲覧。
- ^ Lang, Ben (2015年8月25日). “Proto Awards Nominees Announced, Jonah Ray to Host September Award Ceremony in Hollywood” (英語). Road to VR. 2021年8月30日閲覧。
- ^ (日本語) VRChat Promo2021年8月30日閲覧。
- ^ “VRChat 0.11.5” (英語). VRChat. 2021年8月30日閲覧。
- ^ “VRChat -”. SteamSpy - All the data about Steam games. 2021年8月30日閲覧。
- ^ “VRChat 0.12.0” (英語). VRChat. 2021年8月30日閲覧。
- ^ “VRChat-Steamニュースハブ”. store.steampowered.com. 2021年8月30日閲覧。
- ^ VRChat (2018年1月10日). “An open letter to our community” (英語). Medium. 2021年8月30日閲覧。
- ^ “VRChat · AppID: 438100” (英語). SteamDB. 2021年8月30日閲覧。
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- ^ “VRChat 2018.1.1” (英語). VRChat. 2021年9月15日閲覧。
- ^ VRChat (2018年8月17日). “Security Update: Web Panels” (英語). Medium. 2021年8月30日閲覧。
- ^ “VRChat 2018.2.3” (英語). VRChat. 2021年9月13日閲覧。
- ^ “New Unity Features since 5.6”. Google Docs. 2021年8月30日閲覧。
- ^ Lang, Ben (2018年12月31日). “'High Fidelity', 'VRChat', & 'AltspaceVR' Hosting Virtual New Year's Eve Celebrations” (英語). Road to VR. 2021年8月30日閲覧。
- ^ “Oculus Questの「VRChat」”. Oculus. 2021年8月30日閲覧。
- ^ Tupper (2019年10月2日). “VRChat Spookality 2019” (英語). Medium. 2021年8月30日閲覧。
- ^ “VRChat-Steamニュースハブ”. store.steampowered.com. 2021年8月30日閲覧。
- ^ “VRChat-Steamニュースハブ”. store.steampowered.com. 2021年8月30日閲覧。
- ^ “VRChat 2020.1.1” (英語). VRChat. 2021年8月30日閲覧。
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- ^ Tupper (2020年4月1日). “Introducing VRChat Udon: Unlocking Coding for Creators” (英語). Medium. 2021年8月30日閲覧。
- ^ Hayden, Scott (2020年6月11日). “Fourth Annual VR Awards to be Held in 'VRChat' This Year” (英語). Road to VR. 2021年8月30日閲覧。
- ^ Tupper (2020年8月7日). “Introducing Avatars 3.0” (英語). Medium. 2021年8月30日閲覧。
- ^ “「VRChat」の同時接続ユーザー数が24,000人に到達、過去最多に VRデバイス使用率も上昇 | Mogura VR”. MoguraVR (2020年11月5日). 2021年10月9日閲覧。
- ^ (日本語) VRChat Plus Early Supporter Launch2021年8月30日閲覧。
- ^ “VRChat-VRChat 2021.3.2 - The Unity 2019 Upgrade!-Steamニュース”. store.steampowered.com (2021年8月4日). 2021年8月30日閲覧。
- ^ “VRChat OSC for Avatars” (英語). VRChat. 2022年2月25日閲覧。
- ^ “The VRChat Security Update” (英語). VRChat. 2022年7月30日閲覧。
注釈
- ^ VRChatのWebサイトからインスタンスを作成した場合などはそのインスタンスを立ち上げるためのURLを発行することができ、そのURLパラメータにIDが含まれている。
関連項目
外部リンク
- 公式ウェブサイト (英語)
- VRChat (@VRChat) - Twitter
- VRChat Status (@VRChat_status) - Twitter
- (VRChat) - Steam
- Medium (英語)
- canny.io (英語)
- The VRChat Documentation Hub (英語)